仮面ライダーののV3

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519名無し1号
-中澤家-
このところ、ゼティマの動きもなく数週間が経っていた。
しかし、全員が安心しきっているわけではない。
ゼティマがいかに恐ろしくしぶとい組織であるかという事を、
全員がよく知っていたからである。
だから、こういう時もパトロールはかかさない。全員がそれぞれの担当区域に
出向いていた。
520名無し1号:02/07/10 00:39 ID:j+kkZ/YW
そして、家の中には、中澤と石黒だけが残っていた。
「ゆうちゃん、正直思うんだけどさ・・・」
「うん?なんやの彩っぺ」
中澤と石黒はキッチンで全員分の食事の準備をしていた。
この食事が1番の中澤家での頭の痛いところであった。
メンバーが増えてから、エンゲル係数はうなぎ登りだったからだ。
だが、加護博士の遺産や、自分達の蓄えでなんとかやりくりはしていた。
また、真里やひとみ、梨華は時間を見つけてはバイトに出てくれてもいた。
さらに、稲葉のおかげでFBIから資金援助の許可も申請中ではあるが。

「あのさ・・・正直、最近私嫌な予感がしてるんだよね」
「嫌な予感?なんやのいったい?」
「辻を改造したのは加護博士だよね?確か」
「ああ、そうや。それがどないかしたんか?」
「・・・ということは、仮面ライダーを造る技術って大分前からあったって
ことでしょう?」
「そういう事になるやろな。おそらくゼティマにおる頃に理論や技術は完成
しとったやろ、きっと。」
「それでね、ゆうちゃん。私が言った嫌な予感っていうのはね・・・」
「・・・ゼティマが完璧な仮面ライダーを造れたら・・・どうなるんだろうって。」
石黒は真っ直ぐに中澤の目を見詰めた。
その目には明らかに不安の色が映っていた。
521名無し1号:02/07/10 00:55 ID:j+kkZ/YW
「ゼティマがか?まぁ、そんな事はあらへんやろう。」
「でも・・・」
「だって、考えてもみい。そんなん造れるんやったらとっくの昔に
出てこなおかしいやん。つまりは、造れんいうこっちゃ。」
「そうかなぁ?」
「そうやて、心配しすぎやで彩っぺ。まだ時間あるさかいちょっと
休んだらどうや?疲れとるからいろいろと考えてしまうんやで。」
「・・・分かった。少し休んでくるよ。」
石黒はキッチンを出て、自室へとあがっていった。


1人キッチンに残った中澤は、冷蔵庫からビールを出すと一口、
口をつけた。
(確かに、彩っぺのいうとおりや。今は造ることがでけへんでも、
あれだけの技術があるんや。ゼティマが本気になれば、できるやろう)
「せやけど・・・そんな事になったら・・・お終いや。」
「ライダークラスの改造人間が何人も出てきたら、いくら今ライダーや
人造人間が数人おるいうてももたん。
「希望はある。せやけど、それはオリジナルのあの2人をもっと苦痛に
追いこむ事になるやもしれへん・・・」
522名無し1号:02/07/10 00:58 ID:j+kkZ/YW
中澤は、自室に戻った。そして、パソコンを起動させ、DVDをセットする。
そしてパスワードを入力し、データを呼び出す。
「加護博士がうちに最後に残してくれたもんやけども。
まさか、これが現実になっていくんやろうか?」
そこには・・・・SN計画、UM計画といった文面が並ぶ。
さらには・・・ZX計画の文字。
「加護博士とつんく博士がもう1つの方法として考えてあったもんや。
人造人間の技術を改造人間に応用する。最強の兵士を作る方法や。」
「これだけが・・・100%記録消去できんかった・・・。」
「ゼティマがもし、これを完成させとったら・・・その時は・・・」
中澤は拳を握り締めた。
「仮面ライダーが殺される時や・・・。」