「第20話 失われた記憶・・・」
「仮面ライダーめによって、このところ我ゼティマは計画の邪魔ばかりされて
おります。」
ゼティマの患部、悪魔元帥が暗闇に向かって報告する。
「そうか・・・それで、お前はこの状況に対処できる策でもあるのか?」
重く威厳のある声が闇の中から、響く。
「はっ、おまかせください。ライダー、そして人造人間と裏切り者どもめを
一網打尽にしておみせしましょう!」
「大した自信だな。で、その方法とは?」
「ライダーキラーを製作します。人材もすでに捕らえてあります。」
「ほう、ライダーキラー?それは。」
「加護やつんくめの残したデータは完璧には残っておりませんでした。
しかし、今回それらを機械化技術で補う事に成功しました。」
自信に満ちた様子で悪魔元帥は、不適に微笑む。
「名づけて、パーフェクトサイボーグZX、こやつにライダーどもを始末させます。」
その声とともに暗闇の部屋の扉が開く。
そこは手術室、手術台の上には1人の少女が拘束されていた。
そして、その周りにはレーザーメスやさまざまな器具がならべられている。
そして、白衣を着たおそらく科学戦闘員であろう執刀者達。
「いやぁーっ、やめて、やめて!」
少女は必死に声をあげ、体を動かし抵抗する。
その声を無視するかのように、非常な宣告がくだされる。
「では、これからこの小娘をライダーキラーにしてみせましょう。」
「手術を開始せよ!」
暴れる少女に麻酔マスクがかぶせられる。
「・・・ああ、助けて・・・お姉ちゃん・・・」
うつろう意識の中で少女は、姉を呼ぶ。
そして、彼女の意識は闇に閉ざされた・・・
どのくらい、時間が経ったのだろうか。
「ZX,目覚めよ、ZX。我がゼティマが生出せし最強のパーフェクトサイボーグよ」
少女は目を開ける。そのうつろな目にもはや少女らしい輝きはない。
「はい。悪魔元帥様。私はここにおります。」
「指令を与える。我がゼティマに刃向かう、仮面ライダーどもを抹殺せよ!」
「はい。では、参ります。仮面ライダーの首必ず手土産に」
「頼もしいのう。では、ゆけZX.」
「はい。」
扉を開けて外に出て行く少女。その姿を扉の前で変る。
カミキリムシを思わせるマスクに、紅い人工皮膚と銀のプロテクターで
被われた体。そして、緑に輝く眼。
ゼティマのパーフェクトサイボーグ、ライダーキラーZXの姿がそこにあった。