第26話「-輝きと究極-・・・新たなる希望!」
-加護生化学研究所-
辻と加護を連れた飯田と紺野が帰還したのは、わずか3分後の事だった。
中澤達は、無線を聞いてからすぐに研究所へ向かったが、それでもその到着は、
飯田達よりも若干遅れる事となった・・・。
飯田と紺野に抱かれた煤まみれで眠っているように動かない辻と加護を見た時、
中澤は言い知れない絶望に襲われた。しかし、こうしていられなかった。
急ぎライフスタージへと辻と加護を運ぶ。
もうしかしたらもう助からないかもしれない・・・それでも、希望があるなら・・・
眠るような2人を見つめならが中澤達はそう願った。
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名無し:02/09/14 02:22 ID:V8ANy01M
ライフステージに着くと、早速最新のMRIに2人をかける。
しかし・・・2人はやはり・・・死んでいた。
ただ、1つだけ・・・脳細胞だけが体内に装備された緊急時用の装置の
おかげで生きながらいる事だけが救いだった・・。
「ということは、2人は生きてるってことだよね?」
飯田が中澤に尋ねる。
「・・・せやけど、死んでるに等しい状態や。このままほっといたら、
後数時間のうちに・・・・」
中澤は言葉を止めた。そして、ゆっくりと言葉を続ける。
「・・・確実に、死んでしまうで・・・。」
「しかも、加護博士のいない今・・・うちらにできる事はあらへん。」
「?!なんとか、なんとかならにのゆうちゃん!」
矢口が中澤の胸倉を掴んで揺する。
「うちかて・・・なんとかしたいわ!せやけど・・・無理なんや・・・」
「ここまで傷ついてしもたら・・・うちらの力じゃ治しようがあらへん」
中澤が涙声になりながら、俯く。
「・・・そんな、そんなことって・・・」
石黒も声を詰まらせる。
「嘘だよね・・・このまま見殺しにしろなんて・・・。」
圭も顔を覆う。
「・・・」
ひとみも目を閉じたままうなだれる。
「・・・こんな時なんにもできないなんて・・・」
梨華が声をつまらせたまま、ひとみの胸に顔を埋めた・・・。
だが、圭織と紺野だけはまだあきらめてはいなかった。
まだ脳が生きているなら、なにか方法があるはずだ・・・。
2人の中に1つの疑問が起きるのに時間はかからなかった。
「ねぇ、ゆうちゃん。辻ってさ、確か1回死んだんだよね?」
「確か、加護さんも・・・。」
「・・・せや、加護博士が辻を改造して蘇らしてんや。」
「それがどないしたんや?・・・うちらが加護博士みたいにはできへんのに」
「ねぇ、その時、どうやって辻は生き返ったの?」
「・・・そやな、確か電機ショックを何回も与えてもろたとか・・・」
そこまで言って中澤は、はっとする。
「・・・せや、もしかしたら・・・もう一回電機ショックを与えたら」
「改造された人工臓器が蘇生するやもしれん!」
「そうだよ!それだよ。なんで気づかなかったんだろう?」
石黒もはっとしたように顔を上げる。
「せやけど、そんな電気発生さすのにどうやったらええね?」
「あ、それだったら私のエレキハンドで・・・」
「あほ!そんな3憶ボルトも浴びせたら、逆に死んでまうわ!」
加護生化学研究所の発電機を用いれば、もちろん高圧電流は作れる。
しかし・・・2人分となるとそれは難しい問題だった。
「圭織のエレキハンドのエネルギーを分割するのもかなり難しい作業やし」
「後数時間では、そこまではできへん・・・」
結局すべてが振り出しに戻ったかと思ったその瞬間!
「・・・ゆうちゃん、あの子は?あの子ならきっとそれできるよ!」
矢口が声を弾ませる。
「あの子?・・・ああ、なっちか!」
安倍なつみこと、電機人間仮面ライダーストロンガー・・・。