-海沿いの丘-
「きれいでね、安倍さん。」
「うん、そうだね、なっちの生まれた所もこんなんだったべさ。」
高橋愛と安倍なつみは、2人で海辺の丘に来ていた。
パトロールが終わってから、一息ついていたのだ。
「星もきれいだで。やっぱわだしの生まれたとこよりは見えにくいけどさ。」
「なっちのところは、工業都市だからやっぱりこんなもんかなぁ・・・。」
2人は自分達の故郷の話にはなをさかせていた。
ふと安倍が口笛を吹き始めた。
静かなそして少しもの哀しいメロディで。
「きれいな曲だども、どこで習っただか?」
「うん・・・これはね、なっちの親友の教えてくれた曲なんだ。」
「その人どうしてるだ?今」
「・・・もうこの世にはいないべ。・・・ゼティマに殺された」
「・・・そうだっただか・・・お父さんと一緒だ・・・」
2人はそっと目を閉じた。今は亡き人達を思い出すかのように。
そして、安倍は高橋に聞こえることのない小さな声でつぶやいた。
「福ちゃん・・・なっちは元気にしてるべよ。」
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:02/09/15 23:48 ID:VlOIlOV3
ID記念カキコ
その時、カブトローの無線機が鳴り響いた。
慌てて2人はバイクのところに向かう。
「はい、こちらなっちたべ。」
「なっちか!裕子や。はよ、研究所に戻ってきて!辻と加護が大変なんや!」
「それで、どうしてもあんたの力がいるんや。頼んだで!」
「うん、分かったべさ。これから愛ちゃんとそっちに戻るベ」
安倍と高橋は、急ぎバイクを加護生化学研究所へと走らせた。