1 :
名無し1号。:
仮面ライダーののシリーズ続編期待。
2 :
名無し2号:02/02/14 01:26 ID:ewEwbrQW
オレも好きだったな仮面ライダーのの。
アマゾンのあたりで消えちゃったんだっけ?
3 :
名無し募集中。。。:02/02/14 01:27 ID:frz6YIop
ヤセテクダサイ。続きはそれから。
4 :
:02/02/14 01:28 ID:Kh7n2VVF
4
5 :
名無し募集中。。。:02/02/14 02:28 ID:fuEnrvzk
6 :
名無し募集中。。。:02/02/14 02:30 ID:fuEnrvzk
前スレはアマゾン保田とスーパー1飯田の闘いの途中に
辻加護が割って入ったところで終わってます。
7 :
名無し募集中。。。 :02/02/14 03:10 ID:s//OXqgy
8 :
名無し募集中。。。:02/02/14 03:28 ID:/kAG7PV9
おっぱいモミモミー
9 :
名無し募集中。。。:02/02/14 09:43 ID:EVdbeClL
復活キボン
10 :
古波蔵ゆかり@RR軍 ◆Becky/PU :02/02/14 09:44 ID:TMK44NBN
11 :
名無し1号。:02/02/15 00:31 ID:6mCCSzIP
Uの名無し坊さんの話の途中で終わってるんですよね。
それで、ちょっと私のほうの案なのですが、
紺野=スカイライダーの話を考えついたのですが、
もし名無し坊さんの再会の目途が立たないようならば、
先に書かせて頂いてもよろしいでしょうか?
12 :
名無し募集中:02/02/15 00:50 ID:QmMAi2WS
懐かしいー!期待あげ。しかし「仮面ライダーののV」ってスレがあったような
なかったような…
13 :
名無し募集中。。。:02/02/16 00:22 ID:VRNABNEi
期待sage
14 :
名無し募集中。。。 :02/02/16 09:28 ID:0F0L1+BH
15 :
読者1号:02/02/16 11:02 ID:yQCO9QKW
>11
仮面ライダーののシリーズ復活希望!!
ぜひ書いてください。
16 :
12:02/02/17 00:06 ID:g5K1t+J7
>>14 それだった。スマソ。早く作者さん戻ってこないかな。
17 :
名無し募集中。。。:02/02/17 07:16 ID:bLVG4jAT
いつかアナタを忘れられるまで
ずっと眠れたらいいのに
18 :
名無し募集中。。。:02/02/17 23:53 ID:gyU9oawN
11です。
しばらく書かせて頂くかどうか迷っていたのですが、
他の作者さんたちが戻って来るまで、場繋ぎ的に書かせて頂こうと
思います。
一応話としては、圭織とケイが出会う前、14話のもう1つの話と
いう形で書かせて頂きたいと思います。
主人公は紺野=スカイライダーで。
19 :
名無し娘。:02/02/18 21:44 ID:9Qn30OtB
>18
頑張れ!
20 :
名無し1号:02/02/18 23:28 ID:41rWoqdO
「第14話+α 改造人間空を飛ぶ」
ここは、辻達が暮らす町から少し離れたキャンプ場。
普段の戦いの疲れを癒すために、辻達一行はキャンプに着ていたのだ。
「いい天気なのれす。こんな日にカレーを食べれるとは幸せなのれす。」
「ほんまや、やっぱり外で食べたら味が違うわ。」
いったい何杯目なのだろうか、辻と加護はがつがつとカレーを頬張る。
「全然手伝いもせんと食べてばっかりのくせによう言うわ!」
空になった皿をよこす辻の皿にカレーをよそいながら中澤がぼやいた。
「まぁ、まぁ、裕ちゃん、この子達は食べ盛りの年齢なんだしさ。」
「食べ盛りっていうても、限度があるやろに・・・。」
石黒が中澤をなだめるが、中澤にしてみればこの2人の食欲には目をみはる
以外になかった。
「改造人間いうのは、胃まで強化されるんやったんかいな?」
「おーい。魚釣れたよ。焚き火で焼こうよ」
向こうから矢口とひとみ、梨華がつり竿とクーラーボックスを手に帰ってきた。
「おお、お帰り。どやった?ぎょうさんつれたんか?」
「もう大量。よっすぃーが魚のいるポイントが見えるっていうか、
そこに投げこんだら、すごく連れちゃってさ。」
「じゃあ、焚き火の準備私がしますね。」
梨華がいそいそと焚き木を積み上げ始める。
「ああ、焼くのはうちとあやっぺでするから。あんたらにまかすと
また前みたいにすごい味の焼き魚食わされそうやからな。」
「ははは・・。酷いですよ、中澤さん・・。」
ひとみが肩をすくめて笑いながらおどける。
ひとみと梨華は人造人間だから、味覚までは備えてはいないのだ。
「魚も楽しみなのれす。あいちゃん。」
「そうやな。取れたてやから、きっと美味いで。」
そんな会話をしている2人の上空をハングライダーが横切った。
「あいちゃん、あれなんれすか?飛んでるのれす」
「ハングライダーや。人が掴まって飛ぶんやで。面白いんやろな、きっと。」
「ののも、やってみたいのれす。」
「あんたらが飛んだら落ちそうな気がするわ。そんな腹しとったら・・。」
中澤がため息混じりに言った。
そんな事などお構いなしにまた2人は今度は焼き魚を頬張り始める。
2人の上空を飛ぶハングライダーは、ゆっくりと先回しながら違う方向へと
飛んで行った。
彼女達は知らなかった。そのハングライダーに乗っていた者が、
やがて彼女達と運命の出遭いを果たす事を・・。
21 :
名無し1号:02/02/18 23:41 ID:41rWoqdO
紺野あさ美は、ハングライダーを操りながら風景を眺めていた。
「・・・きれい。やっぱり、空から見る眺めは違う。」
彼女は中学生ながら成績優秀で運動神経抜群の少女だった。
おっとりしている外見からは判断できないぐらいスポーツができた。
このハングライダーもその1つである。
町のハングライダークラブに所属する彼女は、練習も兼ねて
このキャンプ場近くにクラブの仲間達と来ていたのだ。
もう30分近く跳びつづけただろうか。不意に彼女のインカムに
友達の声が聞こえた。
「おーい、あさ美。そろそろご飯にしようよ。降りておいでよ。」
「うん。でも、もうちょっと跳びたいの。先に食べてて。」
「もう、しょうがないなぁ。早く戻っておいでよ。」
通信は切れた。
「もう、しょうがないなぁ。あさ美ったら。」
「いいじゃん。先に食べてようよ。お腹がすいたら戻って来るよ。」
「うん。そうだね。」
辻達のキャンプしているところから少し離れたところにいる紺野の
友人達は、通信の後、食事の準備を始めることにした。
その時、彼女達の背後に忍び寄るものがいた事に彼女達は気づかなかった。
ゼティマがこのキャンプ場を次の襲撃地に選んだ事を・・・。
保全sage
保全age
名無し1号さん、がんばって!
26 :
名無し:02/02/21 00:00 ID:Mu5xyc0C
ファイトだ。
いいのでは?
まだ基礎を作った作者は帰って来ていないけど、新しい話は始まってるし。
そうした方が前の作者さんたちも気付いて帰ってくるかも。
期待age
30 :
名無し1号:02/02/22 05:01 ID:vhl7St7u
その時、キャンプ場の草むらの中を動くものがあった。
しかし、その姿を見る事はできない。
確かに、そこを動いている何者かがいる。
「クックック・・・。このガメレオジンに気づいてはいないな・・・」
姿が見えるはずはない。ゼティマが作り出した新型改造人間である
ガメレオジンは、姿をその場の風景そっくりに変えることができた。
そして、このキャンプ場を襲撃地に選んだのは、1種の実験であった。
つまり・・・いかにその特殊能力が有効であり、人に気づかれずに
接近、犯行を犯す事ができるかということを試すためだった。
それとも気づかず紺野の友人達は食事の準備にとりかっていた。
「ふふっ、のんきなものだ。これから死ぬとも知らずに・・・」
ガメレオジンはそうつぶやくと、紺野の友人達の近くまで近づく。
そして、透明な姿のまま紺野の友人達に遅いかかる。
下を首に巻き突かれたと気づかず、窒息する物。
「きゃー!!」と悲鳴をあげるもののなにか分からない力に
なぶり殺しにされる者・・・。
「助けて―、誰かー!」
その場は、見えない恐怖に支配された。
そして、その悲鳴は無線を通して紺野のインカムに繋がった。
「うん?どうしたのみんな!ねぇ、返事して!」
何度も呼びかけるが、返事はない。
「・・・きっと、何かあったんだ。帰らなきゃ!」
空を飛んでいた紺野は友人達に何かが起きた事を察知した。
紺野はハングライダーを急降下させると、友人達のいる
キャンプのほうへと、降りて行った。
そこで、紺野が見たものは・・・。
変り果てた友人達の姿だった。
31 :
名無し1号:02/02/22 05:03 ID:vhl7St7u
「みんな・・・どうして・・」
紺野は、友人達にかけより抱き起こす。
しかし・・・すでに息はなかった。
周りでは食事の準備をしていたのだろう、火にかけられた鍋やはんごうが
そのままになっている。
「誰が・・誰がこんなひどい事を!」
紺野は叫んだ。その時だった、紺野の耳に恐ろしい響きの声が聞こえた。
「まだ、1人いたのか。・・・まぁいい。お前も地獄に送ってやる。」
その声が終わるか終わらないかの間に、紺野の首になにかが巻きついた。
そしてそれは紺野の首を締め上げる。
「くっ・・このままじゃ、死んじゃう」
空手の経験を持つ紺野は僅かにだが、何かの気配を感じ取っていた。
紺野は必死になって火にかけられた鍋まで辿り着くと、それを気配のする方向に
投げつけた。
「うぎゃー!」
という声がしたかと思うと首に巻き付いていたものが外れた。
そして、そこに現われた者は・・・・。
カメレオンとも人ともつかない、化け物の姿だった。
「くっ、小娘。貴様・・・この姿を見たからには、ますます生きて返すわけにはいかん。」
ガメレオジンそういうと、紺野の方に向き直った。
正直、恐怖がなかったと言えば、嘘になる。
しかし、紺野の心は友人達をこの化け物に殺されたという怒りが支配していた。
ゆっくりと空手の構えをとる。そして、言い放った。
「来い!化け物。私が相手してやる!」
32 :
名無し1号:02/02/22 05:05 ID:vhl7St7u
同じ時、紺野達のキャンプから、少し離れたところにいる辻達にも変化があった。
不意に辻が、はっとした顔をして食事をとる手を止めたのだ。
「あいちゃん、今悲鳴が聞こえたのれす。」
「うん、うちも聞こえたで、近くや。」
加護もうなづく。
「悲鳴って・・何も聞こえんかったよ?なぁ、あやっぺ。」
「うん、聞き間違いじゃないの?」
中澤と石黒には、その悲鳴は聞こえる事はなかった。
「いえ、私も聞こえましたよ。確かに悲鳴です。」
「私も。」
「オイラも聞こえたよ。」
ひとみと梨華、真里も口々に言う。
そう、改造人間である辻と加護、真里のエンハンスドイヤーと
人造人間であるひとみと梨華のデンジイヤーははるか遠くの物音も聞く事ができる。
人間体の時は変身時ほどではないが、それでもこうした悲鳴などは聞き取れるのだ。
「うちらと矢口さんで、悲鳴のしたほうに行ってみる。
ひとみちゃんと梨華ちゃんは、中澤さんと石黒さんの事頼むで!」
「いくで!のの、矢口さん。」
「はいれす。」
「分かった。」
「ちょっと、待ちや、あんたら!」
中澤の声に立ち止まる事なく、3人は悲鳴のした方へと走っていった。
33 :
名無し1号:02/02/22 23:15 ID:pBMhT03u
作者です。
>27
紹介して頂いても結構ですよ。
早く前の作者さん達が戻って来るきっかけになるかもしれませんし。
34 :
名無し1号:02/02/22 23:16 ID:pBMhT03u
紺野と怪人の死闘は始まっていた。
紺野は渾身の正拳突きや上段回し蹴りを連続で叩きこむ。
その技は的確で、人間であればノックアウトできるであろう、威力さえあった。
しかし、ガメレオジンには全くダメージを与える事はできない。
「はぁ、はぁ。駄目だ。効いてない。」
紺野の体力はすでに限界に達しようとしていた。
「小娘。この程度か。所詮それが人間の限界だ。死ね。」
そういうと、ガメレオジンは舌を紺野の首に巻きつける。
必死に振りほどこうとする紺野だが、すでにその力はなかった。
そのまま振りまわされ、地面や近くの岩に叩きつけられる。
「がはっ・・・。」
口から血を流し体中血まみれになりながら、、紺野は動かなくなった。
「ふっ、もうお終いか。さぁ、止めをさしてやる。お前の仲間達の所に行くがいい!」
今にも止めをさそうと怪人が、紺野に近づいた時・・・
「待つのれす!」
「お前の相手はうちらがしたる!」
2人の少女の声が響いた。
35 :
名無し1号:02/02/22 23:18 ID:pBMhT03u
「誰だ・・・お前達は?俺の邪魔をしようというのか、人間風情が!」
「ゼティマの怪人だな!このセクシーヒロインの私が相手してやるよ。」
「・・・矢口さん、のの達もいるんれすから、1人で目立とうとしないでくらさい。」
「そやで・・・って、そんな事言うとる場合やないやろ!」
3人で突然、漫才を始めた連中にガメレオジンはいきり立った。
「ええい、五月蝿い奴らめ。さっさと、かかってこい。捻り殺してやる!」
「せかっちなやつれすね。いくれすよ、あいちゃん、矢口さん。」
「おう、わかっとる。いくで。」
「よし、行くよ!」
3人はそれぞれの変身ポーズをとる。そして、3人一斉に
「変身!」
「変身ブィスリャー!」
の声と共に宙にまった。3人のベルトが風を受け高速回転を始める。
そして、目映いばかりの光りが3人を包む。
「うおっ、なんだ?」
ガメレオジンがあまりの眩しさに眼をそむける。
そして、地面に着地した3人を見た時には、その姿は変わっていた。
「仮面ライダーのの!」
「仮面ライダーあい!」
「仮面ライダーV3!」
それぞれが名乗りをあげる。
「さぁ、勝負はこれからなのれす。」
36 :
名無し1号:02/02/22 23:24 ID:pBMhT03u
「仮面ライダーだと?ゼティマに歯向かう不届きものどもか。」
ガメレオジンは呟く。
「相手をしてやりたいところだが、多勢に無勢。しかも、目的はすでに果たした。
お前達の相手をしている暇はない。さらばだ・・。」
そういうと、ガメレオジンは姿を消した。
「待つのれす。・・・くっ、卑怯者なのれす。」
ののが地団太を踏んで悔しがる。
「ほんまや、えらそうな事言うとったくせに、腰抜けやんか。」
あいも同調する。
「それより、あそこに人が一杯倒れてるよ、早く助けよう。」
その場に倒れている人達を変身を解く事もせず、抱き起こす。
「しっかりするんや!・・・駄目や、死んどる・・。」
「こっちも駄目れす。息してないのれす・・・。」
何人かを抱き起こすが、すでに息を引き取った後だった。
「ちょっと、辻、加護、この子生きてるよ。しっかりして!」
矢口が紺野を抱き起こす。だが、紺野はすでに虫の息だった。
「しっかりするんや!死んだらあかん!」
「そうれす、しっかりするのれす。」
その声に僅かに答えるように少しだけ目を開けながら、紺野が呟く。
「み・・んな、しん・・じゃった。わ・・た・・し、かたき・・も
うて・・なか・・った。く・・や・・し・・い。」
途切れ途切れに言葉を伝える。
「わた・・・しが・・もっと、もっと・・・強よ・・かったら。」
紺野の瞳から涙が零れる。
「ちから・・が、欲し・・・い。もっと、強く・・・」
そして、呼吸も弱くなり、紺野は目を閉じた。
37 :
名無し1号:02/02/22 23:25 ID:pBMhT03u
今日はここまでです。
これで序盤は終わります。
次は、スカイライダー誕生編です。
モープロと格ツクやってる間にライダーのの復活してる・・・。
以前矢口でマシンマンとV3をやらせて頂いてました。ミカの話
消さなくて良かった。もし良かったら大幅加筆した上で頃合いを見て
書かせて頂けたらと思うんですが・・・。
期待age
40 :
名無し1号:02/02/24 00:08 ID:vM1RayAB
>ナナシマンさん
お帰りなさい。
勝手に話を再開させていただいてます。
ナナシマンさんのお話は楽しませて頂いてました。
再会楽しみにしています。
41 :
名無し1号:02/02/24 01:06 ID:vM1RayAB
あかん、このままやったら、死んでしまう。」
脈をとりながら、あいが答える。
「・・あいちゃん、この子を助けるのれす。こんな友達思いの子を
死なせたくはないのれす!」
あいはののの眼を見つめる。お互い変身した姿のままだが、
その気持は伝わりあっていた。
「矢口さん、テレパシーでひとみちゃんか梨華ちゃんに連絡とってや。
中澤さんの車で、この子を研究所まで運ぶんや!急がな間にあわへん!」
「分かった。・・・よっすぃー、聞こえる?すぐに中澤さんに車回して
もらって!怪我人がいるの。緊急を要するから、研究所まで運ぶから!」
・・・数分後、中澤の車とひとみのバイクがやってきた。
ちまみれの紺野を運んでくる3人を見て、いかに状況が緊迫しているかを
残りの4人は感じ取った。
車に乗り込むと、加護は叫んだ。
「急いでや、中澤さん。もう、ほんまに時間がないんや!」
「わかっとる。しっかりつかまっとりや!」
中澤は車を急発進させた。
42 :
名無し1号:02/02/24 01:07 ID:vM1RayAB
車内でも紺野の容態は一刻を争った。
今回は加護だけでなく、辻の代わりに梨華が車に乗っている。
辻は後ろをついてくるひとみのバイクのサイドカーに乗っていた。
梨花美と梨華が似ている理由・・・梨華には梨花美のような医学知識も
インプットされていた。
そして加護には加護博士の知識と技術がある。
それを見越して乗りこんでいたのだ。
車内でできる限りの応急処置を施す。
しかし、それでも紺野の命は風前の灯火とも言うべき状態だった。
車が加護生化学研究所に着くと、すでにストレッチャ―を用意した梨花美達
アンドロイドのメイドが待っていた。
加護がテレパシーで命じていたのだ。
スゴレッチャーに紺野を乗せると、ライフステージまで直行する。
ここには最新の医学設備、そして加護博士の改造技術の粋が集められている。
紺野を診察台に乗せると、加護は最新のMRIで紺野の体を調べる。
しかし、出た結果は・・・絶望的なものだった。
紺野の体はさっきの戦闘で想像以上に傷つけられていた。
内臓も骨ももはや通常の手術や治療では治す事は不可能だった。
「・・・やっぱり、改造手術しかないれすか?」
辻が加護に尋ねる。周りの矢口や中澤達も加護の言葉を待つ。
「・・・改造手術も無理や。この状態は矢口さんの時より酷すぎる・・・。」
「このまま手術したら、手術の途中で死んでしまうで・・・。」
加護が悲痛な表情で呟く。
「じゃ、じゃあ、この子は助からないっていうの?」
矢口が加護に詰め寄る。
「・・・方法がないわけやない。せやけど、
初めてなんや、この方法使うのは・・」
その言葉を聞いて石黒がはっとする。
「まさか、新型の改造手術器を使う気?!あれは、まだ実験段階じゃ。」
「せやけど、それしか方法がないんや。一応完成はしとる。
理論上は負担は普通の改造手術のよりはるかに小さいし、成功率も100%や。」
「ただ、まだ正式に使われた事がないのが気がかりなんや・・・」
43 :
名無し1号:02/02/24 01:08 ID:vM1RayAB
その時、辻が口を開いた。
「・・・やるのれす。このまま見殺しにはできないのれす。なんとか、助けるのれす。
ののやあいちゃんやみんなの力で!」
「そうだよ、やろうよ。このままじゃどうにもならないんだから。」
「うちも今回は手伝うわ。矢口の時で決心もついたしな。なぁ、あやっぺ。」
「うん、わたしもいいよ。みんなで頑張ろう!」
「私も手伝います。私も医療用の知識はインプットされてますから。」
「・・・じゃあ、私は万が一の為にここの警備してるよ。敵が来ないとも限らない。」
みな口々に協力を申し出る。そして、加護は決意した。
「よっしゃ、やるで!みんな頑張ろや!」
ライフステージのもう1つの部屋に紺野を運ぶ。
そして、初めて使われる手術台に紺野を乗せる。
着ている物を脱がせ、白い手術用のシートで体を包み、固定する。
すでに手術着に着替えた全員がスタンバイをする。
「これがその手術器や。遺伝子レベルで改造するんや。細かい人工の臓器や骨も
レーザーで転送するから血も出えへん。しかも、時間も1時間で可能や。」
そう言うと、加護は設計図の入ったCDをセットする。
「ほんだらいくで。手術開始や!」
44 :
名無し1号:02/02/24 01:09 ID:vM1RayAB
紺野の体にまず手術に耐えれるように遺伝子・細胞構造変換レーザー浴びせる。
手術の執刀自体は加護が担当するが、その他の細かい点である心拍や呼吸、
及び設計図どうりに進んでいるかは、その他のメンバーがチェックする。
第2段階として、紺野に細胞強化レーザー、そして第3段階として
人工臓器、人工骨の移植レーザーが浴びせられる。
本来ならば、10時間以上はかかる手術がわずか1時間あまりで終了する。
「これで終わりや。後はこれやな。」
加護がベルトを紺野の腰に装着する。
「手術は無事に終了や。そして、新しいライダーの誕生や。」
みんな笑顔でほっとため息をつく。
「なんて名前になるんれすか?あいちゃん。」
辻が加護に尋ねた。
「反重力装置で空も飛べるライダー・・・スカイライダーや!」
45 :
名無し募集中。。。:02/02/24 23:45 ID:Iq9d7E7m
RIDER NONO!!
ガニコウモルsage
47 :
名無し坊:02/02/25 23:35 ID:Si6K1U8d
えー、前スレで途中まで話書いてた者です。
ずっと続きを書けないままでいたのですが、復活していますので、
名無し1号さんの後、改めて続きをかかせていただこうと思うのですが、
よろしいでしょうか?
48 :
:02/02/26 00:17 ID:bE3fMhpe
ガンガレ!
49 :
加護パチ先生 :02/02/26 00:24 ID:vI6Jc22k
カイテヨシ
50 :
名無しさん:02/02/26 00:32 ID:7pZ0ZoSY
>47
ズット、マッテタヨ。
ガンガッテネ。
51 :
保全:02/02/27 22:57 ID:8Tbmdwrh
ライダーきりもみシューーート
52 :
名無し1号:02/02/27 23:27 ID:iwftuXxM
>名無し坊さん
おかえりなさい。
お話の途中なのに勝手に話しを続けていてすいません。
お話の続き楽しみにしています。
飯田と保田の話の続き楽しみにしていましたので。
age
ノコギリトカゲ保全
55 :
期待:02/03/02 17:24 ID:iAzYzrWm
坊さんでも1号さんでもいいので続きキボンヌ
56 :
名無し1号:02/03/02 23:27 ID:YGcG/uz3
「・・・ここは?」
紺野は加護生化学研究所の一室で目覚めた。
「おう、気がついたんか。よかった、よかった。」
目の前に金髪のちょっときつい感じの女性が立っている。
「よかったのれす。一時はどうなるかと思ったのれす。」
「そやな。気がついてよかったわ。」
双子のように髪を2つに結わえた少女達が口を開く。」
紺野は自分の腕を見た。怪物と戦って無茶苦茶にされたはずなのに
その腕には傷1つない。
それに、自分はもう死にかけていたように思う。
なぜ、生きているのか?それにここはどこなのか?
意識を失う前に見た、昆虫のような仮面を被った3人の事が思い浮かぶ。
あの人達が助けてくれたのだろうか?でも、どうしてここで知らない人
達が私を見てくれているんだろうか?
頭の中がごちゃごちゃになる。
「お名前なんていうんれすか?」
さっきの少女の1人が紺野に質問する。
「私・・・紺野あさ美って言います。」
「紺野ちゃんれすか、いい名前なのれす。ののは辻希美っていうんれす。」
「うちは加護亜依、あいぼんでええで。」
もう1人の少女も自己紹介をする。
「うちは中澤裕子、まぁ、この子らの保護者みたいなもんや。」
金髪の女性も答えた。
「あの・・・ちょっと伺いたいことがあるんですけど・・・いいですか?」
「うん?ええで。なんでも聞いてや。」
加護が答える。
「私、ハングライダークラブの友達と練習がてらにあそこでキャンプしてたんです。」
「その時、怪物に襲われて・・・みんな・・殺されちゃいました。」
「でも、私も殺されかけたのに・・・なぜ私無傷なんでしょうか?」
その場にいた3人が目を見合す。そして、一瞬顔が曇る。
やはり、自分が助かったのには何か訳がある・・・。紺野は確信した。
「紺野ちゃんでええかな?驚かんと聞いて欲しいね。」
加護が意を決して話始めた。
それは・・・紺野にとって信じられない話だった・・。
57 :
:02/03/03 15:16 ID:Nq48Dqeh
更新 ヤター
58 :
保全:02/03/04 23:49 ID:pdW6ZUY6
真空地獄車
59 :
名無し1号:02/03/05 01:07 ID:48r+0qJd
紺野は、驚くよりほかになかった。
友人達を殺し、自分にも瀕死の重傷を負わせたのが、
ゼティマという名の世界征服を企む悪の集団だということ。
そして、辻や加護達が改造人間や人造人間で、ゼティマと
戦っていること。
そして・・・自分を助ける為に改造手術をほどこしたこと。
つまりは、もう自分が人間では無くなってしまったという事に・・・。
「・・・」
紺野は再び、自分の腕を見た。
何度見ても、どこがどう変わったという事はない。
普通の人間の手だ。握ったり開いたりしても違和感すらない。
しかし・・・大怪我を負って死にかけていた自分がこうも綺麗な姿
でいる事を考えると、おそらく加護の話した事は真実なのだろう。
そう考えることにした。
「・・・ごめんな。それしか方法がなかってんや・・・。助けるには。
ほんまやったら、人間のまま蘇らせたかったんやけど・・・。」
加護が俯きながら話す。
「恨むんやったら、うちを恨んでや。恨まれたってしょうがない事を
してんやから・・・。」
そんな加護を見つめながら、紺野は優しく微笑み首を左右に振った。
「恨むだなんて・・・。あのままだったら、死んでしまったかもしれない
私を助けてくださったのに・・・。」
「むしろ、感謝してます。今の私なら、この間の化け物とも戦えるで
しょう?ゼティマの改造人間とも互角に・・・。
「私・・・討ちたいから、みんなの仇を・・。」
紺野はまっすぐな目で辻と加護を見た。
「一緒に戦ってくれるんれすか?」
辻が話しかける。
「はい。私なんかでみなさんが、よければ・・・。」
「おおきに・・・ほんまにおおきにな・・・。」
加護が嬉しそうに礼を言う。
「よかったやんか、ほんまに。新しい仲間が増えたしな。」
中澤も嬉しそうに微笑む。
「じゃ、とりあえず、ご飯にするのれす。お腹すいたのれす。」
「そやな、豪勢にみんなでパーティしよや、今日は」
「また、うちとあやっぺに作らす気かい!あんたらは・・・」
そんな様子を紺野は笑いながら、見ていた。
だが、そこへ・・・
「ゆうちゃん、大変だよ。街で人が襲われてる!例の怪人だと思う。」
石黒がかけこんできた。
「なんやて?もう動き出したんかい、あいつら・・・」
「行くのれす。あいちゃん!」
「ああ、行くで!のの」
辻と加護が部屋を飛び出そうとしたその時・・・
「待って下さい・・・私も、私も連れて行ってください!」
紺野が呼びかけた。
「・・・いいのれす、行くれす、紺野ちゃん!」
「はい!」
3人は部屋を飛び出して行った。
その後ろ姿を中澤と石黒はただ見守っていた。
60 :
名無し1号:02/03/05 01:13 ID:48r+0qJd
「一緒に戦ってくれるんれすか?」
辻が話しかける。
「はい。私なんかでみなさんが、よければ・・・。」
「おおきに・・・ほんまにおおきにな・・・。」
加護が嬉しそうに礼を言う。
「よかったやんか、ほんまに。新しい仲間が増えたしな。」
中澤も嬉しそうに微笑む。
「じゃ、とりあえず、ご飯にするのれす。お腹すいたのれす。」
「そやな、豪勢にみんなでパーティしよや、今日は」
「また、うちとあやっぺに作らす気かい!あんたらは・・・」
そんな様子を紺野は笑いながら、見ていた。
だが、そこへ・・・
「ゆうちゃん、大変だよ。街で人が襲われてる!例の怪人だと思う。」
石黒がかけこんできた。
「なんやて?もう動き出したんかい、あいつら・・・」
「行くのれす。あいちゃん!」
「ああ、行くで!のの」
辻と加護が部屋を飛び出そうとしたその時・・・
「待って下さい・・・私も、私も連れて行ってください!」
紺野が呼びかけた。
「・・・いいのれす、行くれす、紺野ちゃん!」
「はい!」
3人は部屋を飛び出して行った。
その後ろ姿を中澤と石黒はただ見守っていた。
61 :
名無し娘。:02/03/06 01:49 ID:fNCs4/fH
頑張れ!
age
63 :
:02/03/06 23:34 ID:16KZWCLG
戦 わ な け れ ば 生 き 残 れ な い !!
鏡の中の世界、ミラーワールドでモンスターつんくと契約し仮面ライダーの
能力を得た少女、新垣里沙。
だが彼女と同じく仮面ライダーとなった少女たちが12人いた。
そして、仮面ライダーは最後の一人になるまで戦いあわなくてはいけない
宿命を持っていた。
今、戦いが始まる…。
新番組:仮面ライダー新我騎。
64 :
:02/03/06 23:40 ID:vHFomeO+
そういや龍騎も13人か。
65 :
:02/03/07 20:06 ID:g8QB8Zp2
続き希望
ピッケルシャーク保全
残メンでサンバルカン
小川:イーグル
高橋:シャーク
新垣:パンサー
・・・・・・・・ライダーでも石森キャラでもないな。スマソ、逝ってくる。
ザリガーナ保全
69 :
保全:02/03/09 11:34 ID:ZhGzWHbW
超電イナズマキック
70 :
:02/03/09 19:35 ID:l0LW0Mry
玄海老師保全
バゴー保全
早く続きを頼む保全
73 :
保全:02/03/11 21:56 ID:yxUMPJk7
スーパー大切断
74 :
名無し1号:02/03/12 00:08 ID:A+XyDzCM
そのころ、町ではガメレオジンと戦闘員アリコマンドの群れが
人々を襲っていた。
ガメレオジンは、透明な姿になっていたため、アリコマンドに追われ
逃げ惑う人々を次々に鞭のような舌で絞め殺したり、なぶり殺したり
していた。
「はっはっは。所詮人間など、この程度よ。世界は我等ゼティマの
改造人間の支配がふさわしいのだ!」
見えない敵の恐怖がその場を覆い尽くす。
だが、そこに・・・。
「やめるのれす。ゼティマ!」
「そや、あんたらの勝手にはさせへんで!」
「出てきたらどうなんです?こそこそと姿を隠していないで!」
3人の少女の声が響いた。
75 :
名無し1号:02/03/12 00:12 ID:A+XyDzCM
「ぬっ、貴様等はあの時の・・・。それにそこの小娘。なぜ生きている?
俺があれほど痛め付けたのなら、活きているはずがない?!」
透明な状態から、姿を現したガメレオジンは驚きの声を上げた。
「・・・今度は負けません。かかってきなさい!」
紺野はさっと構えをとる。
「寝ぼけた事を。人間風情に何ができる。ええい、かかれ!」
ガメレオジンの指図のもと、アリコマンドが3人に襲いかかる。
「数が多いのれす。あいちゃん、変身れす。」
「おう!いくで、のの!」
そういうと辻と加護は変身ポーズをとる。そして、ポーズをきめ終わると、
「ライダー変身!」
「変身!」
の掛け声と共に、宙にまう。ベルトの風車が高速回転し、光りが2人を包む。
そして、仮面を纏った戦士として地上に降り立つ。
「仮面ライダーのの!」
「仮面ライダーあい!」
同じような姿、唯一の違いは手袋とブーツがそれぞれ銀と赤という違いだけ。
2人は周りを囲むように遅いかかる。
しかし、ただの戦闘員と加護博士の技術の粋を集めて作られた改造人間
である、仮面ライダー2人の前には敵ではない。
「紺野ちゃん、こっちはうちらが相手するさかい、そいつを倒すんや!」
「変身するのれす。教えた通りにすれば、変身できるれすから!」
2人はアリコマンドと戦いながら紺野に呼びかけた。
76 :
名無し1号:02/03/12 00:28 ID:A+XyDzCM
紺野はガメレオジンと対峙しながら、辻と加護の声を聞いた。
「・・・分かりました。やってみます!」
紺野はいったんガメレオジンから離れる。
そして、空手の正拳突きを2発打つと、右手を下げずにその手を左側から
4分の3回転させ、右斜め前に持ってくる。
そして、「スカイ変身!!」の叫びと共に、右手を右腰に降ろし、
左手を右斜め前に突き出す。
ベルトが紺野の腰に現われ、回転を始める。
「とぉーっ!」の掛け声と共に宙に飛ぶとベルトが高速回転を始め、
紺野の体が目映いばかりの光に包まれた。
そして・・・紺野が地上に降りた時、その姿はイナゴを思わせる
改造人間の姿に変っていた。
近くの噴水に写る自分の姿を見る。
「・・・これが、私?」
昆虫を思わせるマスクとその姿、近くにあった石を広い握ってみる。
簡単に石は、まるで豆腐のように握りつぶせた。
「・・・もう、人間じゃないんだ、やっぱり・・・」
正直、少し紺野は悲しかった。人間以外の者になった事に。
しかし、今はそれよりも、むしろ心強かった。
友人達を殺した怪人とこれなら戦えるという思いのほうが強かったのだ。
「・・・行こう、みんなの仇を討ちに!」
紺野は怪人の前へと踊り出た。
77 :
名無し1号:02/03/12 00:30 ID:A+XyDzCM
ぬっ、き、貴様も改造人間になっていたのか。どうりで無事な
姿で俺の前に現われたはずだ。」
ガメレオジンは、目の前の出来事に信じられないというそぶりを見せる。
「しかし、俺は負けはせん。たかが今しがた改造人間になった、
貴様のような小娘にはな!」
紺野は、その眼を怪人に向ける。
そして、力強く構えをとった。
「お前を倒してみせる。この力で・・・。」
「私は・・・スカイライダー!!」
紺野は力の限り叫んだ。
78 :
名無し1号:02/03/12 00:33 ID:A+XyDzCM
久しぶりの更新です。
保全していただいた方々どうもありがとうございます。
次回でこの話は終わる予定です。
遅筆で幼稚な文章ですが、どうか最後までおつきあいくださいませ。
次回で終わりっつうのもなんか淋しいな。
という訳で、最終回期待。
80 :
保全:02/03/14 00:17 ID:12G7CUDK
スプラッシュドラゴン
hozen
ライジングブラストペガサス
ライジングカラミティタイタン 保全
ガンガンジー保全
84 :
名無しX:02/03/15 22:58 ID:ms4rKag6
神ステーション保全
85 :
X:02/03/16 07:44 ID:/Dau+QBJ
大変身age
86 :
名無しX:02/03/16 13:35 ID:6IPTbbLd
高橋愛を使ったXライダーで一本書いてみました。
順番が詰まっている様なのであれですが、
頃合いを見てやらせていただければと。
暗黒大将軍保全
88 :
名無しさんは見た!:02/03/16 21:51 ID:lxSZi++5
>>86 名無し1号氏の後、名無し坊氏が控えてるので、その後ならいいんじゃない?
89 :
保全:02/03/16 22:32 ID:sJkWM+U1
ライダーブレイク(スカイライダー版)
90 :
名無し:02/03/16 22:33 ID:6IPTbbLd
>>88
名無し坊さんの続き楽しみにしてたんで自分的にもそれがベストです。
ちなみに設定としてはX(高橋)、客演としてストロンガー(安部)
タックル(あさみ)を予定。
X誕生からののライダーチームに引き合わすまでを考えています。
91 :
ドグマ黄金郷:02/03/17 13:35 ID:NP6s9SV4
テラーマクロ>>>>親衛隊>>>>>>>>>>メガール将軍
>>70 熊嵐大五郎ホゼン
92 :
k:02/03/17 13:37 ID:/eSd7TAt
93 :
白戦闘員:02/03/17 13:58 ID:NP6s9SV4
暗闇大使マンセー バダンマンセー
94 :
保全:02/03/18 00:03 ID:O4Dm1H45
ハードショット
95 :
俺は怒りの王子:02/03/18 07:00 ID:0cndzVgl
ボルティックシューター
96 :
名無し:02/03/19 00:19 ID:54km6MaP
おやっさん保全
97 :
ショカー大首領:02/03/19 12:25 ID:Oyel1r2j
ショカーアジト大爆発まであと37秒
ピコーン / ̄ ̄フ
/\______ / コ▽ フ ______/\
へ_____ ) ̄ ̄| | ( _____へ
へ_____  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ _____へ
L___ |UUUUU| ___」
L_ |UU○UU| _」 ピコーン
V/ ̄\ / ̄\V
// H \\
< > H < >
V
98 :
イー:02/03/20 17:08 ID:NRrVCDu/
アポロガイスト保全
99 :
名無し:02/03/20 23:03 ID:5sl1aPb5
モグラ獣人保全
100 :
名無し:02/03/20 23:06 ID:5sl1aPb5
(・∀・) 100!
紺野いや、スカイライダーは、ガメレオジンと対峙する。
ガメレオジンは、スカイライダーに襲いかかる。
しかし、その動きの全てをスカイライダーは見切った。
「なぜ、なぜだ。俺の攻撃が見切るられるのだ!」
ガメレオジンには焦りの色さえうかがわれた。
「・・・あなたの動きなんて、全て見えるわ。今の私なら。」
紺野は平然とした顔で答える。
「なんだと、ならば、これならどうだ!」
ガメレオジンは、その自慢の下を紺野の首に巻きつける。
「ワンパターンの攻撃なんて・・・今度はこうしてあげるわ!」
首にからついた舌を、手刀で切り裂く。そして、ガメレオジンに組みつくと
そのまま巴投で投げ捨てた。
「ぐわーっ。おのれ。俺の攻撃を・・・。こうなっては、しかたない。
勝負はこの次だスカイライダー!」
ガメレオジンは姿を透明化させると、その場から逃げようとする。
「逃がさない・・・ディメンションアイ!」
紺野ことスカイライダーに装着されたディメンションアイは、紫外線、
赤外線、X腺。そして、透明な敵や暗闇の敵で透視することができる。
ガメレオジンの姿は、紺野には手にとるように見ることができた。
「・・・逃がさないわよ。」
紺野は言うと、ガメレオジンの顔面目掛けてパンチを打つ。
「うぐわーっ!」
あまりの痛みにのたうつガメレオジンをよそに、紺野はベルトの
両腰のレバーを下げた。そして、両足を揃えて天に舞う。
「セーリングジャンプ!」
上空200メートルまで到達すると、そのまま体制を整えると
その上空から、地上のガメレオジン目掛けて蹴りを打つ。
「スカイキッ――ック!」
真っ直ぐにその蹴りは、地上のガメレオジンを射抜いた。
「うおぉーっ!」
さしものガメレオジンもその攻撃の前に、なすすべもなく
吹き飛ばされた。
「おのれ、スカイライダー。だが、覚えてけ。ゼティマの怪人建ちは、
この事で、お前達を全力を持って、倒しにかかるだろうよ・・・:」
「うぉーっゼティマに栄光あれーーっ!」
の叫びと共にガメレオジンは、爆散した。
「終わった・・・。」
紺野は、ゆっくりとその構えを解いた。
「紺野ちゃーん、大丈夫れすか?」
仮面ライダーののと、あいがその紺野に近づいた。
「ええ。終わりました・・・。辻さんと加護さんのおかげです。」
「いいや。うちらは、なんにもしへん。紺野ちゃんの力や。これは。」
3人一緒に変身を解く。なにごともなかったかのように、人間の姿に
戻り、嬉しそうに語り合う。
「・・・これで、みんなの仇は討てました。でも、ゼティマは他にも
罪のない人々を苦しめるつもりでしょう?きっと・・・」
「あいつらは、そのつもりなのれす。これからものの達を狙うれしょう。」
「多分そうやろうな。うち自信も狙われとるしな。」
「・・・分かりました。私は、悪を憎みます。これからも、私のような
目にあう人達が、出てくるとも限りません。私も、これからも辻さんや
加護さん達と一緒に闘いたです。いいですか?」
「あたりまえやん、こっちもそのほうが心強いわ。なぁ、のの?」
「そうれす。紺野ちゃんがいれば、百人力なのれす。」
紺野は、ゆっくりと、2人の顔を見る。
決意がゆっくりとだが、固まっていく気がした。
「・・ええ、こちら、こそ、よろしくお願いします。」
がっちりと握手を交わす3人。
「それに、こんなすばらしい力をもらったんですから。」
「見ててください。セーリングジャン―ンプ!」
紺野は変身すると、そのまま宙に舞った。
美しい空が彼女を迎え入れるかの如く・・・。
104 :
名無し号:02/03/21 02:47 ID:GQWf5SGL
天空を舞う、紺野の姿を見ながら、加護が呟く。
「紺野ちゃん、あんたこそ、人類の未来を守る戦士。
まさに、スカイライダーや!」
その時、遠くから、声がした。
「おーい。そこの3人。パーティの準備できたで。はよ来いや!」
「そうだよ、みんな待ってるんだよ。おいでよ!」
中澤と石黒の声が聞こえた。
「はいれす。あいちゃん、紺野ちゃん。行くれすよ!」
「待ちいや。ほんまに。おーい、紺野ちゃん。行くで。はよ、降りてきいや。」
紺野は、降りてくると変身を解き、辻と加護の後に従う。
「はーい。私も行きます!」
「はよこんと、食べるもんなくのうてしまうで!」
中澤は3人に向かって大声をあげた。
空は、目映いばかりの太陽が輝き、そんな全員を祝福しているかの
ようだった・・・。
14話+α「改造人間空を飛ぶ」完
これで、私の書くスカイライダー編は終わりです。
読んで頂いた方ありがとうございます。
もうすこし、紺野ことスカイライダーの活躍とかも書きたかったのですが、
(ライダーブレイクとかのシーンとか)そっちのほうは、のちのインタドール
として、ライダーマシンの開発シーンを考えていますので、そちらのほうで
表現したいと思います。
稚拙な文章ですが、ありがとうございました。
この後は、名無し坊さん及び、名無しXさん続きお願いします。
圭織&圭編の出遭い編、高橋のX編楽しみにしています。
私の執筆はこれで、とりあえず終わりとさせて頂きます。
お疲れ様でした。
マシンの開発の話も楽しみにしてます。
107 :
メガール将軍:02/03/21 07:27 ID:twlCxYK5
地獄谷五人衆
鷹爪火見子、蛇塚蛇夫、象丸一心斎、大虎龍太郎、熊嵐大五郎
ほぜん
108 :
名無しX:02/03/21 20:31 ID:R8KAWPw9
完結おめでとうございます!
充電したらまた書いてください。
109 :
名無し坊:02/03/21 23:46 ID:Xa7ZOu6O
>>名無し1号さん
お疲れ様でした。
では、自分の話の続きから始めさせていただきます。
一応、未読の方用に、途切れた部分までのあらすじをつけましょうか?
>名無し坊さん
あらすじのほうつけていただけるようでしたら、よろしくお願いします。
続き楽しみにしています。
111 :
名無し坊:02/03/22 00:57 ID:w4dx1CPl
了解しました。
第15話『機械の女 野生の女』 〜あらすじ〜
『宿敵ゼティマが、日本を活動の拠点にしている』との情報を入手し、
5年ぶりに日本へと帰ってきた惑星開発用改造人間・スーパー1こと飯田圭織。
時を同じく、アマゾンより日本へとやって来た野獣の戦士ケイは、ゼティマの怪人である
クモ獣人と交戦、絶体絶命の危機に陥るも、謎の声に導かれ、内に眠る真の力を発揮。
その声によって名付けられた、野獣の戦士・アマゾンとして覚醒し、その力でもって放たれた
大切断によって、クモ獣人は葬り去られる。
しかし、変身したケイの姿をゼティマの怪人と勘違いし、調査のためにその場に居合わせていた
飯田圭織はスーパー1に変身。ケイに戦いを仕掛ける。
同程度の戦闘能力を持つため、戦闘は長く続き、その状況に終止符を打つため、2人は必殺技、
スーパーライダー月面キックと大切断を放つ。
そして、お互いの必殺技がお互いに決まるその瞬間、
スーパー1の脚を銀色の手袋をつけた腕がつかみ、アマゾンの腕を赤いブーツを履いた脚が蹴った。
勢いを殺せぬまま、スーパー1とアマゾンは地面に叩きつけられた。
・・・・・・・こんな感じでよろしいでしょうか?
本編は、パートU
http://choco.2ch.net/ainotane/kako/1000/10006/1000651650.htmlに 書いてあります。
ではそろそろ、始めさせていただきます。
ラストまで既に書き上げてあるので、一気に突っ走ります。
112 :
名無し坊:02/03/22 01:08 ID:w4dx1CPl
「いたたたた・・・・・・・・・・ 何、今の・・・・・・」
「腕を・・・・・ 蹴られたの・・・・・・?」
地面に突っ込んだ衝撃も相まって、突然の状況に混乱しながら二人は立ち上がった。
「ふぅ。ここまでやって、やっととまってくれたのれす」
「完ペキに戦いに集中しとったもんなぁ」
声は、スーパー1とアマゾンの目の前にいた二人組のものだった。
「あ、あなた達・・・・・・・・」
「その格好・・・・・」
二人組の姿に、スーパー1とアマゾンは言葉を失った。
バッタを想起させる緑色のマスクに、緑色のプロテクター。
首には、スーパー1と同じ深紅のマフラーが巻かれている。
ここまでは二人とも一緒なのだが、グローブとブーツの色が違う。
一人は銀、一人は赤になっている。
更に、体の横に走っている銀色のラインも、銀色は2本、赤は1本になっている。
姿は違えど、自分と同じ雰囲気を持つ者・・・・恐らく、改造人間であろう。
そして、その2人の姿に直接の面識はないものの、スーパー1、圭織には、目の前の2人が何者であるかがすぐにわかった。
「仮面・・・・・・ ライダー・・・・・・・・・・・・」
「そうれすよ。私達が仮面ライダーなのれす」
「おぉ、ウチらがなんか言う前に、よぅわかったなぁ」
感心したように言う2人・・・仮面ライダーに、圭織は
「2人とも、私と同じ感じがしたし、あとはなんか・・・・・・・ 勘?」
と、非常にアバウトな言葉を吐く。
>名無し坊さん
再開おめでとうございます。
あらすじも分かりやすくてよかったと思います。
楽しみに読んでます。
114 :
名無し坊:02/03/22 01:12 ID:w4dx1CPl
そんなスーパー1の腕を、先程の戦闘のことも忘れ、隣にいたアマゾン、ケイの指がつつく。
「ちょ・・ちょっと、この人達誰なの?
あなたは知ってるみたいだけど・・・仮面ライダーって?」
アマゾンの問いに、銀色の仮面ライダーが答える。
「私達は、秘密結社ゼティマと闘う者なのれす。
それぞれ色んな理由で体を改造し、それによってヤツらと闘う力を得て、闘っているのれす」
「ん。ま、そういうこっちゃ。
んで、自己紹介すると、ウチが仮面ライダーあい。加護亜依や」
「わたしが仮面ライダーのの。辻希美れす」
「!? あなた達も、ゼティマと戦ってるの!?」
ライダーの答えに、アマゾンの声が驚きに彩られる。
「あなた達も、って・・・・・ じゃあアマゾン、あなたもゼティマと?」
アマゾンの声に、今度はスーパー1が反応する。
「えぇっ!? 一体どうなってるの!?」
115 :
名無し坊:02/03/22 01:17 ID:w4dx1CPl
「落ちつきぃな、2人とも!」
混乱するスーパー1とアマゾンを、ライダーあいが制する。
「こっちの方はちゃんと事情がわかってるから、説明するわ。
まずそっちの銀色が、仮面ライダースーパー1、飯田圭織。
アメリカから、ゼティマを追ってきたんや。
そんでそっちのまだら模様が、アマゾンことケイ。
名前の通り、アマゾンからゼティマを追って日本にやってきた。
2人とも、間違いはないな?」
「間違いは無いけど・・・・・」
「なんで知ってるの? 私たちのこと」
「のの達のお友達に、FBIの捜査官をしている人がいるのれす。
その人の情報と、ホッパーと、あと、あさ美ちゃんの力を使って、
2人を探し出したのれす」
「ほっぱー?」
「あさ美ちゃん?」
「あぁ、それはV3とスカイ・・・・」
「いやいやいや、そのへんは話すと長くなるから、後で説明するわ。
その為にもとにかく2人とも、ウチらの住んでるところに一緒に来て」
2人の疑問に答えようとしたライダーののを、ライダーあいが遮る。
116 :
名無し坊:02/03/22 01:19 ID:w4dx1CPl
スーパー1とアマゾンは顔を見合わせる。
「まぁ・・・ 何というか・・・・」
「目的は同じ、だったみたいね・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・改めて、飯田圭織。仮面ライダースーパー1」
「ケイよ。
こうなると、私も仮面ライダー。仮面ライダーアマゾンってことになるのかしらね」
「そういうことね。よろしく、ケイ」
「こちらこそよろしく、圭織」
お互いに手を貸しながら立ち上がる2人を、ダブルライダーは静かに見守っていた。
117 :
名無し坊:02/03/22 01:22 ID:w4dx1CPl
そして、4人が森を抜けようと歩き出した時。
フフ・・・・・フフフフフフ・・・・・・・・・・・・・・・
何処からとも無く、含み笑いのような声が聞こえてきた。
4人の歩みが止まる。
「な、なんなのれす、今のは・・・・・・・」
「木が揺れた、ちゅう音とはちゃうな・・・・・・」
フフフフフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「また聞こえた・・・・・・・・・」
「なんか、私の野生の感覚にビリビリくるんだけど・・・・・・・」
「・・・・・・・・君達が、仮面ライダーかい?」
声が聞こえたのは、4人のすぐ後ろからだった。
118 :
名無し坊:02/03/22 01:25 ID:w4dx1CPl
「!!」
即座に後ろに振り返った4人の前に立っていたのは、1人の男だった。
10代後半だろうか。
少年とも青年ともつかない、微妙な幼さを残した端正な顔立ち。
そして艶のある黒髪に対し、服は完全に白で統一されている。
シャツも、ズボンも、靴も。
何もかもが。
「君達が、仮面ライダーかい?」
先程と同じ質問を、男は繰り返す。
「・・・・・・・そうよ」
スーパー1が答える。
まだ4人とも、変身を解いていないのだ。
119 :
名無し坊:02/03/22 01:34 ID:w4dx1CPl
「そうか。君達が仮面ライダーなんだね」
男が満足そうに頷く。
「・・・・で、あんたの方は何者や?」
「僕かい? そうか、僕の名か・・・・
僕の名は、少し長いんだけど・・・・・・・・・・・・・」
ほんの少しの間の後、男は言った。
「僕の名は、ン・ダグバ・ゼバって言うんだ」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
男の名を聞いた瞬間。
突然、4人の体に極限のプレッシャーが走る。
「ウゥッ・・・・」
「た・・・ 耐えられない・・・・・・・・」
ドサッ
プレッシャーに耐え切れず、勝手に変身が解かれ、4人は地面に倒れ込んだ。
変身を解かれ、生身となった4人の体中から滝のように汗が噴きだし、4人の体を濡らす。
120 :
名無し坊:02/03/22 01:38 ID:w4dx1CPl
突然与えられたプレッシャーと、それに伴なって起こった極限の疲労感で、
4人は起き上がることすらままならない。
そんな4人を見下ろして、男・・・ダグバは口を開いた。
「大丈夫かい?
心配しなくても、今日は挨拶だけだよ。
でも近いうちに、必ず君達を殺しに来るから。
それまで、待っていてね。
僕以外の誰かに殺されたりしたら駄目だよ」
楽しげにそう言うと、ダグバは森の奥深くへと消えて行った。
121 :
名無し坊:02/03/22 01:39 ID:w4dx1CPl
残った力で顔だけ上げると、4人はダグバの消え去った方向を見つめた。
「な・・・・・ なんなのれすか・・・・・ アイツは・・・・・」
「・・・少なくとも、ゼティマのヤツやないな・・・・・
あいつらは、自分達の存在や力を誇示したがるからな・・・」
「それじゃあ・・・・ ゼティマの他にも、私たちの敵が・・・・・・・・?」
「こいつは・・・・・ 結構キツいことになりそうね・・・・・・・・」
新たな戦いの予感に震える4人を、蒼く光る月が照らし出していた。
第15話・完
>名無し坊さん
お疲れ様です。
一気に読ませていただきました。
圭織とケイを探し出した方法とかお見事でした。
でも、ダグバが出てきたという事は・・・。
辻・加護のシャイニング・アルティメットフォームもありうるということ
ですよね?
次の作品を楽しみにしています。
123 :
名無し坊:02/03/22 01:46 ID:w4dx1CPl
長々と引っ張ってしまいましたが、ようやく終わりました。
こんな感じで終わらせてしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
賛否両論あると思いますが、ご勘弁ください。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
それでは、名無しXさん、頑張ってください!
124 :
名無しX:02/03/22 02:08 ID:+N+nlnSk
お疲れ様でした。まさかこんなに一気に更新、完結とは!
名無し坊さんのセリフのセンスにはいつも感心します。
圭織の「なんか・・・・勘?」とか、すごくそれっぽい。
しかも最後なんかすごいの出てるし。
自分の方ももう書きあがってるんで明日から2日くらいでいける
と思います。簡単な話ですけど・・・。
では明日からよろしくお付き合いの程を。
125 :
名無しX:02/03/22 23:08 ID:+N+nlnSk
では始めさせていただきます。
第16話 『 X、X、Xライダー誕生編 』
〜プロローグ〜
「許してくれ、愛。こうするより他にお前を生かす方法が無いのだ・・・・。」
自らも瀕死の重傷を負いながらも男は力を振り絞り少女を手術台に寝かせた。
手術台に乗せられた少女の着ているセーターの淡い緑色は辛うじて肩口のあたりに
その存在を残すのみとなり赤黒い血が腹部の大部分を占めていた。
ショートパンツから伸びた細い足にも膝の辺りに痛々しい擦り傷。
幼さの残るその顔は苦悶の表情を纏ったまま固まり、生気の無い土色をしていた。
「私のしてきた研究の為にお前がこんな事になるなんて・・・しかもその研究しか
今のお前を救う事ができない。・・なんて皮肉な・・・それでも私はお前に生きて
欲しいのだ。」
ともすれば途切れそうになる意識のなか男は意を決したかのように
少女の体に白く光るメスを入れた。
126 :
名無しX:02/03/22 23:12 ID:+N+nlnSk
〜数時間前〜
「へぇ〜いい町だね。のどかそうで」
なつみはバイクのヘルメットを脱ぎ開口一番言った。
「そうですね。こんな所にゼティマの研究機関なんて
ホントに在るんでしょうか?」
あさみもヘルメットをバイクのバックミラーに掛ながら答えた。
北陸自動車道を降り海に向かって20分位走っただろうか、
小さな漁船が数隻みえる国道沿いのコンビニエンスストアで
二人はバイクを止めていた。
なつみとあさみ。
似たような背格好のちょっとぽっちゃりとした
何処にでも居そうな少女達であるがその正体は
仮面ライダーストロンガーと電波人間タックルである。
ふたりは在る情報を元にここ福井県三国町へとやって来ていた。
「ここってなっちの生まれた室蘭になんとなく似てるべさ。」
「同じ港町ですからね。ところで、とりあえずどうします?
あんな漠然とした情報だけでここまで来ちゃったけど・・・。」
「仕方ないべさ。あれしか糸口が無かったんだから。」
漠然とした情報・・・そう、ゼティマドーム爆発の後、
二人はゼティマの情報を入手すべく思いつく限りの活動をしていた。
しかしドーム爆発や遊覧船事件がもみ消された事からも解るように
その闇の組織はなつみやあさみの乏しい情報網では
名前すら聞く事は出来なかった。
そんな時思わぬところからその漠然とした情報は飛び込んできた。
127 :
名無しX:02/03/22 23:15 ID:+N+nlnSk
あさみと一緒にマクドナルドで朝マックしていたなつみの
ケータイが『ふるさと』の着メロを奏でる。
「誰だべ?・・・はい安部ですが・・・。あ〜ひさぶり〜元気だべか?
え?うん・・・え〜ほんとに〜微妙だよ〜・・・・・」
どうやら大学に進学した友達からの様だったが
お蔭であさみはコーヒーを3杯もおかわりする破目になった。
「長いよ〜なっちぃ。」
「ごめんごめん。積もる話しに花が咲いちゃってね。
でもちょっと気になる話しを聞いたんだよ。」
「・・・新しいダイエットの方法でも聞いたんですか?」
温厚なあさみもさすがにちょっとむくれている様だ。
128 :
名無しX:02/03/22 23:19 ID:+N+nlnSk
「そんなんじゃなくて、友達の通ってるゼミの教授に聞いたらしいんだけど
最近、人間工学やロボット工学の有名な教授達の行方不明が増えてるんだって。
まあ刑事事件かどうかまだ解らない事もあってあまり表沙汰にはなってないらしいけど。」
「・・・・それで?」
「それで?って・・なっちもあさみもゼティマの秘密基地で沢山の科学者達を
見てきたべさ。」
「行方不明の原因がゼティマだと?」
「ね。ちょっと気になるべさ。」
「だからって私達動き様無いじゃないですか。居なくなった人達の行方に心当たりも無いのに。」
「それがそうでもないんだよねぇ」
ちょと得意げになつみが鼻をならす。
なんでも行方不明になった教授のひとりがさっきの電話の教授と友達らしく行方不明後に
1度だけ電話をかけてきたそうだ。
「俺は故郷の福井で娘とふたり海を見ながら暮らしてるから心配するな」
とだけ告げて一方的に電話は切れたらしいが。
「問題無いじゃないですか。」
「自分の大事な研究をほったらかして急に居なくなって説明がそれだけだなんて変っしょ。」
「そうですか?何もかも投げ出して居なくなりたい事だって有るじゃないですか。」
「え〜変だよ〜。例えばお湯を入れたカップ麺をそのままにして外出する事なんて有る?
なっちはそんな事あり得ないべさ。」
「・・・・それで、なっちはどうしたいと?」
「いくべさ。福井に!」
129 :
名無しX:02/03/22 23:30 ID:+N+nlnSk
コンビニエンスストアで買った豚まんを両手にもちながらなつみも言った。
「う〜ん。でも本当にこれからどうしようかなぁ。」
「・・・なっちって私が思ってた最初の印象とちょっと違ったみたい。」
「そう?どんなふうに?」
「なんて言うか・・もっと計画的な人かと・・・。」
「充分計画的だべさ。」
「どこがですか!ここに着いてからの事も何にも考えてないし、
そもそもその高橋教授って人が誘拐されて福井のゼティマ研究施設で働かされている
なんて私達の想像以外の何物でもないんですから。現にこの町の何処に
研究施設があるって言うんですか。海と船とおじいちゃん、おばあちゃんしか見当たらない
のどかそのものの町じゃないですか!」
「う〜ん、それを言われるとなっちも困っちゃうんだけどね。
それじゃ、とりあえず東尋坊でも行こうか。」
「東尋坊?」
「ほら、よくサスペンス劇場とかにも出てくるすごい断崖絶壁。観光名所なんだって。」
「・・・・・・・。」
「さ、そうと決まればとっとと行くべさ。」
あさみは思った。私はこの人と同行していて本当に良いのかと。
130 :
名無しX:02/03/22 23:40 ID:+N+nlnSk
「うわ〜すごい!こんな所から落ちたらいくら改造人間っていっても只ではすまないべさ。」
「そ、そうですね、ちょ、ちょっとそんなに覗きこんだら危ないですよ。」
なつみとあさみはそそり立つ断崖絶壁の上に立ち、恐る恐る下を見下ろしていた。
遥か下方に黒と言っても良いような深い緑色をした日本海が白い波飛沫を壁面にぶつけては
小さな爆発を起こしていた。
その自然の特殊効果は生と死の境界線がたった1歩の足の踏み出しの間にある現実を
教えてくれる。
ともすれば自分の意思にかかわらず、吸い込まれて行きそうな気さえしてくる。
「ここって、観光名所であると同時に自殺の名所でもあるんだって」
「ひえ〜私・・た、高い所苦手なんです〜。」
激しく打ちつける波の音と海から崖を駆け上って来るような突風の轟音で
普通の人間なら隣にいる人との会話すらすんなりとはいかないであろう状況において
改造人間である二人の耳は遥か遠くで聞こえるその声を拾い上げた。
「!」
「聞こえた?なっち!」
「悲鳴だべさ。」
「何処から?」
断崖に立つ二人からは180度を超えるパノラマの視界が広がっている。
その悲鳴らしきものが聞こえた方向を目で追った。
「あさみ、あそこ!」
「!!」
なつみ達から左手の遥か先にみえる低い位置にある岩場に多数の人影らしきものが見える。
遠目で良く解らないが多勢の人達が二人の人間を追いかけている様だ。
「行こう、あさみ。」
「あそこまで廻りこんで行かなくちゃならないから結構時間かかりそうだよ。」
「急ごう」
二人は駐車場に停めてあるバイクへと駆け出した。
131 :
名無しX:02/03/23 00:21 ID:rjsae0rI
「愛。こっちだ。急げ」
「お父さん、何なの一体?あいつらは何者?」
足場の悪い岩の上をを必死で逃げる中年男性と中学生位の少女。
少女が遂に岩に足を取られ転んでしまう。
「大丈夫か、愛」
「ジィーッ! もう逃げられんぞ、高橋教授。」
全身黒ずくめに赤いマント。顔にはゴーグルのような物を着けた異様な風貌をした追手
の一人が言った。
「あなた達は誰なの?なぜお父さんを殺そうとするの?」
岩にもたれ掛かるような態勢になりながらも必死の形相で少女は男達を睨み付けた。
「俺達はゼティマ戦闘工作員。裏切り者には死あるのみ。
親子仲良くくたばれ!」
言うが早いか戦闘工作員の拳銃が火を吹いた。
「ぐわっ、うぅ」高橋教授と呼ばれた少女の父親がわき腹を押さえて倒れた。
「お、お父さん!あんたらよくもお父さんを!」
気丈にも黒ずくめの男達に飛びかかろうとする少女。
しかし何発かの銃弾が無常にも少女の体をも貫いた。
「うぐっ・・・・」
少女は前のめりに倒れこむ。
その時だった。
132 :
名無しX:02/03/23 00:23 ID:rjsae0rI
「待てぃ、お前達何をしているんだべさ!」
滑る岩場を苦にする様子も無く二人の少女が男達に向かって走ってくる。
なつみとあさみだ。
「あなた達、まさかゼティマの・・・」
「何?ゼティマを知っているとはお前達何者だ!邪魔する奴は容赦しない。やってしまえ!」
戦闘工作員達はなつみとあさみに向かって銃を乱射したが
ふたりの動きは素早かった。
弾丸をよけてなつみは天高くジャンプし工作員に対しキックをお見舞いし、
あさみは近くの岩に手をつき側転宜しく
半回転した後今度は右足で岩をけり工作員に向かって飛び掛った。
正に電光石火。数名の戦闘工作員が一瞬にして吹っ飛んだ。
それも当然の事で、一介の工作員とゼティマの最新技術の結晶である
二人の戦闘能力を較べる事自体が間違っていると言える。
戦闘工作員を蹴散らしたふたりは倒れている親子に駆け寄った。
「しっかりして下さい!大丈夫ですか?」
「・・・君達は?・・・む、娘は無事か?」
男性の方は腹部に銃弾を受けているがまだ意識はしっかりしていた。
しかし、少女の方は・・・・。
「・・・お嬢さんは・・・まだ脈はありますが・・この傷では・・・・。」
はっきり言って絶望的だった。少女のか細い体躯はすでに冷たくなりかけている。
「き、君達に頼みがある・・私とこの娘を私の秘密研究所まで運んでくれないか。」
「研究所?もしかしてあなたは・・高橋教授?」
「そうだ。・・頼む・・・。」
「わ、解りました。」
なつみが教授を、あさみが少女を抱えようとしたその時、
ほんの数メートル先にある海が大きな音と共に海面を隆起させた。
その途端水中から緑色の物体が飛び出してきた。
133 :
名無しX:02/03/23 00:33 ID:rjsae0rI
「な、何?」
今、正に教授を抱え立ちあがろうとしたなつみの目の前に
見た事もないグロテスクな怪人が立ちふさがった。
その姿は魚の様でもあり人の様でもあり爬虫類の様でもあった。
「戦闘工作員を倒すとは貴様ら人間ではないな・・さては最近噂になっている
バッタ型か?それとも人造人間か?どちらにしてもこのネプチューン様が
血祭りにあげて本部への手土産にさせてもらうぞ。」
バッタ型?何の事だべか。 人造人間?私が脱走した時暴走したって奴の事?
ええい、今はそんな事よりも高橋教授を助けなくては。
なつみは教授を下ろしあさみに叫んだ。
「あさみ!教授とその娘を頼むわよ。私はここで食い止める。」
「解った。無茶しないでね。」
あさみは大人しく指示に従った。本格的な戦闘では自分自身がなつみの足手まとい
にすら成りかねない事をあさみも認識していた。
あさみは走った。すでに只の肉の塊の様に思える少女を抱え。教授の肩に手を添えながら。
数メートル後方でバチバチという高圧電流が流れる音がしたが振りかえらずに
走った。
その音がなつみを人で無い物に変えた事をあさみは良く知っていたから。
134 :
名無しX:02/03/23 00:36 ID:rjsae0rI
とりあえず今日はここまでで。
あらためて読むと話が前後してて解りにくいですね。
反省。
135 :
名無しX:02/03/23 22:55 ID:rjsae0rI
「ここだ。」
「え、ここって?」
しばらく走った大きな岩陰で高橋教授は立ち止まった。
しかし研究所らしきものは見当たらない。
「この岩の隙間から入るんだ。」
高橋教授は比較的大きな岩の陰にある高さ1メートルほどの隙間に
かがんで入って行った。
なるほど、その入り口は外からは完全に死角となり見えない。
しかも高低のある曲がりくねった岩の上を20分程度しか離れておらず
直線距離では先ほどの場所から目と鼻の先と言っても良い。
追っ手にとっても意表を着く場所とも言えた。
先に入った教授に抱きかかえていた娘を手渡す。
改めて見るとその緑色のセーターにショートパンツ姿の少女に
打ちこまれた弾丸は腹部全体に渡っており心臓すら少なくとも
1発以上の弾が当たっている。
もう死体と言っても差し支えないレベルだった。
しかし高橋教授は
「愛、今お父さんが助けてやるからな。」と
大事そうに娘を抱え奥へと進んで行った。
どうすると言うのだろう、あさみも黙って教授の後に続いた。
136 :
名無しX:02/03/23 22:57 ID:rjsae0rI
木製の椅子や机の置いてある応接室のような部屋を通りすぎると
なんだかこの場所に不似合いな重々しい銀色のドアで閉じられた部屋があった。
その前で高橋教授はあさみに言った。
「君達は人間ではないんだね。逃げる途中後ろを振り向いたら
怪物の前に立ちはだかっていたのはさっきの少女ではなかった。」
「・・・・・・」
「いや、別に恐れているわけではない。私も今は逃亡生活をしているが
ゼティマに籍を置いていた科学者だ。脱走した改造人間が何体かいる事も知っている。」
「・・・・私はあさみ。もう一人はなつみさんといいます。
大切な人達を奪ったゼティマを追って旅をしています。」
「復讐か・・・・ひとつだけ聞いても良いだろうか。」
「はい。」
「君は・・・今生きている事に・・・後悔は無いのか?」
「・・・・・・・・・はい。有りません。」
あさみは高橋教授の目をみつめきっぱりと答えた。
その目はすでに悩みぬいたあげく出ている答えを
確固たる信念の元に伝えようとする澄んだ瞳だった。
「ありがとう・・・決心がついたよ。」
そう言って高橋教授は重いであろう銀の扉の中に冷たくなった娘を抱き入っていった。
137 :
名無しX:02/03/23 22:59 ID:rjsae0rI
〜翌日〜
やっと辺りが朝の光に包まれだした頃、あさみは高橋教授の研究所から
3キロ程離れた海岸を小走りしていた。
「どこに、どこにいるのよ、なっち・・・」
あさみの顔は目が真っ赤に充血しむくんでいた。
それもそのはずで一晩中あさみはなつみを探して走り回っていたのだ。
高橋教授が例の銀の扉の部屋に篭ってしまった後、あさみはなつみの応援に出たのだ。
果たして本当に手助けになるかどうかは解らない。足手まといになる可能性も有る。
それでもあさみは行かずには居られなかった。
「なっち。何処?」
先ほどの戦闘のあった岩場になつみ、いやストロンガーの姿は無く、
ネプチューンと名乗った怪人も消えうせていた。
「何処行っちゃったのよ。」
辺り中を捜すが見つからない。嫌な予感が浮かんではそれを打ち消すために
あさみは走った。
「そんな事絶対無い・・・。」
何度も何度も自分に言い聞かせる。
辺りが闇に包まれてもあさみは探しつづけた。
そして夜も明けようとする頃波の静かなこの海岸にたどり着いたのだ。
138 :
名無しX:02/03/23 23:01 ID:rjsae0rI
「どこに、どこにいるのなっち・・・」
その時朝日が指している波打ち際に何か丸い塊のような物が見えた。
「!」
あさみはそれに向かって全速力で走った。
「なっち!」
それはずぶ濡れで体を丸め横たわったなつみの姿だった。
「大丈夫?ねえ大丈夫なの?」
あさみは狂った様になつみの体を揺り動かす。
「う、う〜ん あぁ、あさみ・・・・」
「な、なっちぃ・・うわ〜ん心配したんだよ〜」
あさみは子供の様に泣きじゃくり更になつみの体を揺らした。
「痛っ、痛いよあさみ。」
139 :
名無しX:02/03/23 23:03 ID:rjsae0rI
「痛っ、痛いよあさみ。」
ここで初めてあさみはなつみの右腕が肩口から手の甲にかけて
溶けた様にただれている事に気がついた。
「これは・・・。」
「う〜ん、なっちドジっちゃったよ。戦闘力的には負けてなかったんだけど、
海中に引っ張り込まれちゃって。」
なるほど、仮面ライダーストロンガーの能力特性は水中戦に向いているとはとても思えなかった。
「水の中であの怪人の吐く変な泡みたいのに触っちゃったらなんか腕とか溶け出すんだよ〜
びっくりして命からがら泳いで逃げたら何時の間にか意識が無くなっちゃって
気づいたらあさみちゃんが泣きながら体をゆすってたって訳。」
あさみはなつみがこうして無事なだけで満足だった。
しかし冷静になって考えると仮面ライダーストロンガーにとって
腕と言うのは・・・・・・!
「見つけたぞ。ストロンガーとやら。さあ昨日の続きを始めようじゃないか。」
穏やかだった海に大きな波がたったと思うが早いか海面から昨日の怪人
ネプチューンが現れた。
最悪だ・・・そう、ストロンガー安部なつみにとっての腕は変身をする為に
必要不可欠な道具でもあるのだ。
その事になつみもたった今気づいたらしく青ざめてあさみの顔を見た。
「くっ、こうなったら私が。」
「あさみ、ダメ!無理だよ、逃げよう」
「フッ 逃げられると思ってか!」
走り出そうとするふたりの行く手はジャンプ一番海から飛び上がった
ネプチューンに遮られてしまった。
「ここまでか・・」
なつみとあさみに初めて絶望という文字が浮かんだその時。
甲高いエグゾーストノートと共に一陣の疾風がふたりと怪人の間を駆け抜けた。
「なんだ!貴様は」
140 :
名無しX:02/03/23 23:08 ID:rjsae0rI
甲高いエグゾーストノートと共に一陣の疾風がふたりと怪人の間を駆け抜けた。
「なんだ!貴様は」
「なつみさんとあさみさんですね。大丈夫ですか?」
二人の目の前を一旦通りすぎ90度ターンをしながら止まったバイクの
上から聞きなれないアクセントで少女が叫んだ。
「あ、あなた昨日の・・・なぜ生きてるの?」
あさみは困惑した。
「高橋愛です。父から全て聞きました。もう大丈夫、下がっていてください。」
あさみは何がなんだか解らなかった。
「下がろう、あさみ。」
なつみがあさみの手を引っ張った。
「で、でも」
「大丈夫、あの娘・・同じだよ、きっと私達と。」
「え?」
「貴様は昨日のガキか!なぜ生きている!」
「お前を倒すために蘇ったの。覚悟しなさい。とぉ!」
愛はバイクの上からジャンプし、1回転しながら怪人から10メートル程
離れた砂浜に着地した。
そして右腕を顔と重なる様に斜め上方に突き上げ左腕とクロスさせるとそのまま
腰のベルトまで下ろしていった。
「セタップ!!」
141 :
名無しX:02/03/24 11:17 ID:B24ohqSC
「セタップ!!」
ベルトの風車が回りレッドアイザーがマスクを形作る。
パーフェクターが仮面にはめ込まれた時少女は『仮面ライダー』となった。
「仮面ライダーX」
「な、なっち・・・」
「うん。・・・仮面ライダーX」
その姿は輝く銀のマスクに額のVマーク、赤い胸板に黒いマフラー。
もちろんなつみのそれとは姿は異なるが紛れも無く仮面ライダーを名乗るにふさわしいと言えた。
「仮面ライダーXだと?そうか高橋の奴ゼティマの深海開発用カイゾーグの技術を
自分の娘に使ったか。小娘が、勝てると思うな!」
ネプチューンは口から泡のようなものを噴出し攻撃してきた。
Xは瞬時にその攻撃に反応しバック転で軽やかにかわす。
「X、その泡は危険よ、当たったら体が溶けてしまうべさ!」
なつみが叫んだ。
「ライドルスティック!」
142 :
名無しX:02/03/24 11:19 ID:B24ohqSC
Xはベルトの風車の脇から棒のような物を取りだしまるでバトントワリングの様に
体の前面で回し始めた。
「な、何?」
ネプチューンの噴出した泡がライドルスティックの起こす風によって
空気中に拡散してゆく。
「上手い。」
あさみは驚きの声をあげた。
「バカな」
動揺を隠しきれないネプチューンに対し今が好機とみたXは
ライドルスティックを天高く放り投げた。
「とぅ!!」
ライドルスティックを追う様に高くジャンプしたXは
そのままスティックを掴み、あろうことかそのスティックを軸に鉄棒の
ように回転した。そしてそれを反動にし更に高く舞い上がった。
ネプチューンは見た。太陽を背にしたX型の黒い影を。
そしてそれが彼のこの世で見た最後の物となった。
「Xキーック!!」
黒い影がネプチューン目掛けて凄まじい勢いで飛んでくる。
Xライダーの必殺キックが炸裂しネプチューンの首が飛んだ。
そして大爆発を起こした。
「すごい!すごいよXライダー」
「お二人のお蔭です。こうして父の仇を討つことが出来ました。」
「仇・・・。」
「はい。明け方亡くなりました。私に全てを話して・・・・。」
「そうだったの・・・・。」
「あのぉ、実はお二人にお願いがあるんですが・・・・」
「ん?なんだべ」
143 :
名無しX:02/03/24 11:21 ID:B24ohqSC
〜エピローグ〜
「どの位時間かかるのかな、加護生化学研究所までって。」
「こらこら、まだ福井県を出てもいないよ。でも良かったね、なっち。
高橋教授が亡くなる前に愛ちゃんに加護博士の事を教えてくれてて。」
「加護博士はお父さんの恩師らしいのできっと安部さんの腕も直してもらえますよ。」
今はもうその加護博士も亡くなってしまっているのだが高橋教授はそれを
知らなかったようだ。そしてその後を孫娘とその仲間達が受け継いでいる事も・・・。
ここは高速道路のサービスエリアレストラン。
3人の少女がテーブルに三つのヘルメットを置いて注文した料理を待っていた。
144 :
名無しX:02/03/24 11:22 ID:B24ohqSC
なつみとあさみ。そして高橋愛の3人だ。
ネプチューンを倒したXライダー高橋愛からのお願いとは
二人の旅に同行させて欲しいと言うことだった。
この申し出は変身能力を失っていたなつみにとっては願っても無いものだった。
二つ返事でOKしたなつみとあさみは高橋教授が残してくれた住所を
頼りに加護生化学研究所を目指すことにしたのだ。
しかし二人には高橋愛の申し出の理由が解らなかった。
二人と同行することは否応無く戦いの渦中へその身を投げ出す事に他ならないのだ。
愛はまだ幼く、両親は居なくなってしまったが(母親は愛を生んですぐに亡くなっている)
父と共に匿ってもらっていた福井の親戚ではとても可愛がられていた様で
福井弁が体に染みついてしまったほどだ。
父の仇であるネプチューンを倒した事で彼女の戦いは終わっているのではないのだろうか?
そんな幼い少女を自分達の都合で戦いに巻き込んで良いのだろうか。
思いきってなつみが愛に尋ねた。
145 :
名無しX:02/03/24 11:24 ID:B24ohqSC
「ねぇ、高橋ちゃん。本当にいいの?私達と一緒に居る以上またあんな怪人達
と戦わなくちゃならなくなるんだよ。お父さんの仇も取ったんだし福井の親戚の家で
暮らした方がきっと幸せだと思うけど。」
あさみも小さく頷きながら愛の方を見ている。
「・・・私、もう人間じゃ無いんですよ。」
なつみもあさみもハッとした。
愛のその言葉は自分たちが何度も何度も悩み苦しんだ言葉そのものではないか。
愛のその幼い容姿とは関係無く二人と同じ現実が彼女の体には詰まっている。
その事を誰よりも知っているのは自分達ではないか。
「ごめん・・なっちったら、バカな事きいちゃったべさ。」
「そうよね、愛ちゃんを狙っていつ悪者が来るかもしれない。親戚の人達に
迷惑をかけられない。・・・そういう事だよね。」
「でも、それだけじゃないんですよ。亡くなる前お父さんがこう言ったんです。
あさみさんの瞳は生きる事に後悔をしていない瞳だったって。
だからお父さんも私を生かす決心がついたって。」
「・・・・・・。」
「正直言うと怖いんです、私。でもお二人と一緒なら後悔しない生き方が
出きるような、そんな気がしたんです。」
「高橋ちゃん・・・」
「愛ちゃん・・・」
もう迷う必要は何処にも無かった。この娘は私達の仲間だ。
「うん。解ったよ高橋ちゃん。これから仲良くやっていこう。」
「そうだね。あ、頼んでた料理が来たよ。いっぱい食べて元気だして行こう。」
「・・・はい。」
146 :
名無しX:02/03/24 11:26 ID:B24ohqSC
テーブルは3人が頼んだ料理でいっぱいになった。
なつみは目の前の丼のふたを開けた。
「いただきまーす!・・・って何これ。なっちこんなの頼んでないべさ。」
「え?だって安部さんカツ丼頼んでませんでした?」
「そうだべさ。なっちはカツ丼が食べたいんだよ!こんな真っ黒な物が乗った丼じゃなくて。」
「?それカツ丼ですよ。」
「へ?違うべさ。カツ丼っていうのはもっとフワーっとした卵がかかって・・・」
今度は愛が驚いた。
「それじゃ、卵カツ丼って頼まないと。」
福井県では『カツ丼』と言えば『ソースカツ丼』の事を指すのだと愛は言う。
「納得いかないべさ、納得いかないべさ。こんなのカツ丼じゃないっしょ。」
「何言ってるんですか。これこそがカツ丼です。」
「あ〜あ、先が思いやられるよ。」
あさみはひとりため息をついた。
第16話 「X、X、Xライダー誕生編」完
147 :
名無しX:02/03/24 11:34 ID:B24ohqSC
以上終了です。
小説っぽい文章はこれが初めてだったので
痛い出来になってるかもしれませんが・・・。
どなたかつづきお願いします。
>名無しXさん
お疲れさまです。
描写とかすごくよかったです。
また作品のほう書いてくださることを楽しみにしています。
149 :
保全:02/03/25 21:59 ID:iH3uyAIg
名無しXさんお疲れっす
150 :
期待:02/03/25 22:35 ID:VK0Qf6qm
つづきキボーン でageてみる
151 :
ななし:02/03/26 19:29 ID:pJitOvf/
みんな『仮面ライダーSPIRITS』読んでるの?
>>151 「今日は俺とおまえでダブルライダーだからな」
ゲキモエ
153 :
保全:02/03/26 23:47 ID:gmhPyEKx
>>151 村枝は最後どうやってまとめるんだろう?
このスレは誰がまとめるんだろう?
このスレは、おやっさんがまとめます
ストーリー上、死んだ事になってる福田を、無理矢理復活させようと
思ってるんですが・・・。まだ書いてもいないんですけどね。ごっつぁんも、
敵のままにしておくのも勿体無いかなぁなどと思ってたり・・・
後藤も福田も市井と絡みがあるんですよね。
キーになるのはやはりズバットか。
>>155
福田無理矢理復活超期待
名無しっぺ氏復活記念(?)にシリーズの歴史をまとめてみました。
第1話『改造人間誕生』
作者 名無し娘。
掲載期間 2001,6,14〜2001,6,15
登場人物 仮面ライダーのの(辻希美)加護亜依 加護博士
記念すべきシリーズ第1作 たて逃げスレにいつのまにか始まった。
第2話『敵?味方?中澤の姉御登場!』
作者 名無し娘。・ 名無しっぺ
第3話『変身』
作者 名無しっぺ
掲載期間 2001,6,20〜2001,7,2
登場人物 仮面ライダーのの(辻希美)中澤裕子 石黒彩
この頃はまだリレー小説としてのスタイルが曖昧で随所に暗中模索が見て取れる。
この後シリーズ中心作者として活躍する 名無しっぺ氏 登場。
第4話『市井さやかとの出会い』
作者 名無し娘。
掲載期間 2001,7,9〜2001,7,10
登場人物 市井紗耶香 仮面ライダーのの(辻希美)中澤裕子 石黒彩
作品の合間のレスから次ぎの登場人物が提示されるスタイルが主流となる。
第5話『人造人間』
作者 名無しっぺ
掲載期間 2001,7,14〜2001,7,14
登場人物 吉澤ひとみ 石川梨華 市井紗耶香 ハカイダーマキ(後藤真希)他
初のライダー以外の石の森作品キカイダー登場
第6話『この怪人、吸血鬼!』
作者 名無しっぺ
登場人物 怪傑ズバット(市井紗耶香)石黒彩
掲載期間 2001,7,16〜2001,7,28
作品世界がどんどん拡大 後々に繋がる伏線となる福田明日香を今後どう扱うかが焦点のひとつに。
第7話 『もう一人の仮面ライダー』
作者 名無しっぺ
登場人物 アマゾン(保田圭)
掲載期間 2001,8,1〜2001,8,20
娘系小説のキャラ的キーマン保田圭 アマゾンとして登場。
第8話 『宇宙の勇者、スーパー1』
作者 名無し坊
掲載期間 2001,8,21〜2001,8,25
登場人物 仮面ライダースーパー1(飯田圭織)りんね
アマゾンと同じく舞台設定が海外。後にアマゾンも含めたののチーム合流作品へと繋がる。
第9話 『電気人間ストロンガー』
作者 コテハン
掲載期間 2001,9,17〜2001,9,29
登場人物 仮面ライダーストロンガー(安倍なつみ)電波人間タックル(あさみ)
dat落ちした旧スレに変わる新スレ第一弾作品。
第10話 『星雲仮面マシンマリ』
作者 ナナシマン
掲載期間 2001,9,29〜2001,9,30
登場人物 星雲仮面マシンマリ(矢口真理)
歴代作品と趣が異なる異色作。後に作者自ら設定に則した作品へと軌道修正が行われた。
第11話 『孤独な人形』
作者 キカイダー編
掲載期間 2001,9,30〜2001,10,1
登場人物 人造人間キカイダー(吉澤ひとみ)石川梨華 ハカイダーマキ(後藤真希)
キカイダー編第2弾 今回も石川梨華の変身後設定は登場せず。01?ビジンダー?
第12話 『あいと正義を守るため』
作者 カオレンジャー
掲載期間 2001,10,01〜2001,10,6
登場人物 仮面ライダーのの(辻希美)加護亜依 梨華美
待望の加護亜依復活作品 遂にダブルライダー設定完了
第13話 『さらばマシンマリ!』
第14話 『新戦士登場!その名はV3』
作者 ナナシマン(連作)
掲載期間 2001,10,18〜2001,10,21
登場人物 仮面ライダーV3・星雲仮面マシンマリ(矢口真理)辻希美 加護亜依 他
第10話からの軌道修正を受けて登場した本作 2話に渡る長編となる。
第14話+α 『改造人間空を飛ぶ』
作者 名無し1号
掲載期間 2002,2,18〜2001,3,21
登場人物 スカイライダー(紺野麻美)辻希美 加護亜依 他
Uスレdat落ち後のVスレで作品が始まらずシリーズ消滅の危機を救ったV3スレ第一弾。
第15話 『機械の女性 野生の女』
作者 名無し坊
掲載期間 2001,10,21〜2002,3,22
登場人物 仮面ライダースーパー1(飯田圭織)アマゾン(保田圭)辻希美 加護亜依 他
Uスレdat落ち後約3ヶ月の休載を余儀なくされた不遇の作品ここに堂々の完結。
意表を突いたラストに今後の期待が高まる。
第16話 『 X、X、Xライダー誕生 』
作者 名無しX
掲載期間 2002,3,22〜2001,3,24
登場人物 仮面ライダーX(高橋愛)ストロンガー(安倍なつみ)あさみ
舞台設定が独立していたストロンガー編をののチームへと導く。
172 :
名無し坊:02/03/27 23:48 ID:Ehxw+mkN
>名無しっぺさん
福田復活編超期待です。
俺もまだ構想のみですが、『みちよ姐さん=氷川誠』
でPROGECTG4的話をやろうかと考えてます。
本筋と絡ますか、全くの番外編にするかも決めてないので、ひょっとしたら企画倒れに
なるかもしれないです。
どちらにしろ、名無しっぺさんの後なので、ずっと先のことになりますが。
>名無しっぺさん、名無し坊さん
福田明日香復活編と平家さん登場編楽しみにしています。
私も今、残りのZXを誰にするかということで迷ってます。
パーフェクトサイボーグという設定から、アイドルサイボーグ松浦で
いくか、それとも小川、新垣のモーニング娘。のどちらかにするか・・・。
松浦=ビジンダーにして、石川=キカイダー01も面白いかなとか
ちょっと考えていたりはしますが。
174 :
名無しX:02/03/28 00:52 ID:nexKS9VS
>名無しっぺさん、名無し坊さん、名無し1号さん
歴代作者大集合で今後がめちゃめちゃ楽しみです。
後藤がどうなるのかもすごく気になります。
175 :
KR:02/03/28 01:24 ID:S8ftzkBo
あのー、俺が書いてもイイですか、福田復活の話。
というか、出だし出来てるんですよ。お許しがいただければ
書いたいんですが……。
もし、気に入らなければ、欠番と言う事にしてください。
176 :
保全:02/03/28 02:23 ID:8DWMWbp9
>KR
今回は名無しっぺさんに譲った方がよくない?
まぁ、本人が許可出せばいいと思うけど。
それにこのスレ、先に言い出した人に書く権利がある感じがするのは俺だけ?
お久しぶりです。昔キカイダー編を書かせてもらったものです。
石川=ビジンダーで続きを書いてるところなのですがよろしいでしょうか?
まだ途中ではありますが。
>名無し坊さん
稲葉さん使ってもらってありがとうございます。実は後のこと考えてなかったんで(w
それと、もしよろしければG−3と平家さん頂けますか?
おそらく引き取り手のなさそうな新垣=氷川、小沢=平家でちょっと考えてたので。
こちらもまだ構想段階なんでダメでしたら結構です。
178 :
名無し坊:02/03/28 11:56 ID:W6fmFSxx
>名無しさん
いいですよ。
でも、俺のほうの話も、本筋とはほとんど関係ない形で書かせて欲しいのですが・・・
現段階では、俺のほうの話はほとんど本筋に絡まないので(一応ののとアマゾンが出ますが)、
名無しさんには本筋と絡める形で書いていただいて、俺は本筋とほとんど関係ない形で話を
書かせてもらえるのなら、OKです。
俺の本筋と絡まない度合いは、「ウルトラマン対仮面ライダー」ぐらいありますから(w
すみません、わがまま言って。
それでは先にキカイダーのほうを書くのでお先にどうぞ。
>俺の本筋と絡まない度合いは、「ウルトラマン対仮面ライダー」ぐらいありますから
想像できない。激しく見たいです(w
前にお話させていただいたインタドールとしてのマシン製作の話を
大筋考えつきました。
近々、話の場繋ぎ的に書かせて頂こうと思うのですが、よろしいでしょうか?
>名無しさん
初めまして。
ビジンダー編考えてらしたんですね。
では、お願いします。
私のほうは、では、小川=ZXで行くことにします。
インタドールのほうは、後々ということで。
どうやら書けそうなので明日からはじめても良いでしょうか?
ビジンダー石川主役編です。
>名無し1号さん
すみません、スレ更新せず書き込みました。
こちらこそ初めまして。
ZX編楽しみにしてます。
>名無しさん
よろしくお願いします。
作品、楽しみにしています。
そういえば、名無しっぺ氏はどこいった?
( ´ Д `)<このスレ今何人いるの〜? なんかみんな似たような名前だから
わかんな〜い。だもんで間に合わせのトリップつけたよ〜。
ていうか前スレとかは打ち合わせのためのスレとかあったような
気がする〜。
さて、本編の前に言い訳。
前回きちんと書いていなかったため、石川=01説も出てましたが、自分的にはビジンダーのつもりでした。
ただ、登場シーンの関係で01の設定も一部使っています。(良心回路、作られた順番等)
なお前スレの設定集に、吉澤に服従回路が付いていると書かれてましたが、これが付いているのは後藤だけです。
後々のストーリーに関係するので一応。
では本編行きます。
190 :
.:02/03/29 22:52 ID:hUhZd+1D
第17話 『夢みる機械』
薄暗い洞窟のような場所。
冷たく淀んだ空気を満たした陰湿な場所。
そこは秘密組織『ゼティマ』の支部のひとつである『ダーク』の秘密基地。
部屋の中には、見ているものに不快感を誘う、青白い照明に照らされた一人の老人。
「プロフェッサー・ギル!」
大きな声を出して入ってきたのは、黒いライダースーツを着た長い髪の少女。
「ハカイダー・マキか。どうした」
老人──『ダーク』の指導者、プロフェッサー・ギルは対照的に静かに応えた。
「一体いつになったらキカイダーを殺させてくれるんだ!」
「しばらく待つのだ。今ヤツラのところには多くの力が集まってきている。
仮面ライダーと呼ばれる改造人間たちがな。
いくらおまえが最強の能力を持っていようと、一人で勝てるはずは無い」
「何だって! それならばなおさら急いでキカイダーを殺す必要があるじゃないか!」
「いや、ヤツラの力は一つに集まったほうが好都合だ」
「……どういうことだ?」
その言葉にマキは目を細める。
「キカイダーとともに行動する人造人間を知っているな」
「ああ、ビジンダーのことか」
「そうだ。実はつんく博士たちの助手にこちらのスパイがいてな。
そいつはあの人造人間に一つ細工をしていたのだ」
「細工?」
「あいつの体の中には……高性能の爆薬が埋め込まれているのだ」
191 :
.:02/03/29 22:53 ID:hUhZd+1D
「梨華ちゃん、お風呂空いたで」
所変わってここは楽しい中澤一家。
世界の平和を守る戦士たちが集う、お気楽極楽な場所。
「あ、わたしはいいよ」
「ええって……おふろ入らへんのかいな」
あきれたような加護の声。
「そういえば、おふろはいるの見たことないれすね」
辻も不審そうに梨華を見る。
「わたし達は人造人間だから、お風呂に入る必要が無いの」
「でも、よっすぃーはおふろ入ってるれすよ」
「あ…あれはよっすぃーの趣味で」
「あかんあかん! ちゃんとお風呂には入らんと!
そんなんやから肌が黒くなんねんで!」
「いや……それは関係な……」
「ええから。のの! そっち持って!」
「へい」
両手をつかまれ、お風呂場に連行される梨華。
ずるずると引きずられながら、心の中でこっそりとつぶやく。
(うー、お風呂ってなんか錆びちゃいそうで嫌いなんだけどなぁ……)
192 :
.:02/03/29 22:56 ID:hUhZd+1D
「爆弾!? そんなものが……」
「そうだ。
やつの着ている服、その上から三番目のボタンが起爆スイッチになっている。
もしボタンを外せば……。
ククク、あの爆弾は小型だが強力だ。半径10kmは壊滅状態になる。いかに奴らとて……」
「馬鹿な! そんなものが爆発したらキカイダーまで!」
「ふん、奴はそのくらいでくたばりはせんよ。
邪魔者がいなくなってから、ゆっくりと決着をつけるがいい」
不適に笑うギルをマキは目を細めて睨む。
「……やはりおまえは信用できない。
もういい! やつはあたしが倒す! 今すぐにでも!」
言い捨てて飛び出そうとするハカイダー・マキ。
プロフェッサー・ギルは手にした杖を口元に運ぶ。
鳴り響く悪魔の笛。
「うわあぁぁぁ!」
頭を押さえ、苦痛の表情を見せるマキ。
「フフフ、おまえの体に埋め込まれた服従回路。
それがある限り、おまえはワシに逆らう事はできん。
おとなしく自分の出番を待っているが良い」
「はい……分かりました……ギル様……」
うつろな表情を見せるマキを、ギルは不気味な笑みを浮かべて眺めた。
193 :
.:02/03/29 22:58 ID:hUhZd+1D
(イヤだなぁ、お風呂キライ……)
憂鬱な気持ちになりながら、梨華は脱衣所のドアを開けた。
人造人間であるひとみと梨華は代謝物を出すことがない。
加えて彼女達の肌の表面は、ナノマシンにより自動的に浄化される。
そのため基本的に体を洗う必要はない。
「さ、早いとこ服脱いで」
「ねぇ、なんでそこにいるの? 見られてると恥ずかしいよ」
「じんぞーにんげんだからはずかしがることないれす」
「だってぇ……」
「つべこべ言わんと、とっとと脱がんかい!」
「ふぇぇん……」
八の字に眉毛を下げた梨華は、観念したのか青い上着を脱いだ。
首に巻いていたスカーフを外し、華奢な体を包むブラウスに手を伸ばす。
細い指先が小さなボタンを外してゆく。
ひとつ目……ふたつ目……そして。
194 :
.:02/03/29 22:58 ID:hUhZd+1D
ドカン!!
突然聞こえる爆発音。
「な、なんや!」
「おふろの中ならきこえたれす!」
お風呂側の扉が開き、湧き上がる煙とともに現れたのは……。
「げほげほ」
「何してんねん! おばちゃん!」
「失礼ね! あたしはおばちゃんじゃないわよ! う、げほげほ」
つい最近共に戦うメンバーに加わったばかりの仲間、
仮面ライダーアマゾンことケイは苦しそうに咳き込んだ。
195 :
.:02/03/29 22:59 ID:hUhZd+1D
「ちょっと! 何、今の音!?」
飛び込んできた長い髪。
ケイとともに仲間に加わった飯田圭織──仮面ライダースーパー1は、
中の惨状を見て目を丸くした。
「何これ!? 信じらんない。一体どうやったらこんなふうにお風呂壊せんの!」
「う、うるさいわね。あたしはこんなもの使ったこと無いのよ!」
「どうでもええけど、おばちゃん服ぐらい着たほうがええで」
「こ、こわいれす……おばちゃんのはだか、こわいれす……」
全裸のまま仁王立ちのケイを見て、辻はなぜか怯え、加護は冷静に突っ込みをいれる。
「わ、わたしパトロールに行ってきますね」
「あ、梨華ちゃん、待ちーな!」
大騒ぎになった風呂場から、これ幸いとばかりに梨華はこっそり抜け出した。
今日はここまでです。
197 :
名無し:02/03/29 23:12 ID:Kwo/YyHA
( ^▽^) < しないよ♪
IIなど、過去スレが見れない・・・
199 :
名無し:02/03/30 03:06 ID:37o8yX7R
>>198 今、俺のところでは
>>7 のリンクから普通に見えるけど。
もしかして一時的な障害?
>199
見れた。ホントに一時的な障害だったみたい。
最近の娘。は、どうでもいいかなと思っていたけど、
小説スレは面白いね。
hozen
202 :
保全:02/03/31 22:46 ID:HIHiGXqi
ライドル脳天割り
203 :
.:02/03/31 22:51 ID:ZFQpNy4H
ふう、とため息をついて梨華は草むらに腰を下ろした。
街の中心から少し離れたこの場所は、ちょっとした自然公園のようになっており、
休日のせいか、たくさんの親子連れでなかなかの賑わいを見せていた。
柔らかな日差しを浴びた植物たちが、たくさんの花を咲かせている。
「キレイ……」
色鮮やかなその光景を見て、思わずそうつぶやいた梨華は、ふと顔を伏せた。
キカイである自分に、花を愛でる行為など意味があるのだろうか。
花を見るとキレイだと思うようインプットされている。それだけの事ではないのか。
そう思うと悲しくなる。
ヒトに造られたキカイでありながら、ヒトと同じココロを持つ自分たち。
キカイにココロは必要なのだろうか。
同じ人造人間であるひとみの言葉を思い出す。
不完全な『良心回路』のせいか、ひとみは苦悩をいつも抱えていた。
それが分かっていながら、梨華はどうしてやる事もできないでいた。
そのことが辛い。
いや、この感情さえも、あらかじめインプットされたものなのかも……。
204 :
.:02/03/31 22:51 ID:ZFQpNy4H
ふと気配を感じて梨華は顔を上げた。
目の前にはさまざまな花をまとめた小さな花束。
その向こうには健康的な笑顔を浮かべた幼い少女。
「このおはな、あげる」
たどたどしい口調で差し出された花束を見て、梨華は優しく微笑んだ。
「わたしに?」
こっくりと頷く小さな頭。
「ありがとう。とってもうれしい」
受け取って胸に抱くと、少女は照れたように振り返って、とてとてと駆けていく。
その姿を目で追うと、母親らしい女性がこちらに会釈をするのが見えた。
会釈を返し、素朴なプレゼントを見つめる。
あんな小さな子供達が平和に暮らせる世界、それを作るのがわたし達の使命。
ゼティマを倒すこと。それが自分達に与えられた命令。
しかし、そのためには……。
好きな人にプレゼントをあげること──それはヨイコト。
他人を傷つけること──それはワルイコト。
弱い人を守ること──それはヨイコト。
兄弟を殺すこと──それは……。
205 :
.:02/03/31 22:52 ID:ZFQpNy4H
◇
「あれがリントの造った人造人間か」
物思いにふける梨華を見つめるひとつの視線。
白で統一された服装。神秘的ともいえる笑みが浮かぶその顔には、まだわずかに幼さが残っていた。
「面白いな。今度も楽しめそうだね。
だけどまだ……少し早い」
ふ、と男は視線をずらす。
「やれやれ、無粋な邪魔が入ったか。
まあいいさ。ゆっくりとお手並みを拝見するとしよう」
言葉とともに男の体に一陣の風が吹いた。
次の瞬間、まるで穏やかな日差しに溶け込んだかのように、その姿は掻き消えていた。
206 :
.:02/03/31 22:52 ID:ZFQpNy4H
弾かれたように梨華は顔を上げた。
感度の高い聴覚が、風に乗って運ばれた悲鳴を捉えていた。
慌てて駆け出した梨華。
その目に飛び込んだのは、ダークのロボット、アンドロイドマンの姿だった。
「探せ! この辺りに奴はいるはずだ!
一刻も早く、あの男を見つけるんだ!」
アンドロイドマンの後ろから現れたのは、一体のロボット。
巨大なカマキリを思わせるその体は、全身が緑色にカラーリングされていた。
「奴の存在は我等ダーク、ひいてはゼティマにとって脅威になる。
このままにしておくわけにはいかん。あの男を……白い服の男を探すのだ!」
逃げ惑う人々。ロボット達はかまわず暴れまわる。
咲き誇っていた花たちは無残に踏みにじられていた。
207 :
.:02/03/31 22:53 ID:ZFQpNy4H
「待ちなさい!」
言葉とともに梨華は敵の真中に飛び込む。
華奢な体に似合わぬ強さで、アンドロボット達を蹴散らしてゆく。
「早く逃げて!」
両手を広げ、後ろにいる人々に叫ぶ。
梨華のすぐ後ろで一人の少女がこちらを見上げていた。
「おはな……あのおはなを守って」
それは先ほど花束をくれた少女だった。
「大丈夫。お姉ちゃんに任せて」
そちらに向けて、優しく笑いかける。
「うん」
安心したように駆け出していく少女を見送り、梨華は振り返る。
208 :
.:02/03/31 22:53 ID:ZFQpNy4H
「感じるぞ。おまえもロボット。
人造人間だな」
「そう、わたしもロボット。あなた達と同じ。
あなた達の兄弟」
「俺はダーク破壊部隊のグリーンマンティス。
ちょうど良い。おまえ達には破壊命令が出ている。
ここで死ぬがいい」
「やめて! わたしは兄弟と戦いたくない!」
「問答無用だ!」
グリーンマンティスは右手の鎌を振りかぶって襲い掛かる。
かわした梨華の後ろにあった木が、真っ二つになった。
「仕方ないのね……。
チェインジ!」
掛け声とともに梨華の体が光に包まれる。
その光が消えると現れた姿。
ハートのようなデザインの頭部。
ピンクを基調としたボディ。
優美さとしなやかさを兼ね備えた、女性的なフォルム。
「それがおまえの本当の姿か」
「そう、わたしはビジンダー。ビジンダー・リカ!」
終わらなかった……。
すみません、もう少し続きます。
210 :
名無し:02/04/01 00:04 ID:zaayvfUz
ビジンダー梨華 萌え
>名無しさん
楽しんで読ませていただいてます。
ビジンダーの苦悩のシーンがすごいいい表現だと思います。
完全な良心回路があるがゆえの苦悩が、不完全な良心回路を持つ
キカイダーの苦悩とはまた違っているという点が得にいいです。
仮面ライダー・エロスは出てこないんですか?
213 :
ハプーン:02/04/02 02:28 ID:pD4MMdYH
作者さん空想科学読本見ました?
それによると、仮面ライダーは・・(以下略)
レスありがとうございます。今回でこの話はおしまいです。
では続きをどうぞ。
215 :
.:02/04/03 00:45 ID:cl2olnQx
「ゆくぞ!」
声とともに再び鎌が振り下ろされた。右へ左へ、空気が切り裂かれる。
しかし、ビジンダーの体を捕らえる事はできない。
流れるような動きで、全ての攻撃をかわしてゆく。
キカイダーと比べ攻撃力に欠ける分、機動力はビジンダーのほうが上だった。
「ええい! ちょこまかと!」
「とう!」
一瞬の隙を突いて、リカは大きく宙へ飛び上がった。
体をひねり、空中でハープを構える。
「ハープボーガン!」
リカの手にしたハープから、数本の矢が飛んだ。
放たれた矢は、グリーンマンティスの肩にぐさりと突き刺さった。
216 :
.:02/04/03 00:45 ID:cl2olnQx
「ぐうおぉぉ! や、やるな」
ひざを突く兄弟ロボットを前に、リカは攻撃の手を止める。
「もうやめて。わたしはこれ以上戦いたくない」
体内の『良心回路』が無益な戦いにレッドシグナルを発する。
兄弟を殺すこと──そう、それはやはり……。
「甘いぞ! ビジンダー!」
「!」
グリーンマンティスの左手がムチのように伸び、ビジンダーの首に絡みついた。
「きゃあああ!」
そのままぐるぐると振り回され、勢いよく地面に叩きつけられる。
「うう……」
深刻なダメージを受けた体がぎしぎしと音を立てる。
両手を突いて無理やりに上体を起こしたリカの目に映った光景。
ぶつかった地面は衝撃でえぐれ、吹き飛ばされた花たちは無残な姿をさらしていた。
「花が……」
「戦いの最中に油断をするとは馬鹿な奴め」
「わたしの……わたしのせいで……」
217 :
.:02/04/03 00:47 ID:cl2olnQx
あの少女の顔を思い浮かべながら、よろよろと立ち上がる。
「……もう……もう迷わない。わたしは……あなたを倒す!」
「できるものならやってみるがいい!」
再び鞭が唸りをあげて襲ってくる。
ダメージのせいか、前ほどのスピードの出ない。
ビジンダーは徐々に追い詰められてゆく。
その足がぐらりとよろけた。
「捕まえたぞ」
ついに鞭が腕にまきついた。
「これで終わりだ」
再び地面に叩きつけようと、渾身の力を込めて鞭が引かれる。
しかし、ビジンダーは力に逆らわずジャンプした。
「やあ!」
そのまま勢いをつけて、逆に空中に投げ上げる。
「なにぃ!」
「ビジンダーレーザー!!」
胸部から放たれた熱線が、螺旋を描いてグリーンマンティスを貫いた。
「バ、バカな!」
爆散する緑の体。
バラバラと落ちて来る兄弟の欠片を浴びながら、
元の姿に戻った梨華は、じっと佇んでいた。
218 :
.:02/04/03 00:48 ID:cl2olnQx
「梨華ちゃん!」
かけられた声に後ろを向く。
「よっすぃー……」
「大丈夫だった?」
同じ人造人間であるひとみにを見て、梨華は寂しげに微笑んだ。
「ねぇ、わたし分かった気がするの」
「なにが?」
「どうしてよっすぃーの『良心回路』は不完全なのか」
「どういうこと?」
首をひねるひとみ。
「何が良い事で、何が悪い事なのか。
そんなもの、プログラムなんかで決められるものじゃない。
だから博士は完成していたはずのわたしの『良心回路』では満足しなかった。
だから新しく造られたよっすぃーの『良心回路』は不完全だった」
「…………」
219 :
.:02/04/03 00:48 ID:cl2olnQx
「ううん、違うね。不完全なもの。それで正しいんだよ。
そう、『良心回路』は不完全なものでしかない。
だって『良心回路』もヒトが作ったものだから。
神ではないヒトに、完全な善悪の判断なんてできないんだから」
「梨華ちゃん……」
「でも、わたしはもう迷わない」
「え?」
「わたしが迷う事でまた大切なものが失われていく……。
そんなのはイヤ。
だから……わたしはもう迷わない。
わたしは戦う。
自分の信じたもののために」
晴れやかに笑う梨華を見て、ひとみも笑顔を見せた。
「うん、分かった。一緒に戦おう。
みんなのために」
「うん、がんばろうね」
笑いあう二体のロボットの間を、暖かな春の風が通り抜けた。
220 :
.:02/04/03 00:50 ID:cl2olnQx
そんな二人を白い服の男はじっと眺めていた。
……何時の間にか、その後ろに一人の女性が立っていた。
端正な顔立ち。
理想的なプロポーション。
額には……バラのタトゥー。
「ログググ、ゲゲルガザジラス」
「うん、分かってるよ」
「ムセギジャジャン、ジュンヂザゼビダ」
「もうすぐ……そう、もうすぐだ。
もうすぐ時が満ちる。そうすれば……」
白い服の男はやわらかく微笑んだまま、目を細める。
「ダンギギ、ゲゲルン、ザジラシザ」
第17話 〜完〜
以上です。
独自の路線を突っ走ってますがご容赦ください。
なお、『良心回路』の解釈は作者独自のものであり、
オリジナルとは無関係です。一応お断りしておきます。
それでは次の方どうぞ。
222 :
保全:02/04/03 23:37 ID:PrdPIL9F
名無しさんお疲れ
hozen
インタドール 「ライダーマシン完成!」
ここは、加護生化学研究所の地下深くにある通称「マシーンステージ」
生体に関する叡智が収められている、「ライフステージ」とは異なり、
ここは機械に関する叡智が収められている。
基本的にいろいろな機械の製作や、人造人間の修理などを行なうことができる。
例外的にほとんど機械の改造人間である飯田圭織ことスーパー1の修理・点検
する「チェックマシーン」はここにあるのだが・・・。
「さぁ、点検終わり。今日も異常なし!」
そういうと、圭織はチェックマシ―ンから出てきた。
いつもなら、ここから地上に出て中澤家に帰るのだが、圭織は
このマシンステージの様子がいつもと違う事に気づいた。
なにやら、工具をがちゃがちゃいじる音や、加工用の機械の音が聞こえる
のだ。
気になって、奥の部屋を覗くと、どういう分けが現在中澤家に居候している
メンバーが全員でなにやらごそごそと作業をしていた。
「あいちゃん、これここでいいんれすか?」
「おお、そこにその部品填めこんでや、のの。」
「でも、あいちゃん。ののは、自転車にも乗れないんですよ?」
「ああ、大丈夫や。今度のマシンは自動姿勢制御装置付きやから、
自転車乗れんののでも、ちゃんと運転できるさかい。」
辻と加護は2人で作業している。
「うーん、これが動力源なんか。太陽の石?インカの遺産やねやろうな。
ちょっとこの設計図難しいわ。分かる?あやっぺ。」
「うん、なんとかね。それにしても、よくこんなの設計したわね。」
「おじいちゃんが渡してくれたから、私はよく知らないんだけど・・・。」
隣では中澤と石黒とケイがなにやら図面を覗きこみながら考え込んでいる。
さらに隣では、紺野がパソコンをいじりながら、なにやら作業している。
その隣では、矢口がやはり図面をみながら、考え込んでいる。
ひとみや梨華もなにやら工具をチェックしたり、部品を運んだりしている。
「ねぇ、いったいみんなでなにしてるの?」
不思議に思った圭織は全員に問いかけた。
「あ、飯田さんやんか。ちょうどよかったわ。手伝どうてぇな。
今、みんなのライダーマシンを作っとるとこやね!」
加護が答えた。
「ライダーマシン?あ、そっか、みんな持ってないんだっけか。」
圭織は、仮面ライダーと呼ばれつつもそこにいるライダー達が、
全員自分専用のマシンを持っていない事に気づいた。
圭織自身は、宇宙開発用のマシンを二台製作してもらってあって、
うち、1台は壊れてしまったが、もう1台「ブルーバージョン」という
オフロードバイクを持っていた。
また、キカイダーとビジンダーであるひとみと梨華にも「サイドマシン」
というサイドカー付きのバイクがある。
おそらく、今日は全員でマシンを作ろうという話になったのだろうと、
圭織は思った。
「あ、そうだ。いいらさん、これ稲葉さんかられす。いいらさんの
バイクの設計図2台とも見つかったから、渡してくれって頼まれたれす。」
というと、辻はスカートのポケットからCDを出した。
「あんな、ブルーバージョンのほかに、もう1台バイクあったんやろ?
それの設計図もはいっとるらしいで。ここやったら、もう1回それ作り
直せるで。」
加護が答えた。
「ほんと!?へぇ、そうなんだ・・・。」
圭織は常々、バイク1台あれば十分かとも考えていた。
しかし、もともともう1台あったわけだし、なにかの拍子に敵に破壊
されないとも限らない。
圭織はあのハーレーのようなバイクを自分の手でもう一度組み上げる
決心をした。
「じゃ、私も作るよ。やっぱり、乗ってみたいしね。その子にも。」
「そんじゃ、みんなで頑張ろうや。」
「おお、ええな。がんばっていきまっしょい!」
何時の間にか円陣を組んで気合いを入れると、全員はまた作業へと
移っていった・・・。
それから3日後・・・
結局、加護生化学研究所に全員泊まりこみで作業は進み、
全員のバイクが完成にこぎついた。
「できたで!うちとののマシン「ニューサイクロン」や!」
「できたのれす。」
「おいらのマシン「ハリケーン」完成!」
「私のバイク「ジャングラー」もできたわよ。」
「・・・私も「スカイターボ」のほう完成しました。」
みな口々に完成したことを告げる。
そして・・最後の螺旋止めをしていた圭織も安堵の笑顔とともに
「できたーっ、惑星探査用高速マシン「Vジェット」!」
と叫んだ。
「みんなでけたみたいやな、マシンのほう。」
中澤も笑顔で一緒に喜んでいた。
「わたしらも、できる限り手伝ったけど、けっこう大変だったね。」
石黒も言う。
「ほな、全部のマシンのほうの説明だけここのスクリーンに映すわ。
そのほうが、みんなも分かりやすいやろし。」
そう言うと、加護がパネルのスイチを入れた。
そこには、全てのマシンの特長が表示された。
「ニューサイクロン」
核融合エンジン搭載。最高時速500キロ。
水陸両用のマシン。ジャンプも可能。
自動姿勢制御装置&自動操縦装置搭載。
「ハリケーン」
核癒合エンジン&風力エンジン搭載。最高時速600キロ。
前面の風車から風をとり込み、エネルギーとする事も可能。
ウィングを広げれば短時間だが空中飛行可能。
自動操縦装置搭載。
「ジャングラー」
太陽の石を動力源とする。最高時速300キロ。
前部の口から銛を発射することができる。攻撃&ウィンチ用。
自動操縦装置搭載。
「スカイターボ」
水素エンジン搭載。最高速度300キロ。
ジェットサブエンジン使用時は1200キロまで加速可能。
超振動装置R.H.V搭載で障害物等をウィリー走行で破壊可能。
自動操縦装置搭載。
「Vジェット」
ジェットエンジン搭載。最高速度1340キロ。
通常時用マシン「Vマシーン」から変形する。
攻撃用ロケット砲&煙幕装置搭載。
自動操縦装置搭載
「まぁ、ざっとこんなとこやな。ほかにもいろんな機能ついとるはずや
から、後はみんな乗りながら、なれていくしかないわな。」
「ちなみに、このマシンステージの奥の部屋が車庫になるねんん。
そっから、秘密通路があるから出撃する時はそっからになるねん。」
加護の説明が終ると早速、辻が・・・
「あいちゃん、すごいのれす。早速のってみたいのれす。」
「のの、どうせこれから嫌でも乗らなあかんようになるねから、
とりあえず、待っとり。今は。」
「そやで、いつゼティマがまた悪さするかわからんしなぁ・・・。」
中澤が言った。
「じゃ、とりあえず、完成を祝してパーティでもしよっか。」
石黒が提案した。
「パーティ、いいのれす。また、美味しいもの食べるのれす。」
「お前はそればっかかよー!」
矢口が辻の言葉に半ばあきれながら答える。
「まぁ、でも、とりあえず、行こうや。上に。」
中澤の言葉で全員が上に向かう。
最後になった圭織はもう一度、マシンのほうを振り向くと呟いた。
「これからよろしくね、Vジェット・・」
マシンは何も答えはしなかったが、かすかにそのカウルが挨拶するよう
に、ライトの光で光った事に、圭織は微笑み返した。
インタドール「ライダーマシン完成!」完
書き終わりました。
これで、ライダーマシン、バンバン登場させることができると思います。
もうちょっと捻りたいとこもあったんですけど、次に書かれる方も
いらっしゃるでしょうし、こんな感じで。
ちなみに、原作の設定と若干ライダーマシンの設定勝手に変えてあります。
後、飯田のハーレーバイク「Vマシーン」復活させてしまったんですけど、
もとの作者さんそれでもよかったですか?事後の承諾ですいませんが。
また、今度ZX編書かせて頂く時に、マシンのほうもいろいろと表現したい
と思います。
では、次の方よろしくお願いします。
えー、非常に言いにくいのですがインタールードだと思います(w
それはともかく、これで紺野のライダーブレイクも見れるわけですね。
楽しみが増えました。
>インタルード
ご指摘ありがとうございます。
間違えました(W
まぁ、これでライダーブレイクは可能ですね。バイク登場したので。
237 :
名無し坊:02/04/06 01:12 ID:lDCjF29g
〜御注意〜
これから始まる話は、「仮面ライダーのの」本編とはほとんどバッティングしない、
完全な番外編話となっております。
他の作者様は、この話のキャラクター等を、後の話に組み込まれないよう、ご注意ください。
目安:どのくらい番外編かというと。
のの本編をアギト本編に例えますと、
今回の話は、アギト劇場版、もしくは月曜にやったアギト1時間スペシャルぐらいの番外編度合いです。
長編となっている上、まだ完成していませんので、完結まで少々長くなりますが、
何卒最後までお付き合い下さい。
では、始めさせていただきます。
238 :
名無し坊:02/04/06 01:16 ID:lDCjF29g
どんな強固な繋がりを持つ組織にも、はみだし者、異端と呼ばれる者達はいる。
ゼティマ別働隊、特殊戦闘部隊『GWS』。
ゼティマにとっての異端はそれだった。
ゼティマの中でも、戦闘力、指揮力など、
何か一つの才能に特化した女性隊員のみで構成されているそのチームは、
同時に独断専行の常習者達の集まりでもあった。
それでも高い戦果をあげるので、周囲からは異端視されている。
それに加えもう一つ、彼女達が異端と呼ばれる理由がある。
全員が、ゼティマ所属の女性隊員の遺伝子から培養生成された、いわゆるクローン人間なのだ。
その出生故に彼女達は異端と蔑まれ、強力な部隊でありながらも、それに見合わぬ扱いを受けていた。
その待遇に彼女達を不満を抱き、いつしかそれは、ゼティマからの離反という形になって表れる事になる。
しかし、ただ離反しただけでは、ゼティマ本体の圧倒的な力によって、彼女達は一瞬のうちに抹殺されてしまうだろう。
ゼティマ本体と対等に渡り合える力を、彼女達は欲していた。
239 :
名無し坊:02/04/06 01:20 ID:lDCjF29g
「力、か・・・・・・・」
GWSに与えられた基地内の一室で、彼女は呟いた。
部屋に明かりは無く、差し込む月光だけが、彼女の姿を映し出す。
アジア系の女性だ。
肩まで伸びた金髪に、白い肌。
蒼い目は、持ち前のものでなければ、カラーコンタクトであろう。
あまり若くは無いが、整った顔立ちだ。
だが、憂いを帯びた今の雰囲気は、彼女の見た目を更に老けたものにさせる。
「このまんまやったら、ウチらは一生、クローン人間として飼い殺しのままや。
何とかせな。何とか・・・・・・・・・」
呟く彼女の部屋のドアから、コンコンと乾いた音がした。
ノック音だ。
「空いとるで。勝手に入ってきたらええよ」
そう応えると、ドアが開く。
「失礼するわ」
入ってきたのは、彼女より少し年下の、同じくアジア系の女性だ。
背中まである茶髪に、つり気味の目。
どこか落ち着いた雰囲気をもった女性だ。
240 :
名無し坊:02/04/06 01:23 ID:lDCjF29g
「なんや、あんたか。何の用や」
「隊長。チャンスが巡って来たかもしれないわ」
そう言うと、茶髪の女性は、手に持っていた新聞を、彼女の前に放った。
「どういうことやねん、ちゃんと説明してほしいわ・・・・・・」
隊長と呼ばれた金髪の女は、ブツブツ言いながら、目の前の新聞を拡げる。
新聞は、ゴシップ紙等とは違う、世界情勢や政治経済を主に報じる、いわゆる一流の新聞だった。
「1面を見てみて」
「なんやっちゅーねん、まったく。ちゃんと口でせつめ・・・・・・」
言われたとおり、1面を見た隊長の動きが突然止まる。
彼女の目は、1面のある記事の見出しに注目していた。
『警視庁、対テロ用の特殊装甲服を導入』
「こ・・これは・・・・・・・・」
「いいから読んでみて」
241 :
名無し坊:02/04/06 01:26 ID:lDCjF29g
『警視庁は2日、対テロ用として、MIT卒業の松浦亜弥警部補が製作した特殊装甲服、G3−Xを導入。
ニューヨークのテロ事件を受け、日本でも頻発、凶悪化しつつあるテロ事件に対する防御策とするため、
警視庁が試験的に1機の導入をしたと発表した。
その姿は一見、TVマンガのロボットのようにも見られるが、機動隊などの装着する防護服等とは
比べ物にならないほどの防護性を発揮し、松浦警部補謹製によるオートフィット機能により、全く動きづらさを
感じさせない、誰にでも装着できる設計となっている。
また、対テロ用ということもあり、専用の銃等の各種兵装を内蔵するなど、装備面も充実している。
このG3−Xは、既に幾つかのテロ事件を未然に防止し、また、その最中に偶然に出くわした火事の現場でも、
逃げ遅れた人々を救助するという、レスキュー隊員顔負けの活躍を見せている。
警視庁では、後々このG3−Xの量産型を大量生産し、対テロはもちろん、人命救助の現場等でも、
これを使用していきたいと話している。
G3−Xの装着員である平家みちよ巡査長は、「これからもこのG3−Xで、市民の安全を守ってゆきたい」
と話している』
242 :
名無し坊:02/04/06 01:35 ID:lDCjF29g
「おい・・・・・・・ こいつは確かに、チャンスが巡ってきたかもしれへんな・・・・
対テロ用なんてヌカしとるけど、こいつ、絶対に・・・・・」
「私達、ゼティマに対抗する為に作ったようね。
もしも、私たちの存在には気付いていなくても、得体の知れない、
人間の常識を越えた力を持つ者の存在には、気付いているはずよ」
「そうやな・・・・・・ これさえ・・・ このG3−Xさえ手に入れることができたら・・・・・・」
「そうね・・・・ でも、このG3−Xよりも、更に強力な装甲服があるといったら、あなたどうする?」
「! そんなもんがあるんか!?」
「ええ。信頼できる情報よ、間違いないわ。
G3−Xをほとんど単独で開発したという松浦亜弥警部補は、G3−X、そしてその前身であるG3と共に、
G4というシステムを開発しているわ」
「そんなシステムがあるなら、なんでG4を使わへんねん」
「・・・・・G4のテスト装着員が、過剰な負荷に耐え切れず、装着したまま死んだそうよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「G3とG3−Xには、それだけの負荷はかからないそうよ。
私たちが欲するだけの力はあるけど、それだけに、このG4につくリスクも相当なものよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
243 :
名無し坊:02/04/06 01:36 ID:lDCjF29g
しばらくの沈黙のあと、隊長が言った。
「・・・・・・・・・面白いわ。そういうものこそ、あたし達に相応しいわ。
G4を手に入れるで」
「・・・・あなたならそう言うと思ったわ」
「よっしゃ。早速そのG4の設計図を手に入れるんや。
設計図は何処に?」
「彼らが根城としている万能移動基地、Gトレーラーの中よ。
トレーラー内のコンピュータの中に、設計図が眠っているはずよ。
入手には、私が行くわ」
「そうか、頼むわ」
そして隊長は、傍らにあった机の上の電気スタンドのスイッチを入れた。
「ついにあたし達は、ただの飼い殺しから抜け出す事ができる・・・・・・」
244 :
名無し坊:02/04/06 01:38 ID:lDCjF29g
白熱灯の明かりが、月光よりも明確に、2人の姿を照らし出す。
「ゼティマ本体と対等に戦う力があれば・・・・・」
「ウチらはもう、クローン人間なんて呼ばれることも無い。
一人の人間として、生きていくことができるんや・・・・・」
照らし出されたその顔は、あの2人そのものだった。
辻希美・・・仮面ライダーの近くにいるあの2人。
中澤裕子と、石黒彩の2人に。
仮面ライダーのの 番外編 『PROGECT G4』
245 :
名無し坊:02/04/06 01:41 ID:lDCjF29g
〜3日後〜
「平家さん! 松浦さん! 見てくださいよ!!」
警視庁舎の地下にある、G3チーム専用のスペースの真ん中に駐車されたGトレーラーの中に、
G3−Xサブオペレーターである鈴音の声が響き渡る。
「あ〜も〜 あんたはいつもうるさいわねぇ!!」
「まぁまぁ、松浦さん落ちついて」
それに負けじと、メインオペレーターの松浦亜弥が声を荒げ、装着員の平家みちよが亜弥をなだめる。
G3−X活動班、通称G3チームは、装着員の平家みちよ、メインオペレーターの松浦亜弥、
サブオペレーターの鈴音の、計3人で成り立っている。
G3−Xとは、装着者の平家みちよのみによって運用されているわけではない。
開発者でもあり、メインオペレーターでもある松浦亜弥と、サブオペレーターの鈴音による
バックアップがあって初めて、G3−Xはその真価を発揮するのだ。
もともと、亜弥と鈴音は警視庁の兵装開発課に、みちよは大阪府警にいたのだが、
亜弥の提唱した『対テロ用の特殊装備』という案に上層部が賛成、彼女が製作したG3−Xとその前身であるG3を、
テストパイロットとして選ばれた大阪府警の平家みちよが運用し、予測された以上の検挙率を叩きだした事から、
G3−Xを警視庁の装備とする事が正式に決定され、今に至るのだ。
結成されたばかりのチームではあるが、亜弥と鈴音の的確なバックアップと、みちよの正確な運用で、G3チームは、警視庁の
切り札と呼ばれるほどに成長している。
しかし、開発者である亜弥は、G3−Xを、もっと別の目的に使用することを考えていた。
それは、昔の自分にとって保護者ともいうべき存在の女性から聞いた、ある言葉のためだった。
246 :
名無し坊:02/04/06 01:43 ID:lDCjF29g
「亜弥、今人間はな、大きなピンチに晒されとるんや。
人間以外の、大きく、強大な存在によってな。
ウチは今、その存在の一部として動いてる。でもそれは、ヤツらに対して負けを認めたからとちゃう。
そいつらの力を盗んで、そしてその力を使って、逆にヤツらを倒してやるんや。
ウチは人間を守る。
必ず、な」
それから亜弥は、以前から考えていた特殊装甲服・G3の製作に着手した。
護られるのは性に合わない。
例え力で敵わなくても、人間には、知恵と言うものがあるのだ。
そして亜弥は、G3、そして現在のG3−Xを生み出したのだ。
彼女の言葉が真実となった時、このG3−Xは、彼女が手に入れるであろう力と共に、人類にとって大きな切り札になる。
亜弥は、そう確信していた。
247 :
名無し坊:02/04/06 01:47 ID:lDCjF29g
「いきなり怒らないでくださいよぉ。折角いいもの持ってきたんですから」
亜弥に怒鳴られ、少し怯みながらも、鈴音は手に持っていた新聞を2人に見せる。
「いいものって・・・・ あぁ! これ、この前取材された私たちの記事じゃないですかぁ!」
大阪から東京に移ってきたみちよは、東京に慣れようと、慣れない標準語を使っているが、どうにも不自然だ。
「そういえば、この間取材されたわね」
「見てくださいよ! 私たちの写真も載ってますよ!」
記事の横に載っている写真を、鈴音が嬉しそうに指差す。
そこには、Gトレーラーの前で亜弥、鈴音、G3−Xを装着したみちよが、並んで立っていた。
「あ、ちゃんと写ってますね」
「すごーい・・・ 私達、本当に新聞に出るまでにスゴくなっちゃいましたね」
「そうですね。それにしても、松浦さん」
「ん? 何、平家さん」
「何で突然、取材なんか受ける気になったんですか?
G3の姿があまり注目されるのは良くないって、ずっと言ってたじゃないですか」
「そういえば、そんなこと言ってましたよね」
「そ、それは・・・・・・」
いきなりのみちよの質問に、亜弥は一瞬口篭るが、すぐに口を開く。
「そろそろ、G3−Xが世間の注目を集め始めたし、無理に探られてイヤな思いをするよりも、
こちらから存在をアピールした方がいいと思ったのよ」
「あぁ・・・ なるほど」
「そういうことだったんですか」
2人は納得したようだった。
まさか、彼女の話の真偽を問うために、意図的に存在をアピールしたとは流石に言えない。
2人に真実を話すのは、彼女の言葉が現実のものとなった時でも、遅くは無いだろう。
それで逃げ出すようであれば、2人を選んだ自分の目が曇っていたのだ。
248 :
名無し坊:02/04/06 01:50 ID:lDCjF29g
「さ、2時から会議室で話があるそうよ。
なんでも陸上自衛隊から、うちに研修生がくるんだって」
「はぁ・・ これも新聞の効果ですかね?」
「さぁ。どっちにしろ、何しに来るかわかったものじゃないわ。
ひょっとしたら、G3−Xの設計図を盗みに来たのかもしれないし」
「それは無いと思いますけど・・・・・・」
言葉を交わしながら、3人はトレーラーは出て行った。
亜弥の予想は間違ってはいなかった。
ただ、盗まれるものが違っただけで。
会議室での顔合わせは、短いものだった。
3人の上司の
「陸上自衛隊から、G3−Xの性能研修という形で、しばらく君達と行動をともにすることになった、
石黒絢君だ」
という言葉に、隣にいた彼女は
「陸上自衛隊1等陸尉、石黒絢です。
ご指導、ご鞭撻のほどを、よろしくお願い致します」
と、自己紹介をした。
緑色の陸自の軍服に、同じ色のベレー帽をした彼女の顔は、あの、石黒彩と同じだった。
しかし、そのことに気が付く者は勿論誰もおらず、
みちよは、新しい仲間との出会いを喜び、鈴音は、自分に後輩が出来た事を喜んだ。
しかし亜弥だけは、彼女にどうにも気が許せない感じがした。
彼女には注意しなければ。
亜弥はそう思った。
そして実際に、その注意は彼女にずっと向いていた。
会議室での自己紹介の後、Gトレーラーでのミーティングを終えるまで。
249 :
名無し坊:02/04/06 01:55 ID:lDCjF29g
予定外だったのは、その後に行われた『石黒絢さん歓迎会』と称されて行われた焼肉屋でのドンチャン騒ぎで、
未成年の上、下戸にも関わらず酒を飲んでしまった亜弥は激しく酩酊し、前後不覚に陥ってしまった。
さらに、鈴音も亜弥に負けず悪酔いしてしまい、日頃溜まった亜弥への鬱憤を酒にまかせて
「松浦亜弥のバッキャロー!!!」
「G3−Xはなぁ、あたしがいなきゃ動かないんだぁぁ」
などと暴露し、さらにはみちよにも
「へーけさん、なんでGK−06使わずにガードアクセラーばっかり使うんですかぁぁ。
あたしいっつもあれ磨いてるのにぃぃ。
けーぼうなんかよりナイフの方がいいじゃないですかぁ!
いっつも磨いてるから、出した時にきれいにシャキーンって刃が伸びるんですよ、シャキーンて!!」
などと叫び、更には鈴音の叫びを聞いた亜弥が激昂したため、事態は増々泥沼に陥り、
みちよは、それぞれのフォローに回ることで精一杯だった。
そのため、絢だけがひとり、酔わない程度に酒を飲み、いつのまにか姿を消した事に、誰も気付かなかった。
そして、姿を消した絢が向かった先は、警視庁舎内、Gトレーラーだった。
トレーラー内に入るには専用のIDカードが必要だが、彼女にはすでに支給されている。
トレーラーに入ると、彼女は迷わずパソコンの前に腰を下ろす。
起動スイッチを入れ、素早い手つきでキーボードを操作し、次々とファイルを開いていく。
3つほどファイルを開いた所で、彼女の指が止まる。
250 :
名無し坊:02/04/06 01:58 ID:lDCjF29g
「これね・・・・・・」
そう呟く彼女の目が、モニター上のある一点を凝視する。
『seal(封印)』と書かれたファイル。
無駄とは思いつつも、そのファイルをクリックする。
思ったとおり、パスワードの入力画面が現れる。
「でも、私には通用しないわ・・・・」
彼女は、上着の内ポケットから1枚のCD−ROMを取り出す。
CDには『Zetima unlock passward system』と書かれている。
それをモニター横のCDドライブに挿入する。
すると、パスワード入力画面に、自動的にパスワードが入力されていく。
数秒の後、入力が完了し、ファイルが開かれる。
ファイルにはたった一つ、『G4』と書かれたファイルが存在していた。
それをクリックする。
画面一杯に、設計図が現れる。
左上には、『G4設計図』と記されていた。
それこそ、彼女の探し求めていたものだった。
「見つけたわ・・・・・・・・・・・・」
そう呟く彼女の顔には、自然と笑みが浮かんでいた。
251 :
名無し坊:02/04/06 02:02 ID:lDCjF29g
とりあえず、今回はここまでです。
ですがちょっと訂正を。
>>2496行目の「などと暴露し」を「などと叫びだし」に変更して読んで下さい。
そうしないと変な意味になってしまいます。
申し訳ありませんでした。
では、次回もよろしくお願い致します。
252 :
名無し坊:02/04/07 01:39 ID:0EiFtPx9
「石黒さんが辞めた?」
「そうなんです。さっき、上から連絡があって、
『G3ユニットでの研修には意味がない』と、本人が判断したそうなんです」
翌日のGトレーラー内。
みちよの言葉に、さすがの亜弥も驚き、飲んでいたコーヒーをこぼしそうになった。
「意味がない、って・・・・・・・ 昨日の今日で、まだ何もしてないじゃない」
「そうなんですけど・・・ 松浦さん、実は、石黒さんについて、気になる事を聞いたんです」
「気になる事?」
みちよは少し身を乗り出し、声をひそめて喋る。
彼女と向き合う位置に座っていた亜弥も、それに合わせて自然と身を乗り出す。
「石黒さん・・・・ どうやら、陸上自衛隊の人ではないようだったんです」
「? どういうこと?」
「松浦さん言う通り、上も昨日の今日で辞めてしまったことについて聞こうとして、
陸自に連絡を取ったんですけど、向こうは、『陸上自衛隊に石黒絢なる人物は存在しない』
という答えが返ってきたそうなんです」
「何ですって・・・・・・・・
上の連中は、そんな初歩的なミスに気が付いてなかったの!?」
「そういうことになるんですけど・・・・・
でも、石黒さんの研修は、陸自からのちゃんとした要請でしたし、
身分証明もちゃんとされてたんです」
「それが今になって、突然彼女の存在が消えた・・・・・・・」
「一体、どういうことなんでしょう・・・」
「・・・・あの石黒絢という女性が、陸自に偽装しても、しばらくは気付かれないほどの
身分証明の偽造能力を持つ人間か、あるいはそういう組織の使いだったのか。
それとも・・・・」
「それとも?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
亜弥は答えない。
それとも、彼女の言っていた、人間以外の大きな脅威からの使いか・・・・・・・・・・
253 :
名無し坊:02/04/07 01:45 ID:0EiFtPx9
「祐子」
GWS基地、3日前のあの時と同じ場所に立ち、部屋の前で、
石黒絢は中にいる人物の名を呼んだ。
「あぁ・・・・ 絢か」
祐子と呼ばれた女性は、外に向けていた視線を、絢へと向ける。
その顔は中澤裕子そのもの。
あの、隊長と呼ばれていた、金髪の女性だった。
「手に入れたわ。G4の設計図を」
「そうか・・・・・・ ようやったな」
「後は、実際に製作するのみよ」
「・・・・・・・・これで、ウチらの理想を実現できる。
ゼティマから離反し、人を護ることを」
「そうね・・・・ 私達クローン人間が普通に生きていくためにも、
私達は人間達を護る立場に立ったほうが何かと都合がいいわ」
「その通りや。
自由になる替わりに、ウチらかて何らかのリスクを背負わなあかん」
握り拳に更に力を込め、祐子は星の瞬く夜空を睨み上げる。
「ウチらは勝つ・・・・・・・・・ 行く手を遮る全てのものに・・・」
254 :
名無し坊:02/04/07 01:47 ID:0EiFtPx9
それから2ヵ月後。
ゼティマの怪人も現れず、世界は平和だった。
「今日もいい天気なのれす」
晴れ渡った空を見上げ、仮面ライダーのの・・・辻希美は楽しそうに言った。
「でも、日本って空気が汚れてるよね。最近やっと慣れてきたよ。
今日みたいに晴れてる日は、多少マシだけどさ」
希美の左隣を歩くのはケイ、仮面ライダーアマゾンだ。
最近、彼女達の姉貴分である中澤裕子によって、日本での戸籍を手に入れた。
日本での名前は、『保田圭』だ。
「そう言っちゃえばそこまでなんですけど・・・・・
でもやっぱり、希美さんの言うとおり、青空は気持ちいいですよ」
右隣は石川梨華。
見た目は普通の女の子だが、人の手によって造られた生命を持つ、人造人間だ。
今日、3人は買い物に出ているのだ。
「何を買ってくればいいんでしたっけ?」
「えーっと、今日は豪勢に焼肉にするって言ってたから、玉ねぎニンジンピーマン、後はメインの肉ね」
「どのくらい買うのれすか? 20キロ?」
「いや、そんなに買うわけないじゃん。せいぜい2キロくらいよ」
「えぇー!? それじゃ足りないれすよ!」
「希美さん、20キロも買ったら、お金なくなっちゃいますよ」
「そうよ。アンタこの前みたいに、またみんなで3日間3食とも水と塩だけで生活したいの?」
「うっ・・・・・ あれだけは・・・・・ いやれす・・・・・」
255 :
名無し坊:02/04/07 01:54 ID:0EiFtPx9
希美の脳裏に、1週間前の悪夢が蘇る。
未成年が多い、おおっぴらに外に出られない人間がいる、といった理由で、彼女達の生活収入は非常に少ない。
それに加えて、生活人数が多いため、彼女達のエンゲル係数が非常に高いのだ。
そのため、1週間3食トマトとハム一切れ、プレーンオムレツにブロッコリー1つ、といった質素な食事も
そんなに珍しくない。
そんな中でも、3日間といえ、3食全て水と塩のみというのは、極限の状況だった。
「わかりました・・・ 2キロでいいのれす・・・」
「そうそう、それでいいの」
「きっといつか、たくさんご飯が食べられる日が来ますよ」
本気でしょげる希美を、梨華が慰める。
「!・・・・・・・・・・・・・」
突然、希美の動きが止まった。
ケイと梨華も、希美の様子に足をとめる。
「どうしたの、のの?」
「頭が・・・・・・ 痛いのれす・・・・・・・」
頭を抱え、その場にしゃがみこむ。
ただならぬその様子に、2人の顔色が変わる。
「ちょ、ちょっと、大丈夫?」
「しっかりしてください、希美さん!」
希美の中を、これまで感じた事の無い奇妙な感覚が襲う。
何かが自分を呼んでいる。
それは自分にとって害を成すもの。
自分はそれを倒さなければならない。
自分を呼ぶもののいる場所は、何故か見当がつく。
自分を呼ぶ者・・・・・・・・ それはゼティマ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・行かなきゃ」
しゃがみこんでいた希美は、立ち上がると、突然走り出した。
「のの!!」
「希美さん!!」
「感じるのれす・・・・・ ゼティマが・・・・・ ゼティマがいるのれす!!!」
「何!?」
「ゼティマが!?」
希美の言葉を聞き、2人も彼女の後を追う。
彼女達の向かった先は、朝陽港倉庫という所だった。
256 :
名無し坊:02/04/07 01:57 ID:0EiFtPx9
同時刻。
Gトレーラーにも、一本の通報が入っていた。
『本部より入電。
朝陽港倉庫に、未確認生物が大量に出現。
周囲の人間が殺害されている模様。
G3チーム、出動要請』
「未確認生物!?」
「何なんですか?」
聞きなれない言葉に、みちよと鈴音は首をかしげる。
しかし、亜弥だけは違った
(遂に・・・・・ 来た・・・・・)
彼女の言葉が、遂に現実となったのだ。
「平家さん! G3−X出動よ!!」
「え?」
「何してるの! 出動って言ってるでしょ!!
鈴音! 早く席に着きなさい! サポートの準備!」
「は、はい!」
亜弥に追い立てられ、2人も本来の位置に立つ。
みちよは、G3−Xが収納されている台の扉の前に。
鈴音は、オペレーション用のコンピュータのサブモニターの前に座る。
亜弥もメインモニターの前に腰を下ろし、モニター横のスイッチを押す。
すると、みちよの立っていた台の扉が開く。
すぐさまみちよは台の中に入り、スーツを身に纏っていく。
やがて、全身をスーツで固めると、最後にヘルメットを装着する。
様々なメーターなどが目の端に映るヘルメット越しに、肉眼よりもクリアな映像がみちよの目に映る。
「G3−X、装着完了しました」
「ガードチェイサーに乗って」
みちよ・・・G3−Xは、トレーラー後部に置かれた専用バイク、ガードチェイサーのシートに跨る。
「トレーラー後部ドア、オープン。ガードチェイサー、ロック解除します」
鈴音の操作によって、トレーラー後部ドアが開かれ、タイヤのロックが解除される。
「平家さん、相手は謎の生き物よ、気合い入れて行きなさい!」
「わかってます!」
「ならよろしい。G3−X、出動!」
「了解! G3−X、出動します!!!」
ガードチェイサーがゆっくりと下がり、トレーラーから出て行く。
道路にタイヤがついた時点で、G3−Xはガードチェイサーのスピードを上げる。
G3−Xは、現場に急行した。
257 :
名無し坊:02/04/07 02:00 ID:0EiFtPx9
本日はここまでです。
まだ全体の10分の1を越したぐらいなので、まだまだ続きます。
よければ、他作者様の作品や、自分の作品に感想などを頂けると、非常にありがたいです。
では、また次回もよろしくお願い致します。
258 :
保全:02/04/08 01:30 ID:EVtW2goa
hozen
259 :
保全:02/04/09 00:48 ID:kQCoXAGl
hozen
260 :
保全:02/04/11 00:19 ID:MDDlNdau
ハルバードスピン
261 :
保全:02/04/11 00:46 ID:TR4nKvKU
hozen
262 :
あ:02/04/12 08:26 ID:3Wn+8JSk
また放置?
263 :
保全:02/04/12 19:01 ID:0xiQUc2y
hozen
264 :
名無し坊:02/04/13 00:56 ID:P2Yjc8cz
希美達が朝陽港倉庫に着いたとき、そこにはすでに、生きている人間の姿は無く、累々と横たわった
死体の山が築かれていた。
そしてその場に、明らかに人とは違う、異形の怪物たちがいた。
二足歩行の蟻、とでも形容するべきか。
そんなグロテスクな怪物たちが10数体、うず高く詰まれた死体の山の周りを彷徨っていた。
「ひどいのれす・・・・・」
「ゼティマのヤツら・・・・・ なんてことを・・・・ のの、変身するよ!」
「わかったのれす!」
「私は2人をバックアップします。気を付けてください!」
言葉と共に、梨華の目が焦点を失い、黒目の部分に様々な数字や文字が現れては消えていく。
内臓のコンピュータが、バックアップのための演算処理を開始したのだ。
そして、希美とケイも変身する。
「ライダァァァァァァァァ・・・・・・・・ 変・・・・・身!!!!!」
「アァァァァァマァァァァァァゾォォォォォォォォンッ!!!!!!!!」
2人の体が光に包まれ、希美とケイの姿が変化を遂げる。
「仮面ライダー・・・・・のの!!」
「仮面ライダーアマゾン!!」
そして2人は、蟻怪人の群れへとその身を躍らせた。
265 :
名無し坊:02/04/13 00:57 ID:P2Yjc8cz
サイレンを響かせ、G3−Xを乗せたガードチェイサーが到着した時、戦闘は始まっていた。
「な・・・・ 何・・・・ あれ・・・・・」
ヘルメット越しのみちよの眼前に、信じられない光景が広がっている。
蟻のような姿をしたたくさんの怪物達と、それらとは明らかに雰囲気の違う、
だが、やはり人間の姿ではない2人の怪物達が戦っている。
「松浦さん・・・・・ あれ・・・・・ 一体何ですか!?」
G3−Xのカメラから送られてくる映像を通して、みちよの眼前に広がる光景を見ていた亜弥は、みちよに言った。
「あれは・・・ 私たちのすぐ近くに迫っている、人類全体の危機の片鱗よ。
平家さん・・・ 今まで黙ってたけど、あなたの装着しているG3−Xは、対テロ用の装備ではないの」
「!? それじゃ・・・ まさか・・・・」
「そう。あなたの目の前に広がる非常識な光景・・・・・・
G3−Xは、あの存在から、人類の平和を守るための切り札として開発したのよ」
「そんな・・・・ そんなことって・・・・・」
「信じられない、とは言わせないわ。
あなたの目の前に広がる光景が、それを証明しているじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
みちよは何も言わない。
亜弥も何も言おうとはしない。
そして、ほんの少しの沈黙の後、みちよは口を開く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 戦うしか、ないんですね」
「・・・・そうよ」
「・・・・・わかりました。
でも、あの蟻みたいなのと、それと戦ってる人達、どちらに味方したらいいんですか!?」
266 :
保全:02/04/13 13:46 ID:+PXvc+2X
ストーリー盛り上がってきたね
267 :
名無し坊:02/04/14 21:24 ID:EVWktiee
「それはあなたが決めなさい」
「! そ、そんな・・・私には・・・・・ できません・・・ そんなこと・・・・」
モニター横のスピーカーから、段々としぼんでいくみちよの声が、亜弥の耳に届く。
亜弥は、そんなみちよに問い掛ける。
「平家さん。何故、私はG3−Xの装着員に、あなたを指名したと思う?」
「それは・・・・・・・・・・ わかりません・・・・・・・・・・」
突然の質問に、みちよは少し口篭る。
それに対し、亜弥は強く言い放つ。
「あなたは、物の本質を見分ける事が出来るのよ。
いつものあなたは、どっちともつかない中途半端な人間だわ。
だけど、いざという時のあなたには、何が自分にとって本当に正しく、大切なのか、それを嗅ぎ分ける力があるのよ」
「私に・・・・・・・・・・・・・・・」
「自分の勘を信じなさい。
どうすることが自分にとって大切なのか、あなたが決めるのよ」
みちよは、目の前に広がる光景を見る。
アンテナの付いた銀色のマスクを付けた戦士は、怒りに任せて戦っているように見える。
その隣で戦う、全身深緑色と赤いまだら模様の戦士には、更にそれがはっきりとわかる。
そして、その2人に向かって敵が来る場所を叫んでいる少女。
一方、蟻の怪物達の動きには、感情など欠片も見えず、ただ、自分達に手向かう者達と戦っているだけのように見える。
(私が・・・・・・・・・・・・ 決める・・・・・・・・・・・・!)
「松浦さん! 私決めました!! あの3人と一緒に戦います!」
そう叫ぶと、みちよはガードチェイサーに乗せてあった専用ガトリングガン・GK−05・ケルベロスを掴む。
「わかったわ。あなたが決めた事なら、しっかりやってきなさい!!」
「はい!!!」
ケルベロスを手に、G3−Xは強く叫んだ。
「人類の平和は、私が護る!!」
268 :
保全:02/04/16 23:20 ID:Y5dFWYkp
hozen
269 :
保全:02/04/16 23:47 ID:prACa9r9
シャイニングボンバー
270 :
:02/04/17 00:09 ID:cE7zqT42
楽しみにしているのだけど、更新、なかなか難しいのかな???
蛇塚隊長保全
272 :
名無し坊:02/04/18 20:55 ID:eCmlzwQ+
すいません、4月から仕事が急激に忙しくなったため、なかなか更新ができません。
明日の夜にはまた更新しますので、お待ちください。
他作者の皆様、読んで頂いている方々には、本当に申し訳ないです。
273 :
くぇ:02/04/19 12:06 ID:sBdQMXns
「新・一緒に暮らすならどの娘?」みたいに複数の筆者が同時に
書いても良いんじゃないのか?
274 :
名無し坊:02/04/20 00:34 ID:Ur6zyQmB
バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッ・・・・・・・・・・・・・・・
飛行するヘリから、石黒絢は眼下に広がる景色を見た。
海に面した港の倉庫街の一画で、激しい戦闘が展開されている。
勢力は2つに分かれているようだ。
片方は、ゼティマの放った最新の怪人部隊、アントロード。
もう片方は、ゼティマの技術によって造られた、仮面ライダー。
そして、その戦闘に加わろうとする一つの姿。
忘れもしない、G3−Xだ。
警視庁、いや、松浦亜弥が、ゼティマに対する備えとして造り出した存在。
対テロ用と言っているが、そんなことは嘘に決まっている。
彼女自身にその自覚は無いだろうが、あれは、力を持たない人間が造り出した、
仮面ライダーの別の形。
「仮面ライダー・・・ゼティマ本体・・・そして、G3−X。
デモンストレーションにはうってつけの連中が勢揃いね」
『そうやな』
絢の言葉に相槌を打つのは祐子だ。
声は肉声ではなく、装着しているヘルメットの、口にあたる部分に設けられたスピーカーから聞こえてくる。
「あなたの姿を見たら、松浦亜弥は何ていうかしら?」
絢の声は、どこか楽しげだ。
『驚いて声も出んのやないか。
まさか、自分が封印したものが、突然出てくるとは夢にも思わへんやろうからな』
それに対し、祐子の声は冷静そのものだ。
「そうかもね・・・・・・ さ、そろそろ出番よ」
『わかったわ。
あ、一応指令出してくれるか? 形式的なもんやけど、気が引き締まるからな』
「いいわよ。
・・・・・・・G4システム、アクティブ」
『了解』
石黒絢がGトレーラーから盗み出したG4と呼ばれる存在の設計図。
それを基に作られた装甲服・G4を纏った祐子は、30メートル下の地上に向かい、躊躇一つ見せずに跳躍した。
275 :
名無し坊:02/04/20 00:36 ID:Ur6zyQmB
「シャアッ!!」
叫び、アマゾンは両腕のアームカッターを一閃させる。
一瞬の後、アマゾンを取り囲んでいたアリ怪人達の首が落ちる。
だがしかし、そのすぐ後ろにいたアリ怪人達が、再びアマゾンを取り囲む。
(もう・・・・ どのくらい倒したのかしら・・・・ いくら倒してもキリがない・・・・)
それに、さっきから戦闘に加わったあの青いのも気になる。
確かあれは、数ヶ月前の新聞に出ていた、警察の作ったG3−Xとかいう、対テロ用の装甲服だ。
今のところ、戦闘の邪魔にはなっていないが、こんな所に何故いる?
おまけに、今はこちら側についているようだが、戦闘が終わった後、自分達に銃を向けないとも限らない。
(圭織と初めて会った時もそうだったしね・・・・・・・・)
「のの! 大丈夫!!」
「はい! まだいけるのれす!」
「こいつら片付けたら、すぐに逃げるよ!!
あの青いのに攻撃されたくないし、それにまだ買い物も終わってないんだからね!!」
「わかったのれす!!!」
「辻さん、右前方9時の方向!! ケイさんは左斜め後ろ!!」
梨華の正確なナビが2人の耳に届く。
「ハァッ!!」
「シャアッ!!」
ライダーのパンチと、アマゾンのキックが怪人を吹き飛ばす。
276 :
名無し坊:02/04/20 00:39 ID:Ur6zyQmB
G3−Xも、戦闘を開始した。
「行けぇぇっ!」
気合いの叫びと共に、専用バルカン・GX−05・ケルベロスのトリガーを引く。
回転する砲身から、数百発の特殊弾頭が1秒の間に発射される。
1匹の蟻怪人が、全身にそれを喰らい、たまたずに爆発、四散する。
そして、爆風の向こうから新たな蟻怪人が出現し、G3−Xに飛びかかる。
近距離のため、遠距離用のGX−05では攻撃が出来ない。
G3−Xは、飛びかかってきた蟻怪人を、GX−05の砲身で薙ぎ払うと、即座に
左太腿にマウントされた特殊警棒、ガードアクセラーを引き抜く。
勢いをつけて殴りつけ、蟻怪人との距離を開くと、右手に持っていたGX−05をその場に落とし、
右太腿にマウントされた専用銃、GM−01に持ち替えると、殴りつけた蟻怪人に向けて連射、爆発する。
さらに、後ろから襲いかかろうとしていた蟻怪人に、後ろ回し蹴りを喰らわせる。
(キリがない・・・・ けど、負けられない!)
そしてG3−Xが、目の前の蟻怪人の顔面に拳を叩きつけた瞬間。
ザシャッ!
先程から周りを飛んでいたヘリから、一つの物体が落ちてきた。
いや、それは物体ではなく、人影だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
蟻怪人達は、突然の乱入者に対し、低く喉を鳴らし、
「また敵れすか?」
「わかんないけど、あれって・・・・」
「あの、さっきから私達に味方してくれてる、青い人によく似てますよね・・・・・・・」
のの、アマゾン、梨華は、同時に頭に疑問符を浮かべ、
「あれは・・・・・・ G3−X!?
いや違う・・・・・ 似ているけど・・・・ G3−Xじゃない・・・・・・」
みちよは動揺し、そして
「G4・・・・・・・・・・・ なんで・・・・・・・・・・・
なんであれが存在しているの!!?」
亜弥は、考えもしなかった事態に対し、驚愕に目を見開く。
「あれは・・・・・ 封印したはず・・・・・・・・・
絶対に・・・・・・・・・・・ 絶対に、出してはいけないものなのよ!!!」
277 :
名無し坊:02/04/21 00:29 ID:NuUsC+/D
姿形はG3−Xに酷似しているが、基本となっている装甲の色は、青では無く、黒。
ショルダーアーマーも、角張った形をしたG3−Xのものとは違い、丸いものになっている。
アンテナも、G3−Xのものより肉厚で、銀色に鈍く光っている。
目も、G3−Xのオレンジに対し、青く染まっている。
そして、右太腿にマウントされた、GM−01。
仮面ライダー、ゼティマ、G3−X。
それぞれが異なった反応を見せ、戦闘を続けながらもこちらに注目している事を意識しつつ、
ヘルメットのスピーカーから、祐子は絢に告げた。
『G4システム、作動や。
サポート頼むで』
そして人影・・・G4もまた、戦いの中に入っていった。
G4の力は、圧倒的なものだった。
背後から襲い来る蟻怪人に対し、振り向きもせず顔面に肘打ちを叩き込み、
三方を囲まれれば、一匹を叩き伏せ道を作り、残りをすかさず回し蹴りで仕留める。
たとえ、多数の蟻怪人に囲まれようと、G4が負ける事は決して無かった。
そして、ヘリから落とされた、小型の地対空ミサイルを装備したG4専用のロケットランチャー・ギガントによって、
残りの蟻怪人は全て消滅し、その場の決着がついた。
278 :
名無し坊:02/04/21 00:30 ID:NuUsC+/D
「なんとか終わったのれす・・・」
倉庫の影に隠れ、変身を解いた希美が、息をつきながら言った。
「それにしても、一体何だったんだろう、今の・・・・」
腑に落ちない表情で、同じく変身を解いたケイが呟く。
「今はまだ状況がまったくわかってませんし、とりあえずは逃げましょう。
関わり合いになって、私たちの事がバレないとも限りませんし・・・」
「梨華ちゃんの言うとおりなのれす。
早くお家に帰って、まずはご飯れす」
「ま、そうね。いずれハッキリするかもしれないし、今日は早く退散して夕飯にしよう」
そして3人は、そそくさとその場を後にした。
(そういえばあのヘリ、カメラで私のことだけをずっと撮ってたけど、
一体どうして・・・・・・・)
この時の梨華の疑問は、いずれ、最悪の形として、彼女の前に姿を現すことになる。
3人がその場を後にするのと同時刻、ヘリが大きな音をたて、地上に降りてくる。
その前には、あのG4がいた。
そのヘリに対峙する様に、Gトレーラーがヘリの真正面に停まる。
その前には、G3−Xがいる。
そして、Gトレーラーから亜弥が降り、みちよがG3−Xのヘルメットを取るのと同時に、
ヘリから絢が降り立ち、そして祐子がG4のヘルメットを外し、その素顔を晒していた。
険しい表情で、亜弥は、正面に立つG4と、絢を見た。
279 :
名無し坊:02/04/21 00:34 ID:NuUsC+/D
G4の戦闘シーンが全く無いことを、お許しください(死)。
あと
>>273くぇさんの意見に、勝手ながら賛成です。
俺も、平日はちょっと更新できそうにないので、本編を先に進ませたい
という方がいらっしゃれば、それで構わないです。
俺の方の話は、あくまで本編とバッティングしない番外編なので。
280 :
保全:02/04/21 23:44 ID:ngTs+9oZ
hozen
281 :
保全:02/04/24 21:48 ID:rVc6PrKa
ライジングビートゴウラム
282 :
特撮オタ:02/04/24 22:55 ID:5jWjQJpP
もしかしたら出演できるかもしれないと思ってアイ〜ンの練習をする
ズ・ゴオマ・グ。
ほぜん
284 :
保全:02/04/27 00:05 ID:DsnVN4yd
マシントルネード
こんかい、われわれ『テレビマ○ジン』へんしゅうぶは、かめんライダーののの
ひみつじょうほうをゲットしたぞ! これで今までにきた、みんなからの質問にも
こたえられるね!
Q.なんであいぼんはあんなおっさんくさいおおさかべんなん?
(奈良県 ハゲとちゃうわ!)
A.それはあいぼんが、おじいちゃんであるかごはかせのちしきを
手にいれた時に、おおさかべんのちしきもいっしょにきゅうしゅうしたからだよ。
さらに『ボケ』と『つっこみ』のちしきもきゅうしゅうしちゃってるみたいだネ!
Q.あんだけガキおったら生活大変やで?ホンマ大丈夫なん?
(京都府 ごくせん)
A.とりあえず今は、かごはかせからののちゃんがもらったお金と、
カオリや圭ちゃんのもってきたお金でせいかつしてるよ。でもあの
にんずうだとやっぱりたいへんだから、裕ちゃんと彩っぺはいつも
きりきりまいみたいだ!さいきんは、寝なくてもへいきな、よっすぃーと
梨華ちゃんをはたらかせようとしてるみたいだよ!
シュ〜〜 シャキーーン! ピキューーン
ノハヽ ミヽ ノハヽ ┐ ノハヽ
川‘〜‘)|| ヽ川‘〜‘)|| 変 川‘〜‘)||
б y ∫а 〉 y 、\彡 身 ( ミニノ彡 /
/ /\\ / /\\ !! /∈●∋ ―
(__) (_) (__) (_) └ (_) (_) \
・
シャ シャ シャ シャ シャ シャ シャ シャ ガキーーン!
ノハヽ ノハヽ ノハヽ ノハヽ
川‘〜‘Ш 川‘Ш‘|| Щ||‘〜‘)|| 、、 川‘〜‘)|| ノノ
⊂ニンo ⊂ンoノ ∪o ン ゙ (ニW ノ
/∈●∋ /∈●∋ /∈●∋ / Mノ ―
(__) (_) (__) (_) (__) (_) (__) (_)
カシャ
ヴォヴォヴォヴォヴォ ギュオーーーン! キュキュキュキャキャキャキャ
: ミ \ /
(:::て●ヽソ o 000 :: (:::て〇ヽソ 000o ヽ ┏━´o| ⌒ |oヽ━┓
ヽ:: _,,, /i.:::::⊂) : ヽ //(⊃:::::ノ 〉) ┃(o |ゞ ヾ| o) ┃
( ((( ゙!⌒⊂) ─ ゙ミ (⊃:::::) ノノ ┗━`o|、_,,,|oノ━┛
ヽ ヽo000 : / 、 000o / \
|
* ♪ファ〜ファ〜〜〜ン ∧
∧ \ / * < 仮 >
< ス> ( ゜皿 ゜)∩彡 < 面 >
< | > ミO 仝 )丿 < ラ >
< パ > /∈●∋ *< イ >
< | > * (_) (_) < ダ >
< 1 > * < |ゝ
∨ * ∨
288 :
名無し坊:02/04/27 23:25 ID:OUogxHoc
そして数時間後、絢と祐子の乗るヘリに先導され、G3チームを乗せたGトレーラーは、
『GWS』基地内にいた。
「あなた私のコンピュータから盗んだわね! G4の設計図を!!」
絢に連れられ、基地2階のホールに着いた亜弥は、開口一番の怒声を絢に向け放った。
それに対し、絢は涼やかに応える。
「ええ、確かに。
でもいいじゃないですか。結果として、あなた達を助けたんですから」
「そういうことじゃ無いわ!
大体、あなた達は何物なの!?」
「私達の事など、大した問題ではありません。
それにG4の存在は、あなた達の力にもなるんですよ」
「・・・どういう意味よ」
「貴女の開発したG3−X、確かに人類にとっては、強力な力となるでしょう。
でももし、G3−Xでも敵わない敵がこの先、現れたとしたら?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「答えられませんよね。
そして、G3−Xの装着員が手を貸した、あの2人の戦士と一人の少女・・・・・
今回は良かったものの、いつ、敵に回るか解ったものではありませんよ」
本当は、彼女達・・・仮面ライダーが、G3チームと同じ位置に立っていることを、
絢は知っているが、亜弥にはそれを話さない。
289 :
名無し坊:02/04/27 23:26 ID:OUogxHoc
「・・・・・・・・・だからと言って、あのG4が存在していいという理由にはならないわ!
あなた、あれがどういう物かわかってるの!?」
「わかっていますよ、天才・松浦亜弥が開発した最強の兵器。
最初の起動実験の際に起こった些細な事故から、あなたはあのシステムを破棄し」
「些細な事故なんかじゃないわ!」
「永遠に表に出ることなく」
「あれを装着してタダで済む筈が無いわ・・・」
「封印されているのを私が救い上げた」
「G4の装着員に会わせなさい!!!」
激昂し、絢に詰め寄る亜弥の眼前に、側に控えていた隊員の銃が現れる。
これ以上は前に出させない、という意思の現れだ。
絢は、顔を真っ赤に染めた亜弥に対し言い放つ。
「ご心配なく。
我々のG4は、いずれ今よりもっと強大な力を手に入れ、最強の存在になります
そう、誰も私達に敵う事の無い、最強の存在に・・・・」
290 :
名無し坊:02/04/27 23:27 ID:OUogxHoc
(松浦さん、なんかめっちゃ怒ってはるなぁ・・・・・・)
亜弥と絢のいるホールの隅で、みちよは2人の様子を見ていた。
装着員として、亜弥だけでなく、みちよも基地内に通されたのだ。
普段は慣れない標準語を使う彼女も、一人の時や心の声は関西弁だ。
そんなみちよの目の前に現れた者がいた。
「あ、あなたは・・・・・・・・」
みちよは、目の前の人物に目を丸くした。
「あんたがあのG3−Xの装着員、平家みちよか?」
「は・・・はい」
「あたしはG4の装着員、中澤祐子や。
さっきは顔を見せただけやったから、ちゃんと挨拶しとこと思ってな」
祐子は、落ち着いた表情で、みちよの顔を見た。
「あ・・・・・ さ、先程はどうも、助けていただいてありがとうございました」
思い出したように、みちよは先程の倉庫街での戦闘の事で、祐子に頭を下げる。
しかし、祐子の表情は変わらず、むしろ、苦味を含んだものへと変化する。
「ありがとう、か・・・・・ なぁ、ちょっと見せたいものがあるんや。
付いてきてくれ」
そう言うと、祐子は手に持っていた帽子を被り、歩き出した。
「は、はい・・・・・・・」
みちよも、祐子の後を歩き始めた。
291 :
名無し坊:02/04/27 23:29 ID:OUogxHoc
みちよが祐子に案内されたのは、最初にいた2階ホールの更に奥の部屋だった。
「ここや」
祐子はそういうと、濃緑の軍服のポケットから1枚のカードを取り出すと、それを
ドアの横の機械に差し入れた。
小さな電子音と共に、ドアのロックが解除され、ドアが開かれた。
そしてその隙間から、煙のようなものが立ちこめ、それはみちよの足元にも辿り着く。
(冷たい・・・・ これは・・・ 冷気・・・・・?)
「あんたに見て欲しいモンていうのは・・・・・・・ これや」
先に部屋に入った祐子は、みちよ言った。
「こ・・・・・・ これは・・・・・・・・・・」
部屋の中の光景を見たみちよは、言葉を失う。
そこにあったのは、全身を氷で固められた女性達の遺体だった。
それが、10数体。
「なんですか・・・・ 中澤さん、なんなんですか、これは・・・・・・」
「・・・・・・・・・ あたしの前に、G4を装着したヤツらの姿や。
あたしもいずれこうなる」
「え・・・・・・・・・・・・・・」
思いがけない祐子の言葉に、みちよは反応する。
「あんたはさっき、あたしに礼を言ったな。
それはあんたが、自分が生きている事に感謝してるからや。
けどな・・・・ 生に執着してるようでは、強くはなられへん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あたしは、死を背負って戦ってる。
先にG4を着けて死んでもうたこいつらの為にも。
あたしは、死を恐れずに戦ってる。だから、あたしは強いんや」
氷に触れながら達観した表情で語る祐子に、みちよは何も言う事はできなかった。
292 :
:02/04/29 06:30 ID:NvuE4TtI
293 :
保全:02/04/29 13:13 ID:QGJj/4yr
ギルスレイダー
294 :
保全:02/04/29 21:41 ID:i1VkiEsP
やぐちさんはアルバイトのおかねをいっせんもいえにいれていないんですか?
逆に、いれないと裕ちゃんにセクハラされるからいれるしかないんだ。
おとなとつきあうのってたいへんだネ!
ところで、改めて過去ログを読んだんですけど、ライダーマン=ミカって
事になるんでせうか?
>>名無しっぺさん
ライダーマンの話自体はできてますが、後はタイミングなんですよね。
個人的には読む人の混乱を避けるためにも、現在の名無し坊さんのG3が
終わった後にと思ってます。
>>作者様達
今晩は。ナナシマンさんの次に参加させて頂きたいのですが
よろしいですか?まだ完成していないんですが、頑張ろうと思
うのでよろしくお願いします。
>297
押忍。了解。あやうく明日香を・・・としてフカーツさせる所でした。(w
>298
よろしこ〜。俺は今回、よく考えたら全シリーズの軍団が合体して出来てる
という、とんでもなくまとまりがなさそうな組織、ゼティマの内部について
書いたのをうpしよーと思ってます。
>>名無しっぺさん
・・・がすごく気になるんですが。(W
ゼティマサイドのストーリーというのは新しい展開ですね。一応名無しっぺさん
のストーリーの妨げにならないよう先にお知らせしておくと、ストーリーの必要上
ヨロイ元帥を登場させています。しかし、こんなレスつけるとやはり「打ち合わせ
スレ」の必要性を感じてしまいます。
>>白い名無し娘。さん
こちらこそよろしくお願いします。僕に順番が回ってきたら、話はできて
ますからすぐ白い名無し娘。さんに回るはずですよ。
natto.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1020011977/
↑特撮板での娘。龍騎ネタスレです。
>>名無しっぺさん
凄く楽しみです。ますます物語に深みが出ますね。
頑張ってください。
>>ナナシマンさん
あんまり早くまわされると困ります(W
作中でハカイダーが二人になっちゃいますけど。
そこは、もう、申し訳(W
短レスですいません。名無し坊さんがんがって下さい。
303 :
名無し坊:02/05/03 00:53 ID:A1adzH0H
「・・・・・・ていうことがあったのれす」
「ふ〜ん。で、それはいつ頃の話や」
「おとといぐらいの話れす」
「アホ! そないな大事なことは、はよ言わんかい!」
倉庫街での戦いから数日、希美はその時のことを、裕子に話した。
「大体やな、ケイや梨華も付いてたんやろ? なんでそんな大事なことを、帰ってからすぐに話さへんねん!」
裕子の怒りは、希美から、近くにいたケイと梨華に飛び火する。
「あー・・・・ そ、その時はさぁ、晩御飯の材料、その時のゴタゴタで全部なくしちゃって・・・
買いなおしたりさぁ。ねぇ、梨華!」
「そ、そうですよぉ! 結構イロイロあったんですよぅ!」
その後、20分にも及ぶ3人の言い訳で、裕子の怒りもようやく落ち着いた。
「まぁ、今日のところはこれぐらいで勘弁しといたるわ」
そう言うと、裕子はその場を後にした。
(警察の造ったG3−X、そしてそれに酷似した黒い機体・・・・・・
そん時のゼティマの蟻みたいな怪人も、結構強いわりにウジャウジャいたようやし・・・
こいつは・・・ はよう完成させなあかんな・・・・・)
心の中でそう呟くと、裕子は自室に入った。
そして、机の上のパソコンのスイッチを入れる。
ものの数秒で起動すると、裕子はすぐさまデスクトップのフォルダの一つをクリックする。
開かれたフォルダには一言
『仮面ライダーのの・辻希美の成長進化について【Ω】』
とだけ、書かれていた。
304 :
名無し坊:02/05/03 00:54 ID:A1adzH0H
『石川梨華 設定年齢17歳。
元ゼティマ科学者、つんく博士と加護博士製作のアンドロイド。
高い演算能力と、それを行いながらも十分な戦闘を行えるバランスの取れた能力を保持。
現在の所在は不明』
GWS基地内のデータベースを検索すると、絢の探していた情報はすぐに見つかった。
あの倉庫街で見かけた少女。
彼女のサポート能力には、目を見張るものがあった。
あの演算能力を利用できれば・・・・・・・・
「これでG4は、完璧なものになる・・・・・・・・・・・・」
絢は呟いた。
その奥に隠れる、情念の色を隠さないまま。
305 :
名無し坊:02/05/03 00:55 ID:A1adzH0H
GWS基地での一件から数日。
絢に対し何も出来なかった亜弥と、祐子に対し何も言えなかったみちよは、
それぞれに暗い気持ちを抱えたまま、日々を過ごしていた。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・ってもう! 2人とも暗すぎですよ! 一体どうしちゃったんですか!?」
唯一、鈴音だけが変わらずに元気だが、2人の暗さには敵わない。
Gトレーラー内は、重い空気に包まれていた。
『本部より入電。
真夏森林公園にて、未確認生物出現の通報あり。
未確認生物は、先日の朝陽港襲撃の際に確認されたものと同一の模様。
G3チーム、出動要請』
「・・・・・・・・ また、ですか・・・・・・」
鎮痛な面持ちで、みちよが呟く。
「・・・・ ええ。またよ。
これが私達の仕事ですもの」
「なんだかんだで、未確認生物の対処は、私達の仕事になっちゃいましたもんねぇ」
「平家さん。G3−X、出動よ」
(もしかしたら、またあの人たちや、祐子さんにも、会えるかもしれない・・・・・・・)
みちよの脳裏に、朝陽港で見た忘れ得ぬ存在、仮面ライダーと、そしてあのG4の姿が浮かぶ。
「わかりました。G3−X、出動します!」
306 :
名無し坊:02/05/03 00:56 ID:A1adzH0H
「うぅ・・・・ 頭が・・・・ いたいのれす・・・・・・・・」
G3チームが通報を受けたのとほぼ同時刻。
辻希美は、自室の中で、激しく襲い来る頭痛に、ひとり耐えていた。
(こんな痛みは・・・・・ この感覚は・・・・・ 前にも・・・・・)
前にも味わった事がある。
そう、この間の、焼肉の材料を買出しに行った時のことだ。
(でも、この間のは・・・・・ こんなに痛くなかったのれす・・・・・・・・・・)
そして、痛みに耐える希美の脳裏に、一つの映像が浮かび上がる。
(変身した・・・・・・・ 私・・・・・・・・・・・・?)
希美の脳裏に移ったものは、仮面ライダーののだった。
しかし、その映像はすぐに揺らぎ始め、やがて、ライダーの姿が、別の姿へと変化していく。
(赤い・・・・角・・・・・・・・)
変化したライダーの姿は、それまでの面影を残しつつも、全く違ったものへと変わっている。
微妙な曲線を描く、六つに分かたれた赤い角。
不思議な模様の彫られた銀色のプロテクター。
大きく、黄色い目。
(あれは・・・・・・ 私・・・・・・ なのれすか・・・・・・・・・・・?)
はっきり確認しようとするが、その前にその映像は途切れてしまう。
代わりに移ったのは、
(あの時の・・・・・・ ゼティマの蟻の怪人!)
「!!」
途端に、それまでの激しい頭痛が、嘘のように引いていく。
「行かなきゃ・・・・・・・・・・・」
あの時と同じ感覚に捉われ、希美は自室を飛び出すと、
地下のガレージに置かれた専用バイク、サイクロンに跨り、フルスピード飛び出していった。
307 :
名無し坊:02/05/03 01:03 ID:A1adzH0H
毎回毎回こんなペースで申し訳ないです。
やっと半分近くまで来ました。
何卒よろしくお願い致します。
でも、以前書かれてましたけど、自分の更新間隔がこんな程度なので、
本編の方を先に進められても全然オッケーですよ。
あくまで俺の話は本編と全くバッティングしてない話なので。
というか、俺自身も早く先が読みたいので(死)
>>名無し坊さん
改めて通して読み返しましたが、本当にスリリングです。個人的には、この
読み手としてのテンションを、本編を進行させるという書き手としての理由だけ
で殺ぎたくない、というのが正直な気持ちです。
>308
( ´ Д `)<名無し坊さんが終わってからの方が見やすいだろうから、
終わってから書くよ〜。
( ´ Д `)<所で、今エルセーヌのCMで裕ちゃんと共演してる男の人って
氷川誠?
北条(字がわからん)じゃないの
311 :
:02/05/04 16:51 ID:zhFGbkca
312 :
保全:02/05/05 21:30 ID:K3u2bXvx
バトルホッパー
313 :
名無し坊:02/05/06 00:12 ID:kw5eJs4O
『解除シマス』
ロックが解除されたことを告げる声を聞き、みちよ・・・G3−Xは、アタッシュモードにまとめられた
GX−05を展開し、ガトリングモードへと変形させる。
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
規則正しい轟音と共に、銃身の先から数百発の特殊弾頭が発射される。
一匹の蟻怪人がそれをまともにうけ、爆発する。
「どうしたんだろう・・・・・・ 今回は、数が・・・・・」
『少ないわね』
呟かれたみちよの疑問を、同じく亜弥が口にする。
「確か、朝陽港倉庫での時は数十体いたのに、今回はたったの7体・・・・」
「だからって、油断してると足元すくわれるわよ。
気合い入れていきなさい」
「わかってます!」
G3−Xは、再びGX−05の引き金を引いた。
「やっぱり・・・・・・ いたのれす・・・・・・・・・」
感覚に導かれるまま、希美がサイクロンを走らせ、そして辿り着いた場所には、
ゼティマの蟻怪人がいた。
「それにあれは・・・ この間の・・・・」
警察が造ったというG3なんとかというのもいる。
今のところもまだ、目的は同じようだ。
「変・・・・・身ッ!!!」
希美はライダーののに変身すると、空中高く飛び上がり、蟻怪人の一人にキックを喰らわせた。
「やはり来た・・・・・・・」
G3−Xがそう言うと同時に、GX−05を喰らった蟻怪人が爆発した。
314 :
名無し坊:02/05/06 00:13 ID:kw5eJs4O
「ハァァッ!!」
キックを喰らった怪人が爆発するのを見届ける間もなく、ライダーののは、次の蟻怪人にパンチを叩き込む。
そしてその背後から襲い掛かった怪人の攻撃を避け、腹部に肘を食らわせると、そのまま回し蹴りを入れる。
再びジャンプすると、ライダーののは先程パンチを喰らわせた蟻怪人に、キックを叩き込む。
2体は同時に倒れ、爆発した。
「これであとは1体・・・・・・」
ライダーののとG3−Xの共闘により、気が付けば蟻怪人はあと1体だけになっていた。
最後の1体に向け、G3−XがGX−05を構えた瞬間、彼女の横を駆け抜ける存在があった。
ライダーののだ。
「くっ・・・・・」
慌ててGX−05を引く。
その間に、ライダーののは空高く舞い上がると、急降下で勢いをつけたキックを、蟻怪人に食らわせる。
そして、キックの反動で再び空に上がった瞬間
「今だ!」
とどめとばかりに、GX−05の特殊弾頭が、蟻怪人の体に無数に突き刺さる。
最後の蟻怪人は、断末魔の唸り声を上げると、爆発した。
「松浦さん。未確認生命体、全員殲滅しました」
『了解。こっちに戻って来て』
「はい、今もどりま・・・・・」
G3−Xの言葉が途切れる。
G3−Xの目に、その場を去ろうとするライダーの姿が目に映ったのだ。
315 :
名無し坊:02/05/06 00:14 ID:kw5eJs4O
(あの人は、何のために戦っているんだろう・・・・・・・・・・・・・・)
ふいに脳裏に浮かんだ疑問は、すぐに口をついて出てきた。
「ちょっと待ってください!」
G3−Xの叫びに、ライダーが足を止め、彼女の方を振り向く。
炎のように赤いライダーの目が、機械で出来た赤いG3−Xの目と交錯する。
「あなたは・・・・・・・ あなたは一体、何者なんですか・・・・・・・・
あなたは・・・・ 何の為に、戦っているんですか・・・・・・・・・
あなたは・・・・ 何の為に、生きているんですか・・・・・・・・・・・・・・」
みちよの問いかけに、短い沈黙が流れる。
「私は・・・・・・・・・・・・ 仮面ライダー・・・・・・
正義の為に、人であることを捨てた者れす。
私は、私の大切な人たちを護る為に、戦っているのれす
そして、私は何の為に生きるのか、その答えを見出す為に、生きているのれす・・・・・・・・・」
それだけ言うと、ライダーは傍らに置いてあったバイクに跨り、あっという間に消えてしまった。
風のように。
「仮面・・・・・・・・ ライダー・・・・・・・・・・・・・」
(仮面ライダー・・・・・ あれが、中澤さんの言っていた、力・・・・・・・・・・)
G3−Xから送られる映像を見ていた亜弥は、仮面ライダーという存在に、何かを感じ取っていた。
316 :
名無し坊:02/05/06 00:16 ID:kw5eJs4O
>名無しっぺさん ナナシマンさん
了解しました。
それでは、責任を持って完結させてから、次にバトンを渡しますので、お願い致します。
age
保
全
320 :
保全:02/05/08 21:59 ID:LjCgMvFq
ロードセクター
保
田
323 :
保全:02/05/11 00:13 ID:ogQxiUFd
圭
全
保全
326 :
名無し坊:02/05/12 23:29 ID:qrRPuk3/
G3−Xとの共闘を、希美は誰にも話さぬまま、3日が経った。
(あの姿は、一体・・・・・・・)
あの激しい頭痛の時。あの時、一瞬だけ脳裏に映った自分の姿。
あれは一体何だったのか。
ベッドの中で、希美は一人、天井を見つめていた。
327 :
名無し坊:02/05/12 23:31 ID:qrRPuk3/
『・・・・・・・・・・・・・アギト・・・・・・・・・・・』
誰かが呼んでいる。
自分の名を。
『炎・・・風・・・そして太陽の力を内包せし、最強の存在、アギト・・・・・・・・・・・・・・』
何故、アギトというのが自分の名とわかっているのかはわからない。
だが、それは確実に自分の名であり、自分は呼ばれているのだ。
『その力は、何の為にある・・・・・・・・・・・・・・』
大切な人たちを護る為。
『何の為に、戦う・・・・・・・・・・・・』
何の為かを知る為。
328 :
名無し坊:02/05/12 23:32 ID:qrRPuk3/
『もうすぐ、その力は解放される・・・・・』
自分に今語りかけているこの声。
女の声だ。
それも、よく聞き覚えのある声。
『力の意味だけでは不十分・・・・・・・・・・
戦う意味を知らなければならない・・・・・・・・・・・
力が開放される時、それは、戦う意味を知る時・・・・・・・・・・・・』
やっとわかった。
これは、自分の声だ。
やっとわかって、すっきりしたのれす。
329 :
名無し坊:02/05/12 23:33 ID:qrRPuk3/
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
希美は目を覚ました。
どうやら、いつの間にか眠っていたらしい。
ぼやける視界に、豆電球で薄暗く照らされた天井が目に写る。
「なんか、すっきりしない気分れす・・・・・・・・・」
呟き、希美はベッドから抜け出すと、そばに置いてあった上着を引っ掛け、外に出た。
330 :
名無し坊:02/05/12 23:35 ID:qrRPuk3/
夜の冷えた空気が、ベッドの中で暖められた体に心地いい。
「・・・・・・・・気持ちいいのれす」
空を見ると、星が輝いていた。
「・・・・・・星が、綺麗ですね」
「!? ・・・・・梨華ちゃん・・・・」
突然、自分以外の声がしたので、後ろを振り返れば、そこには梨華が立っていた。
「どうしたんですか? こんな時間に」
「ちょっと、気分がスッキリしなくて・・・・・・・ 梨華ちゃんは?」
「私は、内部メカの点検と調整に、時間がかかっちゃったんです。
今も調整してる最中の部分があって、パワーが出せないんですよ」
「そうなのれすか」
「はい。今の私は、普通の人間の女の子と同じくらいの力しか出せません」
「いつか、それでも不自由しない日が、くるといいれすね」
「そうですね・・・・・ ゼティマを倒して・・・ それからですね」
2人は顔を見合わせると、クスクスと笑いあった。
331 :
名無し坊:02/05/12 23:36 ID:qrRPuk3/
ギュゥゥゥゥゥゥゥン キィィィィィッ!!!
そんな静寂を破って、二人の前に、突然、黒塗りの車が現れた。
ドアをあけて現れたのは、車と同じ黒のスーツに身を包んだ、女達だった。
「石川梨華だな」
女の一人が、梨華の名を呼ぶ
「な・・・・・・ 何ですか・・・・・・」
それに、警戒しながら梨華はこたえる。
「命令だ。悪く思うな」
それだけ言うと、女達を梨華の腕を掴み、無理矢理車の中に引きずり込む。
332 :
名無し坊:02/05/12 23:38 ID:qrRPuk3/
「キャァァァァァァァァッ!」
「梨華ちゃん!!」
梨華を車に押し込もうとする女達に、希美は飛びかかる。
「やめるのれす!! 梨華ちゃんを出すのれす!!!」
希美は力一杯、女達を引き剥がそうとするが、全く敵わず、弾き飛ばされる。
梨華も必死に抵抗するが、パワーを抑えられているため、歯が立たない。
「梨華ちゃん! 梨華ちゃん!!」
抵抗空しく、希美の目の前でドアが閉められると、梨華を乗せた車は、走り去って行った。
「出してください!! 今すぐに出してください!!」
車中で必死にもがく梨華に対し、スーツの女の一人が拳銃のようなものを取り出すと、
それを梨華の首筋にあてがい、引き金を引いた。
333 :
名無し坊:02/05/12 23:40 ID:qrRPuk3/
プシュ、という空気の抜ける音と共に、梨華の全身から力が抜けていき、その瞳が閉じられる。
「対アンドロイド用の麻酔弾だ。死にはしない」
意識の途絶えた梨華にそう告げると、女は麻酔銃をしまった。
「こちら実行部隊。
石川梨華の捕獲に成功。これより本部に帰還します」
「了解、よくやったわ」
別の女が無線連絡した相手の声。
それは、石黒絢のものだった。
334 :
名無し坊:02/05/12 23:41 ID:qrRPuk3/
「中澤さん! 大変なのれす!!」
希美は、上着に入っていた携帯電話で裕子に連絡を取ると、事の顛末を話した。
『何やって・・・・・ わかった。すぐに調べるから、あんたはサイクロン乗って待っとけ!』
「わかったのれす!」
電話を切ると、裕子は側にいた吉澤ひとみに言った。
「吉澤、梨華の電子頭脳から発してる電波を探知して欲しいねんけど、できるか?」
キカイダー・・・吉澤ひとみは力強く頷く。
「大丈夫です。少し時間がかかるけど、探知できます」
「よっしゃ、それやったらええわ・・・・・
ケイ! ケイ!!」
裕子は、その場にいないアマゾンことケイの名を呼ぶ。
335 :
名無し坊:02/05/12 23:43 ID:qrRPuk3/
「なに・・・・・・・ 眠いんだけど・・・・・」
すぐに、寝ぼけ眼のケイが姿を現す。
「寝てる場合ちゃうで。
石川が誰かに連れ去られたんや」
「何ですって・・・・・」
裕子の言葉に、ケイの目が見開かれる。
「今のあの子は、人間と同じくらいの力しか出んようになってる。
ののが一緒におったから、あんた、あの子がムチャせぇへんように、あの子の所に行ってくれ」
早口でまくし立てられたが、ケイはすぐに理解し
「わかった!!」
それだけ言うと、その場から去った。
数秒後、ガレージの方から爆音が響き渡った。
ケイの乗るジャングラーのエンジン音だった。
336 :
名無し坊:02/05/12 23:47 ID:qrRPuk3/
というわけで、次回は本拠地突入です。
辻がこの先何になるのかもうバレバレですが、そうなると、もう一人のアイツはどうなる、
という話にもなりますが、それももう勘の良い方にはバレバレだと思いますw。
>名無し坊さん
お疲れ様です。
いよいよ、クライマックスへと動いてきましたね。
楽しみにしています。
辻はあれですね、例の○○イ○ングフォ○ムへと。
実は加護の○○ティ○○トフ○ームへの変身の話考えてたりします。
頑張ってください。
期待。。。
保全
保全
保
342 :
保全:02/05/18 23:32 ID:mytp9byG
中澤がハリケンのおぼろみたい
343 :
名無し坊:02/05/19 01:44 ID:NPFu8WvN
「私がいながら・・・・・ 何もできなかったのれす・・・・・」
裕子への連絡を終えた後、希美はその場にへたり込んだ。
自分がいながら、梨華を車から出す事はできなかった。
大切な人たちを護る為にあるこの力は、結局肝心な時に何の役にも立たなかった。
(戦う意味を、知らなければならない・・・・・・・)
夢の中で聞いた、あの言葉が甦る。
手にした力を、何の為に使うのか、ということだけではなく、
手にした力を、何と戦うために使うのか。
それを、自分は知らなくてはならない。
(私の・・・・ 闘う・・・・・ 意味・・・・・・・・)
自分の手にした力と、本気で向き合わなくてはならない。
希美は、心を決めた。
344 :
名無し坊:02/05/19 01:45 ID:NPFu8WvN
『ケイ! ケイ! 聞こえてるか!?』
ジャングラーに取り付けられた通信機から、裕子の声が聞こえる。
「聞こえてるよ!」
闇の中を猛スピードで疾走する愛機・ジャングラーの上で、ケイは答える。
「梨華の捕らえられてる場所がわかったんや。
のののいる場所からそんなに遠くない所や!
すぐに他の連中も向かわすから・・・・」
「いや、それはやめて!!」
「!? 何やて!?」
裕子の言葉を、ケイは遮る。
「梨華を助けに行くの、あたしとののに任せて欲しいんだ」
「アホか! そんなこと許せるか!!」
「頼むよ! 今あの子、大切な事に気付き始めてるんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「それに気が付けば、あの子はもっと進化できる・・・」
「進化・・・・・・・・・・・」
ケイの『進化』という言葉に、裕子は反応する。
希美の進化、即ち仮面ライダーののの成長進化は、裕子も懸念していたことだった。
今、ここで全員向かっても、希美が進化できるかどうかはわからない。
裕子は、ケイの言葉に懸けることにした。
「・・・・・・・ わかったわ。
そしたら、ののの面倒しっかり見て、朝までには帰ってくるんやで!」
「・・・・・ ありがとう!!」
ケイはジャングラーのスピードをあげた。
目指す少女のいる場所までは、すぐだ。
345 :
名無し坊:02/05/19 01:47 ID:NPFu8WvN
「G4を奪取します」
ケイが希美の元に向かっていたその時、Gトレーラー内で、亜弥は言った。
「だ、奪取って・・・・・ それって強盗じゃないですかぁ!」
突然の亜弥の発現に、鈴音はうろたえる。
「大丈夫よ。
元々G4の設計図は、このトレーラー内のコンピュータに隠してあるのを、
あの石黒絢が無断でコピーして作ったものよ。
つまり、あれを持つ権利は私にあるの。
正義は私達にあるのよ」
それに対し亜弥は、少々無茶なことを平気で言ってのける。
「ですが松浦さん、彼女達がG4を素直に渡すわけがないでしょうし、
奪取と言っても、基地内に厳重に保管されているでしょうから、多分不可能だと思いますよ」
そして、至極もっともな意見を吐くみちよに対して
「大丈夫よ。
その時はGトレーラーで基地内に突っ込むから」
と、完全に無茶苦茶な意見を亜弥は吐く。
「石黒絢・・・ 彼女の危険な思想を叶える手段に、G4を使わせるわけにはいかないわ。
あんな棺桶同然の兵器・・・ 存在させてはいけないのよ。
それとも、2人にはそのことに何か反論があるの?」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
みちよ、鈴音にも、亜弥の言う事に異論は無かった。
そして、その2人の沈黙が、G4奪取決行の、合図となった。
346 :
名無し坊:02/05/19 01:47 ID:NPFu8WvN
「ここ・・・・・ なのれすか・・・・・?」
「そうよ。しっかし、デッカい建物ねぇ。
こんなに金網でガード敷いちゃって、警備も厳重そうだし」
希美とケイが合流し、裕子から送られたデータで向かった先は、GWSの基地だった。
勿論、2人がその事を知る由もない。
「どうやって梨華ちゃんを取り返すのれすか?」
「そりゃぁ・・・ まぁとりあえずは、この金網越えていくしかないけど、
正面からはさすがに無謀だし、裏に回ろう」
「そうれすね」
2人は、乗っていたマシンから降りると、裏手の森に入って行った。
しばらく歩くと、不意に2人の周囲が明るくなった。
「何!?」
「何なのれすか!?」
さらに2人の上空から、大きな音が響き渡った。
ヘリのローター音だ。
2人の周囲が明るくなったのは、ヘリのライトで照らし出されたせいだったのだ。
「見つかったみたいね!」
そして、2人に近づいていく一つの姿。
「あんたは・・・・・・」
「この間の・・・・・ 黒いヤツれす!!」
G4だった。
347 :
名無し坊:02/05/19 01:49 ID:NPFu8WvN
GトレーラーがGWS基地前に到着すると、不意にヘリが現れ、近くの森が照らし出された。
「まさか・・・・ バレたの!?」
モニターで外を見ていた亜弥が叫ぶ。
「いや・・・・ 違うみたいですよ。
あのヘリ、ずっと森で停まってますし、あそこに誰かいるのかも・・・」
みちよが言うと、亜弥は隣にいる鈴音に指示を出す。
「鈴音、カメラズーム。
ヘリのライトが照らしてる辺りを映して」
「わかりました!」
鈴音の操作で、トレーラーに取り付けられたカメラがズームされ、森の様子が映し出される。
木や草が邪魔でよく見えないが、その影から映る人影に、3人は心当たりがあった。
「G4・・・・・・・」
その人影の正体に、亜弥はうめく。
「でも、どうしてG4が?」
「何かのテストかも・・・・・・」
みちよと鈴音の言葉をよそに、亜弥はモニター横のスイッチを入れる。
G3−Xの格納庫を開けるスイッチだ。
「松浦さん・・・・・」
「平家さん。
どんな状況であろうと、今、G4が基地の外に出ていることは、私達にとって格好のチャンスなのよ。
今を逃す手は無いわ。
G3−X、出動よ!」
「・・・・はい。わかりました!」
348 :
名無し坊:02/05/19 01:50 ID:NPFu8WvN
『警告! 基地周辺ニ侵入者アリ!』
GWS基地周辺を監視するカメラのAIからその情報が告げられると、
基地内のコンピュータが、すぐに侵入者を映し出しているカメラの映像を出す。
「侵入者発見! 2名です! データベースと照合します」
隊員がそう告げると、すぐさま、侵入者の映像は、ゼティマ内のデータベースと照合され、
侵入者の情報を提示する。
「侵入者の身元判明!
辻希美と保田圭。2名とも仮面ライダーです!!」
「成程・・・ あの石川梨華を連れ戻しにきたのね」
侵入者の情報を確認した絢はそう呟くと、すぐに傍らにいた隊員に指示を出す。
「G4システムを出動させなさい。
それと、プロジェクションの準備はできた?」
「はい。すでにマシン、そして素体である石川梨華の調整は完了しています。
あとは、彼女をマシンに組み込んで最終調整をすれば、プロジェクション可能です」
「わかったわ。すぐにプロジェクションできるように、できるだけ急がせなさい」
「了解しました」
隊員がその場を離れると、絢は、希美とケイの映し出されたモニターに目をやる。
「石川梨華、そしてG4は、私達とって必要な存在なのよ。
渡すわけにはいかないわ・・・・・・・・・・・・・」
今更だけど、あくまでこの話は本編とは関係ないんだよね?
保全
カニ奇械人保全
353 :
名前無し:02/05/22 21:00 ID:PxQ+WS+R
龍騎sage
354 :
保全:02/05/23 23:08 ID:bfKzjyWa
アクロバッター
名無し坊さんカモンナッ!!
特別編を除くと、キャラ設定は今のところ
辻 仮面ライダー1号
加護 仮面ライダー2号
矢口 仮面ライダーV3
高橋 仮面ライダーX
保田 仮面ライダーアマゾン
安倍 仮面ライダーストロンガー
あさみ 電波人間タックル
紺野 スカイライダー
飯田 仮面ライダースーパー1
市井 快傑ズバット
吉澤 人造人間キカイダー
石川 ビジンダー
後藤 ハカイダー
中澤 保護者
石黒 助手
稲葉 FBI捜査官
福田 死亡
りんね 死亡
というところかな?
後予定だと
小川 仮面ライダーZX
新垣 仮面ライダーG3
ぐらい?
後 ミカ ライダーマンもあったや。
期待保全。。。
359 :
保全:02/05/25 22:01 ID:XrO1DNRC
ライダーののキック対ZXやくざキック
360 :
名無し坊:02/05/25 22:57 ID:YUMUOrOc
「どうするのれす!? ケイちゃん!」
「どうするたって・・・・ 変身するわけにはいかないし、逃げるしかないじゃない!!」
相手に正体がバレていることを知らない2人は必死に逃げるが、G4の脚力には敵わず、
すぐに追いつかれる。
「くっそう・・・・・・・・・・」
ケイが歯噛みしたその時。
チュン! チュン! チュン! チュン!
規則正しく響く音と共に、G4のボディに火花が走る
「何なのれすか!?」
希美の目は、G4に何かの粒があたり、それが元で火花が走ったのを捉えた。
そして、その粒が放たれた元には・・・・・
「あぁっ! 青い人れす!!」
GM−01を構えたG3−Xの姿があった。
361 :
名無し坊:02/05/25 22:58 ID:YUMUOrOc
「早く! 早く逃げてください!!」
そう叫ぶと、G3−XはG4に飛び掛った。
「のの! 今のうちに!!」
ケイはそう叫ぶや否や、戦うG3−XとG4を尻目に走り出す。
「わかったのれす!!」
希美もケイの後を追って走る。
やがて、2人の姿が見えなくなった所で、希美とケイは立ち止まる。
「ここなら大丈夫そうだね・・・ いくよ! のの!!」
「オッケーなのれす!!」
「アァァァマァァァゾォォォン!!!」
「ライダァァ・・・・変身!!!!!」
アマゾンとライダーののに姿を変えた2人は、すぐさま戦場へと走り出した。
362 :
名無し坊:02/05/25 22:59 ID:YUMUOrOc
「G4システム・・・・ 返してもらいます!!」
『やれるモンならなぁっ!!!』
向けられたGM−01をハイキックで弾き飛ばすと、G4はG3−Xの胸に拳を叩き込む。
G3−Xの胸部プロテクターから飛び出た火花が、一瞬だけ闇を明るくする。
勢い余って後ずさるが、負けじとG3−XもG4のボディに拳をいれる。
『やるやないか・・・・・』
「それはどうもありがとうございます!!」
礼を言いながら、G3−XはG4への攻撃の手を緩めない。
『G4の力はこんなもんとちゃう・・・・・』
(もうすぐ・・・・・ あたしは未来を知る・・・・・・・・・)
363 :
名無し坊:02/05/25 23:00 ID:YUMUOrOc
「プロジェクション準備完了しました!!」
その報せは、丁度G3−Xのプロテクターが火花を放った時に、絢の耳に入ってきた。
そしてその報せを聞くや否や、即座に絢は言い放つ。
「プロジェクション開始!!」
その絢の声に反応し、周囲のモニターが一斉に切り替わる。
様々なメーターなどが表示され、その中の一つに、棺桶のような機械に磔にされた梨華の姿が映る。
「了解。プロジェクション開始します!!」
「目標初期設定、G3−Xにセットします!」
「コード乙3700を、甲4200に変更!!」
「プロジェクションシンクロ率、現在98%!!」
そしてモニターの一つに、G3−Xの姿が映し出される。
しかしその姿は、もう一つのカメラで映し出されているG3−Xとは違う動きを取っている。
連続パンチを繰り出した後、蹴りを入れるG3−Xの映像が、何度も繰り返される。
364 :
名無し坊:02/05/25 23:01 ID:YUMUOrOc
「ハァァァァァァァッ!!!」
気合いの叫びと共に放たれたG3−Xの拳が、G4の胸をまともに捉える。
たまらず、数歩あとずさるG4。
と、突然祐子のG4のビジョンに、新しいウインドウが開かれる。
そのウインドウには、先程GWS基地内のモニターの一つに映し出されていたG3−Xが映っていた。
連続のパンチから、蹴り。
(これが・・・・・・ そうか!!!)
後ずさったG4が一瞬だけ動きを止めた事に、G3−Xは疑問を憶えた。
(何・・・・ なんか起こったんか・・・・・)
しかし、G3−Xはそれをチャンスと見た。
(ここで一気に畳み掛ければ!!)
そして、G3−Xは全力を込めたパンチを連続で繰り出した!!
365 :
名無し坊:02/05/25 23:02 ID:YUMUOrOc
ガシィッ!!!!
「え・・・・・・・・・」
間の抜けた言葉が、G3−Xの口から出る。
放った拳が、受け止められたのだ。
しかし、体は動きを止めない。
連続で拳を放つが、ことごとくそれが受け止められる。
腕や胸で防御されているのではない。
自分の放ったパンチが、吸い込まれるようにG4の掌に受け止められているのだ。
そして、最後に放った蹴りすら
ガシッ!!
足で軽くいなされてしまった。
そして唖然とした隙に
G4のキックが、G3−Xの胸を正確に突いていた。
先程の拳とは比べ物にならない程の火花を飛び散らせながら、G3−Xはその場に倒れた。
366 :
名無し坊:02/05/25 23:08 ID:YUMUOrOc
次回、ついに祐子に対してみちよがぶっちゃけるあの名シーン・・・・の予定です。
あまりたくさん更新できなくてすいません。
>>349 はい。あくまで本編とはバッティングしてない話です。
キタ━(゚∀゚)━ッ!
368 :
ののV3:02/05/26 17:25 ID:/Q+xykV3
V3
369 :
保全:02/05/28 22:46 ID:6gWMXyJm
仮面ライダーのの対コウモリ神父
370 :
保全:02/05/29 00:37 ID:/D/6L/FN
>>369 仮面ライダーSPIRITSかYO!
そういえばそろそろ単行本とか出ないのかな?
仮面ライダーSPITITS第3巻、6月19日発売決定!!
372 :
保全:02/06/01 00:13 ID:MvjFVtNl
キカイダー00
374 :
名無し坊:02/06/02 00:29 ID:tXgFYVNQ
「何・・・・・・ 今の・・・・・・」
「手品みたいだったのれす・・・・・・」
G3−Xの連打が受け止められた一部始終を見ていたののとアマゾンは、自分達の目を疑った。
まるで、最初から仕組まれたように完璧に動きが見切られ、あの青い者が倒された。
「なんか・・・・・・・・ あれ・・・・・・ ヤバい・・・・・・・・・
あたし達の考えなんか通じないような、遠い存在みたいだ・・・・」
G4の力を直感で恐怖したアマゾンは、声を震わせる。
「でも・・・・・・ それでも、逃げるわけにはいかないのれす!!」
アマゾンと対照的に、ののはG4に向かって走り出す。
「のの!! ・・・・・あぁぁぁもうっ!! しょうがないわね!!」
そして、アマゾンも走り出した。
375 :
名無し坊:02/06/02 00:30 ID:tXgFYVNQ
『仮面ライダー・・・・・・ 2体か・・・・・』
そう認識した祐子のゴーグルに、再びウインドウが開かれる。
仮面ライダーののは空中高く飛び上がり、キックを放ってくる。
仮面ライダーアマゾンは風の様に地上を駆け、腕の鋭いヒレを自分に向けて斬りつけてくる。
そのビジョンを見たG4は、右手を自分の太腿に近づける。
ライダーののは空中高く飛び上がると、その足をG4に向けて放つ。
「ライダァァァァァァァァァァ キィィィィィィィィィィィク!!!!!!!!!」
狙いに狂いは無い。
(当たるのれす!)
ののがそう確信した瞬間。
ゲシッ!!!!!!!!
G4のハイキックがライダーの足を弾いた。
キックの向きを外されたライダーは、勢いを殺せぬまま森の奥に消えて行った。
376 :
名無し坊:02/06/02 00:31 ID:tXgFYVNQ
アマゾンは、風の様に地を駆ける。
枯葉を踏みしめる音が響く中、腕のアームカッターを一閃させる。
「大・切・断!!!」
(これで・・・・ 決める!!)
そして、切っ先がG4に届く瞬間。
チュイン! チュイン! チュイン!
規則正しい音が森に響く。
そして、アマゾンの大切断は決まる事無く、彼女はゆっくりとその場に崩れ落ちた。
胸から、3つの薄い煙が上がる
アマゾンが崩れ落ちたその先。
G4の手には、専用銃であるGM−01改が握られていた。
377 :
名無し坊:02/06/02 00:33 ID:tXgFYVNQ
「G3−Xと2体の仮面ライダーは全て沈黙しました」
「プロジェクションを終了。
G3−Xは回収して保護しなさい。
あのまま放っておくと、後で色々と面倒だわ」
絢はそう告げると、磔にされた梨華の映ったモニターを見た。
「プロジェクションは成功・・・・・・・・
G4は完璧な存在になった。
・・・・・・・・これで私達は・・・・・・・自由になれる・・・・・・・」
378 :
名無し坊:02/06/02 00:35 ID:tXgFYVNQ
「ん・・・・・・・・・」
みちよが目を覚ますと、そこは何処かの建物の中のようだった。
ベッドか何かに寝かされていたようで、電灯の明かりが少し眩しい。
「・・・・気がついたみたいやな」
不意に、すぐ近くから声がした。
みちよが起き上がると、そこには祐子がいた。
だが、自分に対して背を向けている為、表情まではわからない。
「バカな奴や。G4に勝てるはずが無いやろ。
そんなにG4を返して欲しかったんか」
みちよは、自分がG3−Xのスーツを装着していない事に、その時気がついた。
スーツは祐子の向かい側、みちよから見て左側の台に無造作に置かれている。
身に付けている黒のインナースーツの衣擦れの音を聞きながら、みちよは言った。
「G4を・・・・・・ 返してください」
379 :
名無し坊:02/06/02 00:36 ID:tXgFYVNQ
「のの、のの! 起きて!」
「んぅ・・・・・・・・」
希美が目を覚ますと、目の前にケイの顔があった。
どうやら、あの黒いのにやられて、そのまま意識を失っていたらしい。
森の周囲には朝霧が立ち込めている。まだ、陽が昇り始めている途中のようだった。
「良かった・・・・ 全然動かないから、死んだのかと思った」
「あれくらいで死ぬような体はしてないのれすよ」
希美はそう言いながら立ち上がると、そのまま歩き出した。
「行くの・・・・・ のの」
「モチロンれす、梨華ちゃんを助けないと
それに、そうすることが、私の戦いの理由れす」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「私は、この力を、大切な人たちを護る為に使ってきたのれす。
でも、戦う意味については、ほとんど考えた事もなかったのれす。
だけど、梨華ちゃんがさらわれて、目の前で何もできなかった時、わかったのれす。
私の力は、大切な人たちを護る為にあるのれす。
そして、その大切な人たちの居場所を護る為に、私は戦うのれす」
「そっか・・・・・・・・・・」
「だから、今すぐに行かないといけないのれす」
「そうだね・・・・ よし、行くよ!!」
「はいれす!!」
380 :
名無し坊:02/06/02 00:37 ID:tXgFYVNQ
「これを見ろ」
そう言うと、祐子は部屋に置いてあったパソコンを操作した。
モニターが切り替わり、どこか別の部屋の様子が映し出されたようだった。
「これは・・・・」
その光景に、みちよは言葉を失う。
モニターに映し出された映像は、マシンに磔にされた梨華の姿だった。
「これが、あんたが私に勝てへん理由の正体や。
彼女は、あの仮面ライダーの仲間でな。特殊な能力を持ってる。
その能力を、あのマシンによって増幅し、G4は未来予知の能力を手に入れたんや」
「未来・・・・・・・予知・・・・・・・・」
「せやけど、彼女にかかる負担も相当なもんや。
遠からず、彼女もあたし同じように死んでまうわ」
良心回路などの、人の心と同じ働きをするような回路は、内部構造が複雑すぎて、
ゼティマは勿論、裕子や亜依の技術でもコピーを取る方法が発見できていない。
そのため、何らかの影響で彼女達の生命活動が停止され、良心回路がその動きを停めた時、
それは人間と全く同じ『死』というものに繋がるのだ。
「でも死に近づく事で、彼女は偉大な力を発現させてるんや」
「違う・・・・・・・・・」
祐子の言葉に、みちよは激しく首を振る。
「違いますよ中澤さん!!」
その言葉に、祐子は初めてみちよの方を向いた。
381 :
名無し坊:02/06/02 00:39 ID:tXgFYVNQ
「あなたは死に近づきすぎて、生きることの意味を忘れているんだ!!
関係の無い少女を巻き込むなんて、そんなこと許されるはずがないじゃないですか!!」
みちよの言葉に、祐子は彼女の肩を叩く。
「甘い戯れ言や」
祐子の言葉が、みちよの胸に突き刺さる。
だが、みちよは怯まない。
「ええ・・・・ 確かに私は甘いかもしれません。
・・・この間私が会った人に、何の為に生きるのか知る為に生きているという人がいました。
私はあなたのように、死に執着する事もできないし、その人の様に、終わらない問いの為に
生きることもできない。
どうしようもなく中途半端な人間です。
・・・・・・でも、それでも私は生きている!
だから私は、生きる為に戦います!!
生きることを、素晴らしいと思いたい・・・・・・・・・・」
みちよから視線を逸らすと、祐子は後ろを向く。
彼女には見られたくなかった。
今の自分の、苦悩した顔を。
382 :
名無し坊:02/06/02 00:44 ID:tXgFYVNQ
というわけで、次回「ア○ゾ○大ピンチ! 飛ばないロケットパンチ」・・・・・
までいけるかどうかは正直わかりませんが、何卒次回もよろしくお願い致します。
ほほぉ・・・・
いい更新だな
キサマの作戦目的とIDは!?
ねた・・・
仮免ライダー2号
385 :
ななし:02/06/04 13:24 ID:nOd6UNRS
保全
保全
387 :
保全:02/06/05 23:37 ID:XapE1P/H
V3真里対タカロイド
388 :
保全:02/06/07 20:44 ID:5lytxggf
保全
389 :
名無し坊:02/06/09 00:31 ID:2xySD2cD
「何かと思えば、そんな戯言」
突然、誰かの声がした。
二人が振り向くと、部屋の入り口に、絢が立っていた。
そしてその目は、みちよを嘲笑っていた。
「脆弱な人間の生死を語って何になるというの?
人間はただ、G4の力にひれ伏していればそれでいいのよ」
彼女を取り込んで、今やG4は別次元の存在になった。
何者もG4に触れる事すら敵わないのよ!」
絢が勝ち誇った声でみちよに言った時。
『警告!! 警告!! 侵入者アリ!!!』
突然、基地内に警報が流れ出した。
絢が部屋のパソコンを操作すると、磔にされている梨華の映像から、基地内各所に設置された
幾つかの監視カメラの映像に切り替わる。
すると、そのカメラからの映像全てに、件の侵入者の姿が映し出される。
そう。侵入者は一体ではないのだ。
390 :
名無し坊:02/06/09 00:32 ID:2xySD2cD
「あれは・・・・ この間の蟻の未確認生物!!」
みちよが声をあげる。
みちよの言うとおりそれは、あの朝陽港倉庫街と真夏森林公園に現れた、蟻の怪人達の姿だった。
その数は、10や20では足りない。
「どうして・・・・ こんな所に・・・・・」
訝しがるみちよだが、絢と祐子には見当がついていた。
即ち、ゼティマ本体が自分達の裏切りに気付き、刺客を送ってきた。
状況を即座に理解した絢は、祐子に対し指令を出す。
「G4システム出動!!」
「・・・・・・・・・・・了解」
一瞬だけ逡巡する素振りを見せたが、祐子はそう応えると部屋を出て行った。
そして、絢もそれに続いて部屋を出て行く。
みちよだけが、その部屋に取り残された。
391 :
名無し坊:02/06/09 00:33 ID:2xySD2cD
『作戦番号:B−1358
作戦内容:元・ゼティマ特殊戦闘部隊GWSの完全壊滅
作戦執行者:Z−20・ドラス Z−21・コウモリ男 A−31・アントロード』
たったこれだけが、侵入者達の脳に刻み込まれた情報の全てだった。
392 :
名無し坊:02/06/09 00:34 ID:2xySD2cD
「プロジェクション開始!!」
磔にされた梨華を目の前に、作戦室の絢は叫ぶ。
「目標、敵・ゼティマ怪人!」
「ESP信号伝達開始!」
「伝達指数、98パーセントを記録!」
「・・・・・うぅ・・・・・・・・・・」
マシンの起動と共に、梨華の顔が苦痛に歪む。
そしてモニターに、G4に襲い掛かるアントロードの映像が映し出された。
スーツ同士の擦れあう独特の音を響かせながら、G4は基地入り口に現れた。
既に無数のアントロード達が、警備の兵士達を殺しまわっている。
しかし、G4の姿を認めると、彼らは兵士を投げ捨て、一斉にG4に群がる。
『一番強い奴に向かっていく・・・・・・
中々見上げた根性やないか。
でも、そいつは無謀な事や』
既にプロジェクションの映像は送られている。
誰がどんな攻撃を、何処から仕掛けてくるのかはわかっている。
これほど楽な事はない。
G4はGM−01改を手にすると、手近なアントロード達に向けて発砲した。
393 :
名無し坊:02/06/09 00:35 ID:2xySD2cD
途中でケイと別れ、単独で行動していた希美は、梨華が捉われている建物の入り口に、
この間の蟻怪人達が群がっているのを発見した。
「変・・・・・・身!!!」
バイクの上で変身ポーズを取り、飛び上がる。
空中で変身を完了させると、希美の変身と同時に変化したサイクロンに跨り、そのまま蟻怪人達に突っ込む。
ライダーのアタックに巻き込まれ、蟻怪人達はあっけなく爆発した。
一方、ケイも別ルートからの侵入を試みていた。
建物の裏側、金網で仕切られただけの簡素な作りのバリケードの前にケイはいた。
「見張りの一人くらい、いたっておかしくないけど・・・・・・・」
その瞬間、建物の敷地内で爆発が起こった。
「・・・・・ よくわからないけど、何か起こってるみたいね」
呟くと、ケイは腕を交差させた。
「アァァァァァマァァァァァゾォォォォォォンッ!!!!」
そしてアマゾンに変身すると、ケイはジャングラーに跨り、建物の中に向け走り出した。
394 :
名無し坊:02/06/09 00:36 ID:2xySD2cD
そして、彼女もまた、戦場に歩き出した。
「生きる為に戦う・・・・・・・・
それが・・・・ 私の戦う、意味・・・・・・・」
そう呟くと、彼女は胸部アーマーのジョイントをロック、ヘルメットを顔に当てる。
小さな駆動音と共に、ヘルメットが彼女の頭全てを覆う。
「G3−X・・・・ 出動します!!」
395 :
名無し坊:02/06/09 00:38 ID:2xySD2cD
ごめんなさい。やはり前回予告した部分までは辿り着けませんでした。
おまけに、今回は量もちょっと少ないです。
396 :
保全:02/06/11 05:56 ID:ZEgcGLK3
保全
397 :
いつも:02/06/12 01:18 ID:o9tOmYD7
楽しく読ませてもらってますよ!
マイ・ペースでちょくちょく追加していって下さいね!!
398 :
保全:02/06/13 06:43 ID:o3hv0RJy
保全
399 :
保全:02/06/13 23:33 ID:JPH6p7g7
クジラ怪人
400 :
400:02/06/14 22:07 ID:NjJCKxP9
400
401 :
祝:02/06/14 22:45 ID:LvkcCxFs
1週年
402 :
保全:02/06/15 22:58 ID:MD9ik7Mf
続き書いてちょ!
403 :
名無し坊:02/06/16 01:37 ID:Ilxu8dfQ
戦闘は屋内に場所を移したが、G4の無敵さに変わりはなかった。
『こんなに数がおっても、ウチに何の手出しできんのか・・・・・ 拍子抜けや!!』
そう言いながら、G4は背後から襲い来るアントロードを、姿さえ確認せずに肘打ち一発で葬る。
その隙に、他のアントロード達が四方からG4を襲おうとするが、そのことを既に予測していたG4は
見を低くして脱出し、全員にGM−01改の銃弾を浴びせる。
「もうあたしには時間がないんや・・・・・ もっとかかってこんかい!!」
言い終わると、G4の攻撃を受けたアントロード達は、断末魔の声をあげ、炎に包まれた。
一方、ライダーのの、アマゾンも基地内に突入し、アントロードとの戦闘を繰り広げていた。
「タァァァッ!!」
基地内に停車されたトラックの上で、ライダーは迫り来るアントロード達に攻撃を繰り出す。
「ハァァァァァァッ!!」
前方の敵に拳を叩き込み、よろけた隙に、後方の敵に対し回し蹴りを食らわせる。
そして、両手で前後の敵の頭を掴むと、そのまま双方の頭にぶつけさせる。
フラフラになった2体のアントロードを、キックでトラックから蹴り落とすと、自身もトラックから飛び降りた。
飛び降りた勢いを殺さずに、ライダーが近くにいた別のアントロードに飛び蹴りを喰らわせると、
そのままアントロードは勢い良く吹き飛び、爆発した。
404 :
名無し坊:02/06/16 01:38 ID:Ilxu8dfQ
「ケェェェェェン!!!!!!」
そしてアマゾンも、基地内のキャットウォークに飛び乗ると、俊敏の動きでアントロード達を翻弄する。
腹に連続でパンチを入れ、よろめくと同時にアームカッターで首を落としていく。
狭いキャットウォークでは、敵は左右からしか来られない。それを利用し、アマゾンは左右同時に
迫り来る敵の顔面に拳を叩きこむと、その腹に向け、アームカッターごと腕を貫く。
「ウォォァァァァァァァァァァッ!!!!!!!」
そのまま勢いに任せて、2体のアントロードをキャットウォークから放り投げる。
それを何度か繰り返し、ついに1体だけになったアントロードを両手で掴み上げ、放り投げる。
落ちたアントロードめがけ、アマゾンはキャットウォークから飛び降り、肘をめり込ませる。
「まだまだぁっ!! もっとかかって・・・って、ちょ、ちょっと!! やめなさいってば!!!」
落としたアントロードに肘打ちを喰らわせた時、勢いを相殺する為にアマゾンは寝転がる形になったが、
寝転がった下にあったハッチが突然開き、中から現れたアントロード達がアマゾンを引きずり込もうとしたのだ。
「やめなさいって!! この・・・くっ・・・・ヤバッ・・・・って
キャァァァァァァァァァァァァッ!!!」
遂に引きずり込まれると、アマゾンは数メートルの高さから落下した。
「あいたたたたた・・・・・・」
無防備なまま背中から落下したアマゾンは、何とか立ち上がると、油断なく辺りを見回した。
周囲は薄暗く、改造された眼でなければ、恐らく何も見えなかっただろう。
無機質なパイプや発電機などが所狭しと置かれ、それらの駆動音が低く響いている。
どうやら、この建物の地下の発電施設のようだ。
405 :
名無し坊:02/06/16 01:39 ID:Ilxu8dfQ
そして、その駆動音に混じって、微かに聞こえる、自分以外の足音。
それはやがて大きくなり、遂にアマゾンの前に姿を現した。
「・・・・・・ゼティマの・・・・怪人・・・・・・」
全身を光沢のある皮膚に包まれた、銀色と金色の微妙に入り混じった、
生物と機械の間のような印象を受けるグロテスクな怪人だった。
その両目と、腹部に埋め込まれた丸い珠は、血のような紅い光を放っている。
「ボクノナマエハドラス。オネエチャンハ、GWSノヒト?」
突然、目の前の怪人が喋りかけてくる。
見た目とは異なる、子供のような声が、印象をさらに異常なものにする。
「GWS・・・・ 何のことかわからないけど、あんたゼティマの怪人でしょう!!」
「GWSノヒトジャナイミタイダケド、ボクノジャマヲスルノナラ、コロスヨ?」
「それは・・・・・ こっちのセリフよ!!」
そう叫ぶと、アマゾンは音速を超えるスピードでパンチを繰り出す。しかし
ガシッ!!
気が付くと、アマゾンのパンチは、ドラスの左腕一本で軽々と受け止められていた。
「な・・・・・・・・・・・・」
「ジャマダカラトッチャオウネ。コノウデ」
それだけ言うと、ドラスはアマゾンの腕を掴んだ左手を大きく動かした。
406 :
名無し坊:02/06/16 01:40 ID:Ilxu8dfQ
たったそれだけの動作で、アマゾンの右腕は、アマゾンの体から離れて行った。
「え・・・・・・・・・・・・・・・・」
アマゾンが状況を認識すると同時、ちぎり取られた右腕の付け根から、激しい痛みが押し寄せる。
「アァ・・・・・・・・・アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!」
そして、アマゾンを意識を失った。
407 :
名無し坊:02/06/16 01:41 ID:Ilxu8dfQ
「伝達指数、98.4パーセントに上昇!」
「プロジェクション映像、ライブ映像との誤差、約60秒! 範囲内なら指定秒数での映像表示可能です!」
次々と送られてくる情報に、絢は顔をほころばせた。
「素晴らしい・・・・・ どうしてこんなに素晴らしい素材に、もっと早く遭えなかったのかしら・・・・」
その素材に限界が近づいている事は重々承知の上だが、今回の戦闘まで持てばいい。
自由になりさえすれば、新たな素材を探す事にも、造り上げる事にも、幾らでも時間を割くことができる。
あと少し、あと少しなのだ・・・・・・・
しかし、限界は既に訪れつつあった。
『自律神経系に異常。良心回路、負荷指数72.5%。
本体維持優先のため、石川梨華の意識回復を最優先』
梨華の電子頭脳がその決定を下すと、彼女の意識がゆっくりと覚醒されていく。
少しずつ、瞼を上げていく。
「希美さん・・・・・・・・ケイさん・・・・・・・・・・」
そして呟かれた言葉は、大切な仲間の名前だった。
408 :
名無し坊:02/06/16 01:42 ID:Ilxu8dfQ
突如、作戦室のモニターがブラックアウトする。
それに伴ない、マシンと接続されていたコンピュータが、けたたましい警告音を上げ始める。
「どうした!!」
異常に気付いた絢が即座に叫ぶ。
「伝達指数、急激に下降しています! 現在、65.9パーセントです!!」
「映像回線との接続が弱まっています! 伝達指数の下降と連動して、プロジェクション可能範囲が
どんどん狭まっています!!」
次々と伝えられる絶望的な情報に、絢は言葉を失っていた。
409 :
名無し坊:02/06/16 01:43 ID:Ilxu8dfQ
プロジェクション不調の影響は、G4にも現れた。
「なっ・・・・・ どうなっとんねん・・・・・・・・ うわぁっ!!!」
本部からの映像が途絶え、今までプロジェクションとの連動で、
どうにか抑制されていた負荷が一気に押し寄せてくる。
「ぐっ・・・・・・・あぁっ・・・・・・」
突然動きが鈍くなったG4に、アントロード達が襲い掛かる。
「くそう・・・・・・・・・ 当たれ! 当たれ!!!」
しかし、G4は子供の様に目茶苦茶に拳を振り回すだけで、一向に当たる気配は無い。
「やばい・・・・・・・・ このままじゃ・・・・・・・・」
全身に襲い来る激しい痛みを感じつつ、G4がそう思った瞬間。
チュイン! チュイン! チュイン!
アントロード達の体に火花が走る。
霞む目のG4が見た先には
「中澤さん!!!」
銃口から煙の上がるGM−01を構えた、G3−Xの姿があった。
410 :
名無し坊:02/06/16 01:45 ID:Ilxu8dfQ
「松浦さん、GM−01、無事に起動しました!
本体の電池残量も心配ないです! 半日以上もメンテナンスなしでいきなり動かしたのに、
ちゃんと動くなんて奇跡ですよぉ!」
GWS基地の外で、G3−Xのサポートをしていた鈴音が歓喜の叫びを上げる。
G4に基地内に連れて行かれてから、まったく消息が不明だったのだが、さっきみちよから
G3−X起動の報せを受けたのだ。
「当たり前でしょう。私が造ったんだから」
冷静にそう言うのは亜弥だ。
そして亜弥は、複雑な表情でモニターを見つめた。
「平家さん・・・・ 頼んだわよ。
もうこれ以上、悲劇を生むわけにいかないために・・・・・」
411 :
名無し坊:02/06/16 01:46 ID:Ilxu8dfQ
Gトレーラー内とは対照的に、GWS基地内の作戦室は混乱に陥っていた。
「伝達指数、55.2パーセントに低下! プロジェクション不可能です!」
「石川梨華の電子頭脳にインプットされた自己防衛プログラムが、これ以上の
プロジェクションを拒否しています!」
「こんな・・・・・・・ こんなことって・・・・・・・・・・」
唖然とする絢に、更に追い討ちがかけられる。
天井の壁が突然崩れ落ち、無数のアントロード達が飛び出したのだ。
逃げ惑う隊員達が次々に殺されていく。
そして絢は、逃げる隊員の一人にぶつかられると、近くのパイプに頭を激しく打ち、気を失った。
邪魔をする者が誰もいなくなり、アントロード達は、ゆっくりと磔にされた梨華に近づいていく。
そして、アントロードの手が梨華に伸びようとしたその瞬間。
「待ちな」
突然、誰かの声がした。
アントロード達が声のした方向を一斉に向く。
そしてその先には、一人の少女が、壁に体を預け、立っていた。
黒い皮のスーツと帽子に、白いマフラー。
背中には、マフラーと同じく白いギターを背負っている。
少女は、目深に被っていた帽子のつばを人差し指で上げると、壁から体を離した。
「お前達のそのやり方。日本じゃあ二番目だ
まぁ最も、あたしは頼まれたってそんなことしたくないがね」
そう言うと、少女は背負っていたギターに手を伸ばした。
412 :
名無し坊:02/06/16 01:47 ID:Ilxu8dfQ
アマゾンが地下に引きずり込まれるのをみたライダーは、アマゾンを追い、配電施設の入り口に辿り着いた。
しかし、入り口には敵がいた。
「なんなのれすか・・・・・ この奇妙にグロテスクなコウモリ男は・・・・・」
コウモリ男は、狭い通路にも関わらず、顔から生えている大きな翼で羽ばたき、ライダーを翻弄する。
「このっ! このっ! 当たるのれす!!」
なんとか攻撃を当てたいが、逃げ回るコウモリ男にほとんど攻撃を与えることが出来ない。
逆に、自分が攻撃した後の一瞬の隙をつかれ、あちこちに傷が出来ていく。
「くそう・・・・・・・・・・」
ライダーが歯噛みした時、通路の向こうから、ゆっくりと誰かが歩いてくる。
体格から見ても、アマゾンではない。
「キミモ、ボクタチノジャマヲスルノ? ダッタラコロシチャウヨ?」
それは、ドラスだった。
413 :
名無し坊:02/06/16 01:51 ID:Ilxu8dfQ
『くそっ! このおっ!!』
G4の攻撃が、徐々に1体のアントロードを追い詰めていく。
しかし、G4の攻撃はかつてのような精彩を欠き、ただ無闇に拳を振り回しているだけだった。
「中澤さん・・・・・・」
その近くで別のアントロードと戦っていたG3−Xは、G4の様子が気に掛かる。
(もう、負荷が耐えられないところまできてるんや・・・・・)
目の前のアントロードを特殊ナイフ、GK−06・ケルベロスで倒すと、G3−XはG4の元へ向かう。
倒れようとするアントロードに向かい、G4は全身に容赦なく拳を叩き込んでいく。
そんなG4にG3−Xは必死に呼びかける。
「中澤さん! G4システムは呪われたシステムです。早く離脱してください!!」
しかし、G4はG3−Xの言葉に全く耳を傾けようとせず、攻撃を続けていく。
「中澤さん!! これ以上の装着は危険です! あなたの命が・・・・」
そこまで言った時、G4の攻撃を受け続けたアントロードが、遂に爆発した。
『あたしの答えはわかってるはずや』
G3−Xに背を向け、G4は何かに見せ付けるように両手を広げて言った。
『あんたは生を背負い、あたしは死を背負って戦ってる。
全く対照の存在や。
そんなあんたが何を言おうと、あたしはこのG4から離れるつもりはない』
そう言うG4の声には、既に生気が無く、どこか違うところから聞こえてくるようだった。
『どっちが本当に強いのか、今ここで・・・・・ 決着をつけるか』
そしてG4は、ゆっくりとG3−Xの方を向いた。
「中澤さん・・・・・・・・・・」
414 :
名無し坊:02/06/16 01:53 ID:Ilxu8dfQ
ちぎられた右腕の痛みも消えぬまま、アマゾンはその場に倒れ伏していた。
(汝・・・・・・ 力を欲するのか・・・・・・)
そして、ケイの脳裏に声が聞こえる。
聞いた事のある声だ。
(あんたは・・・・・・ あの時の・・・・・・・・)
クモ獣人に殺されそうになった時、自分がアマゾンとして覚醒する前に聞こえた、あの声だ。
(今の汝には・・・・・・ 力が足りない・・・・・・・・・ 汝、力を欲するか・・・・・・)
(そうよ・・・ あの時と同じ・・・・・・ 今のあたしには・・・・ 力がいるわ・・・・)
(ならば我も繰り返そう・・・・ 汝・・・・ 何故力を欲する・・・・・・・
汝は・・・・ 手にするべき強大な力を・・・・・・ 制御する事ができるのか・・・・・・・)
(わからないわ・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
ケイの答えに声は何も言わない。ケイは言葉を続ける。
(正直、今のこの力でさえ、持て余すことが時々あるわ。
・・・だけどね、あの時も言ったけど、私は、あいつらのせいでたくさんの命が
失われていく事に、納得できないの。
それに今は、大切な友達の命まで失われようとしてる。
今の力でも敵わないなら、私は、もっともっと、強い力を欲するわ)
(・・・・・・・汝の意志は理解した。
だが、汝はその強き力によって、自らを失わずにいられるのか・・・・・・・・・
強き力はそれを持つ者に災いを招く。
汝は、それを乗り越える事ができるのか・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・やってやるわよ。
今のあたしには、掛け替えのない仲間が、友達がいるわ。
みんなを護る為だったら、あたしは力で自分を失ったりしない。
もしも失いそうになった時は、その時は・・・・ その友達が、止めてくれるわよ)
415 :
名無し坊:02/06/16 01:54 ID:Ilxu8dfQ
(・・・・・・・・・・・・・・・わかった。
汝の意志に対し、我は更に強き力を汝に与えよう。しかし、今の汝には、それは過ぎたる力。
アマゾンを越え、更にその先にある進化の最終地点。
もしも汝が生きることを望むなら、目的を果たし、その力を放棄せよ。
アマゾンを越えた、進化の最終地点・・・・・・・・・・・・・・・・・
その名は・・・・・・・・・・エクシードギルス)
ケイは目を覚ました。
やはり右腕は無く、激痛も続いている。
しかし、今はそんなことは気にならない。
何かが心の中で叫びを放っている。
意識を失う前には、存在しなかったものだ。
その何かに従い、ケイは立ち上がる。
そして彼女は叫ぶ。
「ウアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!」
その叫びと共に、失われたケイの右腕が再生される。
(これが・・・・・ 進化なの・・・・・・・・)
進化は止まらない。
416 :
名無し坊:02/06/16 01:57 ID:Ilxu8dfQ
再生された右腕が今までと違う。
黒に近い緑に、血のような赤のまだら模様だったはずが、生物的ななめらかさを放つ緑と黒で構成されている。
肩口からは、昆虫の刺のような、曲線を描いた刃が三本、連なって突出している。
そして、その右腕に合わせるように、アマゾンの体の全てが変化していく。
上半身が緑色のプレートに覆われ、乳房を上下になぞるような形で、赤いムカデのようなものが這う。
中心には、楕円形の黄色いクリスタルが光を放っている。
コンドラーと呼ばれていた万能ベルトは、真っ赤なベルトに変わり、その中心にも、黄色いクリスタルが光っている。
下半身は黒く染まり、膝と足首の間に、触れただけで切れるような鋭い切っ先が突き出ている。
足首にも、ベルトと同じような赤いものが巻きつき、踵からは鎌のような赤い刺が突き出ている。
顔は黒く、銀色の顎、楕円形の赤く大きな目、葉が何枚も重なって出来たような緑色の2本の曲がった角の間には、
同じ色の3本目の角がそびえている。
進化の最終地点であるその姿は、アマゾンの面影を残しつつ、全く違ったものとなっていた。
「あたしはギルス・・・・・・・・・・・・ 仮面ライダー・・・・・・エクシードギルス!!!!!!!」
417 :
名無し坊:02/06/16 02:00 ID:Ilxu8dfQ
なんとかここまで来る事ができました。
配分を間違えて、長さがチグハグな部分もありますが、どうかご容赦ください。
というわけで、次回はライダーの進化とGシリーズ同士の戦いの予定です。
すごい面白いです。
でも、アマゾンがギルスになったのにはちょと戸惑ってしまいますた。
きっとこれは昔のライダーと最近のライダーを仮面ライダーと思えてないから?(w
419 :
奈奈氏:02/06/16 21:44 ID:ho67Gz92
禿同
でもこの設定の中に
G3開発者の中にライダーマン(ミカ?)が入っていた
なんて事になったらちょっとうれしかったりします(w
420 :
名無し娘。:02/06/17 00:31 ID:H+C2H3op
話の流れから、ギルスはすぐアマゾンに戻るんじゃない?
昭和ライダーも平成ライダーもOKな自分的にはこの展開は結構良し。
421 :
保全:02/06/18 23:00 ID:voOoQs98
あやか登場に期待
422 :
名無し募集中。。。:02/06/19 00:00 ID:yBYkfqPU
なかなか面白い。
424 :
名無し:02/06/22 18:50 ID:gFBM70iv
保全
425 :
名無し坊:02/06/23 01:04 ID:y++UJosq
「ギルススティンガー!!」
ギルスが叫ぶと同時に、背中から2本の赤い触手が飛び出し、それは一直線にコウモリ男の元へ向かう。
ガシィッ!!
そして、ギルススティンガーはコウモリ男の首と胴体に巻きつく。
「ギ・・・・ギャァァァァァァァァァ」
コウモリ男は必死にもがくが、ギルススティンガーはまったく緩まず、逆に強く締め付けられていく。
「もしかして・・・・・・ ケイさん・・・・・・・」
その様子を見ていたライダーが、呆然と呟く。
そして、その呟きを聞き取ったかのように、ギルスが咆哮を上げる!
「ウォォォァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!!」
咆哮と同時に、ギルススティンガーはギルスの元へ戻り始め、掴まれたままのコウモリ男も引きずられていく。
「あれが・・・・・・・ ケイさん・・・・・・・」
呆気に取られるライダー。
そして、ドラスはそれを見逃さなかった。
突然、ドラスがライダーの首を掴み上げる。
「しまっ・・!・・・・ あ・・・・・・ あぁ・・・・」
凄まじい力で締め付けられ、声も出ない。
「シンジャイナヨ。ボクニハマダヤラナキャイケナイコトガアルンダカラ」
426 :
名無し坊:02/06/23 01:06 ID:y++UJosq
「ぁ・・・・・・・・・・」
徐々に意識が遠のいていく。
(ののは・・・・・・ ここで死ぬのれすか・・・・・・・・・
大切な人たちの居場所を、守れもしないまま・・・・・・・・・・)
誰も守れない。
それなら、何のために自分は仮面ライダーとなったのだろう。
確かにきっかけは突然のものだった。
でも、自分は決めたのだ。
人類を。
そして、自分にとって、大切な人たちの居場所を守るために戦おうと。
ガッ!
不意に、ライダーの腕がドラスの腕を掴む。
「ン?」
ほとんど死にかけだった状態から、いきなり腕をつかまれ、ドラスは訝しんだ。
「モウコレイジョウアガイタッテショウガナイヨ・・・・・・・・・エ?」
掴まれている腕に、猛烈な圧力がかかる。
自分の腕を掴むライダーの腕に、どんどん力が込められているのだ。
「・・・・・・・・・・・・のれす・・・・・・・・」
ライダーの眼、Cアイに、紅い輝きが灯る。
「・・・・・・・・・・・られないのれす・・・・・・・・・・・」
「ソンナ・・・・・ イッタイドコニコンナチカラガ・・・・・・・・・・・」
そしてついに、ドラスの腕がライダーの首から引き離された。
「ハァァァァァァッ!!!!!!」
ドラスの腕を掴み、勢いに任せてライダーはドラスを投げ飛ばす!
そして壁にぶつかり倒れ込むドラスに向かい、ライダーは叫ぶ!
「ののは、絶対に負けられないのれす!!!!」
427 :
名無し坊:02/06/23 01:07 ID:y++UJosq
そして、ライダーの体が内側から光を放ちはじめた。
その光はライダーを中心にすべてを飲み込み、やがてフロア一杯に満ち溢れる。
「マブシイ!!」
あらゆる状況下でも適応できるドラスの眼でさえも、その光の強さには耐えられない。
その光の中で、ライダーの体が変わっていく。
緑のコンバーターラングに亀裂が走り、やがてその中から、不思議な紋様の描かれた銀色のプロテクターが現れる。
腕と足首には、金と銀の入り混じったプロテクターが現れ、その部分を包み込む。
紅い風車のタイフーンは、紫色のクリスタルの埋め込まれたベルトに変化し、燦然と輝きを放つ。
そしてマスクも、紅いCアイは太陽の如く黄色い光を放つ複眼に変化し、
2本のアンテナも、雄雄しくそそり立つ6本の紅い角へと形を変えた。
そして、満ち溢れた光は粒子となり、周囲に拡散していく。
「ナンダッタノ、イマノヒカリハ・・・・・ン?」
回復したドラスの眼に最初に飛び込んできたもの。
それは、先程まで立っていたのとは、別の仮面ライダーの姿だった。
「アレ? キミハダレ?」
その問いに、ライダーは静かに答える。
「私は・・・・・仮面ライダーれす。
でも、さっきまでのとは違うのれす。
進化の果て・・・・・・・ 最強の存在・・・・・・・ そして、太陽の戦士・・・・・・・・・・・
私はアギト。仮面ライダー・アギト!!!!」
428 :
名無し坊:02/06/23 01:09 ID:y++UJosq
「アァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!」
咆哮とともに、ギルススティンガーに捉えられたコウモリ男の体が空中に浮かび上がった。
スティンガーはコウモリ男の体を容赦なく締め付ける。
エクシードギルスは、顔の前で両腕をクロスさせ、素早くそれを解くと、空中高く飛び上がった。
「ハァァァァァァァァァッ!!!! フンッッッッッッ!!!!!!!!!!!」
コウモリ男よりも高く飛び上がると、両足を上げ、踵から伸びた紅い刺の先をコウモリ男に向けた。
「エクシード、ヒィィィィィィィルクロォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!!!」
エクシードギルスの叫びとともに、両足の赤い刺が、狙い違わずコウモリ男の体に突き刺さる!!
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!」
最後の絶叫を上げると、ギルススティンガーに捉えられたまま、コウモリ男は爆発した。
429 :
名無し坊:02/06/23 01:11 ID:y++UJosq
先程まで、早すぎて見えなかった攻撃が、今は手に取るようにわかる。
ドラスの放つ突きを弾くと、体勢を回復しないまま、素早く拳を繰り出す。
遠くへと吹き飛んでいくドラスの目が、驚愕に見開かれる。
それを見届けると、アギトは両足を大きく開き、ゆっくりと腰を落とすと、構えを取る。
すると、アギトとドラスの間に、白銀の大きな紋章が浮かび上がった。
その紋章は、アギトの額に生える、六つに分かたれた赤い角と同じ形をしている。
その紋章が完全に展開されると、アギトは紋章の先に見えるドラスめがけて走り出す。
そして、キックの構えのまま紋章の中を通り抜けると、アギトのキックが加速され、ドラスに向かう!
「シャイニング!!!!ライダァァァァァァァァァァァキィィィィィィィィィィィィィク!!!!!!!!」
その速さは光をも超え、一条の閃光となってドラスに突き刺さる!!!
「ガァァァァァァァァァァァッ!!!!!!」
そして、アギトがドラスの後方に着地すると同時に、腹部に大きな穴をあけたドラスは爆発した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
爆発の炎を、アギトは何も言わず、見つめていた。
430 :
名無し坊:02/06/23 01:12 ID:y++UJosq
パァァンッ!!!
G3−Xのアーマーから、火花が飛び散る。
G4から受けたパンチのせいだ。
何の躊躇も迷いも無く攻撃を仕掛けるG4に、G3−Xは為す術を持たなかった。
ただ、放たれる攻撃を受け止めることしかできない。
早すぎて、防御する間もなく攻撃を喰らってしまうのだ。
(このままじゃ・・・・・・ やられる!!)
「・・・・・・・・・・!!・・・・!・・・・・・・」
ヘルメットのスピーカーから、雑音のようなものが流れてくる。
恐らくは亜弥からの通信だろうが、スピーカーが壊れたのか、雑音しか流れてこない。
パァァァァァンッ!!!
「ウッ・・・・」
G4の拳が、G3−Xの左肩に決まる。
衝撃で回転しながら転がると同時に、左肩のアーマーが吹き飛ぶ。
アーマーの取れた肩の先から、何本ものコード類が剥き出しになる。
すぐに立ち上がるが、G4の拳は目の前にあった。
431 :
名無し坊:02/06/23 01:14 ID:y++UJosq
ガシィィィッ!!
「ウワァッ!!!」
何かの砕ける音と共に、G3−Xの右視界が全く効かなくなる。
右側のアンテナが折れ、そして右のレッドアイザーが砕けたのだ。
視界の半分が効かなくなり、逃げる事すらままならなくなったG3−Xは、
遂に、近くのトラックの壁際に追い詰められた。もう逃げる事はできない。
その時だった。
「・・・・けさん!・・・・・答しなさい!!・・・・・・平家さん!!!」
432 :
名無し坊:02/06/23 01:16 ID:y++UJosq
雑音交じりではあるが、G3−Xの耳に、確かに声が聞こえたのだ。
亜弥の声が。
「松浦さん!!」
「平家さん。G3−XとしてG4と戦っても、あなたに勝ち目はないわ」
「やっぱり・・・・・・ でも!」
「黙って聞きなさい!!
G3−Xとして戦っても、G4に勝ち目はないわ。
けれど、たった一つ、G4とまともに戦えるかもしれない手があるわ。
あなた自身、平家みちよとして戦うのよ」
「・・・・・・え・・・・・・・?」
「機体のスペックではG4に勝てない。
でも、最後に戦いの結果を決めるのは、人の心よ。
死を背負ってG4が戦うのなら、あなたはあなた自身として、生きる為に戦いなさい!!!」
生きる為に、戦う。
亜弥のその言葉、そしてあの時、自分が祐子に対して言った言葉。
(私は、生きる為に戦います。生きることを、素晴らしいと思いたい・・・・・・・)
みちよは、覚悟を決めた。
433 :
名無し坊:02/06/23 01:17 ID:y++UJosq
そして両手を、ゆっくりとヘルメットの横へと持っていく。
その動作に、G4が訝しげな素振りを見せる。
やがて、小さな駆動音とともに、G3−Xのヘルメットが外され、みちよが素顔を晒す。
ヘルメットが、重たく、乾いた音を立てて、ゆっくりと地面に落ちた。
「クッ・・・・・フフフ・・・そんなことをしたって、G4に勝てるはずはないのよ」
気絶から目を覚ました絢が、みちよとG4の戦いを見ながら言った。
周りには、アントロードによって殺された隊員達と、何故か死んでいるアントロード達の死体が
累々と横たわっている。
「祐子・・・・・・あなたの命の灯もあと少し・・・・・・・・
自由まで、あと少しよ・・・・・・」
ガタッ
絢が呟いた時、近くで物音がした。
訝しがる絢の目の前に、生き残っていた数対のアントロード達が、絢に迫り来る。
「・・・・・・・・イヤ・・・・・・・そんな・・・・・・・・・・
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
絢の叫びは群がるアントロード達に飲み込まれ、すぐに聞こえなくなった。
434 :
名無し坊:02/06/23 01:19 ID:y++UJosq
「クッ! ハァァァッ!!」
紙一重でG4のパンチを避けると、みちよも負けじと拳を繰り出す。
肉眼になったことで視界は回復したものの、全身を包むアーマーのコントロールが効かず、体が重たい。
それでも、みちよの動きは先程より格段に早くなっている。
だが、拳を防がれ、逆にG4の拳が、みちよの腹に突き刺さるようにヒットする。
「ウゥ・・・・・ あぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
渾身の気合いを込めてキックを放つ。
何とかG4の脇腹に当たったが、あまりダメージを与えた様子は無い。
『もう・・・・諦めぇや・・・・・・・』
疲れたようにそれだけ言うと、G4の拳が、みちよの胸にヒットする。
今までとは比べ物にならないほどの力が込められていたその拳で、みちよは大きく吹き飛ばされた。
地面に突っ伏したみちよに向かい、G4はゆっくりと歩を進めた。
その瞬間。
プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!!!
突然、G4の全身から、煙のようなものが勢いよく噴出され始めた。
『ガァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!』
それと共に、G4・・・祐子も苦しみだす。
遂に、G4装着の負荷が限界を越えたのだ。
435 :
名無し坊:02/06/23 01:21 ID:y++UJosq
そのことを即座に理解したみちよは、何とか起き上がると、祐子に飛びついた。
「中澤さん!! 危険です!!!・・・・・・早く離脱してください!!!!!」
『ウアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!』
苦しみで暴れ続ける祐子に払い飛ばされるが、なおもみちよは祐子にとりすがる。
「中澤さん!!早く・・・・・早く!!!!!!!」
『アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!』
手加減無しの一発が、みちよに放たれる。
それを喰らい、みちよは遠くへと転がり込む。
「中澤さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中澤さん!!!!!!!!!!!!!!!」
みちよの叫びが枯れ果てると同時に、噴出していた煙が止んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 生 き た い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう呟き、祐子は何かを求めるように、右手を前に差し出す。
そして、ゆっくりと崩れ落ちた。
436 :
名無し坊:02/06/23 01:22 ID:y++UJosq
上半身を起こし、みちよはやりきれない思いで祐子を見つめた。
と、突然、祐子が体を起こした。
「!!・・・・・・中澤さん・・・・?」
生きていたのだろうか。
「・・・・・・・・違う・・・・・・・・」
しかし、その考えをすぐに否定する。
駆動音が大きすぎる。アーマーを装着し、自らの意思で動かしているのなら、あんな音はしない。
何より、人はあんな機械そのものの様な動きなどできない。
祐子の亡骸を内包したG4という棺桶は、それでもまだ、動こうとしていたのだ。
437 :
名無し坊:02/06/23 01:24 ID:y++UJosq
「もういい・・・・・・・・」
悲しくて、やりきれない。
「もうええ・・・・・・・・・・・・・」
生きたいって言ったのに。
「もうええやろぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!!!」
チュイン!
あっけない程に軽く響いたその音。
みちよの手に握られたGM−01改から発射された一発が、G4を、再び眠りにつかせた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
みちよは、GM−01改を放り投げた。
438 :
名無し坊:02/06/23 01:24 ID:y++UJosq
『G4システム、活動を停止しました』
Gトレーラー内のスピーカーに、みちよからの報告がきた。
「ふぅ・・・・・一件落着ですね、松浦さ・・・・・・・」
ヘッドセットを外し、隣にいる亜弥を見た鈴音は、言葉を失った。
彼女の目は、外されたG3−Xのヘルメットに内蔵されたカメラから送られてきたG4と、
その隣でへたりこむみちよの姿を映しながら、涙を流していた。
声も上げず、亜弥はただ、涙を流し続けた。
439 :
名無し坊:02/06/23 01:25 ID:y++UJosq
「梨華ちゃん・・・梨華ちゃん!」
「ん・・・・・・・・・・」
自分の名を呼ぶその声で、梨華は目を覚ました。
「良かった。目を覚ましたのれす」
「あったりまえよ。この娘がそう簡単に死んでたまりますかっての!」
「希美さん・・・・・ケイさん・・・・・・・」
3人は、建物の外にいた。
入り口近くに寝込んでいた梨華を、2人が発見したのだ。
「2人とも・・・・・・私を助けに来てくれたんですか・・・・?」
「そうに決まってるじゃない。何当たり前のこと言ってんの!?」
「梨華ちゃんは、私の大切な人なのれす。助けに行くのは当然なのれす」
「希美さん・・・・・・・・・・」
「さ。さっさと帰るよ。みんな心配してるんだし」
「そうれすね」
そう言うと、希美は梨華に肩を貸し、ゆっくりと支えながら立ち上がる。
そしてその反対側にも、ケイが肩を貸す。
そして3人は、家路へと歩き出した。
大切な、仲間達の待つ我が家へと。
440 :
名無し坊:02/06/23 01:28 ID:y++UJosq
GWS事件から数ヶ月。
G3チームは、相変わらずの活動を続けていた。
「G3−X、活動限界です!!」
「平家さん! 離脱しなさい!!」
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!」
気合いとともに、GX−05のトリガーを引く。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!
銃口から発射された数百発の特殊弾頭が、アンノウンと呼ばれる未確認生物に命中する。
そしてアンノウンは、断末魔の悲鳴をあげる暇すらなく、爆発した。
「平家さん。お疲れ様です!」
「まったく・・・ 何とか倒せたからいいものの、少しは自分の限界を考えなさい!」
Gトレーラーに戻り、ヘルメットを脱いだみちよに、労いの言葉と罵声の両方が同時に浴びせられる。
「ありがとうございます、鈴音さん。すいませんでした・・・松浦さん」
「まったく。まぁ、でもあなたなら何とかできるんじゃないかと思ったのも、事実なのよね」
「松浦さん・・・・・・」
「さ、まだ仕事はあるんだから、早く着替えて、できるだけ休んどきなさい」
そう言って亜弥は少しだけ微笑むと、トレーラーの奥へと消えて行った。
「松浦さんの言うとおりですよぉ。早く着替えてください!
装備磨くのは、私なんですからぁ!」
「・・・・・・・・はい。わかりました」
そう言ってみちよは微笑むと、G3−Xのアーマーを外し始めた。
441 :
名無し坊:02/06/23 01:29 ID:y++UJosq
事件以来、件の未確認生物が人間を襲うケースが頻発化し、警視庁は、未確認生物をアンノウンと呼称し、
G3−Xをアンノウン殲滅の任にあたらせている。
近々、G3−Xの量産型であるG5ユニットの製作も検討されているらしい。
そうして、周囲の事態が目まぐるしく変化していく中で、みちよは常に最前線で戦い続けている。
あの事件で味わった、様々な思いを胸に抱きながら。
それでも、彼女は生きていく。
生きるために、戦っていくのだ。
生きることを、素晴らしいと思うために・・・・・・・・・・・・・・
完
442 :
名無し坊:02/06/23 01:37 ID:y++UJosq
終わりました。完結です。
色々と書き足りなかった事、書き直したかったところなど多々ありますが、
すべて終わりました。
なんだかんだと数ヶ月もこのスレを占拠してしまい、本当にご迷惑をおかけしました。
次回からは、また本編に戻ります。
他作者様の、アツい物語が展開されますので、どうぞご期待ください。
自分も、今度はちゃんと一本完全に書上げてから、時期を見て参加させていただこうと思います。
それでも、恐らく当分は出てこないでしょうが(w
それでは失礼致します。
本当に、ありがとうございました。
それでは次の方、よろしくお願い致します!!!
>名無し坊さん
お疲れ様でした。
覗きにきたら更新されていたので、一気に読ませていただきました。
どちらかというと、平家さんが主人公という感じでしたね。
でも、そこが新鮮で楽しかったです。
またの作品のほう楽しみにしています。
名無し坊さんお疲れさまでした。
平家さんがやっぱりいい子でしたね。
各登場人物のレーゾンデートルについての懊悩も
細やかで面白かったです。
名無し坊さん良かったです。
小川と新垣でバイクロッサーとかやって。
保全
447 :
名無しかよ!:02/06/24 05:08 ID:n2Jo5SlN
448 :
名無し娘。:02/06/25 22:01 ID:c/FqnyOJ
次の作者さんカモン!!
449 :
保全:02/06/26 00:19 ID:I4vBJfit
>>449 その昔「兄弟拳バイクロッサー」っていう兄弟で戦う戦士がいたのです。
えっと、私の作品のほうはまだかかりそうなので、
他の方どうぞ。
>>449 水野拳・銀次郎兄弟がドクターQ(地獄大使)率いるデスターと戦う。
必殺技はブレイザーキャノン。
石ノ森作品だし、バイク乗ってるし、いいかなと思いまして。
453 :
:02/06/27 01:04 ID:lG6Je24n
作者召還age
次僕でよかったんでしたっけ?>皆様
しばらく不在にしていましたので、次で良いのかちょっと不安です。
もし次に控えていた方がいて、飛ばしてしまっていたら申し訳ありません。
第18話 「復讐の右腕、カセットアーム」
小笠原諸島のとある無人島。世界征服を企む悪の秘密結社ゼティマは、この地に
秘密基地を建設していた。そして今日、ここである実験が行われようとしていた。
基地内の管制室に姿を現した、一人の男。赤銅色の全身鎧に身を包み、銀色の
マントを翻しながら風を切って歩くこの男こそ、ゼティマ大幹部の一人ヨロイ元帥
である。
「これは元帥閣下。お待ちしておりました。」
科学者達が出迎える中、ヨロイ元帥は管制室へと案内された。目の前にある
大きなモニターにはロケットのようなものが映し出されており、周囲では
オペレーター達の交信の様子が聞こえてくる。邪悪な笑みを浮かべつつ、元帥は
言った。
「見事だ。実に素晴らしいぞ。」
モニターを満足げに見上げる元帥。そこには、数基のロケットが屹立する様子が
映し出されていた。ゼティマが開発した新型爆弾、「プルトンミサイル」である。
「プルトンミサイル発射実験の首尾はどうだ?」
得意げに声をかける元帥。無理もない、自らが手塩にかけて練り上げてきた計画が
いよいよ実現の運びとなったのだから当然である。
「発射実験はこれまでのところ順調に進んでおり、実験用模擬弾頭については
現在100%の成功率です。本日は10分の1の量で爆薬を充填した、実弾による
最終試験です。さぁ、こちらを。」
そう言って科学者の一人が発射ボタンを指さす。元帥は誇らしげに発射ボタン
に指をかけると、自ら最後のカウントダウンを始めた。
「皆よく見ておくがいい!ゼーティマの歴史に新たな一ページが加わる瞬間だ!!
10、9、8・・・」
カウントは進み、いよいよ残り3カウント。元帥の声も興奮で上擦る。
「3、2、1、発射ァァ!」
ボタンを押す元帥。それと同時にミサイルが点火されると、白煙を吹き上げて上昇
していく。モニターの映像はなおもミサイルを追い、やがてミサイルは洋上遥か彼方
で着弾。巨大な水柱があがると、管制室の中では大歓声が起きた。
「ハハハハハ!良くやったぞ。これで『Z計画』は完成した。世界が我々の前に
ひれ伏すのも、もうすぐだ!!」
基地中に聞こえるかのような、ヨロイ元帥の高笑いが響き渡った。
悠然とマントを翻し、一人司令室へと歩を進めるヨロイ元帥。すれ違う者達は、
誰も彼と視線を合わせようとはしない。残虐なサディスト、卑劣漢。自分の地位の
ためなら仲間をも陥れる男。やがて司令室にたどり着いた彼は椅子に深々と
腰掛けると、一人成功の余韻に浸っていた。
まさに喜色満面、実験の成功に酔いしれていた元帥を訪れた者がある。司令室の
ドアが開くと、一人の怪人が姿を現した。魚鱗に覆われた硬い表皮−元帥配下の
怪人達が「ヨロイ軍団」と言われる所以は、鎧のような硬い皮膚をもつところに
ある−に、醜怪な魚顔。古代魚シーラカンスの改造人間、シーラカンスキッド
である。
「ついに脱走した裏切り者の居所を掴みました。」
仮面の奥で眉をひそめる元帥。
「バカめが。変節者探しなど秘密警察にやらせておけばよいのだ。それこそ
アポロガイストのような手合いには相応しい仕事ではないか。」
「それが、発見した裏切り者は他でもない、ミカ・トッドです。」
ミカ・トッド。忌々しい名前に元帥の口元が歪む。
「ようやく見つかったか・・・で、どこに潜伏しておったのだ?」
「元帥閣下の読み通り日本に。しかし他の裏切り者たちと接触する可能性も
あります。ここはしばらく泳がせてみるのが得策かと。」
彼にとってはすぐにも自らの手で殺したい程の存在なのだが、Z計画の指揮を
中座してまで裏切り者の始末をできるほど暇ではない。元帥はシーラカンスキッド
に抹殺を命じた。
「なるほど・・・貴様の言う通りかもしれん。機会を窺い、残りの連中ともども
始末しろ!」
元帥の命を受け、怪人は司令室を後にした。
ナナシマンさんだー。
続きが楽しみ。頑張って下さい。
真里はこの日、義姉の彩と共に以前入院していた病院に来ていた。ゼティマの
襲撃以来、すっかり傷も癒えた彩ではあったが、定期的な通院はまだ続いていた。
受付から30分後、ようやく彩の名前が呼ばれ、二人は診察室へ。
「もうほとんど傷も見えない状態になりましたね。来週には通院も必要なくなる
と思いますよ。」
白衣を着た若い女医は、そう言ってにっこり笑う。彼女−アヤカにとって彩は
「特別」な患者だった。かつての「仲間」が危険を冒してでも助けた人物で
あれば、その身の安全を守ることは彼女にとっては当然の事だったからだ。
やがてアヤカは周囲を見回すと人払いをし始めた。彼女に促された看護婦たちが
いそいそと退出していくのを不思議そうに見守る真里と彩。気がつくと、診察室
には3人以外誰もいなくなっていた。
「石黒さんをここに連れてきた、ミカの事をお話しします。あのコと私は、
いっしょにゼティマを脱走してきたんです。」
地元の名士として名高い両親をテロで失い、天涯孤独の身となった少女ミカ。
あるとき彼女はインターネットでとある研究所のサイトを発見する。彼女は
そこに掲げられた「暴力のない平和な世界を建設する」という言葉に強い共感を
覚えた。
自らの知識と技能を平和な世界を作るために生かしたい。テロで両親を失う
悲劇を経験した彼女は、やがて同じ志を抱いたアヤカとレフア、ダニエルとともに
研究員となった。しかしその研究所の正体こそ、後に命からがら脱走することに
なる秘密結社ゼティマであることを、まだ知るよしはなかった。
次々と新技術を開発し組織の勢力拡大に貢献してきたミカ。やがて加護博士
失踪後、組織の科学技術部門のトップである「統括責任者」に就任する。
やがて、いつしかひとかたならぬ人望を得ていた彼女を、大幹部に推す声が
聞こえ始めていた。
だが一方で、それを苦々しく思っていた一人の男がいた。そう、ヨロイ元帥で
ある。当初こそ彼女を傍らに置いて目をかけていた彼だったが、彼女が頭角を現し
自分の地位を脅かすまでになったときから、疎ましく思いはじめていたのだ。
そしてその嫉妬は、恐ろしい陰謀となって彼女に襲いかかった。元帥は彼女に
裏切り者の汚名を着せると、会議を招集。その日のうちに処刑が決定して
しまったのである。
元帥によって捕らえられたミカは、硫酸のプールに投じられて処刑されそうに
なるが、間一髪のところで仲間達の手によって救出された。しかし、右腕を硫酸
に浸してしまったことで彼女の腕は再生不可能なほど壊死してしまい、切断
せざるを得なくなってしまったのである。
そこで失われた右腕の代わりに、当時戦闘員の強化器具として開発を進めて
いたアタッチメント式の義手、「カセットアーム」を装着することとなった。
急場のことで満足な準備は出来ず、麻酔さえも満足には使えなかったが、彼女
の命を救うために仲間達は手を尽くした。
一方、ミカを奪還されたヨロイ元帥は怒りが収まらない。すぐさま裏切り者
の科学者達を追討するための部隊を派遣した。研究室内では手術が佳境に
さしかかっていたが、研究室は元帥の部隊によって包囲されていた。
号令とともに激しい銃火に晒される研究室。そして遂にドアがこじ開けられる
と、部隊が突入してきた。3人の手によってすでに手術は終わっていたが、術後
の処理もままならぬミカを抱きかかえ、ダニエルに促されるかっこうでアヤカと
レフアは室内の非常口に逃げ込んだ。そんな最中、右手から全身を浸食する
痛みに意識朦朧となるミカの目に映ったのは、仲間の科学者達が一人また一人と
凶弾に倒れる姿だった。
やがて3人を逃がしたダニエルは一人銃を手にとると、自ら盾となる決心を
固めた。そして非常口の扉を固く閉ざすと、意を決して追っ手の前に立ちはだか
った。命に替えても友を守り抜くために。
背中越しに銃声が轟く。そのたびに何度も後を振り返る3人。こうして彼女
たちは別れの言葉すら交わせないまま、必死の思いで基地から脱出したのである。
「そして私たちは日本にたどり着きました。今は組織の目を逃れ、身分を
偽って生活しています。でも、ミカはあんな目に遭ったのに、まだ理想郷建設
の夢を信じているんです。右腕まで無くしたっていうのに・・・。」
絢花の話が一通り終わったその時、ドアが開く音がした。周囲に緊張が走る。
おそるおそる振り返った視線の先には、一人の小柄な少女が立っていた。
「そこから先はワタシに話させて下さい。」
真里とあまり変わらないくらいの背格好で、黒いロングコートに身を包んだ
その少女は、周囲を見回しながら室内に入ってきた。
「もしかして、あなたが・・・?」
「ハイ。ワタシがミカです。アナタのことは聞いてますヨ、矢口サン。」
真里のことも既に知っていたミカ。しかし、自らも追われる身でありながら
なぜ危険を冒すことが出来たのか。
「ワタシは今、街のある電気店で働いているんですが、あの日はたまたま
中澤サンの家に品物の配達に来ただけだったんです。家に着いたらあの状態
でした。皆さんとは、ちょうど入れ違いで。」
何という偶然。しかし、それが彩の命を救ったのだ。真里の手術が行われて
いた一方で消えかけた命、それも見ず知らずの他人の命を救うために全力を
傾注した少女が目の前にいる。
「ありがとう、ミカちゃん。なんてお礼を言ったらいいか・・・。」
「気にしないで下さい。それよりも彩サンが無事で良かった。ここはアヤカ
の親戚の病院だし、アヤカもこうしてドクターとして勤務してるから、安全だと
思ったんです。」
自分の身にも危険が迫っていることは十分承知していた。しかし、頼れるのは
友しかしない。そんなミカの心情を察すればこそ、アヤカも彩の身柄を預かる
ことに同意したのだろう。
しかし、真里にはどうしても腑に落ちないことがあった。ミカの右腕はカセット
アームと呼ばれる義手だという。しかし、現に彼女の右腕は通常の人間のそれと
全く変わる様子がない。宇宙船の医療機器は高度なマニピュレータがその主力を
担っているのだが、地球の技術で作られた義手で複雑な操作ができるとは
思えなかったのだ。しかし、その宇宙船も今はない。真里の意図を汲んだミニモ
共々故郷に帰還したのだ。
と、その時。ミカはおもむろに右腕の裾を掴むと、ゆっくりとたくし上げた。
「うそ・・・。」
唖然とする彩と真里。彼女の右腕の肘から下は金属で作られた外骨格のような
もので形成されており、手首や指にはゴムか何かでコーティングされた関節が
露わになっていた。
「アヤカが話してくれたとおりです。この右腕こそ、ワタシの負った犠牲の象徴。
ワタシはヨロイ元帥の手によって、この右腕と・・・大切な仲間を失なったのです。」
項垂れて肩を震わせるミカ。彼女の脳裏に甦るのは、追っ手の凶弾に倒れた仲間たち
の姿か、それとも憎きヨロイ元帥の姿か。
「でも、ワタシの夢を実現するためには組織の力が必要なの。だから、ワタシは
もう一度ゼティマに戻りたいの。」
「ミカ!まだそんなことを!気づかないの?私達は騙されていたの。組織に利用
されていたのよ!チェルシーにエイプリル、そしてダニエルだってあなたのために
命まで投げ出したっていうのに!」
「組織の力は世界平和のためにはなくてはならないものよ。悪いのはヨロイ元帥
なの。みんなの仇はこの右腕でとってみせる。このカセットアームで!」
アヤカの言葉にもミカは素直に耳を貸そうとはしない。組織への未練。右腕を
失い仲間を失ってもなお、ゼティマに対して抱く感情。それはひとえに自らの夢
に対する想いである。
「組織に復帰して元帥を追放し、ゼティマの科学技術を世界平和に利用すること。
それが今のワタシの全てです。そのためなら、例え仮面ライダーだって・・・。」
そんなミカの言葉に、理解できないと言わんばかりに首を振り、彩が言う。
「あたしが口を挟む事じゃないけど、あんた本気なの?あんたがそんなんじゃ
亡くなった友達だってうかばれないじゃないの。」
「でも、それがワタシの生きる道なの!」
部屋中に響くような大声で言い放つミカ。真里の表情が強ばる。自らの理想を
大事にしていることは判る。しかし、これまで真里が遭遇してきた敵は世界征服
の尖兵たちである。もしゼティマがその力で邪悪な目的を達成してしまったなら
人類に未来はなく、世界には暗黒の時代が訪れることになる。悪の技術によって
平和な世界を築くことなど、できるはずがない。
そんな空気の中、何かを決心したかのように真里はミカの手を引っ張ると、
彼女を連れて無言で診察室を後にした。やがて二人は人目を避けるようにして、
病院の屋上へとたどり着いた。
「どうしたんですか、矢口サン。こんな所にワタシを連れてきて。」
怪訝な表情を浮かべるミカに、真里は言った。
「 オイラね、ミカちゃんの気持ち、何となく判る気がするんだ。」
しかし、真里のこの一言が思いがけない反応を招いた。突然ミカが真里につかみ
かかって来たのだ。
「聞いた風なこと言わないで!アナタにワタシの悲しみが判るはずなんて
ない!!右腕も友達も無くなった。夢も奪われた。そんなワタシの悲しみが、
判るはず・・・」
パシッ!
我を忘れて叫ぶミカの頬を叩く真里。その瞬間、誰もいない屋上に乾いた音
だけがひびいた。
「アイツらに大事なものを奪われたのは、ミカちゃんだけじゃないんだよ。」
そう言うと真里はミカの前で変身のポーズを取り、仮面ライダーV3としての
姿を見せた。しばし言葉を失うミカ。
「オイラ達だってアイツらのせいで大事なものを犠牲にしなきゃならなくなった
んだよ。ミカちゃんが右腕と仲間を無くしたように、オイラはもう故郷に帰ること
はできない。宇宙船の機械を見たなら知ってるでしょ?この星の人間じゃないって
こと。そして何より・・・」
そう言って彼女は自分の頭を指さす。ミカの視線も、真里の指を追って頭の方
へと移っていく。
「この身体に残された唯一生身の部分は・・・頭脳(ここ)だけなんだよ。」
真里の身体の大部分は、改造手術によって人工の強化器官と交換されて
しまった。そんな彼女に残された、唯一生身の部分は頭脳だけなのだ。どんなに
故郷の科学技術が地球より発達していても、機械の身体を元に戻す事はできない。
どれだけ願っても二度と「普通の女のコ」として生活することはできない。
それは彼女が願った「力」の代償だった。
「そんな・・・。」
絶句し、がっくりと膝をつくミカ。宿敵、仮面ライダーはかくも辛い運命を
自らに課した孤独な存在なのか。不意に涙が溢れる。そんな彼女の所へ駆け寄り、
手をさしのべる真里。ミカはその手にすがって立ち上がると、手で涙を払う。
「だからこそ決心したんだ。アイツらのせいで涙を流す人たちをこれ以上
増やしちゃいけないって。」
黙って項垂れたままのミカに言葉をかける真里。
「仲間は一人でも多い方がいいと思うんだ。ミカちゃん、一緒に戦って
くれないかな?」
しかし、ミカは真里の呼びかけに答えようとはしない。真里は彼女の手を
強く握りしめると、さらに言葉を続けた。
「アイツらはミカちゃんが思ってるような連中じゃない。ミカちゃんの夢
を踏みにじる悪いヤツらなんだよ?お願い、目を覚まして!!」
二人の間に沈黙が流れる。やがて、顔を上げたミカは一言だけ呟いた。
「ゴメンナサイ。ワタシ、どうしたらいいか判らない・・・。」
握った手がゆっくりとすり抜けていく。真里の呼びかけに答えることなく
ミカは何処かへ去ってしまった。しかし、敢えて真里は追おうとはしない。
自分の想いが伝わっていることを信じて、今はただその姿を見送った。
第18話 「復讐の右腕、カセットアーム」 終
昨日は出勤途中でしたので中途半端な書き込みしか出来ませんでしたが、
既に昨年の冬には出来上がってた話なので、一気に今日一日で前半部を
終わらせました。何だかんだで結局今回も前後編になっています。次回19話
でライダーマン登場編は完結ですが、ホント長くてすいません。
>>名無し坊さん
お疲れ様でした。先だって書き込みましたが、スリリングですよね。
読んでてテンションが最後まで維持できるっていうのはびっくりです。一作者
として、それ以上に読者として次作楽しみにしてます。その間お留守を預かる
には少々役不足かもしれませんが、僕も作者さん方の末席にある以上は
頑張ります。
>>名無しんじーさん
ありがとうございます。ご期待に添えましたでしょうか・・・。
それにしてもバイクロッサーなつかしー!です。リアルタイムで見てました。
当時友人と二人でブレイザーカノンごっこやってましたよ、自転車担いで。確か
アレって放送終了後に「テレビマガジン」誌で敵キャラのマスクをプレゼント
してたんですよね。月の小遣いを全部はがきに使ったんですけど、当たりません
でした。
>>467 ライダーマンの活躍、楽しみにしております。
>>当時友人と二人でブレイザーカノンごっこやってましたよ、自転車担いで。
同じようなことして遊んでたんですね。懐かしくて大笑いしました。
>ナナシマンさん
連載スタートおめでとうございます。ライダーマン編、ココナッツの使い方がうまいですね。
続き期待してます。
ちなみに私にとって兄弟ヒーローといえば「キョーダイン」でした。
……うう、世代の差が……。
>>ナナシマンさん
いやー、いいですよ。正直期待以上です。(すいません)
アヤカも出てきたし。続き頑張って下さい。
>>名無しビクトル・ハーリンさん
確かに、あれはやりました。しかし、放送時間の関係か
私の友人はバイクロッサー見てた奴あまりいないんですよ。
だから、回数てきには少ないかもしれないです。
第19話 「仕組まれた再会・怒れライダーマン!」
街の一角にある古い教会。昼下がりの強い日差しの中、あまりにも
似つかわしくない黒いロングコートの少女が人目を気にしながら建物の
中に入っていく。
やがて少女は教会の鐘楼まで駆け足でたどり着くと、ロングコートを
脱ぎ捨てた。ようやくたどり着いた隠れ家。そして少女−ミカはベッド
に腰掛け、病院での出来事を思い出していた。
「仲間は一人でも多い方がいいと思うんだ。ミカちゃん、一緒に戦って
くれないかな?」
矢口真里。彼女のあのときの言葉が再び脳裏に浮かぶ。頭の中で何度も
繰り返される言葉。しかし自分は、その言葉に応える事ができなかった。
「矢口サンはワタシのことを必要としてくれている。けれど、ワタシ
には夢を捨てることなんてできない。」
薄暗い屋根裏部屋。その天井を見上げ、ミカは一人そう呟いた。
「この身体に残された唯一生身の部分は・・・頭脳(ここ)だけ
なんだよ。」
「だからこそ決心したんだ。アイツらのせいで涙を流す人たちを
これ以上増やしちゃいけないって。」
組織による武力行使〜ゼティマの側に「正義」があると信じている
彼女は、組織の悪事をこのように解釈していた〜が行われていたことは
知っていた。
しかし、テロや紛争を地上からなくすためにはその根源を力によって
絶つことが必要であり、理想を実現するためには時として他に犠牲を
強いることもやむを得ないと思っていた。すべては大志のため。
「だめ!あの人は・・・私の敵。」
そう言ってミカは右腕を見つめる。脱走した自分が組織に復帰するため
には、それ相応の手柄をあげなければならない。宿敵仮面ライダーの首級
こそ絶好の手みやげと、そう思っていたのだが・・・。
「アイツらはミカちゃんが思ってるような連中じゃない。ミカちゃん
の夢を踏みにじる悪いヤツらなんだよ?お願い、目を覚まして!!」
胸に抱いた志と、元帥が自分に加えた仕打ち。そして真里の言葉。
それらが激しく彼女の心の中でせめぎ合う。
不意に右腕が疼き出した。そんな時、ミカはさながらカセットアームに
迸る怒りの感情をなだめるかのように右腕をゆっくりとさする。そして
彼女はそんな右腕を見つめながら、ある出来事を思い出していた。
それは、ミカが開発した新兵器の公開実験での出来事である。当時彼女
が開発していたのは、戦闘員が白兵戦で用いるためのレーザー銃だった。
連射力に物を言わせて前方の敵を掃討することを念頭に置いていたそれは、
彼女自身の手によって披露されることとなった。
「この銃は射程はやや短いのですが、圧倒的な連射力で敵を掃討する
ことが可能です。これからその威力をお目にかけましょう。」
そう言うや彼女は前方の標的に向かって対峙し、銃を構えた。そして、
おもむろに引き金を引く。
「シュババババババッ!!」
稲妻のような閃光が吸い込まれるかのように標的に向かって走る。
ひとしきり撃ち尽くした頃には、標的は跡形もなく消え失せていた。
彼女の開発したレーザー銃は、確かに射程がやや短い点を除けば、武器
として十分すぎる威力を証明して見せた。居並ぶ幹部達が色めきだつ中、
あのヨロイ元帥が身を乗り出して言った。
「お前のそのレーザー銃を、是非我がヨロイ軍団の怪人に装着してくれ!
それだけの破壊力があれば、我が軍団は更にパワーアップできるはずだ。」
この男は自らの手柄のためになら、他者を差し置いてでも前に出てくる
タイプである。誰もがそのことを知っていた。故に開発者であるミカの言葉
を待ったが、その口から出てきたのは思いも寄らぬ言葉だった。
「それは出来ません。このレーザー銃をヨロイ軍団の怪人に取り付ける
のは無意味です。」
「な・・・なんだと!!」
激高するヨロイ元帥。幹部達の表情にも驚きの色が伺える。ミカは淡々と
言葉を続けた。
「ごらんのとおり、このレーザー銃は有効射程が短いものです。出力を
高めれば射程も伸びますが、銃はその分大きくなり戦闘員や怪人が扱うには
不向きです。」
「我が軍団は鉄壁の装甲を持つ精鋭揃いだ!問題はない!!」
元帥が反論するが、ミカは全く動じることなく更に言葉を続ける。
「そこが問題なんです。現状では怪人に取り付ける場合、中・近距離で
連射力を生かした使用法が一番有効ですが、そのためには素早く相手に
近づいて闘うことが必要です。しかしヨロイ軍団の怪人はその装甲故に
鈍重で、この武器を使用するには向きません。」
理路整然と元帥に対してデメリットを指摘するミカ。しかし、彼女の
言葉は元帥の怒りに触れた。
「貴様ぁ!我がヨロイ軍団を侮辱する気か!!」
「いえ、決してそんなつもりは・・・」
憤然として立ち上がったヨロイ元帥はミカの胸ぐらにつかみかかる。
居合わせた他の幹部達が直ぐさま止めに入ったためこの場は事なきを
得たが、元帥のミカに対する憎悪はここから始まったのである。
元帥としては満座の席で恥をかかされたと思うのは無理もない話で、
それ以来今日まで、ミカはヨロイ元帥にとって憎しみの対象である。
一方ミカにとっても元帥は右腕と友の命を奪った憎むべき相手だった
が、組織の中での自分の敵はあくまでも元帥一人だけで、組織の全てが
自分に背を向けたわけではない、とそう思っていた。それ故に彼女は
ゼティマへの復帰を願うのである。だが、真里はゼティマこそ憎むべき敵
だという。
「私は一体どうしたらいいの・・・。」
その葛藤は、彼女一人ではとうてい解消できそうになかった。
保全しる。
それから数日後のこと。電気屋での仕事を終えたミカは夕食を買うために
スーパーに立ち寄った。例によっていつものロングコートに身を包んだ彼女は、
一通りの買い物を済ませると長居は無用とばかりにスーパーを後にしようとした。
と、その時だ。
ミカは背後に何者かの気配を感じた。すぐさまその場を離れようと思った彼女
だったが、さらに別の何者かが前方を塞ぐと、彼女は完全に逃げ場を失って
しまった。黒ずくめの男たちに取り囲まれたミカ。身の危険を感じた、次の瞬間。
「ミカ・トッド様。お友達がお待ちです。我々とご同行頂けますね?」
やがて彼女は、男達に促されて外に止めてあった車に乗り込んだ。行く先も
告げられぬまま、車は走り出した。
どこをどう走ってきたのかは判らなかったが、車はようやく停車した。
車から降りるとすぐさま、一軒の廃屋へと案内されるミカ。薄暗い室内に目が
慣れるまで少し時間がかかったが、周囲を見渡すと自分たち以外には誰もいない
ことに気づいた。いつしか連れの男達の姿も見えなくなると、彼女は廃屋に一人
取り残される形になった。時間だけが過ぎていく。
突然、自分の視線の先に何者かの気配を感じ、闇の奥へと目を凝らす。すると、
不意に部屋に灯りがともる。そして次の瞬間、彼女はそこで信じられない光景を
目にした。死んだと聞かされていた、ダニエルの姿がそこにあったのだ。
「うそ・・・あなたなの?」
「ふふっ。久しぶり。元気そうで何よりだわ。」
ミカに見せた笑顔は、紛れもなく彼女の知っている、ダニエルだった。
「あなたは私を助けるために組織を裏切ったんじゃ・・・。」
「私だってタダで助かった訳じゃないのよ。知ってる?世の中ってGive&Take
なの。」
その言葉にミカは両者の間に何らかの取引があったことを直感した。
「あなた、まさか・・・仲間を売ったの?!」
「売ったって言い方はないでしょ?ただ私はまた前みたいに4人でいっしょに
やりたかっただけ。あとはアヤカの居場所を突き止めれば・・・ね。」
そして突然廃屋の奥の部屋から、目隠しと猿ぐつわをされ、後ろ手に縛られた
ブロンドの少女が男達に連れてこられた。そのただならぬ姿を目の前にした
ミカは、少女が何者なのかを直感した。かつての仲間であり、自分を連れて基地
を脱走したレフア。ゼティマに身柄を拘束されたのは彼女だった。
「で・・・何が望みなの?私は何をすればいい?」
そんなミカの言葉に、ダニエルが不敵な笑みを浮かべる。
「条件はただ一つ・・・仮面ライダーの抹殺。あなたなら、可能なはずよ。」
仮面ライダー。その言葉に真里の顔を思い出したミカ。ダニエルは更に言葉を
続ける。
「それができたならレフアも助かるし、組織への復帰もできるのよ。こんな
いい話、他にないと思うけど。明日の午後3時、港の第3倉庫で待ってるわ。」
友の命と組織への復帰をかけた取引。黙って頷く以外ミカに術はなかった。
その翌日のこと。真里の携帯にミカからの連絡があったのは正午だった。
聞けば何か話があるらしく、近くの河川敷で待っているから是非来て欲しい
という。
自分の想いが通じた、そう確信した真里はバイトの休み時間を利用して
河川敷へと直行した。約束の時間より少し早めに着いた真里。まぶしい
日差しの下、爽やかな風が緑の絨毯を揺らす。真里は太陽に輝く川面を
眺めながら、ミカが来るのを待った。
「スイマセン、矢口サン。待ちましたか?」
待ち合わせ時間ピッタリにミカはやって来た。この日差しの下でも
相変わらず彼女はロングコート姿である。
「ううん。オイラも今来たばっかりだし。それより、こないだの話、
考えてくれたんだね?」
喜々としてミカの両手を握りしめる真里。新しい仲間が増えることは、
彼女たちにとって大いに心強いものなのである。しかし次の瞬間、ミカ
は予想だにしないような行動に出た。真里の手を力一杯振り払って叫ぶ。
「矢口真里、いや仮面ライダーV3っ、勝負だ!!」
そう叫ぶなりいきなり殴りかかったミカ、右に左に腕を振るう。だが
相手は改造人間である。生身の身体のミカが敵う相手ではないことは、
火を見るより明らかだった。一方の真里も、ミカと戦うことは本意では
ない。それゆえ彼女は、自身に備わった「26の秘密」と呼ばれる身体
能力を駆使し、常人には不可能な動体視力と判断力でミカのパンチを
かわし続けた。そして、一瞬の隙をついてミカに組み付き、素早い
脚払いで転倒させると続けざまに倒れたミカを組み敷く。
「一体何があったのか、話してくれないかな?」
きっと何か事情があるに違いない、真里はミカが自分の口から
話してくれることを願い、言葉をかけた。しかし、そんな真里の言葉にも
ミカは顔を背けたままだ。
「ミカちゃん!!」
射抜くような視線。そして、力強い口調。もはや隠し続けることは
できなかった。涙と共に、本心が溢れ出す。
「矢口サンを・・・V3を倒さなければ、友達が殺されるの。」
「ははぁ。さては『仮面ライダーを倒せば仲間の命は助けてやる』
とか言われたんだね?そんな口約束、守るような連中じゃないってば。」
そう言いながら、一度は組み敷いたミカの手を引っ張って助け起こした
真里。背中についた草や土埃も払ってやる。
「判った。オイラにまかせておきなよ。良い考えがあるんだ♪」
そう言って笑顔を見せる真里。約束の時間まで、あと30分。
今日の分についてはココまでです。
18話は昨年冬以降ほとんど手を加えていないのですが、19話はここ
数日で大幅に加筆・訂正を加えています。ちなみに今週末までには終了の
予定です。
>>名無しビクトル・ハーリンさん
ご期待に添えるべく頑張ります。
>>同じようなことして遊んでたんですね。懐かしくて大笑いしました。
ひょっとして洋服ダンスに入って変身とかされました・・・?(w
僕はそうでした。その後で母親にものすごく怒られましたよ。
>>名無しさん@キカイダー編さん
お久しぶりです。キョーダインは幼稚園の頃、再放送をやってました。
でもそのころはどちらかというと円谷の変身巨大ヒーローの方が好きで、
ほとんど見てなかったんですよね・・・。
その後東映の等身大ヒーローにも魅力を感じだし、再放送やビデオなど
で追いかけていました。でもキョーダインだけは未だにビデオが見つから
なくて。頼りはCSだけでしょうか・・・。
>>名無しんじーさん
ありがとうございます。実はアヤカは当初ちょい役の予定でしたが、
今や2人だけのココナッツ娘。のもう一方のメンバーということもあり、
加筆して出番を増やしました。(w
この後もうワンシーン、大事な場面で登場します。
アヤカに期待保全!
481 :
名無しX:02/07/02 23:24 ID:u7Tq0nio
>ナナシマンさん更新乙です。
X編を書かせてもらった者です。
久しぶりに来て見たら力作ばかりがUPされていて
興奮して一気に読ませてもらいました。
これからも楽しみにしていますので頑張ってください。
482 :
名無しX:02/07/02 23:26 ID:u7Tq0nio
ごめんなさい。うっかりageてしまいました。
約束の場所、第3倉庫の前に二人が到着したのは指定された時間の5分前
だった。後ろ手に縛られた真里を連れたミカは、ダニエル達が姿を現すのを
待っていた。
そして、午後3時。突然倉庫の影から黒いバンが現れると、その中から
現れたのはダニエルと例の男たち。あわただしく車から降りた男たちに先導
されるように、ゆっくりとダニエルが車から降りる。そして、真里を連れた
ミカと視線があった瞬間ダニエルは冷酷な笑みを浮かべた。
「生け捕りにするなんて素晴らしいわ。元帥もきっとお喜びよ。」
「あのサディストへの手みやげですもの。生きていなければ嬲り甲斐だって
ないってものでしょ?」
そう言ってミカは真里をダニエルの前に突き出した。ダニエルと真里、
二人の視線が交錯する。
「小生意気そうなチビ助だこと。まぁとにかくご苦労様。これでアヤカが
いればめでたく4人一緒よ・・・天国でね。」
「なんですって?!」
ダニエルの言葉にミカの表情が凍り付く。ダニエルはおもむろに着ていた
ジャケットに手をかけると、勢いよく脱ぎ捨てた。そしてミカの目の前に
姿を現したのは、奇怪な魚の怪人だった。そう、ダニエルの正体は
ゼティマの怪人シーラカンスキッドだったのだ。それとほぼ同時に、配下
の男たちも正体を現す。あっという間に戦闘員に姿を変えると、二人を
すっかり取り囲んでしまった。
「騙したのね!」
怒りに肩を震わせて叫ぶミカ。親友の姿に化け、あまつさえ自分に真里を
殺させようともくろんだ怪人達。あまりにも卑劣な罠。
「騙すなどとんでもない。仲間に会わせてやったではないか。」
ミカの背後から、新たな敵の声がする。そして姿を現したのは、巨大な
ヒトデからにょっきり脚が生えたような奇妙な怪人。シーラカンスキッド
と同じくヨロイ軍団の一員であるオニヒトデだ。その傍らには、拘束されて
自由を奪われたレフアの姿があった。
「こうして仲間と一緒に死ねるんだ、寛大な元帥閣下に感謝するんだな。」
そう言うなり、身動きのとれないレフアを突き飛ばすオニヒトデ。そんな
レフアを庇うミカ、そして真里。
怪人達が3人ににじり寄る。まさに絶体絶命の危機だ。と、その時。
「待て!!」
何処からともなく聞こえてきた何者かの声。その声に驚きとまどう怪人達。
一斉に見上げたその先に見えたのは・・・
「仮面ライダーのの!」
「仮面ライダーあい!」
倉庫の屋根の上から身を躍らせて、怪人達の輪の中へと飛び込む
ダブルライダー。怪人達の企みを察知した真里が希美と亜依に連絡を取り、
身柄の引き渡し場所で待ち伏せするよう手はずを整えていたのだ。
「おのれ、図ったなライダー!!者ども、かかれ!」
怪人の号令が下ると、円陣を組んでいた戦闘員達が次々と殺到する。
しかし、ダブルライダーの敵ではない。パンチとキックで次々と海中へ
たたき落とされていく。
するとそこへ、もう一台黒いバンが現れた。ドアが開くや、中から
戦闘員が続々と姿を現し、今度はダブルライダーがすっかり囲まれて
しまった。
「やっつけてもきりがないれすよ、あいぼん。」
迫り来る戦闘員を叩きのめしながら、少々うんざりしたようにのの。あいも
また、敵の人海戦術に手を焼いていた。
「さすがにこれだけ次々出てこられると・・・なぁ。」
そう言って、あいはちらりと真里の方を見る。敵は何せ数が多い上に、
相当しつこい。
一方真里は、自由を奪われたままシーラカンスキッドにいたぶられていた。
「こしゃくなマネをしおってからに!なぶり殺しにしてやるわ!!」
ロープはすぐにほどけるように縛ってくれるよう頼んだつもりだったが、少々
力の加減を間違ったのかミカはかなりきつく縛っていた。それすら力を込めれば
造作なく切れるはずだが、怪人の連打がそれを許さない。加えて、変身無しで
「26の秘密」を使った事で無理がたたり、一方的に叩きのめされているのだ。
「ハッハッハ!さしもの仮面ライダーも無様なものよ!」
一方的に殴る、蹴る。いつ終わるか知れない怪人の攻撃に耐え続ける真里。
蹴飛ばされてコンクリートの上を転がったかと思えば、今度は巨大なヒレが
顔面を捉えると、唇からは血が流れ落ちる。
怪人の猛攻を目の前にしながら、なすすべのないミカ。真里が打ちのめされる
姿を黙ってみているしかないのか。この機械の右腕は何のために・・・無力感が
襲う。
そんな彼女の前に突如何処からともなく現れた一台のオフロードバイク。
そして、それを駆る謎の女。
「アヤカ!どうしてこんなところに!」
立ちつくすミカが見たものは、危険を冒して自分の危機を救いに現れた友の
姿だった。
「あなたに渡しておきたい物があるの。」
そう言うとアヤカは持ってきたリュックをミカに手渡す。おずおずとそれを
受け取るミカ。
「これはあなたの運命を変える力。カセットアームの威力を最大限に発揮
することができるわ。復讐のためじゃなく、未来のためにこれを使って。」
「未来のために・・・」
思えばミカの心には常に元帥への復讐心が燃えていた。右腕のカセットアーム
は復讐を遂げるための武器だと思っていた。だがアヤカはその力を未来のために
使えと言う。
「レフアのことは私にまかせて。あなたは本当の正義のために闘いなさい!」
そう言うとアヤカは素早くバイクの後部にレフアを乗せて、全速力で港から
走り去る。そしてミカの手にはリュックだけが残された。
「ワタシの運命を変える力・・・本当の正義・・・。」
ミカは意を決してリュックの中身を取り出した。中から姿を見せたそれは、
一見すると仮面ライダーのヘルメットによく似ていた。赤く大きな目を持つ
青色のヘルメット。それをミカはおもむろに空にかざす。そして、
「やーっ!!」
何かを吹っ切るように力強くヘルメットを被るミカ。その瞬間、彼女は
自らの右腕に隠された本当の力とその全容を理解した。直ぐさま
カセットアームのアタッチメントを交換すると、真里の元へと駆けていく。
出勤時間が迫ってますので(w今日はここまでになります。
書いちゃっていいのか判りませんが、補足しますとアヤカの乗ってきたバイク
が「ライダーマンマシン」になります。(他のメンバー同様「自動操縦機能」
付きです。)
オリジナルの方ではヘルメットやバイクは全て結城丈二が用意したことに
なるのでしょうが、これらのアイテムは「ココナッツの絆の証」みたいな感じ
にしたかったので、アヤカを再登場させてみた次第です。
この小説読み始めてから、ライダーにハマりますた。
作者さん方、これからも楽しみにしています。
いやいや、すばらしいー。
基本さえあれば、設定はオリジナルの方が良いと思います。
て事で
保全
今回の更新もすばらしいです。今後も楽しみです。
ココナッツの絆すんごくイイ感じです。
ちなみに皆さんは例のセブンイレブン限定の
仮面ライダー企画(ボトルキャップ等)にいくらくらい
つぎ込んでらっしゃいますか? W
「くらえ!ロープアーム!!」
どこからともなく聞こえた声とともに、特殊金属製のワイヤーで編み込まれた
頑丈なロープが怪人の腕に巻き付いた。シーラカンスキッドは真里に対して
さらに一撃を加えようとしたが、この不意の攻撃に自由を奪われて身動きが
取れない。
「くっ!なんだこれは!!」
攻撃の張本人の姿を求め、視線を巡らすシーラカンスキッド。そして、その目
は一人の戦士の姿を捉えた。仮面ライダーによく似た姿をしているが、右腕には
カセットアームと思しきものを装着している。そして、クラッシャー(口)の
あるべき辺りから露出している、見覚えのある口元。裏切り者、ミカ・トッドの
新たなる姿に怪人が叫ぶ。
「貴様ぁ、ミカ・トッドか!!」
ロープを引き絞る手にさらに力を込めて戦士は答えた。
「No!My name is...RIDER−MAN!! 」
改造人間と生身の人間の狭間に立つ、機械の腕を持つ戦士。それが彼女の
もう一つの姿、ライダーマンだ。
「ライダーマンだと?!」
そう言うやいなや、強力なウインチによってシーラカンスキッドは強引に
真里から引き離される。
「矢口サン、今のうちに変身を!!」
「OK!」
素早く怪人と距離を置いた真里は、すかさず変身の構えを取る。青空に映える
ダブルのVサイン。
「変・身、ブイスリャア!!」
光を放ち回転する風車、力と技のダブルタイフーン。仮面ライダーV3の登場だ。
「言ったとおりだったでしょ?最初から約束を守るような連中じゃない。
きっとミカちゃんの両親を殺したのもコイツらの仲間だよ。ゼティマっていうの
は、そういう連中なんだから。」
怪人を指さして言い放つV3。その言葉にライダーマンも身構えて怪人と対峙
する。この事態に単独での闘いは不利と見たか、シーラカンスキッドは援軍を
呼び寄せた。
「おのれV3!裏切り者共々始末してくれる!オニヒトデ、ケリをつける
ぞ!!」
「任せておけ。捻り潰してくれる!」
シーラカンスキッドの呼びかけに応じ、直ぐさまオニヒトデが残りの戦闘員を
引き連れV3とライダーマンの前に立ちはだかった。怪人達を追って
ダブルライダーも駆けつけ、ここに3人ライダー+ライダーマンと二大怪人、
闘いの火ぶたが切って落とされた。
素早くカセットアームのアタッチメントを取り替えたライダーマンが
怪人達の前に飛び出し、右腕を突き出して身構える。すると右腕から
勢いよくネットが飛び出し、敵の頭上へ降りそそぐとアッと言う間に
戦闘員達を一網打尽にしてしまった。これこそライダーマンのカセット
アームのひとつ、「ネットアーム」だ。
「見たか!ネットアームの威力!!」
ネットに絡め取られた戦闘員達は全く身動きが取れない。その隙に
ライダーマンは再びカセットアームをチェンジする。右腕は見る間に
機関銃のような姿に変わった。
「マシンガンアーム!!」
そう言うやライダーマンは左手でグリップをしっかりと握りしめると、
ネットで動きを封じられた戦闘員に向かってマシンガンアームを乱射
した。装填していた弾丸を全て撃ち尽くすまで銃撃を止めなかった
ライダーマン。鉛の礫にボロボロに打ち抜かれた戦闘員達は、ぴくり
とも動かなくなっていた。そして気がつけば、数の上で優位に立っていた
はずの怪人達は一瞬でシーラカンスキッドとオニヒトデの二人だけに
なっていた。
「バカな!」
「ええい、不甲斐ないヤツらめ!!」
狼狽する怪人達。だが、やがて覚悟を決めると各々相手に向かって突進
していく。シーラカンスキッドはV3へ、オニヒトデはダブルライダーに
襲いかかる。
巨大な触手を振り回すオニヒトデ。しかし、ただでさえあまり敏捷でない
ヨロイ軍団の怪人である。素早く動き回るダブルライダーにはかすりも
しない。相手の動きを捉えきれない怪人の姿がまるでコマのように
くるくる回る。
「おのれちょこまかと!」
いらだつオニヒトデ。だが、怒りにまかせた攻撃は空を切るばかりだ。
「そんな大振りが当たるかい、アホ!!」
技のライダーあいが怪人の攻撃を巧みにかわせば、力のライダーのの
は隙をついて攻撃を加える。全く良いところなく翻弄されてしまい、
オニヒトデはとうとう攻め疲れてしまった。
その機を逃さず一気に攻撃に転じるダブルライダー。パンチの連打が
面白いようにヒットし、オニヒトデはすっかりグロッキー。
「いまれす!」
「いくでののっ!ライダーダブルキックや!」
絶妙に呼吸を合わせ、華麗に空中高くジャンプするダブルライダー。
「ライダーダブルキィーック!!」
高空から矢のように突き刺さる一撃。大きく吹っ飛ばされた怪人
オニヒトデは大爆発と共に消滅した。
一方V3とライダーマンも、怪人シーラカンスキッド相手に有利に闘い
を展開していた。先ほどまでさんざん真里を痛めつけた巨大なヒレの一撃を
軽く捌いたV3、そのまま体勢を崩した怪人を投げ飛ばす。
シーラカンスキッドはどうにか起きあがると体勢を立て直そうと試みる
が、直後にライダーマンに体当たりを食らわされる。二人は巧みな連係で
敵の動きを止め、さらに二人がかりでパンチとキックを食らわすと、怪人
をすっかりサンドバッグ状態にしてしまった。
「これはエイプリル!チェルシー!そしてダニエルの分!!」
今は亡き仲間達の名を叫びつつパンチの連打を浴びせるライダーマン。
その怒りの一撃は徐々にシーラカンスキッドを後退させていく。
「ロープアーム!」
連打によろめく怪人を前にまたもカセットアームを交換するライダーマン。
アタッチメントを右肘に差し込むと、銀色の手袋を装着した腕は再び鋭い
フックを持つロープアームに変わった。
「みんなの仇、くらえっ!!」
中空を舞うロープがシーラカンスキッドにぐるぐると巻き付き、さらに
だめ押しとばかりに鋭いフックが怪人の硬い皮膚にがっちりと食い込む。
そのままライダーマンはロープを力一杯引き絞るとシーラカンスキッドを
投げ飛ばした。ウインチの牽引力とも相まって、怪人は大きく宙へと放り
出される。その先にはV3が待ち受けていた。
「ライダーマン、後は任せて!!」
そう言うやV3は華麗に宙を舞う。そして身を翻して回転しダブルタイフーン
の生み出すエネルギーを蹴り脚に集約して必殺のキックを放つ。
「V3ッ!きりもみ回転ッキィーック!!」
必殺のきりもみキックを放った後さらに空中背面ジャンプで反転、とどめに
回転キックを放つ二段攻撃の大技が炸裂すると、もはや怪人に反撃の力は
残っていなかった。
「おのれライダー・・・グアアアアア!!」
V3とライダーマンの合体技の前に、怪人シーラカンスキッドは断末魔の叫び
とともに大爆発した。
ホントは更新出来ないはずだったので、昨日二日分まとめて更新した
のですが、予定変わって今日も更新です。
>>名無しXさん
名無しXさんの話で好きなのは、緊張感とほのぼの感の同居が絶妙な所
なんですよね。だからと言うわけでもありませんが、是非新しい話、読み
たいですね。
>>名無しんじーさん
そう言って頂けると助かります。ご期待に添えたかどうかは判りませんが、
残りあと1回、よろしくお付き合い下さいね。
>>名無しペトレスク神父さん
ボトルキャップは今のところまだ2つしか買っていませんが、コンプリート
を視野に今後も買い集めていきたいと思ってます。でも、あのショッカー
ライダーは反則ですね。欲しいんですけど同じコミックス2冊3冊は要らない
かも・・・。
次回、ライダーマン登場編完結です。
ラストも楽しみにしてます。
セブンイレブンのあれにて手を出したら大変な事になりそうなので
我慢してます。
>ナナシマンさん
いつも楽しく読ませていただいています。
ミカがここまでライダーマンにはまるとかなり面白いですね。
私のほうもZX編完成させたいことこですが、なかなか・・・。
501 :
名無しX:02/07/05 03:59 ID:gLGi93A3
>ナナシマンさん
またまた更新乙です。ラスト楽しみにしてます。
感想ありがとうございます。
他の方に比べて稚拙で恐縮してたんですがちょっと気が楽になりました。
実はあの作品の続きも書き出していたんですが、行き詰まった上、
他の作者さんが充実していたので匙を投げてしまいました・・・(w
闘いは終わった。しかし、再会を信じた仲間は遂に還っては
来なかった。自分の理想は組織の邪悪な目的のために利用されて
いた。ミカは一人海の彼方を見つめていた。
すると、そんな彼女のそばに駆け寄る小さな影があった。希美、
亜依、そして真里。
「ののたちにはミカちゃんのちからがひつようなのれす。」
「いろいろあったかも知れんけど、これからウチらは同じ目的
のために戦う仲間や。」
仲間。その暖かくも心地よい響き。小さな身体に背負った、
身に余るほどの大きな運命と戦う戦士達。そんな彼女たちが自分
のことを仲間と呼んでくれる。
「ミカちゃん、オイラたちと一緒に戦ってくれるよね?」
「ケド、ワタシは・・・」
真里の言葉に甘えられない理由。それは自分が理想と引き替えに
悪魔と手を結んだ「人殺し」だったという、残酷な夢の結末。大志
のために強いることもやむなしと考えていた犠牲、それらは常に
報われぬまま闇に葬られ続ける。
それでもせめて最後には「自分のしてきたことは間違いでは
なかった」と思いたかった。自分の理想が遂げられれば世界は
変わる、そう信じていた。しかしその理想こそが、今にして思えば
許されざる大罪だったのか。後悔の念が激しく心を責め立てる。
「ワタシはただの人殺し・・・ワタシが作ったものがたくさんの
人を苦しめてきたんです。皆サンを辛い目に遭わせているのも
ワタシのせいなんです・・・。」
そんなミカの言葉を遮るように、亜依が彼女の肩に手を置いて
言った。
「正しい目的のために利用するために何をしたらええか、
爺ちゃんの研究を継いだ人なら判るはず。あんまり悲しいこと
言わんと・・・な?」
強い意志を宿したつぶらな瞳。希美もまた、そんな亜依の言葉に
何も言わず笑顔で応える。
「アヤカはワタシに、カセットアームの力を未来のために、
本当の正義のために使うように言いました。博士の遺志とアヤカの
言葉は、きっと同じはずです。」
そう言ってミカは答えた。亜依の顔にも笑顔が浮かぶ。
「回り道したけど、ミカちゃんの夢はこれから叶うんだよ。
オイラたちと一緒に!」
ミカの前に右手を差し出す真里。今ならば、そんな彼女の言葉に
応えることが出来る。ありったけの思いを託して、しっかりと真里
の手を握りしめるミカ。
「機械の腕ってもっとこうヒンヤリしてるのかと思ったけど、
何だか暖かいね。」
真里の言葉に、うっすらと涙を浮かべながらも笑顔で頷くミカ。
彼女もまた、真里の手の感触と暖かさをはっきりと確かめることが
出来た。今、機械の右腕は復讐心や怒りとは違う、暖かくそして
時に熱い何かで満たされている。
と、そこへ希美と亜依が真里の背中に飛びかかるように抱きつき、
4人は折り重なるようにして倒れ込んでしまった。特に最近「成長」
著しい希美がダイレクトにのしかかってくると、間に挟まってしまった
格好の真里が叫ぶ。
「いたーい!辻ぃ、加護ぉ!重いってば!!」
しかし、その声は心なしか嬉しそうだった。
第19話 「仕組まれた再会 怒れライダーマン!」 終
今回で「ライダーマン登場編」は終了となります。今回も前後編の2話に
わたってお付き合いいただき、ありがとうございます。
毎回びっしり書き込んで更新していたのですが、読みにくくありません
でしたか?書いていてそれが一番気がかりでした。
今回残されたミカとヨロイ元帥の決着、Z計画の行方についてはまた別の
機会に。
>>名無しんじーさん
セブンイレブンのアレで何が困るかって、地元の店舗の大半が冷やさず
に置いてる事なんですよね・・・。ボトルキャップが冷えるのは困ります
が、さりとてジュースが冷えてないのはどうにも。なにせ炭酸飲料ばっかり
ですからね。
>>名無し1号さん
ありがとうございます。
僕の方こそスレッド再開に筋道をつけて下さった名無し1号さんに感謝
してます。次はZX編ですか。楽しみにしてますよ。
僕はライダーマン=ミカというアイデアを頂いた際、両者は(言葉は悪い
かも知れませんが)「異形の存在」であるという点において共通項を持つの
ではないかと感じました。はまる点があったとすれば、そんなところにも
あるのかも知れません。
>>名無しXさん
稚拙だなんてとんでもないですよ。続き出来上がったら読ませて下さいね。
書きながら本スレでの他の作者さんの作品を改めて読み返していたんです
が、本当にバラエティ豊かなスレだということに今更ながら気づかされます。
インスピレーションを授けて下さる作者様方、そしてお付き合いいただいた
読者の皆様に感謝いたします。
運命と闘う熱き娘。たちの物語はこの後も続きます。
ナナシマンさんお疲れ様でした。
楽しく読ませていただきました。次回作も楽しみにしてます。
なぜ、ライダーがあの三人だったのか、今日読んで気が付きました。
名無し1号さんのZX早くみたい。
>ナナシマンさん
お疲れ様でした。最後のシーン、なんかほっとするというか、いい終り方
だなって思います。あれは、私にはできません、とても。
それから、スレッドのほうは、私自身が読者で続きが読みたかった事と、
作品を書かせて頂くのは、ちょっと冒険してみようかなという気持からです。
これからも、頑張ってください。続編楽しみにしています。
>名無しんじーさん
ZX早速書かせて頂きます。なんとか構想まとまりました。
ただ・・・やっぱり、ちょっとぱくりっぽくなってしまいましたが。
「第20話 失われた記憶・・・」
「仮面ライダーめによって、このところ我ゼティマは計画の邪魔ばかりされて
おります。」
ゼティマの患部、悪魔元帥が暗闇に向かって報告する。
「そうか・・・それで、お前はこの状況に対処できる策でもあるのか?」
重く威厳のある声が闇の中から、響く。
「はっ、おまかせください。ライダー、そして人造人間と裏切り者どもめを
一網打尽にしておみせしましょう!」
「大した自信だな。で、その方法とは?」
「ライダーキラーを製作します。人材もすでに捕らえてあります。」
「ほう、ライダーキラー?それは。」
「加護やつんくめの残したデータは完璧には残っておりませんでした。
しかし、今回それらを機械化技術で補う事に成功しました。」
自信に満ちた様子で悪魔元帥は、不適に微笑む。
「名づけて、パーフェクトサイボーグZX、こやつにライダーどもを始末させます。」
その声とともに暗闇の部屋の扉が開く。
そこは手術室、手術台の上には1人の少女が拘束されていた。
そして、その周りにはレーザーメスやさまざまな器具がならべられている。
そして、白衣を着たおそらく科学戦闘員であろう執刀者達。
「いやぁーっ、やめて、やめて!」
少女は必死に声をあげ、体を動かし抵抗する。
その声を無視するかのように、非常な宣告がくだされる。
「では、これからこの小娘をライダーキラーにしてみせましょう。」
「手術を開始せよ!」
暴れる少女に麻酔マスクがかぶせられる。
「・・・ああ、助けて・・・お姉ちゃん・・・」
うつろう意識の中で少女は、姉を呼ぶ。
そして、彼女の意識は闇に閉ざされた・・・
どのくらい、時間が経ったのだろうか。
「ZX,目覚めよ、ZX。我がゼティマが生出せし最強のパーフェクトサイボーグよ」
少女は目を開ける。そのうつろな目にもはや少女らしい輝きはない。
「はい。悪魔元帥様。私はここにおります。」
「指令を与える。我がゼティマに刃向かう、仮面ライダーどもを抹殺せよ!」
「はい。では、参ります。仮面ライダーの首必ず手土産に」
「頼もしいのう。では、ゆけZX.」
「はい。」
扉を開けて外に出て行く少女。その姿を扉の前で変る。
カミキリムシを思わせるマスクに、紅い人工皮膚と銀のプロテクターで
被われた体。そして、緑に輝く眼。
ゼティマのパーフェクトサイボーグ、ライダーキラーZXの姿がそこにあった。
今日はここまでです。
ちょっと更新のほう思うように進まないかもしれないですが、
よろしくお願いします。
ちょっと、今回は出だし暗めですいませんが、よろしくお付き合い願います。
ナナシマンさんのライダーマン編非常に綺麗にまとまって驚きました。
名無し1号さんのZX編にも期待しております。
近所のセブンイレブンのライダーグッズがほとんど売り切れてしまい、
鬱な自分への何よりの楽しみとなっております。
やったー、名無し1号さんのZX編スタート。
今後の展開に期待。
アブンガースカイキック
515 :
保全:02/07/08 10:52 ID:8QCd8msN
保全
名無し一号さん頑張ってください。
ZX結構好きなんで楽しみにしています。
517 :
名無しX:02/07/09 19:20 ID:yRWkIAPD
>ナナシマンさん
完結お疲れ様でした。ミカの頭脳は今後の展開にも役立って行きそうですね。
>名無し1号さん
ZXはライダースピリッツ以外で見たことが無いので展開が読めない分
期待が大きいです、頑張ってください。
518 :
保全:02/07/09 22:56 ID:7m1uZNK0
相方の虎さんは出るのかな
-中澤家-
このところ、ゼティマの動きもなく数週間が経っていた。
しかし、全員が安心しきっているわけではない。
ゼティマがいかに恐ろしくしぶとい組織であるかという事を、
全員がよく知っていたからである。
だから、こういう時もパトロールはかかさない。全員がそれぞれの担当区域に
出向いていた。
そして、家の中には、中澤と石黒だけが残っていた。
「ゆうちゃん、正直思うんだけどさ・・・」
「うん?なんやの彩っぺ」
中澤と石黒はキッチンで全員分の食事の準備をしていた。
この食事が1番の中澤家での頭の痛いところであった。
メンバーが増えてから、エンゲル係数はうなぎ登りだったからだ。
だが、加護博士の遺産や、自分達の蓄えでなんとかやりくりはしていた。
また、真里やひとみ、梨華は時間を見つけてはバイトに出てくれてもいた。
さらに、稲葉のおかげでFBIから資金援助の許可も申請中ではあるが。
「あのさ・・・正直、最近私嫌な予感がしてるんだよね」
「嫌な予感?なんやのいったい?」
「辻を改造したのは加護博士だよね?確か」
「ああ、そうや。それがどないかしたんか?」
「・・・ということは、仮面ライダーを造る技術って大分前からあったって
ことでしょう?」
「そういう事になるやろな。おそらくゼティマにおる頃に理論や技術は完成
しとったやろ、きっと。」
「それでね、ゆうちゃん。私が言った嫌な予感っていうのはね・・・」
「・・・ゼティマが完璧な仮面ライダーを造れたら・・・どうなるんだろうって。」
石黒は真っ直ぐに中澤の目を見詰めた。
その目には明らかに不安の色が映っていた。
「ゼティマがか?まぁ、そんな事はあらへんやろう。」
「でも・・・」
「だって、考えてもみい。そんなん造れるんやったらとっくの昔に
出てこなおかしいやん。つまりは、造れんいうこっちゃ。」
「そうかなぁ?」
「そうやて、心配しすぎやで彩っぺ。まだ時間あるさかいちょっと
休んだらどうや?疲れとるからいろいろと考えてしまうんやで。」
「・・・分かった。少し休んでくるよ。」
石黒はキッチンを出て、自室へとあがっていった。
1人キッチンに残った中澤は、冷蔵庫からビールを出すと一口、
口をつけた。
(確かに、彩っぺのいうとおりや。今は造ることがでけへんでも、
あれだけの技術があるんや。ゼティマが本気になれば、できるやろう)
「せやけど・・・そんな事になったら・・・お終いや。」
「ライダークラスの改造人間が何人も出てきたら、いくら今ライダーや
人造人間が数人おるいうてももたん。
「希望はある。せやけど、それはオリジナルのあの2人をもっと苦痛に
追いこむ事になるやもしれへん・・・」
中澤は、自室に戻った。そして、パソコンを起動させ、DVDをセットする。
そしてパスワードを入力し、データを呼び出す。
「加護博士がうちに最後に残してくれたもんやけども。
まさか、これが現実になっていくんやろうか?」
そこには・・・・SN計画、UM計画といった文面が並ぶ。
さらには・・・ZX計画の文字。
「加護博士とつんく博士がもう1つの方法として考えてあったもんや。
人造人間の技術を改造人間に応用する。最強の兵士を作る方法や。」
「これだけが・・・100%記録消去できんかった・・・。」
「ゼティマがもし、これを完成させとったら・・・その時は・・・」
中澤は拳を握り締めた。
「仮面ライダーが殺される時や・・・。」
今日はここまでです。
>名無しんじーさん
ZX編開始させていただきました。稚拙な筆ですがどうか最後まで
おつきあいいただけるとありがたいです。
>白い名無し娘。さん
ご期待にそえられるといいのですが・・・。
何分、なれないものでてんやわんやするかもしれませんが、よろしくです。
>名無しXさん
ZXはテレビでも1回放映してだけですしね。
私もあまり詳しくは覚えていなにので、かなり設定が違う事になるかも
しれませんが、頑張ります。
保全
保
名無し1号様今こそ続きを・・
保全。名無し1号さん頑張れ!!
テスト運用中 1026710442
529 :
イー!:02/07/15 14:33 ID:UKrS6qku
このスレは我々ゼティマが保全した!
530 :
保全:02/07/15 23:11 ID:H6gOdQTT
ライダーブレイク(今度はアギト版)
531 :
名無し:02/07/16 13:52 ID:XAjieYVx
テスト
532 :
保全:02/07/16 20:58 ID:uciBSXks
衝撃集中爆弾
保全
保全
いんたーみっしょん! (暇つぶしに見てください)
これは、本編とは一切関係ありません。
兄弟拳バイクロッサー
辻「あいぼん、裕ちゃんにお小遣い貰ったし、アイス買いにいくのれす。」
加護「そやな、今日は暑いし買いに行こか。」
二人は、コンビニでアイスを買うと近くの公園で食べはじめた。
辻「夏はやっぱりアイスなのれす。」
加護「うん、うまいなー。」
そこに、近づく謎の影・・次の瞬間
辻「痛っ。」
べちゃ、辻は持っていたアイスを落としてしまった。
加護「のの、何やってんねん、もったいないなー。」
辻「ふぇーん(涙)、何か手に当たったのれす。」
辻「アイスがー!(涙)」
「ふはははぁー、もっと泣けこのゴーラの像に聞こえる様に」
加護「誰やっ。」
加護「お、お前は地獄大使やな。くそ、ゼティマもせこいまねするな」
その頃、この事態に気づいた二人の女性
めぐみ「雅恵、やつらよ。」
雅恵「うん、行かなくちゃ。」
そして、二人は押入れダンスの中へ
ドクターQ「地獄大使?何をいっておる。私はドクターQ。」
ドクターQ「しかし、ゼティマを知っているとは、生かしてはおけんな。」
加護「誰でもいい、ゼティマはゆるさへん。」
「待ちなさい。」
ドクターQ「誰だ。」
めぐみ「バイクロッサーめぐみ!」
雅恵「バイクロッサー雅恵!」
ドクターQ「くっ、また、おまえらか、邪魔はさせん。」
バイクロッサー、それは、村田めぐみ、大谷雅恵、この兄弟の様に育った
二人が海蛇座第三星団の守護神ペガサスから授かった力により変身した姿だ。
めぐみ、雅恵「いくぞ、トゥー!」
ドクターQ「えーい、やれ、ブラックマン。」
ここで、説明しよう。ドクターQとは、ゼティマの下部組織デスターの首領
子供の泣き声でダイヤを吐き出すゴーラの像を使い主に資金集めをしている
めぐみ「やー、トゥー」
雅恵「ハッ、やー」
次々とデスターの雑魚ブラックマンを倒す二人
ドクターQ「えーい、デスター怪人やれ。」
怪人とバイクロッサーの戦いが続く
雅恵「今だ、めぐみ!」
めぐみ「うん」
そう言うと、雅恵の乗るスーパーマシン、マサエクロンをめぐみが担いだ
「ブレイザーカノン!」
ブレイザーカノン、二人の必殺技である。
怪人「ぐあぁぁぁぁー」
ドクターQ「くそー、覚えておれ」
加護「待て、ゼティマ」
しかし、すでにドクターQの姿はなかった
めぐみ「二人とも大丈夫?」
辻「大丈夫れす」
加護「大丈夫や、しかし、おねーチャン達、ゼティマしっとるんか?」
雅恵「ゼティマってさっきのデスターの事?」
加護「いや、何でもない、ありがとうな。」
めぐみ「?・・、まあいいや。気をつけて帰ってね。」
辻「はい、ありがとうれす。」
こうして彼女たちは別れた、しかしお互い何かを確かに感じていた
ライダーとバイクロッサー、共に戦う日がいつか来るかもしれない。
名無し1号さま、失礼ながらつなぎになればと思い書いてみました。
あまり、長いのもどうかと思って短くしてみましたが、はしょりすぎ?
ZX編の続きを楽しみにしています。
>>名無しんじーさん
短っ!(w
でも、このスレ参加のとっかかりが星雲仮面マシンマンだった人間としては
このノリ、好きですよ。
>>名無し1号さん
まったりがんがっていきまっしょい!ZXの正体が何者なのか、期待して
ます。
539 :
名無しX:02/07/20 03:53 ID:0SIF3tnt
>>名無しんじーさん
短っ!(w
540 :
名無しX:02/07/20 04:00 ID:0SIF3tnt
と言いつつ自分も短いの書いてみました(w
一応16話の続きなんですが全くストーリーが進みませんので
(しかも敵も出なけりゃ変身すらしない)
お暇な方だけ見ていただければ幸いです。
と言うわけで繋いでおきますので名無し1号さん早く帰ってきてね
541 :
名無しX:02/07/20 04:03 ID:0SIF3tnt
見上げるとそこには抜けるような青空。
ほのかに香る硫黄と湯煙の中に少女達は居た。なぜか居た。
「あ〜やっぱり露天風呂は気持ちイイべさ。」
「本当ですね、慣れないバイク旅の疲れが吹き飛びます。」
「・・・・・・・」
「来て良かったっしょ」
「はい。さすが安倍さんです。」
「・・・・・・・」
露天風呂の岩肌に持たれながら並んで湯につかる少女3人。
「あれ?どうしたのあさみ、温泉嫌いだった?」
「湯あたりですか?でもまだそんなに時間たってませんけど。」
「・・・・・・って言うか、なんで私達は温泉でまったりしてるんですか!」
少女達のひとり、あさみは声を荒げた。
「なんでって・・・ねぇ、高橋ちゃん」
「なんでですかね?」
「何言ってるの高橋ちゃん!なっちが道を間違えたからに決まってるでしょ!」
福井での戦いを終えた3人は傷ついた安倍の腕を治せるという加護博士のいる
『加護生化学研究所』に向かっていたはずだった。
542 :
名無しX:02/07/20 04:06 ID:0SIF3tnt
「仕方ないべさ、なぜかここに着いちゃったんだから」
「そうですよね」
「仕方なくないでしょ。なっちが自信満々で先頭走るからついて行ってみれば、
着いた先はガイドブックにも載らないような山奥の秘湯だし、しかも勢い余って入浴まで
するし、ましてや気持ち良いって言ってる場合じゃないでしょ。」
「そんなに怒らないでもいいっしょ、あさみ。」
「そうですよ、あさみさん。少し位いいんでないですか。」
「・・・・・グスッ」
「え?あさみ・・泣いてるの?」
「あ、あさみさん、ど、どうしたんですか」
お湯に浸かって火照ったあさみの頬を涙が伝う。
「ねぇなっち、今自分がどんな状況だか解ってるでしょ。変身できないんだよ。
こんな時にゼティマの怪人が来たらどうなると思ってるの?
高橋ちゃんだってまだ自分の力の使い方すらろくに解ってないはずだよ。」
「・・・・・・」
「・・・・・・そうです」
なつみと愛に返す言葉は無かった。あさみの言う通りだ。
そして何よりもあさみの真剣な眼差しと涙に圧倒されていた。
543 :
名無しX:02/07/20 04:08 ID:0SIF3tnt
「この前の戦いでなっちが行方不明になった時、私がどんな気持ちで探し回ったと思ってるの?
高橋ちゃんだってお父さんが自分の命と引き換えに助けてくれた体だよ、解ってるでしょ?
私が・・・私がもっと強かったらって・・二人を守ってあげられたらって・・・
もう嫌なの。これ以上大切な人がいなくなるのが。
だからお願い・・・もっと真剣になって、命を大切にして。・・お・・願・・い。」
もう最後は言葉になっていなかった。
既にあさみの顔は涙でぐちゃぐちゃになっている。
ふたりと同じ改造人間でありながら大幅に戦闘力に劣る自らの不甲斐なさ、
何人ものかけがえの無い人達の死と向かい合ってきた悲しみ、
それらがあさみの涙を止めようとはしなかった。
「ごめん、あさみ・・・あさみがそんな風に思っていてくれたなんて。」
「ごめんなさい、あさみさん」
いつしか二人の顔も真っ赤になり大粒の涙が零れ落ちていた。
「ううん、解ってくれればいいの。私は只皆と一緒に居たいの。そしてこれ以上
私達と同じ悲しみを増やさない為にゼティマを倒したいの。」
「うん。なっちも同じ気持ちだよ、一緒に頑張ろうよ。」
「私も頑張ります。お父さんの為にも、皆の為にも。」
「みんな・・・」
544 :
名無しX:02/07/20 04:12 ID:0SIF3tnt
いつしか空も夕日に染まりだし少女達の火照った顔を更に赤く染め上げていった。
「よし、それじゃ今度こそ『加護生化学研究所』に向かって出発だ!」
「はい。」
「行こう。」
元気良く三人は同時に立ちあがった。そして・・・・倒れた。
「あ、あれ?なんか地球が廻ってるべさ」
「なんか・・気持ち悪いです・・・」
「ひょっとして・・・・のぼせた?」
露天風呂の脇に全裸で倒れ込む少女三人。
・・・ ・三人の旅はまだまだつづく。
>>ナナシマンさん・名無しXさん
バイクロッサーを考えたのは、だいぶ前で結構長い話なんです。
思い切ってつなぎで何か書こうかと思ったのですが思い浮かばず
結局、あんな形になりました。
あれしか書いていないし、あとでまた空いたら書いてみます。
思い切ってこんな時のつなぎ役やってみようかしら?
-パトロール中の辻と加護-
「あいちゃん、はやいのれす。このバイク」
「当たり前やろ、これがじいちゃんの技術を結集して作ったニューサイクロンに
に変形するんやから。」
辻と加護は夜の道をバイクで並んで走る。
スーパーマシンニューサイクロンに変形するバイクは、通常の状態でも
ほかのバイクとは比べ物にならない走行能力を発揮する。
夜パトロールするには理由がある。
1つは2人がジュニアライセンスのライダーであること。
いくらジュニアライセンスがあってもおおぴらに公道を昼間走ることはできない。
そして、もう1つは・・・2人がすでに公には「死んでいる」存在だからだ。
改造人間として蘇った2人には、それはあまりにも重い事だろう。
加護は天涯孤独になった。辻はもう家族に会うことすらかなわないのだから・・・。
しかし、2人にはそれでもよかった。
自分の事を誰よりも信頼し、思ってくれる親友が傍にいる・・・。
それだけでも、心強かった。
それに今は多くの仲間がいる。
そして、守られねばならないものがある。
それだけで充分だった。
そんなバイクに乗り走る2人の前に1つの人影が現われた。
思わず辻と加護は、急ブレーキをかける。
「なにしてんねん、引かれたいんかい!」
「そうれすよ、走ってるバイクの前に飛び出したら、危ないのれす」
そこには、真っ黒な皮のスーツに身をつつんだ少女が立っていた。
「なんかおばちゃんに似てる女の子がいるれすよ。あいちゃん。」
「ほんまに、何考えてんねんやろ。アホとちゃうか、道のど真ん中やで」
2人は怪訝そうに少女を見つめながら話す。
しかし、いつまでたってもその場を動こうとしない少女に加護がきれた。
「道の真中に突っ立てなにしてんねん!邪魔やからどいてや!」
加護が怒鳴る。
しかし、少女は無表情な様子を崩さず、ジッと2人を見つめる。
そして・・・
「辻希美に加護亜依だな・・・いや、仮面ライダー1号、2号というべきか」
「・・・違うれすよ、仮面ライダーののに仮面ライダーあいれすよ。」
「あほ、のの。何言うてんねん。正体ばらしてどないすんねん!」
「・・・やはり、そうか。便宜上ゼティマではお前建ちの事を1号、2号と
分類しているのだ」
「なんやて!?お前ゼティマなんか!」
「なんかでも、あいちゃん・・・あの子今までのゼティマとちょっと
違う感じがするのれす。」
辻の言葉に加護もはっと気づく。
「・・・せや、こいつ人の姿しとる。怪人やないんか?」
2人は戸惑う。
そんな2人をまるで無視するかのように、その場に1人たたずむ
ショートカットの少女は、そのうつろな狂気に満ちた目を2人に向ける。
「人間?私はなにも覚えてはいない。人間など下等な生き物。」
「我等、ゼティマの怪人こそが地球を治めるに相応しい。」
「・・・ゼティマに刃向かう愚か者め。・・・ここで、死ぬがいい。」
そして、両手を右斜め上と下に構える。
そして、その両手でZとXの字を描くように腕を動かす。
その瞬間、光が少女を包む。
それがおさまった時、そこには異形の者が立っていた。
カミキリムシを思わせる赤いマスクに、緑の眼。
赤い人工皮膚に、シルバーの装甲を纏う者・・・。
「・・・我が名は、ZX。ゼティマのパーフェクトサイボーグ」
「・・・そして、仮面ライダーを殺す者・・・」
「あいちゃん・・・どうしましょう?のの達みたいに変身したのれす」
「・・・まさか、完成しとったとは・・・ZX計画が」
「・・・ゼティマめ、じいちゃんの研究をまたこんな事に・・・」
「・・・罪のない女の子を化けもんにするやなんて」
加護が呟いた。
「あいちゃん、戦いたくないのれす。さっきの女の子れすよ。あの怪人」
「・・・のの達と同い年ぐらいだったのれす。どう見ても・・・。」
「のの・・・無理や。お前も知っとるやろ?脳改造されてしもたんや。」
「あの子は・・・敵なんや。うちらの。・・・元には戻れへん。」
「・・・戦うしかないんや!」
2人が戸惑っているうちに、ZXは2人に近づく。
「どうした・・・そちらからこないならこちらから行くぞ!」
2人に向かってパンチや蹴りを繰り出してくる。
そのスピードは・・・今まで見たどの怪人よりも速かった。
2人はジリジリと追い込まれていく。
「のの、このままではやられてしまう。変身するんや!」
「・・・わかったれす、あいちゃん。行くれすよ!」
2人は変身ポーズをとり、2人同時に叫ぶ。
「ラァァイダァァァー、変身!」
「変身!」
そして、2人同時に空に跳びあがる。ベルトの風車が高速回転し、2人を眩ゆい
ばかりの光りが包む。
そして、地に降り立つ2人は、その姿を変えていた。
「仮面ライダー、のの!」
「仮面ライダー、あい!」
「お前がパーフェクトサイボーグでも、この姿なら負けへんで!」
「・・・本当は戦いたくないのれす。でも、ゼティマはゆるせないのれす!」
2人は口々に叫ぶ。
そんな2人のライダーに向き直るZX。
「・・・愚かな。ライダーに変身しようと同じ事だ。」
「旧式のお前達に私を倒すすべなどない。」
「・・・彼の世へ行くがいい。このZXの手によって・・・。」
対峙する、ダブルライダーと記憶を消された改造人間。
・・・運命の戦いの火蓋は切っておとされた・・・
第 20話完
これで、一応ZX登場編は終わりです。
本当は1話で終わらせたかったのですが、どうも上手くいかなく。
初めての連話作になりそうです。
次の話しを書くまで少し時間がかかりそうなので、もし先に作品を発表したい
人がいらっしゃいましたら、お書きください、よろしくお願いします。
>名無しんじーさん
バイクロッサー編読ませていただきました。
こういう感じの話しがあると明るくなっていいので、私は好きです。
ご町内の平和を守るというかそんな感じで。
本編に絡ませても面白いと思います。
村田と大谷のほうはまだキャラとか決まってませんし。
続編楽しみにしています。
>名無しXさん
X番外編といった感じですね。
あさみのシリアスな悩みとその他の場面での
ギャグ描写がギャップという点がただ面白いだけでなく、
重すぎず、軽すぎない感じを出していていいと思います。
3人が辻達と合流する話はもう案を考えられているのでしょうか?
楽しみにしています。
名無し1号さん期待させすぎ(w
続き早く読みてー
バイクロッサー編は、今、本編と絡ませる様に話を考えております。
村田と大谷のキャラは原作とはかなり違うと思いますが。
だって原作、プラモ好きと、パソコン好きなんだもん。まるでヒ(r
また、それとは別に、いんたーみっしょん2で
稲葉さんのお話を用意しております。
さー、続きだ。次は、白い名無し娘さん?次の人来て。
( ´ Д `)<んじゃ次書いちゃっていいかな〜? 今まで通り、思いつきで
その場で話でっち上げるけどね〜。
いんたーみっしょん2
うちが稲葉や!編
アメリカFBI本部の一室
稲葉「部長、なんで私が日本に行かなきゃならないんですか?」
部長「稲葉君、君の気持ちは解る。しかし、決定事項なんだ。」
稲葉「もう少しなんです。あと一歩で奴らを・・」
部長「稲葉君、これは長官直々の指令なんだ。変更はない。」
稲葉「解りました。では、長官に直に交渉します。」
部長「・・・勝手にしたまえ。・・・」
そう言うと稲葉は部屋を後にした。
「稲葉さん。」
稲葉「ん、あー、石井か何や。」
石井「日本に行くって本当ですか?」
稲葉「いや、あんな命令は聞かれへん。これから長官に直訴や。」
そう言うと、稲葉は、長官の部屋へ向かった。
稲葉「失礼します。長官、今回の命令はどう言うことですか?」
長官「稲葉君か・・すべては、君の上司のモルダー部長の指示通りだが?」
稲葉「納得いきません。奴らだけは、私の手で逮捕したいんです。」
長官「なぜそんなにこだわる?」
稲葉「それは長官が一番ご存知だと思いますが・・」
長官「ルル・・か?」
稲葉「そうです。あの麻薬組織はルルと私でずっと追っていた。
ルルがあんな事にならなければ今ごろ一緒に・・」
長官「そうか、しかし今回の件は君が一番適任だ。」
稲葉「私はルルと約束したんです。奴らをつぶすって。」
長官「解った、ではなぜ君を指名したか話そう。この件はルルの件と
関わってるかもしれんのだ。」
稲葉「えっ?」
稲葉「犯人が解ったんですか?」
長官「いや、しかし今回君が担当する事件はまだ謎が多くてな、それを
確かめて欲しい。」
稲葉「どう言うことですか?」
長官「君も、日本を中心に最近多発している怪奇事件は知っているだろう。
どーも、その事件の裏に巨大な陰が潜んでいるような気がしてな。」
長官「そして、またその陰と戦っている連中が日本にいる様だ。」
長官「稲葉君、犯罪と言うのは、いわば陰の存在だ。しかし陰とは
光がなければ存在しない。そして今回の陰はあまりに大き過ぎる。
我々では、太刀打ちできそうもない。だが日本に僅かだが光の存在
があるみたいだ。君にそれを確かめてほしい。」
稲葉「光・・いつもルルが言ってたことですか?」
長官「ルルは・・いや娘はいつも言っていた。私は犯罪の闇を照らす
光になるんだって。」
稲葉「では、長官のおっしゃる、陰の組織がルルを・・」
長官「今は、まだ解らん。だが私はそんな気がしてならん。」
稲葉「解りました。稲葉貴子、これより日本に向かいます。」
長官「頼む。まず日本に行ってこれを中澤裕子と言う女性に渡して欲しい
その後の行動は君に任せる。」
稲葉「了解!あっ、長官あとお願いがあります。
私の後任は石井にして下さい。」
長官「うむ、私もそのつもりだ。」
稲葉「ありがとうございます。では、失礼します。」
稲葉は長官室を後にした。
「稲葉さん」
稲葉「石井、うち、日本に行く事にしたで。うちの後任はおまえや。
あとたのんだで。」
石井「はい、お任せください。でも何で急に行く気になったんですか?」
稲葉「今回の件はルルと関係がありそうなんや。」
石井「だったら最初からそう言えばいいのに部長は・・」
稲葉「いや、部長も長官も言わんかったけどうちに私情をはさんで
欲しくなかったんやろ。」
稲葉「よっしゃ、いっちょ光を求めて日本に行くか。」
石井「光?」
稲葉「いや、なんでもない。そんな事より石井リカ捜査官引継ぎするで。」
石井「はい!」
以上が稲葉編です。ちょっと読みにくいですかね。
名無しっぺさん
すいません。気がつきませんでした。つーか書いてる時にカキコされた様で。
書き込んだら名無しっぺさんの名前があるからあせりました。
続きよろしくです。
>557
( ´ Д `)<乙カレー。明日から書きまっする〜。
>>名無しんじー
辛辣な事を書かせて戴くが、小説と台本との違いを理解した後、
再挑戦を望む。
>>名無し娘さま
ういっす。解りました勉強するっす。
次回作にご期待を。
561 :
名無しX:02/07/23 00:46 ID:UNkC0iGT
>名無し1号さん
乙でした。でも凄いところで切りましたねぇ(w
>>3人が辻達と合流する話はもう案を考えられているのでしょうか?
>> 楽しみにしています
・・・すいません。全然考えてませんでした。
娘。本体のキャラを二人も使わせてもらっているんだから早く合流させないと
他の作者さんの迷惑になりますね、これから考えます(w
>名無しっぺさん
以前書き込みの有ったゼティマの話ですか?期待してます。頑張ってください。
最近過去スレから全部読んでスッカリはまってるROM人です。
ALL作者サン方、これからも頑張って下さい。
リクになってしまいますが、敵の幹部クラスのキャラの登場がまだ少ないですね。
一ツ目タイタンとヨロイ元帥くらい?
アポロガイスト・十面鬼・ゼネラルシャドー・デルザー軍団等キボーンです。
>名無し1号さん
もう最高ですな。
次回作が気になりすぎて夜も眠れません。
保全の意味もこめて
一応出来上がりますた。でも今回は最初から最期まで場面が変わらない上に、
幹部のオッサンたちが主役っぽいべさ。なんというか、久しぶりに書いたんで、
半ばリハビリみたいになってて、すんごいツッコミどころ満載だとは思いますが、
そこら辺は( ´ Д `)<テキトー。って事で。
仮面ライダーのの第21話 『悪』
日本某所に密かに存在するゼティマ本部。外界からの光を一切遮断した、
ゼティマの存在をそのものを表したかのような暗がりの中で、巨大なテーブルを
複数の人影が囲んでいた。その人影はいずれもバラエティに富んだ、異様とも
言えるほどの珍妙怪奇な服装をしていた。そして、その暗がりの中ではコツコツと
言う硬い靴音だけが響いていた。
眼帯をし、軍服を着ている男。どうやらこの男が靴音の犯人らしい。
『ゾル大佐』
それがこの男―ゼティマの幹部の一人―の名前だった。
「―――我々ゼティマが加護博士のデータを元に作り出した改造人間の
プロトタイプである仮面ライダー1号、2号、更にはそれらと共に行動をしている、
他の改造人間と人造人間。初期型の、ただのプロトタイプに過ぎぬきゃつらが、
何故我々が送り出す最新の改造人間を打ち倒す事が出来るのか……
改造手術の権威である死神博士、ご説明願えるかな?」
その『死神博士』と呼ばれた老人に対し、激しい苛立ちを露わにしながら
発した言葉は、しばらくの間暗がりの中で響き渡った。どうやらここは会議室らしい。
「フン、実に簡単な事じゃ。『脳改造が施されておらん』から。それしか考えられん」
「ハッ! 何と!? 改造手術においては右に出るものはいないとまで言われた
死神博士が、よりにもよってそんな世迷い言を抜かすとは! 笑い種にもならん!」
しばしの静寂の後、改造手術の権威から発せられた、投げやりともとれる説明に、
死神博士の隣に座っていた人影が勢いよく立ち上がった。
「脳改造を施されていないと言う事は、兵士としては使い物にならん! そんな
『失敗作』のあやつらが、我らの最新科学の結晶とも言える怪人達をいとも
たやすく倒す理屈、ワシには判らん……。死神博士、お主のその説明でもな」
彼―『地獄大使』と呼ばれている男―が博士の説明に納得出来ていないのは、
左手のムチをこれでもかと言わんばかりに曲げている事からも想像がつく。
明らかに不穏な空気が流れる中、死神博士はようやく、先程の説明に『付け足し』を始めた。
「つまりは、やつ等が『兵士』ではなく、あくまで『人』としての精神を持ち合わせている
からじゃ。認めたくはないが…決して認めたくはないが…『正義』と言う『信念』があるかないか、
それが理由じゃろう…」
「!? おい、死神博士。まさかそのまま寒気がするようなヒューマニズムでも
語りだすのではないだろうな!?」
ゾル大佐が語調を荒げながら博士に詰め寄った。
「それは事実だ」
ゾル大佐、死神博士、地獄大使の3人とは別の声が響き渡った。
「……貴様か…。アポロガイスト」
地獄大使が憎憎しげに言う。アポロガイストはゼティマの中では直接戦闘に
参加したり怪人を指揮したりするのではなく、怪人たちの動きを監視し、首領に
報告する役目を担っている。表立って作戦を指揮するタイプである地獄大使や
ゾル大佐にとっては、煙たがって当然の存在であった。
「『信念』無き者に勝利は無い。我々ゼティマにとって、怪人はあくまで『兵士』。
それ以上でもそれ以下でもないのだ。」
威風堂々と語るアポロガイストの表情をうかがい知る事は誰にも出来ない。紅蓮の
炎よりもなお赤い鉄仮面が、全ての表情を隠しているのだった。
「さすがはアポロガイスト、判っているようだな。」
また新たな声が響いた。と同時に、何も無い空虚の中、突如人間大のトランプが
現れた。今のその状況、またその場所を考えると、あまりにもシュールな光景たった。
「トランプフェードッ!!」
掛け声と共に現れたのは……透明なヘルメットを被り、白いマントに白いスーツ、
腰には細身の長剣……それだけならば『正義のヒーロー』と思われてもいいのだが…
その素顔はどの怪人よりもおぞましく、薄気味の悪いものだった。耳もとまで裂けたかと
思うほどに吊り上がっている赤い口。そして顔中に張り巡っているのは血管か。
「ジェネラルシャドウ…貴様まで…」
今度はゾル大佐が口を開いた。よほどこの二人同士はウマが合わないようだ。
ちなみに、死神博士はただその場を静観しているだけである。
「俺の占ったところによると……貴様ら三人、あまり良い未来は見えんなぁ…クククッ。
手柄を取り合うというのには賛成だが、低次元な言い争いをしているようでは、
いずれ首領に『消される』ぞ? 俺は邪魔が無くなって非常にすっきりする思いだが。」
「きっ、貴様ぁ! 言うに事欠いて…! 殺されたいのかぁっ!?」
地獄大使がますます敵意を剥き出しにする。どうやらゼティマの中でも、地獄大使は
単細胞と呼ばれるにふさわしい部類の幹部らしい。
「ゴキブリは黙っていろ。…死神博士、貴公なら理解しているだろうが…首領自ら、
脳改造は改造手術の最期にするように仰られている理由…」
「…脳改造寸前に『わざと』逃げ出させる為、か…?」
地獄大使を無視して放たれたアポロガイストの言葉の意味を、博士は理解しているようだった。
「その通り。事実、脳改造を施されていない彼奴らの方が、脳改造を施された怪人よりも
強い。彼奴らが今現在のうのうと生きている事からも判る。『人』としての『信念』が
仮面ライダーたちを日々強くしているのだ。もちろん、我々ゼティマにとって忌むべき
感情も、あいつらは持ち合わせ、成長の糧としているがな…」
アポロガイストは満足そうに語った。そして更にジェネラルシャドウが話を続けた。
「あちらもなかなかに『手駒』が揃ってきた頃…。ここらで一つ、全ての駒をこちらのもの
とする時が来たのではないか…そう首領は言っている。あいつらのそこまで入れ込む
首領の考えが、俺には判らんがな。」
「なるほど…彼奴らの居場所を知っていながら決定打を加えなかったのも、彼奴らを
『育てる』為…? だが今のままではこちらの思い通りのものとするのは不可能ではないのか?」
地獄大使に比べれば遥かに理知的なゾル大佐が二人に尋ねた。
「まさか今のままで何とかなるはずがなかろう? 当然、然るべき処置、まぁ最終的な
脳改造を施し、幹部として向かえるのだ。素体に関しては不満があるがな…。」
「ふむ、機が熟すまで待ち、美味しい所を持っていくというワケか! 確かに素体が
ただの女子供というのはには不満だが…。ようやく納得がいったわ!」
ついさっきまで怒り心頭だった地獄大使、スイッチを切り換えたかのごとく喜色満面になっている。
なんとも喜怒哀楽の激しい男である。
「まぁ、その日まではもうしばらく待て。他の幹部にもそう伝えてある。何せ今は
非常に大事な『成長期』の途中だからな……」
いささか興奮気味の地獄大使を諭すかのように、アポロガイストは『待て』という
アクションを見せた。そして大きなテーブルの、自分の手元にあるスイッチを押した。
「見てみろ。これが彼奴らに与えた『宿題』だ。仮面ライダーたちが我らの求めるものに
成長するのに、欠かせない『課題』とも言える。」
会議室の暗闇の中に、ダブルライダーと、新たな改造人間が対峙している
映像が浮かび上がった。
( ´ Д `)<はい終了〜。これでまた余計な大風呂敷広げて、他の作者さんに
迷惑かける事になったかな〜?
それは行かせていただきます。更新は不定期ですが許してください。
その上長くなるかもしれません。面白くないかもしれないですがお付き合いください。
仮面ライダーのの第22話 『ハカイダー』
今を遡ること数年前。ゼティマがまだ台頭する前の話。
ある田舎のとある場所で一つの研究が行われていた。
研究のテーマは『人と機械の融合』。 来るべき人類の
宇宙進出のための一環であった。
「もうすぐ,身体が完成しますね博士。」
そう言って若い男はイスに腰を下ろす。
若いといっても30代前半くらいではあるが
「そうじゃな。システムの方は完成しておる。後は
身体を完成させて,起動実験をすますだけじゃ。」
博士と呼ばれた初老の男も手近なイスに腰を下ろし
髪を掻き上げる。二人がいるのは手術室の様な部屋であった。
元は病院であったのだが,経営難によって潰れたのを二人が
買い取って研究施設にしたのだ。そして,部屋の中央に置か
れている手術台の上に,一人の人間が横たわっていた。正確に
言うと人間ではない。人の形をした機械の塊である。
「しかしなあ………。起動実験と言っても問題が残っておる。」
初老の男は再び立ち上がると,手術台の近くに歩み寄る。
「ええ,ほんまですわ。どうやって手に入れるかが問題です………。」
ふうっとため息をつくと,若い男は自分の膝の上で頬杖を付く。
そして,何かを考えるかの様に目を閉じる。初老の男も手術台に横た
わっている人型の機械に目を移す。 暗闇色の身体に,血の色をした目,
顔には稲妻を模したマーキングがされている。初老の男は,誰に言うでも
なく呟いた。
「この人造人間の完成は,人類にとっては大きな一歩かもしれん。
しかし,その道は血塗られた茨の道かもしれんな………。」
何かを考えるようにしていた若い男は,おもむろに立ち上がると初老の
男に向き直った。
「まあ,難しいことはこいつの身体が完成してからにしませんか?
完成せんことには話にならへんですやん。」
そう言ってほほえむと,初老の男もほほえみ返す。
「そうじゃの。いらぬ心配じゃったかもしれん。完成まで後一歩じゃ
早々に仕上げるとしようか。」
「後は、各部品の接合と稼動チェックです。それでこいつは99%完成です。
頑張りましょう、博士。」
若い男も、手術台のそばに歩み寄る。
「何を言うとるか、そういうおぬしも博士じゃろうに。」
初老の男はそうぼやくと手術台の脇にあるモニターに目を移した。
モニターには手術台の上の人造人間が映し出されている。
そしてモニターの右上段に一枚の写真が貼り付けられてあった。
その写真には、髪の毛をお団子にまとめた女の子が微笑んでいる。
女の子から、初老の男あてであろうメッセージも添えられている。
女の子の直筆であろう、初老の男には読めなかったが満足であった。
初老の男が写真を見つめる眼差しは限りなく優しかった。
しかし、その眼差しは数年後果てしない憎悪の炎に狂う事になる。
少女の親友を巻き込んで………。
>名無しっぺ様
流石、全ての基礎を造り上げただけあって、スゴイっすね。
>白い名無し娘。様
面白いです。頑張って下さい!! でも更新はなるべく早めに・・・
昔G4の話書いてた名無し坊様が、3ヶ月バトン持ちっぱなしだったのは、
少しキツかったので・・・
読み応えあったのはよかったんですけどね。
保全
>名無し娘。様
ありがとうございます。出来る限り早め早めの更新で行きたいと思います。
構想は出来てるので後は打つだけって感じです。頑張ります。
二人が作業を開始してどれほどの時間がたったのであろうか。
作業部屋であるこの部屋には,光が射し込むような窓もない。
換気は天井の換気扇によって行われている。時計は既に停止しており
ただの置物と化していた。止まることを知らない時の流れが,遂に
一人の人造人間を完成させた。しかし,そこに魂は存在していない。
「さて,問題はこいつに命を吹き込むことや………。」
若い男が顔を上げて,人造人間の頭に目をやる。頭の上半分,目にあたる
場所から上がまだ未完成であった。半透明のキャップで覆われているのだが
脳にあたるものが無い。本来ならば電子頭脳を埋め込んで頭部を
完成させるのであろうが,埋め込まずして完成であるという。彼らは,埋め
込む為の電子頭脳を最初から作ってはいなかった。この研究のテーマに沿って
完成させた人造人間なのだから。だから必要なかったのだ電子頭脳は。
この人造人間に必要な物それは即ち。
「後は,人間の脳か………。」
その時である。
「こんにちはー。」
微妙にやる気の無さを感じさせる声と共に扉が開いた。
茶色がかった髪で,何となく眠そうな表情の少女が入ってきた。
年の頃は16歳くらいであろうか。学校帰りを思わせるセーラー服姿と
右手に抱えてる小ぶりのスイカが妙に可愛らしい。
部屋に入ってきた少女の姿を見たとたん、険しかった二人の表情が和らいだ。
「ようきたなぁ。…ところで、どうしたんやそれ?」
若い男は少女が持っているスイカを指差した。そういえばスイカの実物を見るのも
ずいぶん久しぶりのような気もする。
「これ?くる途中の畑にあったから、貰ってきました。」
特に悪びれた様子も無く、へへっと笑うと少女はスイカを抱えたまま
人造人間に歩み寄ってきた。
「あ、この子完成したんですね。」
「おう、かっこええやろ。」
そう言って若い男は人造人間頭をペシペシとたたく。
怒っているのか笑っているのか判別できない表情を覗き込み、少女はその鼻にあたる
ところを、つんと突付いてみる。
「おお、かっこいいかっこいい。ところで、この子の名前って決まってるんですか?」
新しいオモチャを与えられた子供のように、少女は人造人間から目を離さずに尋ねた。
二人の男たちは目を合わせた。名前の事など念頭に無かったのである。
口を開いたのは若い男のほうであった。
「愛と未来をになう機械って事で『LOVE・マシーン』ってのはどうや?」
「えー。なんかダサいですよ。」
少女は眉間にしわを寄せながら、振り向いて不満をこぼす。
初老の男は苦笑いを浮かべている。少女の事を孫のように思っていたので、
そんな仕草が可愛くて仕方が無いのだ。
「まあまあ、名前なんてどうでもいいじゃないかね。」
「えー。名前は大切ですよ。………だったら、私が決めてもいいですか?」
「わしは構わないが。」
そう言って若い男に、君も構わないねと言うような視線を送る。若い男も
仕方が無いと言った表情で頷く。
「やったー。んー、どんなのが良いかなー。」
笑みを浮かべて、少女はスイカを抱えて名前を考える。
「んー。人造人間………。機械………。きかいだ………。
『キカイダー』っての言うのはどうですか?」
「なんや。ネーミングは悪う無いけど、安直やな。」
少女は人造人間に再び目をやってみる。
漆黒のボディー、血の色の目、各所に施された稲妻のマーキング、
そして、脳が剥き出しにされるであろう半透明の頭部。
「でもなー。『キカイダー』って言うよりも、悪そうな感じだしなー。」
そう言って少女は再び考え出す。
「悪い………。壊す………。破壊………。はかいだ………。
よしっ。『ハカイダー』はどうですか。」
「ふむ。『ハカイダー』か。なかなか良いんじゃないか?」
初老の男は、若い男に意見を求める。若い男は腕を組んだまま何かを
考えているようであった。しかし、すぐに口を開き同意した。
「よし分かった。今日からこいつは『ハカイダー』や。
どんな困難も、どんな敵も自らの手で打ち砕く強い意志を
持った人造人間。そんな、コンセプトでいこう。」
一人で納得して、若い男はうんうんと頷いている。
はにかんだ笑みを浮かべて少女は、初老の男に笑みを向ける。
「よし、名前が決まったところで、真希君が持ってきたスイカを
ご馳走になろうじゃないか。なあ、つんく君。」
「そうですね。それじゃ後藤、スイカこっちにくれ。」
少女は、若い男にスイカを渡すために歩み寄っていく。
若い男の名前は『つんく』といった。
少女の名前は『後藤真希』といった。
「わしのはなるべく大きめに頼むよ。」
「えへへ、加護博士スイカ好きなんですか?」
「ああ。孫と一緒によく食べたもんじゃ。」
初老の男の名前は『加護』といった。
>白い名無し娘。さん
すごいですね。続きが楽しみじゃー。頑張って下さい。
>名無しっぺさん
ゼティマの内部描写さすがです。面白かったです。
582 :
KR:02/07/27 10:35 ID:XCDxk3RH
誰も指摘しないので、あえて虎の尾を踏ませてもらうが
脳改造前に脱走したのは仮面ライダー安倍なつみと
電波人間あさみだけですよ。それにゼティマ主導で制作
されたのはその二人とハカイダー(それも白い名無し娘
さんの話で否定されそうだが…)だけなので、首領が
あえて泳がせてるという話も微妙に筋が通ってない気が
するんですが。
>>582,583
そこは作者の手腕の見せ所と言うことで、今後の展開に注目。
―――時は現代。
ゼティマの系統をくむ組織『DARK』。そしてDARKの創設者である
プロフェッサーギル。彼は今自室の研究室に閉じこもっていた。
今、ギルは溶液を満たした円筒形の巨大な容器の中に漂っている。
その溶液はハカイダー・マキの頭部でつんく博士の脳を生かすのに使われている
物と同様のものである。細胞の劣化を防ぎ活性化を促す効果をもつ。
高齢であるが故に欠かせないギルの習慣である。
ギルは漂いながら思い出していた。
かつて、加護博士・つんく博士両名の技術を試すためにハカイダーの設計図を
ひそかに彼らに流した事がある。ギルがゼティマの科学者としてDARKを
設立しようとしていた頃である。ゼティマに彼らを迎えるかどうかのテスト
としての行為であった。しかし、両名がハカイダーを完成させたという話を
ギルは聞いていなかった。だが、ハカイダーを元に上回る理論を完成させた
人造人間の理論、遺伝子理論を発表した事が彼らをゼティマに迎えるきっかけ
になったのである。そして、再び着手したハカイダー・マキの開発。
ハカイダー・マキは完成した。開発予定よりも早くにである。
完成直前のマキ暴走。原因はハカイダー・マキの悪魔回路の暴走であろう。
つんくが仕掛けたトロイの木馬。結果、つんく・加護の研究成果は失われる事に
なった。それらの忌々しき出来事が、未だギルに屈辱を与えていたのだ。
それから半時間。溶液のかさが減り、ギルが重力を感じるようになると終了である。
ギルはそこから出ると無造作に置いてある、みすぼらしい黒衣を身にまとう。
「来たか…。」
ギルの目の前には誰もいないのだが、しわがれた声で呟くと部屋にある手術台に近づい
ていった。すると、薄暗い部屋の光が届いていない暗闇からハカイダー・マキが姿を
現わした。チェンジ後の姿で現れたハカイダー・マキは手術台に横たわる。
すると無数のチューブやコードが頭部に接続される。頭部の溶液交換が行われるのだ。
同時にボディーのメンテナンスも行われたりするので、この時だけハカイダー・マキ
はただの機械に戻ってしまう。しかし、ハカイダー・マキにはギルに伝えていない秘
密があった。再び目覚める一瞬。つんくの脳とハカイダー・マキが一つになるコンマ
何秒かに起こる記憶の共有。その時に見える光景がマキに一つの思いを巡らせる。
手術台に横たわる黒い人造人間と、並ぶように横たわる自分によく似た血まみれの少女
の関係を。
――――仮面ライダーのの・あい。ZX遭遇24時間前。
世界は暗闇が支配する時間帯である。加護亜依は夢を見ていた。
見知らぬ少女の全てを黒く不気味な人造人間へと移植をしている夢だ。
夢だと分かっているのだが、その全てがリアルに感じている。
少女は息を引き取ろうとしている寸前だという事も、少女の事をまるで
自分の孫同然のように思っていた感情も夢であるのにだ。
リアルであるが夢は夢である。一瞬の内に場面が切り替わり、息を引き取った
少女と、彼女の全てを引き継いだ人造人間とが並んでいる。
移植手術に関わったもう一人の男が、手元にあるパソコンを操作する。
次の瞬間、人造人間の体がまばゆい光を放った。数秒後その光がだんだんと収束
していく。光が全て収束した後に現れたのは黒く不気味な人造人間では無く、
息を引き取った少女と寸分違わぬ姿であった。
その時は嬉しかった、嬉しかったがこのあとの事は何故か知っていた。
亜依の手元にあるこのスイッチを入れれば、人造人間は目を覚まし少女、…名前は
確か真希…、真希として目覚めるはずであった。しかし、そうはならないことを
知っているのだ。無駄だと思いつつもスイッチを入れてみる。
やはり目は覚めなかった、もう一人の男も悲しそうな顔をして嘆いている。
このとき初めて、男の声が聞こえた。
「完璧やったはずや。何で、何で目さまさへんねん…。」
亜依にも分からなかった。夢だからしょうがないと思った。
所詮夢や、夢やのになんで、何でこんなに胸が締め付けられるねん…。
>>582 回線切って首つって逆バンジーして逝って来ます。
589 :
名無しX:02/07/31 19:47 ID:KN5FYGlP
>588
なにもそこまで・・しかもなぜ逆バンジー(w
>白い名無し娘さん
かなり面白いです。真希がマキになってしまった経緯すごい楽しみです。
がんばって下さい。
真希が…真希が…
おいら逝ってきます
591 :
イデON:02/08/01 23:40 ID:ltsGP5Rf
「あいちゃん。らいじょうぶですか?」
「ん?ののか…。どしたんや?」
亜依は希美にゆすられて目を覚ました。時計を見るために目を手の甲で
こすってみる。亜依の手の甲に冷たいものが触れた。
「あいちゃんうなされていたのれす。怖い夢でも見たんれすか?」
「いや…、別に怖くは無いけど…。なんか、悲しいような感じの夢やねん。」
「そうれすか…。ならいいのれす。怖い夢らったらいつれものののお布団で
一緒に寝てもいいれすよ。」
「うん。ありがとうなのの。」
「てへてへ。あいちゃんお休みなさいれす。」
「ああ、お休み。」
希美は、亜依の隣にある自分の布団に入るとすぐに穏やかな寝息を立て始めた。
軽く一息つくと亜依は立ち上がりリビングへ向かう。
リビングにはバイトを終え帰宅した、ひとみと梨華の姿があった。
人造人間である彼女達は眠る必要は無い。そして、エンゲル係数が高い
中澤家の台所事情を支える柱であった。
「お帰りよっすぃー、梨華ちゃん。」
亜依はリビングに居る2人に声をかける。
「うん、ただいま。」
2人同時に挨拶が帰ってくる。亜依はテーブルのイスに座り、大きくあくびをする。
ひとみは亜依を見て微笑み、梨華は亜依にお茶を入れてきた。梨華に入れてもらった
お茶をすすると亜依は、ふぅ、と一息つく。
「どうしたの亜依ちゃん。こんな時間に起きてるなんて珍しいね。」
ひとみが、正面に座っている亜依に声をかける。亜依はお茶を両手で包み込むように
持ち、お茶をすすりながらひとみの質問に答える。
「んー。なんかののに起こされてん。なんか、うなされとったらしいんや。
悲しい夢やったのは確かやねん…。」
そう言って亜依は夢の事を思い出す。
確か夢が覚める少し前の場面…。そうや、人造人間が真希っちゅうお姉ちゃんに、
姿形が同じになったあの場面。あれって確か…。この2人がチェンジする時と同じや
んか。もしかすると夢じゃなくて、爺ちゃんの過去なんか…。じゃあ、あの男の人は
多分つんく博士か。
質問に答えたまま黙ってしまった亜依を、ひとみと梨華は黙って見つめている。
「どうしたの亜依ちゃん。なんか飯田さんみたいだよ。」
そう言って梨華はくすっと笑う。ひとみも肩をすくめる。
しかし、亜依は答えない。答えないのだが、考えていた事が自然と口から
でてしまった。
「…やったら、あの真希って言う姉ちゃんは何もんなんや。…あかんな、
爺ちゃんの記憶をついでも、思い出せんことはあるんか。」
いや、思い出せないのではないのかもしれない。いざという時、ゼティマに
つかまって、どんな仕打ちをうけても話さないように封印しているのかもしれない。
けして二人に聞こえるように口に出したわけではない。きっと、亜依の隣に希美が
居てもその、言葉には気がつかなかっただろう。しかし、この2人の耳だからこそ
届いたのだ。そしてこの2人には、思い当たる単語が含まれていたから反応した。
「亜依ちゃん、マキってもしかしてハカイダー・マキの事?」
ひとみが亜依に聞く。梨華もいつになく真剣な面持ちをしている。
「ハカイダー・マキ?ハカイダーって、何のことかは分からんけど
真希っちゅうお姉ちゃんが、爺さんやつんく博士の昔の出来事に関係
しとるみたいなんや…。よっすぃーは何か知らん?」
「私が知ってるのは、ハカイダー・マキって言う私の姉妹の事だけ。
彼女の使命は私を破壊する事、確かそう言ってた。」
「そうか…。」
その時、ひとみと梨華の表情がとたんに険しくなった。
同時に亜依の頭に鈍い痛みが走った。
「どうしたん?2人とも怖い顔して。」
「亜依ちゃん。事件だ、銀行のATMが襲われてる。」
ひとみの耳は2km先のひそひそ話を聞く事が出来るのだ、中澤のマンションから
1km離れたATMが破壊されている音を聞き漏らすはずがない。
「行こう梨華ちゃん、ダークのアンドロイドマンが襲っている。」
「わかった。行こうよっしぃー。」
そう言って立ち上がった二人を、亜依も立ち上がり行動を制する。
「まちぃ。今回はうちに行かせてもらえんか。」
「だけど、亜依ちゃんは明日の夜間パトロールの当番じゃない。
今寝ておかないと明日に響くよ。」
梨華が心配そうに異論を唱える。亜依はクビを横に振るとやんわりと
拒否する。
「それもそうやけど、中途半端に起こされたから眠くならんねん。
運動がてらに行かせて欲しいんや。」
「でも…。」
ひとみはそれでも、亜依の出動を拒否する。梨華は何も言わず亜依の瞳を見ている。
亜依の瞳は真剣だ。運動がてらに行く、などというのは建前である。その事を梨華は
見抜いていた。
「よっしぃー。行かせてあげよう。」
梨華がよっすぃーに提案する。
「私も一緒に行くから、よっすぃーはマンションで待ってて。ののちゃんと
中澤さんや石黒さんを守ってて。」
梨華がひとみにここまでいうのは珍しいことであった。
ひとみも、梨華がここまで言うのだからよっぽどの事なのでは無いかと思った。
「わかったよ梨華ちゃん。亜依ちゃん、現場は大通りをしばらく行った
銀行のATMだよ。詳しい事は梨華ちゃんに聞いて。」
「ありがとうな、よっすぃーに梨華ちゃん。」
「2人とも、気をつけてね。必ず帰ってきてよ。」
「うん。」
ひとみは出て行く二人の背中を見送った。ひとみは一つ言い忘れた事があった。
ハカイダー・マキの頭には、つんく博士の脳が入っているということを。
更新乙です。こんな状況の中更新していただけるのは嬉しいかぎりです。
修行中の私が言うのもなんですが、みなさん、がんばっていきまっしょい。
595 :
名無し:02/08/02 13:15 ID:CdiFz5WE
非常時スレ乱立につき緊急保全
596 :
名無し:02/08/03 00:00 ID:CnEPGsYC
さらに保全
597 :
名無し:02/08/03 15:07 ID:5cX/2pvb
さらにさらに保全
598 :
名無し:02/08/04 00:38 ID:Netc2tQM
さらにさらにさらに保全
白い名無し娘。さんてイデONさんだったの?
既出?知らんかった。衝撃の事実(w
600 :
名無し:02/08/04 22:11 ID:Z+qdVe4v
衝撃の事実保全
ほじぇんだぴょーん
602 :
保全:02/08/05 23:52 ID:meKmNxvG
トリックベント
603 :
名無し:02/08/06 23:12 ID:Mwf+8jmK
そろそろ更新キボン
現場である銀行のATM前には、駆けつけた警備員達が倒れていた。
彼らの息はすでにない。息絶えた彼らを尻目に、ダークのアンドロイドマンたち
はATMを破壊している。その光景を、ビルの作り出す暗闇から見つめるものがいた。
黒いライダースーツに身を包んだ少女姿の、ハカイダー・マキの姿があった。
悪の秘密組織ほど割の合わないものは無い。財源があったとしても、収支より支出が
多いのが現状である。だからこそ、銀行を襲ったりして資金を作り出している。
組織の怪人や、人造人間の任務にもそれらの事は含まれている。しかし、ハカイダー・マキ
が、この任務を行う事はめったに無かった。しかし、他の人造人間が任務を行う時には
密かに同行したりはしている。それは、必ずといっていいほど現れる、キカイダーと
闘うためである。全ては『キカイダー抹殺』の為に。それこそが最大の任務と自負する
ハカイダー・マキには、ATM襲撃などはポリシーに反する任務である。
それがなぜか、今回はみずから陣頭指揮をしている。指揮といっても、アンドロイド
マンに命令を与えただけであったのだが。アンドロイドマンがATMを破壊している
光景を見ながら、マキはキカイダーが現れるのを待っていた。
マキは、右手で髪をかき上げる仕草をすると、頭頂部あたりに手がきたところで
その手を止める。その光景は、まるで何かに悩まされている少女に見える。
(まるで八つ当たりだな…。)
マキは、自らの行動をそう分析する。先日に、頭部の溶液交換を行った時からだった。
頭の中が疼くのだ。頭部に収められているつんくの脳を生かすため、今は必要最低限の
接続しかしていない。今までに何度かあったつんくの記憶との共有により、自分が
後藤真希という少女に似せて作られたことは知っている。そして、その少女の死。
そして今回、新たに分かった事。後藤真希によって名づけられた『ハカイダー』と言う
人造人間は、後藤真希の死によって命を吹き込まれた事である。しかし、後藤真希の
脳を持ったハカイダーは起動しなかった。その後、ハカイダーはその場で厳重に封印さ
れた。手術台の上に張り付けたように固定され、さらに鎖を何重にもまいて。
後藤真希の遺体を手厚く葬った後、臨時の研究室であった病院は爆破した。そして、
加護博士と別れたつんくは再び自らの研究室に戻り、新たな人造人間の理論を完成させた。
その記憶を共有した時から脳が疼きだしたのだ。そして約1時間前、疼きが痛みに変わった。痛みに変わったというのは、おかしいかもしれない。人造人間であるマキは、痛みなどは
感じないはずであった。あえて言うならば、未知のデータによる不快感。そして、マキの
電子頭脳がそ、れを振り払うためには闘うしかない。という結果を出した。
手っ取り早く相手を呼び出すのなら、ATM襲撃しかない。そして、今にいたるわけである。
不快感を取り除くために闘う。それを八つ当たりといわずしてなんと言おう。
マキは腕を組むと、背中からビルの壁にもたれかかった。無表情であったマキの口元が
笑みを形作る。バイクのエギゾーストが聞こえたからだ。しかし、キカイダーのバイク
、ダブルマシーンのエギゾーストとは違っている。初めて耳にする音であった。
「ま、誰でもいいさ。今は。相手が強いのならそれでいい。」
程なくしてバイクが現れる。見たことの無い白いバイク。降りてきたのは、いつも
キカイダーに付きまとっているビジンダーとか言う人造人間と、髪を二つのお団子に
まとめている小さい女の子であった。マキはまた一段と不快感が増したような気がした。
更新の間があいたりして長くなってしまいましたが。もう少しで終ります。
他の作者の方々、読んでくださっている皆さん。もう少しお付き合いください。
>名無し募集中。。。さま。
どのイデONさんかは分かりませんが。DISK5のイデONとは
同一人物です。
607 :
アンチ辻:02/08/07 00:32 ID:y3guKjSr
らーいだ(ドクトルG風に)ののV3なんぞハサミジャガーに切られ、
カメバズーカに撃たれ、イカファイアに燃やされ、テレビバエに催眠術にかけられ、マシンガンスネークに
マシンガンスネークに蜂の巣にされてしまえ。そんでもってハンマークラゲに
ぺしゃんこのされ、ナイフアルマジロに轢かれ、ノコギリトカゲに切り刻まれ、
レンズアリの熱光線を浴び、カミソリヒトデに再び切り刻まれ、ピッケルシャーク、
ドリルモグラ、バーナーコウモリに海中、土中、空中と振りまわされ、最後に
ミサイルヤモリの背中のミサイルで爆裂じゃ! あ、ジシャクイノシシが抜けた。
解る人にしか判らんだろう。バーナーコウモリは火炎コンドルの方が適任。
608 :
名無しX:02/08/07 01:17 ID:sR/4bicS
更新乙カレー
もし誰も行かないようでしたら
白い名無しさんの後書いてもいいですかね?
概ね書きあがってるんですがちょっと長いので
もし他に書かれる方いらっしゃいましたら
先に行ってもらった方が良いかもしれませんが・・・
609 :
607:アンチ辻:02/08/07 01:20 ID:y3guKjSr
スマン。見直しせずに書き込んでしまった。
「マシンガンスネークに」の重複は見なかったことに…
>>606 レスありがとうッス
もちろんDISK5のことです。どちらも楽しく読ませていただいています。がんがってください。
611 :
:02/08/08 20:37 ID:fFKkAa1T
612 :
名無し:02/08/08 23:05 ID:aHIS2U01
がんがんマーチ保全
613 :
:02/08/08 23:45 ID:KmmNtNxZ
アギト劇場版DC版発売記念保全
「そこまでや!!」
亜依は、疾走するニューサイクロンから飛び降りると、ATMを破壊し現金を
袋に詰めているアンドロイドマンに向かって叫ぶ。
ニューサイクロンは暗闇に消えていった。消えていった暗闇から梨華が走ってくる。
「そうよ、そこまでよ!」
梨華も、亜依の横に立ち叫ぶ。アンドロイドマンは作業を中断し、亜依と梨華を
取り囲む。亜依と梨華は、お互いの背中を合わせてアンドロイドマンたちと対峙する。
アンドロイドマンたちは、二人の周りをまわりながら徐々に間合いを詰めてくる。
「行くで!!」
亜依は掛け声と共に、アンドロイドマンに向かってパンチを放つ。
アンドロイドマンは、亜依のパンチをよけようとせずに、腕を交差させて
受けようとする。
アンドロイドマンたちはそれで大丈夫だと思ったのだろう。相手はどう見ても
10代前半の少女である。アンドロイドマンたちは、相手をするまでも無いと思って
いた。だからこそ、受けと言う動作を取ったのだ。
亜依のパンチは、アンドロイドマンの腕をものともせずに体をぶち抜いた。
こときれたアンドロイドマンから腕を抜き、その勢いで亜依の左前にいる
アンドロイドマンにバックハンドブローをお見舞いする。
亜依の攻撃が頭部に直撃する。直撃を食らったアンドロイドマンは、首から上を
無くしその場に崩れ落ちる。圧倒的な力の差を悟ったアンドロイドマンたちは
狙いを梨華に移す。それでも何体かのアンドロイドマンは亜依に戦いを挑んでくる。
梨華もビジンダーにチェンジしアンドロイドマンたちを蹴散らしていく。
(あの少女…。どこかで見た記憶がある。たしか加護博士がつんくに見せた
写真の少女…。加護亜依と言ったな。しかし、記録だとゼティマによって
抹殺されたはずだ。あのパワー、身のこなしからすると改造人間として生き返った
ようだな。)
マキは暗闇の中から、戦っている亜依を観察している。
いつぞや、キカイダーとの戦いを邪魔した『仮面ライダーのの』とか言う
改造人間の仲間であろう。闘いたい。マキは純粋に思った。
マキは壁から離れ、亜依とアンドロイドマンたちの戦いの場に向かった。
取り合えず、来週中には終了します。なんか訳のわからない話になったような
気がします。
616 :
が:02/08/09 15:12 ID:QBKKjqBi
作者軍団ガンガレ!
>608
名無1号さんが良ければ書いても良いのでは?
>名無しXさん
私のほうは、まだかかりそうなので、先にお願いします。
619 :
:02/08/10 00:18 ID:49kaipOa
後藤が蟹で保田がサイなのか?エイも死んでるよな
(=`ω´)ノ
621 :
保全:02/08/12 23:21 ID:yGCDfe9V
獣帝ジェノサイダー
戦っている場所は、大通り沿いの銀行傍である。昼間ならば明るいのだが
今は深夜だ。街頭の明かりも無い。あるのは月の光だけである。
その月の明かりも、今は雲に隠れている。
もっとも、彼女達には関係の無い事であった。改造人間と人造人間の戦いは
続いている。果敢にも向かってくるアンドロイドマンの相手をしながら、亜依は
梨華の心配をしていた。梨華は人造人間である。今は、ビジンダーに姿を変えているが
いかんせん、アンドロイドマンクラスなら相手になるのだが、それ以上のクラスに
なると相手にはならない。現に、アンドロイドマンのほとんどはビジンダーに向か
ってきている。亜依は加勢したかったのだが、巧妙にアンドロイドマン達が行く手を
ふさいでいる。
「あかんな、このままやったら梨華ちゃんやられてまう。それに、どっかに
黒幕が隠れてるはずや…。」
亜依がそう呟き、また一体アンドロイドマンを倒したその時である。
梨華のはるか後、梨華からは死角になって見えない暗闇の中に光が閃いたの
が見えた。
「梨華ちゃん、しゃがむんや!!」
亜依は何故かそう叫んだ。梨華は反射的にその場にしゃがみ込んだ。
次の瞬間、梨華に殴りかかろうとしたアンドロイドマンの額に、一本の
ナイフが突き刺さっていた。活動を停止したアンドロイドマンはその場に崩れ落
ちた。梨華に殴りかかろうとしたアンドロイドマンだけではない。この場にいる
全てのアンドロイドマン達が崩れ落ちた。同様に、額にナイフが突き刺さっている。
「これは一体…どういう事や。」
亜依が梨華に駆け寄って抱き起こす。
「梨華ちゃん、大丈夫か?」
梨華の体は、目立った外傷はないものの、所々傷付いている。
傷付くだけではたいした事ないのだが、戦闘向けではない梨華が戦闘をこなしたの
だ。エネルギーの消耗が激しく、動きがかなり鈍くなっている。
「ええ、エネルギーの消耗が激しくて…。ちょっと、ダメみたい。」
「わかった。それじゃ、ちょっと休んでてな。すぐ終るから。」
「うん。」
亜依は梨華に肩を貸して、梨華を安全そうな場所へ移動させた。
「そこの奴、出てこんかい。」
亜依は、暗闇に向かい叫んだ。ナイフが飛んできた方向である。
誰かがいるのは確かだ。その時、亜依の呼びかけに答えるように
再び光が閃いた。と、同時に亜依の腕も動いた。
亜依の眼前でナイフは止まっていた。亜依の手はナイフの刃を握っている。
しかし、ナイフというよりは刃が通常より長い。
「私は、十字剣と呼んでるけどね。」
暗闇から声がした。亜依の考えを読んでいるかのような台詞だ。
「誰や!!」
声の主が暗闇から姿を現わす。まるで、闇を全身に纏っているかの様な
黒いライダースーツに見を包んだ少女であった。
亜依はこの少女に良く似た人物を知っている。
「後藤真希…。」
「いいや、違う。私はハカイダー・マキ。
そして、君は加護亜依だ…。」
マキは表情を変えずに喋っている。口元が微妙に微笑みを作っているのだが、
目が笑っていない。
「何でうちの名前を…。」
「簡単だ。私の頭にはつんくの脳が入っている。」
マキは自分の頭を指差して喋る。
(だとしたら、つんく博士を助けるのはこいつを倒して、体を取り戻すか
うちみたいに再生させるかしかないんか…。)
そして亜依は思う。こいつは後藤真希ではない。姿は同じだけど雰囲気が違う。
祖父の記憶の後藤真希はもっと…。
「あんたは後藤真希やない。うちは思い出せへんかったけど、
あんたは違う。それだけは分かる。」
「そう、本物の後藤真希…。プロトタイプのハカイダーは眠ってるわ。
きっと、昔の夢を見ながらね。」
マキは、自分が何を言ったのか分かっていなかった。
それは、頭部に収められていつんくの言葉だったのかもしれない。
しかし、その場にいる誰ももその言葉に気がついていなかった。
「分かった。あんたは倒す。」
「ふっ…。」
亜依は右手を真横に水平に伸ばし、左手も水平に右方向へ伸ばす。
マキは、十字剣を自らの眼前にかざす。
2人はお互い対峙する形で立っている。生暖かい風が2人の間をかけていく。
その時、雲が切れ月明かりが辺りを照らし出す。
「変・身!!」
「チェンジ!!」
2人の声が同時に響く。
加護亜依は『仮面ライダーあい』へと。
マキは『ハカイダー・マキ』へと姿を変えるために。
月明かりに照らされて、仮面ライダーあいとハカイダー・マキの戦いは
続いていた。互いにパンチとキックの応酬であるが、決定的な一撃が
決まらないまま続いていた。
(あかん、こいつ強い。)
(なかなか出来る。それでこそ。)
お互いがそう思っていた。
仮面ライダーあいは、ハカイダー・マキに中段蹴りを見舞うと、いったん間合いを
取った。
その光景を見ていた梨華にも理解できた。仮面ライダーあいは次の一撃に賭ける気
であると。
一度あけた間合いを仮面ライダーあいは、再び一気につめる。
ハカイダー・マキはそれに合わせるように、後ろへと下がるがあいは更にスピードを
上げて、ハカイダー・マキとの距離を約30cm位までつめた。
至近距離で仮面ライダーあいは、左のショートフックを放つ。
ハカイダー・マキの顔面に向かって繰り出されたのだが、すんでのところで
かわされてしまった。仮面ライダーあいはこれを待っていた。ショートフックを
打つために引き絞った右腕を、体全体を使って更に引き絞る。
仮面ライダーあいの両目は、目標をしっかりと見据えている。
極限まで引き絞った右腕を、解き放つタイミングは今だった。
「ライダーパンチ!!」
ありったけの力をこめた、パンチをハカイダー・マキに叩き込む。
その刹那、辺りに低く鈍い音が鳴り響いた。
仮面ライダーあいとハカイダー・マキは再び間合いを取った。
仮面ライダーあいは右手の甲を押さえ、ハカイダー・マキの左手には
鈍く輝く銀色の銃が握られていた。
次の更新で最後になります。…多分。でも今週中に終ります。
名無しX様。スタンバイよろしくお願いします。
イイ━━━━(・∀・)━━━━━!!!!
@''゛"''@
,(( ´D`))
( つひ,づ
ノ(,,,,,,),,,,,)
628 :
保全:02/08/15 21:13 ID:sSypv6Qz
エンドオブワールド
「くっ…。」
手の甲を押さえて、仮面ライダーあいは唸る。
渾身の力をこめたライダーパンチを放ったはずであった。
あい自身が命中したと思った瞬間に、凄まじい衝撃を右手に感じた。
右手をさすりながら、あいは右手の指を一本ずつ動かしていく。
指は特に問題がなかった。次は手首を動かしてみる。手首にも異常は
なかった。
「一体なんやねん…。」
ハカイダー・マキは、左手に握っている銃の銃身を指でなぞると銃口を
仮面ライダーあいに向ける。
「ハカイダーショット…。」
先ほどの、仮面ライダーあいの呟きに答えるようにハカイダー・マキも呟く。
ハカイダー・マキはそのまま引き金を引く。重く低い銃声があたりに響いた。
しかし、弾は仮面ライダーあいの横を掠めると、地面に転がっているアンドロ
イドマンに命中した。弾はアンドロイドマンの体を貫くと、アスファルトにま
でめり込む。次の瞬間、衝撃波が地面をえぐり、アンドロイドマンは粉々に
砕け散った。眉間に刺さっていた十字剣が、爆風で舞い上がり地面に突き立った。
「あんなのまともに食らったら、さすがにやばいかもしれへんな…。」
亜依はマスクの下で苦笑いを浮かべた。さて、どうするか…。
「終わりにしようか…。」
ハカイダー・マキは仮面ライダーあいに向かい、再び引き金を引く。
「ちっ…。」
仮面ライダーあいは、全力で横に走った。いくら破壊力が凄まじくても、
所詮は銃である。攻撃は直線的である。もっとも、改造人間だからこその
反射神経と運動能力でかわせるのではあるが。
ハカイダー・マキの持つハカイダーショットはリボルバー式であったと、
仮面ライダーあいは記憶している。
だとしたら、残りは3発。先ほどから、仮面ライダーあいは動きっぱなしである。
照準をつけられないくらいのスピードを維持するのは、例え改造人間でも辛いのだ。
動きを止めたらやられるのは確実である。足を止めるわけにはいかない。
お互い隙は見せられない。ハカイダー・マキもそう感じている。
まだ何かある…。
ハカイダー・マキは、仮面ライダーあいの動きからそう感じていた。
だとしたら、隙を見せた方が負けなのだ。
その時、仮面ライダーあいは足を止めた。が、照準をつけるよりも早く
再び走り出した。さっきよりも早く。
ジグザグに走ったり、ハカイダー・マキの周りを走ったり。
しかし、距離は確実に詰めてきている。
(勝負にきたか…。)
ハカイダー・マキは自信があった。ライダーパンチをハカイダーショットで
止めた時。あのまま全弾打っていたら勝っていた。
そうしなかったのは、戦いを楽しむため。そして、勝利する事が出来る
と言う自信のため。
次の攻撃の瞬間が、仮面ライダーあいの最後。そう確信した。
仮面ライダーあいのスピードが再び落ちた。次の瞬間、凄まじいスピードで
何かがハカイダー・マキに向かってきた。あまりのスピードの為にハカイダー・マキ
にさえ認識できずにいる。
「ふっ。」
瞬間的に眉間に照準を合わせる。まっすぐ向かってくるのならば、当てるのは
あまりにも簡単すぎる。ハカイダー・マキは引き金を引いた。
弾は眉間に命中し、貫いたはずだがこちらに向かってくる。
形は確かに人型だが、いかんせん命がない。その人型がハカイダー・マキに
ぶつかる寸前、左手でそれを叩きつける。
金属がくだける音がした。
「これは、アンドロイドマン!?」
先ほど、仮面ライダーあいがスピードを落としたのは、アンドロイドマンを
投げつけるためだった。
「だとしたら…。空か!」
ハカイダー・マキは月が輝く夜空を仰ぐ。居た!!
月をバックに、こちらに向かってくる。
高高度からの、全体重をかけたジャンプキックだ。
ハカイダー・マキも勝負に出た。
ハカイダーショットは残り2発。リボルバーから、瞬間的に薬莢4つと弾を2発抜き
新たに6発装弾した。
照準は、仮面ライダーあいの足刀。
しかし、まだ距離がありすぎる。
勝負は至近距離!!
仮面ライダーあいのキックはすでに目の前まで迫っていた。
「ライダー卍キーック!!」
ハカイダー・マキは6回、引き金を引く。
あたりに低い銃声が響いた。
仮面ライダーあいのキックは止まっていた。
ハカイダーショットを6発受け、それでも止まらず弾がなくなった
銃で防御してやっと止まったのだ。
「まさか、止められるとは思わんかったわ…。」
「ふ。まさか仕留める事が出来なかったとは…。」
お互い、死力を尽くし満身創痍であった。
仮面ライダーあいには体力が。
ハカイダー・マキには決定打が。
仮面ライダーあいは、宙返りして着地すると地面に膝を着く。
ハカイダー・マキは銃身の曲ったハカイダーショットをしまう。
暗闇に二つのヘッドライトが浮かぶ。
一つは、ニューサイクロン。
もう一つは、ハカイダー・マキのマシン『白いカラス』。
ハカイダー・マキは何も言わずに白いカラスにまたがると、暗闇に消えていった。
仮面ライダーあいは変身をとき、立ち上がろうとするが立てない。
そんな亜依に、ビジンダーから姿を変えた石川梨華が駆け寄ってきた。
「大丈夫、あいちゃん?」
「ああ、大丈夫や…。あいつ、ものごっつぅ強いな。」
そう言って、亜依は微笑んだ。
「梨華ちゃん、後は頼んだで…。」
亜依は梨華におんぶされて、そのまま寝てしまった。
「うん。お休みなさい、あいちゃん。」
梨華は亜依を抱きかかえると、ニューサイクロンにまたがった。
自動運転に切り替わっているニューサイクロンは、一路皆が待つ中澤亭に向かって
走り出した。
明かりが届かない、地下の部屋にプロフェッサーギルの研究室がある。
応急的な延命措置を施している、溶液に漂いながらギルは笑っていた。
(ハカイダー・マキよ…。貴様の体は、あくまでもわしの物なのだ…。
この体が終焉を迎えたとき、お前の体とわしの脳は一つにり、
わしは永遠の命を得られるのだ…。ククク…。)
研究室のいたるところにあるモニターには、白いカラスにまたがり
闇夜を疾走するハカイダー・マキの姿が映し出されていた。
第22話『ハカイダー』 終わり。
長いこと付き合っていただき、有り難うございました。
少々、つじつまが合わないところとかもあるかもしれませんが
未熟者なので勘弁してもらうと言う事でお願いします。
それでは名無しXさん、がんばってください。
635 :
:02/08/16 01:01 ID:LCHWT8RU
白い名無し娘さん、お疲れ様です!
月夜の異種同士の戦いがなかなかに最高ですた。
名無しXさんも頑張って!!
636 :
名無しX:02/08/16 13:24 ID:KIdKijLS
>白い名無し娘。様、お疲れ様でした。
自分が戦闘シーンを苦手としているので加護と後藤の戦闘シーン
の臨場感には感心しました。
DISK5って何処でやってるんですか?
ぜひ見に行きたいんですが。
自分の作品は今晩か明日くらいから始めたいと思います。
ここの住人の人って過去ログ全部読んでますよね?
ちょっとスレッド初期の作品の伏線を使ってますので・・・。
637 :
名無しX:02/08/17 00:37 ID:W8zMscaQ
それでは始めます。しばらくお付き合いの程を。
第23話
〜プロローグ〜
大都会の夜景を見下ろす高級ホテルの最上階スウィートルーム。
ブランデーのグラスを片手に、資料に目を通すスーツ姿の紳士がいた。
その姿が映っているはずのスウィートルームのガラス窓には
顔一面が爛々と光る巨大な一つ目の恐ろしい姿が映し出されている。
「ストロンガー達の他にこんなにもゼティマに牙をむく愚か者達が居たとは・・・。
他の幹部共は今まで何をやっていたのだ、大首領はどこまでご存知なのだ?
・・・しかしこれは私にとって好都合か。」
そしてもう1つの資料にも目を落とす。
「今までストロンガー達を泳がせておいたがそろそろ消えてもらうとするか。
木村麻美・・・この経歴・・・使わせてもらうぞ・・・。」
紳士は眼鏡の奥に潜む冷たい瞳を妖しく輝かせた。
638 :
名無しX:02/08/17 00:38 ID:W8zMscaQ
その時だった、部屋のドアが突然開いたかと思うや否や紳士の周りは
不思議な香りを漂わせる真紅の巨大な花達で埋め尽くされた。
「ふ、来たか・・・ようこそドクターケイト。」
「この私を呼び出すとはどういう了見だ?一つ目タイタンよ。」
花達の中から現れたのは美しくも毒々しい花の姿をしたデルザー軍団幹部ドクターケイト
である。
「君に耳寄りな情報を差し上げようと思ってね。」
「貴様がなぜ私に情報など?信じられぬわ。」
「信じないなら構わないが他のデルザー軍団幹部を出し抜きたくは無いのかな?
最近本部に呼ばれるのはジェネラルシャドウばかりのようだが。」
「むぅ・・・・その情報とやら話してみろ。」
639 :
名無しX:02/08/17 00:39 ID:W8zMscaQ
(1)
「もう、なんでいつもいつもこうなるのよ。これじゃいつまでたっても『加護生化学研究所』に
たどり着かないじゃない。」
愛車テントローを駆り、寂れた田舎の県道を疾走しつつあさみは呟いた。
しかしいつも連なって走っているなつみのカブトローと愛のクルーザーの姿がない。
「困ったな。二人ともどこ行っちゃったんだろう?早く合流しないと。
それにしてもなっちはどうしてああ行き当たりばったりなのかしら。」
3人が離れ離れになってしまったのは1時間ほど前、国道を調子よく走っていた時だった。
「ん? なんだべ?」
先頭を走るなつみの前方に赤い発光灯を持った人影が踊り出てきた。
「なっち、おまわりさんだよ。ひょっとして・・・。」
「はい。30キロオーバーね、免許証見せて。」
どうやらスピード違反取り締まりに引っ掛かってしまったようだ。
「あっちゃ〜」
640 :
名無しX:02/08/17 00:42 ID:W8zMscaQ
側道にバイクを寄せ渋々免許証を取り出そうとするなつみとあさみ。
しかし愛だけが真っ青な顔をして立ちすくんでいる。
なつみとあさみはその時初めて重大な事実に気がついた。
「高橋ちゃん、免許持ってない・・・・の?」
コクリと頷く愛。当然だった、愛はまだ15歳だ。
これにはさすがのあさみも焦った。スピード違反、無免許、未成年。
これでは只で済む訳が無い。
警察に全ての事情を話すわけにもいかない(というより信用されるはずが無い)。
だがここで警察とイザコザを起こすのも得策では無い気がする。
どうする?あさみはなつみに目配せをした。
「逃げるべさ!」
・・・マジで?それはあさみには正しい選択には思えなかったが、なつみの大声に
反射的にバイクに飛び乗り走りだした。
そして3人散り散りになり今に至るのである。
641 :
名無しX:02/08/17 00:46 ID:W8zMscaQ
平日の真昼間だというのに人通りの全く無い田舎道。
自分の現在地すら把握できぬままあさみは走りつづけていた。
「!」
走るあさみの前方、道のど真ん中に巨大な何かが放置されている。
「今度は何?」
右手でフロントブレーキレバーを力いっぱい握りリアタイヤを滑らせ
巨大な放置物直前で止まったあさみはすぐさまバイクを降り、それに目をやった。
「・・・・花?」
642 :
名無しX:02/08/17 00:47 ID:W8zMscaQ
それは今まで見たことのないような巨大な花で、禍禍しい赤色が不気味な雰囲気を漂わせていた。
「なんでこんな所に花が?それにこの大きさ・・・。」
あさみは恐る恐る花びらのあたりを覗きこんで見た。
その瞬間、花弁の奥から妖しい匂いのする煙のような花粉が噴出された。
「?・・・うっ。こ、これヤバイか・・・も・・・」
もろに花粉を吸い込んだあさみは意識が遠のきその場に倒れ込んでしまった。
「ふん、他愛も無い、これがタックルか。この分だとストロンガーやXとやらも
大した事なさそうだね。」
いつのまにか倒れたあさみの傍らに立つドクターケイトが少々がっかりした様に呟いた。
643 :
保全:02/08/17 23:04 ID:dsPIRHtE
保全
645 :
名無しX:02/08/18 19:50 ID:I0iqjock
(2)
「すいません、私のせいでこんな事になってしまって・・・。」
「しょうがないべさ。なっちがスピード出しすぎたのも悪かったんだし。」
「あさみさん大丈夫でしょうか?」
警察に追われ散り散りになったなつみと愛だったが偶然にも合流に成功し
国道沿いのコンビニエンスストアの駐車場でバイクを止めていた。
「多分警察に捕まるようなことは無いと思うけど。」
「そうですね、あさみさんはしっかりしてますもんね。」
「う〜ん、普段はしっかりしてるんだけど結構気性が激しくて無鉄砲なところもあるから
ちょっと心配だべ。」
「へぇ、そうなんですか。」
646 :
名無しX:02/08/18 19:51 ID:I0iqjock
なつみは遊覧船事件の事を思い出していた。
「特に家族や友達の事となると見境が無くなるから・・・・。」
「それじゃ、早く探しましょう。」
「そうだね。」
なつみはヘルメットを被りカブトローに跨った。
「なんだか今日は腕の傷が痛むべさ・・・何か・・・嫌な予感がする・・・。」
647 :
名無しX:02/08/18 19:53 ID:I0iqjock
(3)
「気がついたようね。木村麻美さん、いえ電波人間タックルと言ったほうがいいのかしら。」
「?・・・!!」
まだぼやけたままのあさみの視界に飛びこんで来たのは全身が血の色をした巨大な花
の姿をした怪人だった。
あさみは寝かされていたベットから飛び起き右手を軸にジャンプしその怪人から1メートル
程の距離をとった。
648 :
名無しX:02/08/18 19:54 ID:I0iqjock
「何者?ゼティマか!」
「そんなに構えないで下さい。私はあなたの味方です。」
「味方?そんなの信じられる訳ないでしょ!」
「何故?私がこんな姿だから?」
「・・・・・・」
あさみは呼吸を整え頭の中で状況を整理しようとした。
確か道に落ちていた花の匂いを嗅いだ途端気が遠くなって・・・。
「あの毒花はあなたが仕掛けたんでしょ。」
「今のあなたの反応を見てやっぱりあなたと話をするにはあの方法しかなかったと証明されたわ。」
「・・・そこまでして私に何を話したいと言うの?」
赤い花の怪人は静かに語りだした・・・・あさみを驚愕させ体を震えさすその話を。
649 :
名無しX:02/08/18 20:04 ID:I0iqjock
(4)
それは信じられない話だった。
しかし、あさみにとってはどうしても無視できない話でもあった。
あの怪人ドクターケイトは自分もゼティマを脱走し、ゼティマに復讐を誓う
改造人間だと言う。そして脱走した際には「連れ」がいたと言う。
そう、ストロンガーと連れ立って脱走したあさみと同じように。
その「連れ」の名前は『クモ男』。
そして次のドクターケイトの言葉があさみを凍りつかせた。
「その『クモ男』は・・・・あなたの父親よ。」
あさみはドクターケイトが何を言っているのか解らなかった。
そんなバカな。有り得ない。有り得ない・・・筈だ。
お父さんが・・『クモ男』?父はゼティマに殺された筈だ。
しかし自分はこうして生きている、改造人間として。
父にも同じ事が起こったというのか。
650 :
名無しX:02/08/18 20:07 ID:I0iqjock
あさみの混乱が収まらないままにドクターケイトは更に衝撃の言葉を続けた。
「『クモ男』はあなたに会いたい、あなたを探すと言っていたわ・・
けど結局ゼティマの追っ手に殺されてしまったの。その追っ手の名は・・・
『ライダーのの』。
ゼティマの中でも極秘とされている暗殺部隊に属している極悪非道な奴よ。」
父が『クモ男』・・私を探していた?そして・・殺された?『ライダーのの』?
もうダメだ、もうケイトの言葉に冷静な対処は出来ない。
「何処にいるの?その『ライダーのの』って奴は!」
ケイトの言葉を信じたわけではない。しかし聞かずにはいられなかった。
「『加護生化学研究所』そこが奴らのアジトよ。」
651 :
名無しX:02/08/18 20:36 ID:I0iqjock
24時間クライマックスにひっそり更新してみますた。
読み返してみると口語文が多くてストーリー解りにくいですね。
残り2/3位です。もう出来てるのでいつでも終わらせられますが
次の人って準備出来てますか?もし居たら言ってください、
すぐ更新しますんで・・・。
DISC5見てきました。ゲームやらないんで元ネタが
解りませんが選択式小説って書くのが難しそうですね。
白い名無しさんが此処と同時に書いているのには驚きました。
>名無しX様。
更新お疲れ様です。本当に懐かしい設定ですね、
とてもいいです。面白いです。がんがってください。
DISK5を見られちゃいましたか…。恥ずかしいです。
>名無しXさん
更新お疲れ様です。ん〜非常にいい展開ですね。
>白い名無し娘。さん
DISC5はここに書いていいものか微妙だったけど書いちゃいました。スマソ
みなさまご無沙汰しております。ストーリーも名無し1号さん、
名無しXさんと進み、読者として目の離せない状況ですね。
それぞれの作者さんの話の感想についてはまた後ほどとして、今日
は特に作者さん方にお伺いしたいことがあるんです。
みなさんの中で新垣を登場させるご予定の方はいらっしゃいます
か?もしいらっしゃらなければ使わせていただければと思うのです。
最初は「透明ドリちゃん」くらいしか思いつかなかったのですが、
何となく超能力っぽいんじゃないか、ということで「イナズマン」
にしようかと思うのですが。
655 :
名無しX:02/08/19 22:14 ID:+3WWui9Q
>ナナシマン様
自分は全然Okです。BSの100%新垣見ながら
「そういえば新垣だけ役がついてないなぁ。」と思っていたところでした。
ぜひやってください。
それでは更新します。
656 :
名無しX:02/08/19 22:16 ID:+3WWui9Q
(5)
「ダメだぁ〜見つからないよ〜」
「これだけ探しても見つからないなんて、あさみさん一体何処に行ってしまったんですか。」
なつみと愛はあさみを探して散々走り回ったが手がかりひとつ見つけることは出来なかった。
「仕方ない。こうなったら『加護生化学研究所』に行ってあさみを待つ他ないよ。」
「そうですね、もしかしたらもう先に向かっているのかもしれませんね。」
──── 数時間後『加護生化学研究所』
「お腹がすいたのれす。」
「またかいな〜。なんであんた改造人間やのにそんなにお腹減んねん。」
「そんなの知らないのれす。ののを作った加護博士に聞いて欲しいのれす。」
今日も今日とて繰り返される中澤家(?)の日常。
「仕方ないよ。この子今が食べ盛りなんだし。よし、じゃあ圭織が8段アイス
でもご馳走してあげようか。」
「本当れすか!わーい。やっぱりいいらさんは話がわかるのれす。どっかのおばちゃん
とはえらい違いなのれす。」
「誰がおばちゃんやねん!圭織あんまりこの子を甘やかせんといてや。」
「たまにはいいじゃない。それに今日は他の皆が居なくて退屈なんでしょ。」
「しゃーないなぁ。」
「わーい。8段アイスだいすっきなのれす。」
657 :
名無しX:02/08/19 22:18 ID:+3WWui9Q
今日の『加護生化学研究所』には中澤、飯田そして辻希美の3人しか居ない。
他のメンバーはそれぞれパトロールやアルバイトに出かけて留守のようだ。
「じゃあ裕ちゃん、ちょっとアイス買いに出かけてくるね。」
「行ってくるのれす。」
「車に気をつけるんやで〜」
上機嫌で出かける飯田と辻。
手を繋いで歩く二人の後姿はまるで本当の姉妹のようだと中澤は思った。
こんな穏やかな日常がいつまでも続いてくれればどんなにか幸せだろう。
しかしその幸せな後姿を見つめていたのは中澤だけではなかった・・・・。
658 :
名無しX:02/08/19 22:20 ID:+3WWui9Q
(6)
『加護生化学研究所』から目と鼻の先にある児童公園のブランコに座り飯田と辻は
アイスを食べていた。
「もぅ、辻ったら。なんでお家に帰るまで我慢できないのよ。祐ちゃん待ってるよ。」
「そんなにちんたらしてたら8段アイスが溶けてしまうのれす。
それにアイスは外で食べたほうがずっとおいしいのれす。」
「まあ、それはそうだけどね。」
児童公園には辻達の他には砂場で遊ぶ幼い子供とそれを見守る母親だけしかいない。
小学生達はまだ学校に行っている時間なのだろう。
辻と飯田はその親子を優しい目で見つめていた。
「優しそうなお母さんれすね。」
「そうね。・・・・辻のお父さんお母さんも優しかった?」
「宿題やれだの早く寝ろだのうるさかったのれす。・・・でも美味しい餃子作ってくれたり
・・・・とっても優しかったのれす。」
「・・・そう。」
659 :
名無しX:02/08/19 22:22 ID:+3WWui9Q
二人ともそれ以上は何も言わなかった。
『仮面ライダー』になってしまった者にとってそれは胸の一番深いところに
しまっておかなければならない気持ちだとまだ幼くみえる辻ですら認識しているのだ。
それは・・・とても寂しい事だった。とても悲しい事だった。
その親子に一人の少女が近づいてきて何か一言二言話しかけたように見えた。
その途端顔色の変わった親子は公園からそそくさと出て行った。
「?どうしたんれすかね?」
「あれ、あの娘こっちに来るみたいよ。」
茶色の髪をふたつに束ね、胸のポケットに赤い花を挿した小柄な少女が開口一番二人にこう尋ねた。
「あなた達がライダーののなの?」
660 :
名無しX:02/08/19 22:25 ID:+3WWui9Q
「!!あ、あなた・・なぜそれを・・」
「違うのれす。ののはののだけでいいらさんはスーパー1なのれす。」
「ば、バカ!辻何言ってるのよ。」
「スーパー1・・・それは好都合だわ。あなた達に聞きたい事があるの。」
「なんれすか?」
「バカ!辻。こいつが何者かも解らないのよ。」
「ライダーのの。あなた『クモ男』って知ってる?」
「『クモ男』れすか?・・・え〜っと、あぁ、ののがやっつけた怪人れすね。」
質問をする少女の顔が見る見るうちに真っ赤になっていく。
「やっぱり・・本当なんだ・・その『クモ男』・・何か言ってなかった?
・・・例えば・・・誰かの名前とか・・・」
少女の声は明らかに震えている。
661 :
名無しX:02/08/19 22:26 ID:+3WWui9Q
辻希美は決して記憶力の良いほうではない。いやむしろ悪い部類に入るといっても良いだろう。
しかし『クモ男』が最後に発したその言葉は明確に覚えていた。
それほど鮮烈な出来事であり辻にとっても重たい言葉だったのだ。
「・・・あさみ、父さん先に逝くよ、ごめんな。・・・・れすか。」
その辻の言葉を聴いた途端少女は弾かれたかのようにすばやく後ろに飛び
二人との距離を空けた。
「やっぱり!みんな本当だったのね。リンネを殺したのもスーパー1、あなたなのね!
許さない。おまえら絶対許さない。」
「リンネ?あ、あなた一体誰なの?」
飯田は少女の予想もしなかった言葉にわけも解らず言葉を失った。
『リンネ』それは自分の命と引き換えに飯田を救ってくれた『E&S』のスタッフであり
飯田の親友の名だった。
「私はあさみ。あなた達は私のお父さんと親友を殺した。私から何もかも奪ったのよ。」
662 :
名無しX:02/08/19 22:28 ID:+3WWui9Q
本日終了です。あと2回くらいで終わります。
663 :
名無しX:02/08/20 23:23 ID:o7fBdAx4
(7)
あさみがドクターケイトから聞かされた衝撃的な事実にはもうひとつ続きがあった。
『E&S』を襲ったゼティマの改造人間『スーパー1』があさみの親友リンネの命を
奪ったというのだ。もちろんそれはケイトの作り話であり事実無根である。
しかしケイトの言葉に疑心暗鬼だったあさみは辻が発した父の最期の言葉を聞き
すべてが事実と思い込んでしまっていた。
「あさみ?・・お父さん?・・それじゃもしかしてあの・・あさみさんれすか。」
「親友?リンネの?私が殺した?」
『クモ男』が元人間だったと知った時の辻のショックはとてつもなく大きなものだった。
その『クモ男』の娘だという少女が現れたのだ。脳改造されていたとはいえ
少女の父親を殺したのはまぎれもなく辻である。
辻の動揺は計り知れず、8段アイスがいつの間にか地面に落ちてしまっている事にすら
気づいていないようだった。
飯田は飯田であさみの言葉に大混乱を起こしていた。
リンネは飯田を庇って死んでいったのだ。飯田が殺したと言えなくもない。
その想いが咄嗟の反論を出来なくしていた。
664 :
名無しX:02/08/20 23:25 ID:o7fBdAx4
怒りに我を忘れたあさみは胸のポケットに挿してある赤い花に手をかけた。
それはドクターケイトに託された復讐の必殺兵器『毒の花』だったのだ。
「お父さん、リンネ、仇は討つよ。」
あさみは手にした赤い花を辻と飯田に向け放り投げた。
すると見る見るうちに赤い花は巨大化し工事現場のパイロン並の大きさになり
妖しい色の花粉を放出しだした。
「うっ、こ、これは・・」
「苦しいのれす。」
その『毒の花』の威力は以前あさみが嗅いだ毒の比ではなく
改造人間である辻と飯田をも動けなくし、いずれは死に至らしめる程の猛毒であった。
もんどりうって倒れる辻と飯田。
665 :
名無しX:02/08/20 23:26 ID:o7fBdAx4
「なんや!どないしたんや!のの、圭織」
公園の入り口から中澤が二人に向かって駆け寄ってくる。
どうやら帰りの遅い二人を探しに来たようだ。
そして中澤の傍らには安倍と高橋。
「あさみ!あんた何やってるべさ。」
「あさみさん」
「なっち、愛ちゃん。私やったよ、お父さんとリンネの仇を討ったんだ。」
「何言ってるの、あさみ。その人たちは敵じゃない。私達と同じでゼティマと戦ってるんだよ」
「さっき中澤さんから聞きました。皆良い人たちですよ。」
安倍と高橋が『加護生化学研究所』に着いたのは辻と飯田が買い物に出たすぐ後だった。
それから二人は中澤に今までの経緯を話し、中澤からも話を聞いた。
そしてあさみが『加護生化学研究所』にたどり着くのを待っていたのだ。
666 :
名無しX:02/08/20 23:28 ID:o7fBdAx4
「そ、そんなバカな・・だってこいつらはお父さんを・・・『クモ男』だった
お父さんを殺したって・・・。」
「『クモ男』?あさみ?・・そうか、そういう事か」
瀕死の辻を抱き寄せながら中澤は全てを悟った。
「あさみさん、あれは仕方なかったんや『クモ男』・・あんたのお父さんは
脳改造されとった。殺らなきゃこっちが殺られとった、意識を取り戻したのは
辻に倒された最後の瞬間だけや。」
「そ、そんな・・わ、私まさか・・とんでもない事を・・・」
あさみは真っ青になり腰から下が砕けたかのようにへたり込んでしまった。
「あさみ、そんな話一体誰から聞いたべさ。」
作者の皆さんお疲れ様です&楽しませていただいてます。
最近オリジナルな展開に入って、どんどん面白くなってますね。
名無しXさん続き頑張ってください。
>ナナシマンさん
前に新垣をG−3で使いたいと書いたのですが、番外編とはいえ
G−3は使われたのでちょっと迷ってました。
なので書かれるのでしたらどうぞ。
ちなみに北条=里田で、「あかつき号」のコネでG−3になったと
嫌味を言われる展開を考えてました(w
新垣でイナズマンですか。眉毛とあの触覚が似てるかも。
>名無しXさん
>名無しさん@キカイダーさん
せっかくお伺いを立てたところではあったのですが、@キカイダーさんの
書き込みをすっかり忘れていました。(申し訳ありません!)ご予定通り
新垣を起用してくださって結構ですよ。以前順番を割り込んだ上に今度は
メンバーまで横取りしたとあってはあまりにも・・・。それに今後の話の
広がりがさらに出てきそうですから、ここは@キカイダーさんに是非。
669 :
名無しX:02/08/21 21:54 ID:e3joA7dg
(8)
「フフフ・・どうやらばれてしまった様だね。私だよ、その小娘に素敵な情報を
与えてやったのは。加護博士を殺して研究所を乗っ取ったゼティマの改造人間が
父親と親友を殺した仇だとね。」
公園の雑木林の影からドクターケイトがその禍々しい姿を現した。
「こうも簡単に騙されてくれるとはねぇ。小娘が二人殺ってくれたから私が
お前達を殺せば大首領様も大喜びなさる。これでジェネラルシャドウなんか目じゃないね。
それじゃあ、お前達まとめて死んでもらうよ。やっておしまい!」
ドクターケイトの掛け声と共に安倍たちはデルザー戦闘員達に取り囲まれてしまった。
「くっ、なんて卑怯な奴。こんな時に変身できないなんて悔しいべさ。」
「私があのボスをやります。安倍さんは皆を守ってください! セタップ!」
高橋は掛け声と共に変身し天高く舞い上がり取り囲まれていた輪から飛び出した。
「頼むよ高橋ちゃん。あさみ、あんたも座ってないで戦うべさ。あんな奴に好きにさせておいて
いいの?」
670 :
名無しX:02/08/21 21:55 ID:e3joA7dg
次々と襲い掛かってくる戦闘員。瀕死の辻と飯田、普通の人間である中澤を守りながら
戦うのは変身できない安倍にとってかなりキツイ仕事になっていた。
しかしあさみはいまだ座り込んだまま震えている。
一方仮面ライダーX高橋愛も明らかに苦戦していた。
振り下ろすライドルスティックはことごとく避けられ、
逆にケイトの持つ杖の攻撃にダメージを受けていた。
「フン、お前がXか。攻撃が甘いねぇ、それで私を倒そうなんて10年早いんだよ。」
ドクターケイトは全てが幹部で構成されているというデルザー軍団の一角である。
まだ改造人間としての戦闘経験の浅い愛には少々荷が重い相手かもしれない。
「仮面ライダーが苦戦しているのれす・・・くっ、ののも戦いたいのれす。」
「圭織だって・・。」
「二人とも立つ事すらできないやないか、くそー何でこんな時に皆おらんねん。」
「まずいべさ、なっちももう限界かも・・」
671 :
名無しX:02/08/21 21:57 ID:e3joA7dg
「うわっ。」
とうとう防戦一方になっていた愛にケイトの攻撃が直撃した。
「くっ・・、あんたなんかに負けんでの」
「いまさら強がりかいX。そろそろとどめを刺してあげようかね。」
今やXは地面に仰向けに倒れ絶体絶命の様相を呈していた。
「死ね!X」
ケイトの最後の一撃が振り下ろされようとした正にその時。
「ぐっ。」
ケイトの頭部に衝撃が走った。
「なんだ?」
よろけるケイトの眼前に朱色に黒い水玉模様の体、
同色のヘルメットに黒いマスクの戦士が立ちはだかった。
672 :
名無しX:02/08/21 22:00 ID:e3joA7dg
「今のはお前のキックか?タックル。そんな攻撃力でよく私の前に出れたものだな。」
「あさみさん、ダメ!こいつ強いです。」
愛がタックルに向かって声を張り上げる。
「愛ちゃん、私がこんな奴に騙されたばかりに・・ごめんね。」
「あさみ・・・さん?」
なんだろう、いつものあさみと違うような気がする。愛はなつみの方に目をやった。
戦いながらも愛の視線を感じたなつみがあさみの様子に気がついた。
「あさみ、何をする気!」
「なっち、ごめんね。ずっと一緒に居ようって約束・・守れなかったよ。」
「何を言ってるべさ、あさみ!」
673 :
名無しX:02/08/21 22:03 ID:e3joA7dg
あさみは倒れている辻と飯田、そして中澤に目をやり
「ごめんなさい、皆さん。皆さんは決して死なせたりしません。
だから、なっちと愛ちゃんの事・・よろしくお願いします。」
「なんや?あの娘・・何かするんか?」
「あさみさん。ダメれす、何か解らないけど、やっちゃダメなのれす。」
「あなたリンネの親友なんでしょ?圭織もそうだよ。
だからあなたと圭織も友達だよ。これから仲良くしたいのよ。」
希美と圭織は何かを感じているようだった。
あさみの醸し出す『決意』のオーラだろうか。
674 :
名無しX:02/08/21 22:04 ID:e3joA7dg
あさみは希美と圭織に微かな微笑みを返したかと思うとケイトの
胸座に掴みかかった。
『ウルトラサイクロン!』
「ウルトラサイ・・・・!!ダメ────────────────っ!」
なつみがこの世の物とは思えない叫びをあげた。
なつみは知っていた。それはタックルの最強必殺技。
そして自分の命と引き換えにしか発動できない捨て身の最終技でもあるのだ。
タックルとケイトの存在する空間が一瞬次元の狭間に落ちてしまったかのように
空気を震わせ歪んだ。
「ば、馬鹿な・・この私が・・」
その瞬間にドクターケイトの赤い体は木っ端微塵になっていた。
675 :
名無しX:02/08/21 22:06 ID:e3joA7dg
「あ、あさみっ」
安倍が変身が解けて木村麻美に戻ったあさみに駆け寄り、倒れた体を抱き起こした。
愛も変身を解いて駆け寄ってくる。
「あさみさん!」
「あさみ、しっかりして」
愛となつみの悲痛な呼び声にほんの一瞬微笑み返したあさみの顔は、
そのままなつみの手のひらにもたれかかり、明らかに生者のそれではない重さを
なつみの二の腕に与えた。
「あ、あ、あさみぃぃぃぃぃ」
「あさみさぁぁぁぁん」
「しょんな・・・・」
「こんなの・・ないよ・・・」
中澤の肩にもたれかかり立ち上がった辻と飯田は泣き叫ぶなつみと愛の傍に寄る事も
できずただ立ち尽くす事しか出来なかった。
676 :
名無しX:02/08/21 22:07 ID:e3joA7dg
電波人間タックル木村麻美は逝った。
盟友安倍なつみの腕の中で。
最後の言葉も残さないまま。
静かな児童公園にはなつみと愛の心の底からの叫びが只響き渡っていた。
「ふん、あれだけの策を授けてやったというのに仕留めたのはタックル一人か。
奴らの数を減らさせてからケイトも始末するつもりだったがこれでは話にならんな。」
公園の物陰から一部始終を見ていた冷たい目をした男は
はき捨てるようにつぶやくとその場をあとにした。
677 :
名無しX:02/08/21 22:08 ID:e3joA7dg
〜エピローグ〜
静かな波が立つ、海が見渡せる高台になつみと愛を含めた中澤一家の面々が
各々手に花束を抱え訪れていた。
「あさみ、皆来てくれたよ。なっちも高橋ちゃんも元気にやってるよ。
腕の傷も皆が直してくれたんだよ。」
「あさみさん。あさみさんがもういないなんて信じられんけど約束どおり私もがんばっとるよ。」
なつみと愛が手を合す先にはあさみの眠る小さなお墓があった。
自然が大好きだったあさみが喜ぶようにと
海が見え花が咲き乱れるこの場所にお墓を立てたのだ。
「あさみしゃん、ほんのちょっとしか出会えなかったけど、ののにはあさみしゃんが
とっても優しい人だって解っているのれす。
だってあの公園にいた親子に被害がない様に逃がしてから、のの達に話しかけてきたのれす。」
「圭織もそう思うよ。ケイトに騙されて冷静じゃなかったのに親子を
逃がす事を忘れなかった。さすがリンネの親友だけあるよね。」
辻と飯田が手を合わせると他の皆もお墓を取り囲むように静かに手を合わせた。
678 :
名無しX:02/08/21 22:10 ID:e3joA7dg
「あさみ、ここに居る全員があの温泉でのあさみと同じ気持ちだよ。
必ずゼティマを倒してみせる。だから・・・その日まではもう此処には来ない。
たった今そう決めたんだ。
次来る時は悲しみのない世界をお土産に持ってくるから勘弁してね、あさみ。」
『なっちはいつも行き当たりばったりなんだから。でもお土産楽しみにしてるよ皆。』
「え?、あさみ?・・・・まさかね・・風の音だべか。」
「風の音やよ。」
「風の音れすか」
「風の音ね」
皆に聞こえた風の音は耳ではなく心に聞こえた風の音だったのかもしれない。
激しくなる戦いに負けないようにと、皆の心に聞こえた風の悪戯。
それは全員の心に新たなる決意を生むに十分な力を携えていた。
第23話『さらばタックル』完
679 :
名無しX:02/08/21 22:18 ID:e3joA7dg
終了です。
いろいろ考えたんですがやっぱりタックルにはウルトラサイクロン
が必須かと思い、こうしてしまいました。
あさみはお気に入りキャラだったので身を切る想いでしたが・・・。
(自分が作ったキャラじゃないんですけどね)
これで過去ログで張ってもらったあさみ絡みの伏線は使い切ったと思います。
それでは誰になるか解りませんが次の作者さん、よろしくお願いします。
680 :
保全:02/08/21 22:55 ID:5cM819At
。・゚・(ノД`)・゚・。うえぇぇん あさみが死んじゃったよー
すごくえかった、でもさびしいお話だね(´・ω・`)ショボ
やっぱりタックルは、こうなってしまうのね・・
名無しXさんお疲れ様でした。
さらばタックル!
>名無しXさん
完結お疲れ様でした。
タックルの死はリアルタイムで見ていてすごくショックでした(年がばれますね)
あさみがいなくなるのは残念ですが、次回の作品も楽しみにしています。
>ナナシマンさん
残念ながら、今こちらの話を書けそうにありません。
このまま新垣が出てこないというのもかわいそうなので、ぜひ使ってあげてください。
完成を楽しみに待ってます。
684 :
保全:02/08/22 23:27 ID:iPKcshVO
保全
>名無しX氏
力作オツカレさまです。
しかし、ドクターケイトの死で○○参謀の弱点が無くなってしまいましたね(W
個人的に敵秘密組織で1番のお気に入りなのは
『デルザー軍団』なので、今後登場があれば
○○参謀VSカオリスーパー1(パワーハンドVer)のパワー対決
○○○師団長VS紺野スカイライダーの空中戦対決
等の夢の対決が実現してもらいたいもんです。
ところで誰か『ウチのデッドライオン知りませんか?』
686 :
名無しX:02/08/24 02:54 ID:mb9WqRmq
レスありがとうございます。
>680 681 名無しんじー様
書きながら自分も悲しかったです。何度も死なすのやめようかと
思いましたがなぜか筆が止まらなかったので自分的にはこれでよかった
のだろうと今は思ってます。
>@キカイダーさま
うっ、年齢近いかも・・
>685様
なぜ伏字?○○参謀。
このスレで初めて文章書いたんですが書いてみるとなかなか
面白いものですね。
ROMの人も1度書いてみると結構楽しいですよ。
感想もらえると嬉しいし。
687 :
保全:02/08/24 21:14 ID:vOvnRs7r
名無し坊さんG4のDC版が読みたいとかのたまってみるテスト
688 :
保全:02/08/25 21:05 ID:PL3hOoNO
保全が必要になった「ホゼンベント」
689 :
なちまりぶりんこ ◆TrAbeiGE :02/08/26 23:10 ID:/aZUnX38
690 :
保全:02/08/27 22:25 ID:wqfNWbqn
次作者カム!!
いんたーみっしょん3
「悲しき運命」
物語から遡る事数年、ここは、とある牧場の一角
「りんね! 聞いたよ、アメリカ、行けるんだって?おめでとう。」
「ありがとう。夢の実現に一歩近づきました。
これも、あさみがずっと応援してくれたおかげだよ。」
「何言ってるの、りんねの実力だよ。宇宙開発かぁー。すごいなー」
りんねに国際宇宙開発研究所から採用通知が来たのは三日前の事である。
その、りんねを一番応援していたのが親友のあさみだった。
「アメリカに行ったら何をするの?」
「うん、まだ解らないんだ。でも、宇宙開発は夢だったから何でもやるよ。
命だって賭けちゃうかもしれない。」
「あははは、りんねらしいや、でも寂しくなるな・・・あっ、ごめん。」
「ううん、いいよ。私だって寂しいのは一緒だし。でもね、プロジェクトだって
何十年もかかる訳じゃないしさ、いつでも会えるよ。」
「そうだね、永遠のお別れじゃないもんね。あっ、もう時間だ。
それじゃ、見送りには行けるか解らないけど頑張って・・」
そう言うとあさみは右手を差し出した。りんねもそれに応える。
二人は、固い握手を交わした。
「あさみも元気でね。あさみの夢応援してるよ。」
「うん、ありがとう。私も頑張る。りんねに負けてられないからね。
それじゃバイバイ。
「うん、バイバイ。」
りんねの夢は宇宙開発、あさみの夢は・・何だったのだろう?
この時の二人は夢に燃えていた。
数年後自分たちに訪れる運命など知るはずもなかった・・・
すいません。また間に書いてしまいました。
一応修行した結果です。
もしよろしければ、皆さんの後に、バイクロッサー編行きたいのですが
よろしいでしょうか?
現在までの流れ
仮面ライダー1号 辻
仮面ライダー2号 加護
仮面ライダーV3 矢口
ライダーマン ミカ
仮面ライダーX 高橋
仮面ライダーアマゾン 保田
仮面ライダーストロンガー 安倍
スカイライダー 紺野
仮面ライダースーパー1 飯田
仮面ライダーZX 小川
仮面ライダーG3 新垣
電波人間タックル あさみ8死亡)
キカイダー 吉澤
ビジンダー 石川
ハカイダー 後藤
快傑ズバット 市井
ハチ女 →石川
697 :
名無し:02/08/29 21:19 ID:XoC05sWr
>694
誰も行かないみたいだから書いちゃえ書いちゃえ
699 :
保全:02/08/31 14:23 ID:TH1YzVOV
次作者カム
>>名無し1号さん
感じたのは良いところで終わるなぁ、という良い意味での「寸止め感」(w
ですね。ZXの秘めた力、そして何よりその正体。今回の話を一言で集約する
と「気になる」という言葉に尽きると思います。また、読み手にこの言葉を
引き出せるのはすごいな、と思ったりもしています。ところで続きの方の
ご予定はどうですか?楽しみです。
>>名無しっぺさん
今回の話はこのスレにおいて、おそらく今後重要な意味を持つ話だ思います。
作者としては意外なキラーパスにびっくり、という気持ちもなくは無かったの
ですが(w、複数の世界を集約した本スレに一つの指針ができた瞬間だと思い
ました。
テレビシリーズではそれこそ敵の幹部がライダーの本拠地に電話をかけてきた
り、あるいは開店祝いの花輪を送ってきたりした事だってありましたよね。これ
にはテレビの前で「アジト知ってるんなら乗り込めよ」と幼心につっこんだこと
があります。この疑問に対して、名無しっぺさんの話は一つの回答の役割を
果たしたのでは、と僕は思ったりしてます。
>>白い名無し娘。さん
お疲れさまでした。正直忘れてた要素、例えば溶液を交換しないと機能が
停止するとか、バイクの名前は「白いカラス」とかいろいろ思い出させて
いただきました。それと、戦闘シーンが濃いんですね。僕などはともすれば
「殴った、蹴った、ドカーン!」で片づいてしまうほどあっさりしてるところ
があるだけに、参考になりますよ。
マキがその生来の目的たる「打倒キカイダー」以外に「戦闘に対する欲求」
みたいなものを持っているとすれば、そこからの展開もまた広がること
でしょう。加えて、ハカイダーが二人、という要素が今後白い名無し娘。さん
や、他の作者さんの手によってどのように展開されていくのか、とても気に
なるところです。
連続カキコですいません。
>>名無しXさん
お疲れさまでした。温泉の話と合わせて読むと、一段と緩急の妙を感じます。
ついにチーム合流だ!と喜ぶのもつかの間、やはりタックルゆえにコレは
避けられない運命なんですね・・・。
>>681さんの「よかったけど寂しいお話」
っていうのは僕も同じ気持ちです。僕もいずれは今回の名無しXさんのような話
を書くことになろうかと思いますが、テレビシリーズではタックルと違って
ライダーマンは後から生還して出てきますから、また違った形になるのかも
しれません。
>>名無しんじーさん
台本書き形式のネタってこれまでにもたくさんありましたから、これはこれで
ありなアプローチだと僕は思ってます。それ以上に貴っちゃんの存在を思い出させ
ていただいた事実が意外なくらい大きいというか・・・。T&Cはどこかで使う
事もあるのかな、と思っていただけに良いヒントを頂いた気がします。カントリー
の話も良いタイミングと言うか。次回のバイクロッサーも待ってます。
>>685さん
僕もデルザー軍団は好きでして、その中でも好きなのが○○参謀と○○団長、
あと○○ー○大元帥だったりします。
そう言えば、最近「東映特撮主題歌大全集2」を購入しました。小さいときは
それほど気にもとめなかった主題歌のバリエーションなどを再発見。そう言えば
ストロンガーのエンディング、初期のヤツはどう考えても歌ってるのは士門真人
なのに、テロップは「水木一郎」と出てました。水木版も当然収録されていました
が、こんなイージーミスがあるものなんですね。
702 :
サタラクラ:02/08/31 23:10 ID:Xdg6fled
ボキがゼティマの新幹部だよー。よろぴくねー。だはは。
703 :
↑:02/09/01 22:44 ID:oOAKZ4L/
ライダー関係の幹部?
ううん。忍風戦隊ハリケンジャーの敵幹部。
王蛇は、炉利らすぃ〜い。(w
706 :
703:02/09/02 22:54 ID:tcH/lxPb
>>704 サンクス
最近の戦隊物はさっぱりわからん
『はやくまた一つになるべさ! そうすれば、石黒彩の脱退を助ける事が出来るべさ!!』
「もう騙されないべさ・・・彩っぺは、自分から脱退する道を選んだんだ。
それが彩っぺの選んだ選択なんだべ!!」
「ファイナルベント」
『ファイナルベント』
「ハアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
走り出す龍騎を見送る真希。
そして龍騎とリュウガの正面からのライダーキックが、大爆発を起こす。
「死ぬんじゃないべ・・・ごっちん」
「・・・・・うん」
「変身だべ!」
「んぁ・・変身!」
誕生する龍騎サバイブ、ナイトサバイブ。
仮面娘。龍騎 『EPISODE FINAL』
オチルノ(・д・)イクナイ
逆転チェスト
age
戦え。
どなたも行かれない様なので行かせていただきます。
「バイクロッサー登場」
ここは、「加護生化学研究所」から車で数十分の静かな住宅街
その中に今日オープンしたばかりのインテリアショップがある。
店の前には二人の人物の姿があった。
「ついに始まりだね、雅恵。今日からがんばるよ。」
「がんばろう。でも、めぐみの腕にお店の運命がかかってるんだからね。」
『インテリアショップペガサス』看板にはそう書いてあった。
この店は前にもここにあった。
今から十数年前、めぐみと雅恵の父親二人が共同でこの店をやっていのだ。
あの事件があるまで・・・
当時二人はまだ小学生。学校の帰りだった。
二人の前に、一台の車が止まった。
「めぐみちゃん、雅恵ちゃん、大変だよ。お家が火事で・・・
二人とも、車に早く乗って。」
それは、近所のおばさんだった。二人が車に乗って着いた先は病院。
二人の両親は火事で火傷を負って重体と知らされた。
それから数日後、四人は帰らぬ人になってしまった。
その後、二人は施設に預けられ現在に至る。
「雅恵だって、しっかりしてよ。私たちの夢、そして家族の夢なんだから。」
そう言うと二人は店の中に入っていった。
開店後のお店は一応順調だった。
昔の友達や近所の人もお祝いに来てくれた。
二人が一番嬉しかったのは、あの時迎えに来てくれた大山田のおばさんが
来てくれた事だった。施設に入ってからも事あるごとに尋ねて来て
励ましてくれたのもこの人だった。
三人で昔話をしながら夕食をとりおばさんは帰って行った。
そしてその夜中、二人は運命の時を迎えるのである。
二人は次の日の準備をしていた。このお店での二人の役割は
めぐみは、得意の工作でオリジナル家具などの製作、修理
雅恵は、趣味のパソコンで経理や仕入れなどを担当してた。
それぞれが、明日の仕度を終え眠りに就こうとしていた時だった。
(ペガサスの心を持つ者よ、聞こえているか・・)
「えっ、なんか言った?」
「雅恵も聞こえた?何だろう?」
(私は海蛇座第V星団の守護神ペガサス・・私はお前達の様な人間を探していた)
「どっから聞こえるの?この声・・」
(よく聞け、今地球は悪の手により危機に晒されようとしている・・
私はそれを救える人間を探していたのだ・・お前達はペガサスの
心を持つ人間、お前達に私の力を授けよう。)
「なんなのこれ?ちょっと誰だか知らないけど偉そうじゃない。」
「雅恵!まって、最後まで聞いてみようよ。」
(ペガサスの心を持つ者よ、 お前達にバイクロッサーの力を与える。
村田めぐみ、お前はバイクロッサーメグミの力を
大谷雅恵、お前はバイクロッサーマサエの力を与えよう・・
お前達の父親が残したタンスの中の超空間をくぐれば変身できる
バイクロッサーの超能力で地球の危機を救うのだ・・
行け、バイクロッサーよ・・)
「・・・・なんだったの今の・・超能力?変身?・・ねぇ、めぐみー。」
雅恵はめぐみを見た。めぐみは形見のタンスを覗いていた。
「・・雅恵・・見て・・」
タンスの中は不思議な空間につながっていた。
しばらく考えた二人。
「本当にやるの?」
雅恵は、めぐみに聞いた。
「やろうよ、おもしろそうじゃない。」
「本当に?・・うん、でもやってみるか。」
軽い乗りで、二人はバイクロッサーになる事にした。
バイクロッサー誕生の瞬間である。
とりあえず今日はここまでです。
できるだけ早く終わりにしますのでお付き合い下さい。
よろしくです。
719 :
名無しX:02/09/06 00:02 ID:WiWqbXHD
お、始まりましたね。
バイクロッサーは元ネタ知らないけど
楽しみにしてますのでがんばって下さい。
720 :
保全:02/09/06 00:03 ID:RGwro17/
キタ━━━川 `〜` )||●´ー`) `.∀´)〜^◇^) ´ Д `)O^〜^) ^▽^) ‘д‘) ´D`) ’ー’川 `▽´∬o・-・)ё)━━━!!!!!!!!!!!!
次の日、二人は起きると同時に例のタンスを見た。
「やっぱり、夢じゃなかったんだ。」
「やっぱりって、おもしろそうだって自分で言ったんでしょう。」
「雅恵だって、やるって言ったじゃん。でも『悪』って何だろう?」
「悪か・・。それよりこのタンスいいの?このままで。唯一の形見でしょう。」
「確かに!どっかの山で見つけてきた怪しい像とか色々あったけど、これだけ
だもんね。残ったの。まー壊れた訳じゃないしOKでしょう。」
とりあえず、二人は仕事を始める事にした。それから何事もなく数日が過ぎた
ある日、雅恵は何かの気配を感じた。
「何?泣き声?何処?この辺じゃない。解る・・めぐみ!」
「私にも解るよ、行こう、雅恵!」
二人は、急いで店を閉めると、タンスの中に飛び込んだ。
その頃、とある公園では子供達が泣いていた。
何やら黒ずくめの男達と鬼の様な姿をしたロボットみたいな怪人が子供たちを
追いまわしていたのである。
「さぁー、泣け泣け、もっと泣くのだ。おい、ブラックマンしっかり
泣き声を集めろよ。」
どうやら怪人達は子供の泣き声を集めているらしい。しかし・・
「やめなさい。ここまでよ。」
「む、何だお前達は?このオニガン様とやる気か?」
怪人が見据えた先には紅いスーツの戦士と青いスーツの戦士が立っていた。
この二人こそ、めぐみと雅恵の変身後の姿であった。
「バイクロッサーメグミ!」「バイクロッサーマサエ!」
二人はそう叫ぶと怪人達に向かっていった。
「えーい、ブラックマンやれ!」
怪人はブラックマンと呼ばれる黒ずくめの男達に命令する。
「お前達だな、地球を荒らす悪は・・」
メグミはオニガンと言っていた怪人にそう言った。
「我々が悪かだと?マヌケな質問だな。そうだ、我々『デスター』こそが
地球を支配するのだ。邪魔はさせんぞ。」
「デスター・・子供をいじめるだけのせこい連中に何ができるの?」
「ふん、お前達は知るまい。この泣き声をゴーラの像に聞かせると
どうなるか。ふははは、死ね!」
オニガンとメグミの戦いが始まった。
「くらえ!」
オニガンは手に持つバズーカ砲を撃った。メグミは素早く避ける。
それを何度か繰り返すとメグミは腰に手を伸ばした。
「バスタークロス」
メグミは手にした銃をオニガンに放った。バスタークロスの光線はオニガン
に見事命中!
「やるじゃん!」
マサエは手にした武器スリングクラッシャーでブラックマンを倒しながら
言った。
「これで最後!どうだー!」
マサエは最後のブラックマンを倒すと、メグミの援護に向かった。
「おのれー!ちょこまかと、これならどうだー!」
オニガンは頭の角から光線をだした。光線は二人を襲った。
「今のはヤバイよ。どうするメグミ?」
「そうだね、連携プレイで行かないと駄目みたいだね。」
「じゃあ、私が囮になるからメグミお願いね。」
「解った。まかせて!」
「ふん、何をこそこそやっている?そらっトドメだ」
オニガンはまた光線を放った。しかし二人は素早く避ける。
そしてマサエはオニガンに向かっていった。
「ほらほら、こっちだよ。えいっ。」
マサエはスリングクラッシャーを放つ。
「おのれ、まずはお前からだ。死ねー!」
オニガンがマサエに向かって光線を放とうとした瞬間!
「今だ!クロスブレード」
メグミは一瞬の隙をついて手にした剣でオニガンに切りかかった。
「ぐっ、しまった。」
オニガンはその場に倒れた。
「よし、とどめだ。マサエクロン!」
マサエにはマサエクロン、メグミにはメグミローダー、それぞれの
専用マシーンがある。マサエはマシンに乗ると飛び上がった。
「おのれー、まだまだ−。」
オニガンは立ち上がる。しかし前にはメグミがたっている。そして・・
メグミは、飛び上がったマサエをマシンごと担いだ。
「ブレイザーカノン!」
ブレイザーカノンは、マサエクロンから放つバイクロッサーの必殺技!
「ぐああああー!」
ブレイザーカノンの直撃を受けたオニガンは爆発した。
「終わったね。」
めぐみは言った。
「デスター・・奴らがペガサスの言っていた『悪』なのかな?」
「たぶんそうだね。これから大変だ。あっそうだ。ねえ雅恵。」
「何?」
「あいつら、ゴーラの像って言ってたよね?あれって昔家にあったやつかな?」
「おお、そう言えばそんなのあったね。山の中でお父さんが見つけたやつ。」
「そう、それあの火事でなくなちゃって・・まさか・・!」
「まさかって、あの火事がやつらの仕業だってんじゃないでしょうね。」
「うん、ちがうかな?」
「・・・解らない、まー、やつらを倒せば解るよ。」
ゴーラの像とは何か?あの火事との関係は?
そして、謎の組織デスターとは?
いんたーみっしょん1を見た方には設定がバレバレであるが
彼女達の戦いは続く!
第24話『バイクロッサー登場』完!
以上で登場編は終わりです。
次は本編にからめていきたいです。
名無しX様
正直、私も元ネタほとんど記憶にありません。持っている資料で何とか
書いてみました。これからどんどん元ネタからずれて行きそうです。
729 :
名無し天狗:02/09/07 13:44 ID:mYGOiVUF
今後のキャスティング予想
*柴田あゆみ&斉藤瞳→「キョーダイン」ならぬ「シーマイン」
*新垣里沙→「イナズマン」か「ちゅうかなにいにい!」
*松浦亜弥→「仮面ライダーBLACK」転じて「〜BLACK RX」
*藤本美貴→「シャドームーン」(ファンの方ゴメン‥‥)
*前田有紀→血車党を追って江戸時代からやって来た「変身くノ一・嵐」
*アヤカ→ゼティマに捕まり蜂女に→ライダー達と戦い正気に戻る(死なない)
→辻加護達によってZO(ゼット・オー)として復活
*石井リカ→「仮面ライダーJ」
*ハロプロキッズ→「ジュニア・ライダー隊」のようなもの
といったあたりかな‥‥‥。(小説書ける程文才ないもので‥‥本当すみません‥)
730 :
名無し天狗:02/09/07 20:00 ID:T3cJ8/+Z
キカイダーチーム、ズバットに続いてバイクロッサーも登場ですか。
段々ストーリーの幅も広がってきて今後が楽しみになってきました。
>>729追加
*里田まい→「キカイダー01」(北海道某所で復活し、キカイダーや
ライダー達のピンチに駆けつける?)
>名無し天狗さん
実は、キカイダー01をちょうど里田まいにしようかとか考えてました。
先に造られてたのに後で出てくる(オーディション同時期なのに、後で出てきた)
里田まいでちょうどいいのではないかと思っていたので。
平成ライダーは登場しないの?
クウガ、アギト、龍騎とかが読みたいです。
でもそうなると収拾つかないか。
733 :
名無し天狗:02/09/08 00:04 ID:9LV3T0Mu
>名無し1号さん
前述通り、私はあくまで一読者の立場ですので余り偉そうなことは
言えず、これ位のことしか出来ないのですが・・・。
そうでしたか、里田まいのカン娘。入りの経緯は確かに仰る通りでしたね。
恥ずかしい話、そこまで深く考えていなかったもので・・・。
734 :
名無し天狗:02/09/08 13:10 ID:PQ3bhkRx
>名無し1号さん
遅れ馳せながら、Wライダー対ZX戦の今後が楽しみです。
対決の行方、そしてZX(多分小川?)が中澤軍団とどんな形で合流するのか
期待大ですね。
735 :
名無し天狗:02/09/09 20:49 ID:WgToBNk5
キィ〜〜〜ングゥ、ゼェティマァ!!保全
(二日連続の三連カキコ、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません・・・)
第25話「ライダー・・・死す」
辻希美、加護亜依こと仮面ライダーののとあいの前に立ち塞がった、ゼティマの
パーフェクトサイボーグZX・・・。
今、ダブルライダーとZXの死闘の幕が切って落とされようとしていた・・・。
「ライダーパンチ!」
ライダーののの放ったパンチがZXに向かって放たれる。しかし・・・。
「ふっ、この程度なのか?加護博士が作ったと聞いていたが・・・」
ZXはのののパンチを片手で受け止めると、そのまま宙に放り投げる。
「のの!なら、これはどうやライダーキック!」
ライダーあいが今度は空高く舞い蹴りを放つ。
「うるさい蝿め。お前達の攻撃など、私には利かない!」
今度はあいの蹴りを受け止めるとそのまま地面に叩きつける。
「がはっ・・・嘘やろ?うちらの攻撃が利かんなんて・・・」
「うぐっ・・・あいちゃん、やっぱりあいつ強いのれす・・」
地面に落ちたあいとののが吐き捨てる。
「ののとあいちゃんは・・・こんなところで負けるわけにはいかねぇのれす!」
「のの・・・今度は二人で行くで!ダブルライダーキックや!」
辻と加護は呼吸を合わせると二人同時に宙を舞う。
「これなら、どうれすか!」
「食らえや、今までの言った事全部後悔するんやな!」
二人は同時に叫び、ZXめがけて蹴りを撃つ。
「ダブルライダーキック!!」
「・・・ふっ、無駄な事を」
地上で身構えると、ZXは自分に目掛けて襲い掛かる2人の蹴りを見切ると、
2人の足を同時に受け止め、そのまま前方へと弾き返した。
「・・・しょんな、ダブルライダーキックが・・・」
「これさえ、利かへんのか?こいつには・・・」
明らかに、ダブルライダーに焦りの色が見える。
「この程度で私を倒そうなど・・・愚か者どもめ、今度はこちらの番だ」
「マイクロチェーン!」
ZXの手甲から放たれた鎖がダブルライダーを絡め取る。
「な、なんや?この鎖。くっ、ち、ちぎれへん。」
「のののパワーでも無理なのれす、あいちゃん。」
2人は身動きすらとれなくされてしまった。
「・・・2人仲良く、彼の世に行け。衝撃集中爆弾!」
膝に装備された爆弾を外すと、ZXはそれを2人に向かって投げたつけた。
739 :
名無し天狗:02/09/10 06:49 ID:hdRJXHiF
お?ヤッタ!!
名無し1号さん、Fight!!
爆弾が2人にぶつかり、激しい爆音と光を放つ。
「うぎゃーっ!」
「ひゃーっ!」
辺り一面を激しい炎と光、爆音が包む。
そして・・・爆音が止んだ時には・・・。
変身が解かれ、あちこちから煙を上げた辻と加護が転がっていた。
「ふっ・・・たわいもない。これが仮面ライダーか。」
「私の手にかかれば・・・他の奴らもこうなるのだ!」
手を握り合い、倒れる辻と加護・・・2人はぴくりとも動く事はない。
-同時刻、中沢家-
辻、加護のOシグナルが敵との遭遇を告げ、そして2人が危機に陥った時、
中沢家に戻っていたライダーや人造人間達にもそれは伝わっていた。
「!辻!どうしたの、返事して!」
飯田圭織こと、スーパー1は必死にテレパシーで交信をする。
しかし・・・辻から返事が返ってくることはない。
「!あいちゃん、聞こえる?梨華だよ、返事してよ!」
梨華ことビジンダーの声に加護が応える事も無かった・・。
その様子を見守っていた、中澤と石黒にも動揺がはしる。
「ゆうちゃん、まさか?!」
「・・・あんまり、考えたないけどな・・・何かあったとしか考えられん」
石黒の問いに、中澤は重い口を開いた。
「まさか・・・そんな」
圭が信じられないというような表情をする。
「あの2人に限って・・・そんな事はないよ・・・きっと。」
そう言いつつも、矢口の肩は震えていた。
「私が見てくるよ!Vジェットならすぐそこまで行ける!」
「私も行きます。スカイターボなら、飯田さんについて行けます!」
飯田と紺野が言う。
「待ってよ、じゃあ私だって!」
「おいらも行くよ!」
「私も!」
皆が口々に言う。
「待ち!みんな行ってもしゃないやろ!ましてや、もしもの時は・・」
「奴ら、ここと、研究所を狙ってくるんやで!あんまり考えないけど・・・」
中澤が静止する。
「ここは・・・圭織と紺野にまかそや・・・」
「圭織、紺野頼んだで。2人の事・・・」
「うん、分かった。必ず助けるよ、2人を。」
「みなさんは、中澤さんと石黒さんの事お願いします。」
そう言うと飯田と紺野はそれぞれのマシーンを呼んだ。
加護生化学研究所の地下格納庫から、Vジェットとスカイターボが発進する。
マシンが目の前まで来る。
「変身!」
「スカイ、変身!」
スーパー1とスカイライダーに変身すると2人は辻と加護のいるであろう
場所へと猛スピードで駆けて行った。
2人は走る。辻と加護の元へ。
「どうか、無事でいて・・・」
圭織ことスーパー1は祈るような気持ちでVジェットのアクセルをふかす。
「・・・きっと、大丈夫ですよね?私を助けてくれた2人だもの・・・。」
紺野も同じような気持ちでアクセルをふかす。
しかし・・・2人は次の瞬間を絶望を見る。
倒れる辻と加護、そして、そこに立つ見たこともない改造人間を見て・・・。
「辻!加護!」
「辻さん、加護さん!」
スーパー1とスカイライダーは2人に走り寄ろうとする。
しかし・・・その前に見たことのない改造人間が立ち塞がる。
「・・・スーパー1にスカイライダーか。いいところに来た。
お前たちも仮面ライダー1号、2号のように地獄に送ってやろう・・・。」
「なに?!あんたが辻と加護をこんな目に・・・」
スーパー1が叫ぶ。
「・・・許さない、あなただけは、ゆるさない!」
スカイライダーは拳を握り締めた。
「・・・2人は死んだ。お前たちも同じ運命をたどるのだ。」
「さぁ、来い。お前たちもZXの手で葬ってやろう!」
しかし、ZXには誤算があった。
2人のデータがあまりにも不足していたことだ。
「食らえ!マイクロチェーン!」
辻と加護の動きを封じたチェーンがスーパー1を襲う。
「・・・言っておくが、その鎖は改造人間の力でも断ち切る事はできない」
ZXは勝ち誇ったように言う。
「・・・それは、どうかしら?チェンジ!パワーハンド!」
スーパー1の腕が赤い力腕に変わる。
60tの重りさえはじき返すその腕がなんなく鎖を断ち切る。
「な、なに?!そんなバカな!」
「くっ!お前は後回しだ、スカイライダー死ね!衝撃集中爆弾!」
激しい爆発がスカイライダーの周りで起こる。
「危ない!セーリングジャンプ!」
スカイライダーは、重力低減装置を使うと空高く舞い、爆発から逃れる。
「・・・食らいなさい、スカイキーーック!」
「・・・ふん、そんなものお見通しだ。」
ZXはスカイキックをなんなく受け止める。しかし・・・その時!
「飯田さん、今です!」
スカイライダーこと紺野が叫ぶ。
「チェーンジ!エレキハンド!」
スーパー1の腕が青い電撃の腕へと変化する。
「エレキ光線発射!」
3億ボルトのエレキ光線がZXに襲いかかった。
「うぐわーっ!」
さしものZXもその攻撃の前に動きを止める。
・・
・・・マ・・
・・・・マコ・・
・・・・・マコ・・ト
・・・・・・マコト・・
「うっ、なんだ、なんだこの声は」
エレキ光線を受けたZXに変化が起こる。
「・・・マコト・・ヤメナサイ・・・コレイジョウハ・・・」
「・・・ツミヲ・・・カサネ・・・ナイデ・・・」
「誰だ!うぐっ、頭がーっ!」
ZXが頭を抱えて苦しみだす。
「?どうしたのあいつ。急に苦しみだしたけど・・・利いたのね、攻撃が!」
「なら、今がチャンス!」
「紺野、今よ!ライダーブレイク!」
「分かりました!スカイターボ!」
紺野の呼びかけにスカイターボがやってくる。
そして、高速走行にはいるとそのまま前輪を跳ね上げる。
「・・・食らえ!ライダーブレイク!」
そのままZXに突進する。
HRVによった起こされた衝撃がZXに叩きこまれた。
「・・・ぐっ、誤ったか。こいつらの力を・・・」
ZXは吹き飛ばされながらも立ち上がる。
「勝負はこの次に預けた。ライダー2人の首だけでも満足するとしよう。」
「来い!ヘルダイバー!」
ZXの呼びかけにバイクがやってくる。
「さらばだ、スーパー1、スカイライダー!」
そのままバイクに跨るとZXは走り去った。
「待ちなさい!」
ZXをスーパー1こと飯田が追おうとする。
「待ってください、飯田さん!それより、辻さんと加護さんを!」
「あ、そうだ!辻、加護!」
2人は辻と加護の元に走り寄る。
「しっかりして!辻!」
「加護さん!しっかりしてください。」
黒焦げに近い2人を抱きしめ揺する。
しかし・・・2人から返事はない。
胸に耳を当てる・・・しかし、人工心臓の鼓動は聞こえる事はなかった。
「辻、辻、つじーぃっ!」
絶叫に近い飯田の声が闇に轟く。
「加護さん・・・そんな・・・ううっ・・・」
辻と加護を抱きながら、俯く2人。
「どうした!どうやったんや!返事せい!2人とも!」
中澤からの無線の音が響く。
2人は辻と加護を抱えたまま、バイクに近づく。
「・・・祐ちゃん・・・辻と加護が・・・死んじゃった・・・」
力ない声で無線に応えを返す、飯田。
「!?なんやて!?そんなん・・・嘘やろ、なぁ、嘘やろ!」
中澤の声も震えていた。
「これから、連れて帰るよ・・・。研究所で待ってて・・・」
飯田は、辻をかかえるとバイクに乗る。
「辻・・・圭織にどこまでできるか分からないけど、きっと助けてあげる」
紺野も加護を抱きバイクに乗る。
「加護さん・・・今度は私が貴方を助ける番です!」
目を閉じたままの2人を乗せて、飯田と紺野のバイクは夜道を走る。
だんだんと暗闇が全てを覆っていくように飯田と紺野には感じられた。
・・・まるで、すべてが絶望に包まれていくかのように・・・。
-ゼティマ基地内-
「首領、ZXめがダブルライダーを討ち取りました。」
「そうか・・・でかした。あの2人だけでも片付けられたのは幸いだな。」
「しかし・・・気になることが。」
「なんだ?申してみよ。」
「ZXめですが・・・脳改造の効果が解けかけている可能性があります。」
「ふっ・・・そんな事か。それならば手は打ってある。」
「ほう、それは?」
「まぁ、見よ。出でよ、タイダーロイド!」
暗闇の中から、虎の姿をした改造人間が現れる。
「パーフェクトサイボーグ2号、タイガーロイドだ。」
「こやつは、自らFBIを裏切った女を改造した。」
「これでパーフェクトサイボーグはいくらでも作れるのじゃ。」
「しかも、このような人材なら脳改造などというめんどうもいらんしな」
「つまり・・・試作品のZXなどいつでも処分してよいと?」
「そういう事じゃ。もし奴が人間としての記憶を取り戻したならば・・・。」
「タイガーロイドよ。いつでも、ZXめを始末せよ!」
目を瞑っていた、タイガーロイドが目を開ける。
「はっ、仰せのままに。もし、ZXめが裏切るならば・・・この手で始末
しましょう。」
「ふふっ、頼もしいのう。どちらにせよ、加護の改造人間どもに、
未来はない・・・くくっ・・ふはっはっはっは。」
首領の笑い声だけが、闇に轟いた・・・。
第25話「ライダー・・・死す」完
これで今回の話は終わりです。
お待たせした割には・・・・ちょっとどうかな?って感じです(苦笑)
ちょっと暗めの終わり方になりましたが・・・。
一応、今回と前回の話に今後の伏線があります。
次回作は、ちょっとその辺りを使って行きたいと思っています。
よろしくお願いします。
758 :
名無し天狗:02/09/10 08:38 ID:/UT/TjsR
>名無し1号さん
お疲れ様でした。ちょっとどうかな?なんてとんでもないですよ。
<ZXの正体>・・・ん〜〜やはりそう来ましたか。
マコトの姉とは?タイガーロイドとなったFBIの裏切者とは?
ますます手に汗握る展開になって今後が楽しみです。
・・・あと、執筆中にも関わらず、線路の上に石を置くような行為(
>>739)
を侵し、誠に申し訳ありませんでした。
>>739よりも、キャスティング予想とかで作者さんたちの創造の幅を狭めるようなことをするのはやめようよ。
いちスレ読みに徹するなら、もう少し抑えた方がよくない?>名無し天狗さん
名無し1号さんお疲れさまです。
いやまた次回が楽しみな終わり方ですね。見習わなきゃ。
761 :
名無し天狗:02/09/10 23:52 ID:uQfOa4pl
>>759名無し娘。さん
悪気があったわけではないのですが、作者ご一同様に多大なご迷惑を
お掛けしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
これからを期待しているうちにこのようなことをして、逆に皆様のご気分を
損ねる結果となってしまったことは深く反省いたします。
今後このような過ちを犯さぬよう、これまでの無礼と併せて
心よりお詫び申し上げます。
762 :
759:02/09/11 00:10 ID:c7DsC12M
そこまで恐縮しなくてもいいですよ。
今まで通り感想を言うのは全然いいだろうし、俺もこのスレ読みの一人として
毎回楽しみにしてますから。
というわけでこの話はここでおしまいです。これ以上はスレ汚しになりかねないので。
作者の皆様。頑張ってください!!
763 :
名無し:02/09/11 22:15 ID:FTHDMPJ3
保全、次書いて!
764 :
名無し天狗:02/09/11 22:32 ID:fJFZ+aBu
悪いぜティマをブッ飛ばすゾ!保全
765 :
名無し天狗764訂正:02/09/11 22:34 ID:fJFZ+aBu
×ぜティマ→○ゼティマ
虎さん(タイガーロイド)キタ━━━
767 :
名無し:02/09/12 22:49 ID:mzRxIXXa
保全
第26話「-輝きと究極-・・・新たなる希望!」
-加護生化学研究所-
辻と加護を連れた飯田と紺野が帰還したのは、わずか3分後の事だった。
中澤達は、無線を聞いてからすぐに研究所へ向かったが、それでもその到着は、
飯田達よりも若干遅れる事となった・・・。
飯田と紺野に抱かれた煤まみれで眠っているように動かない辻と加護を見た時、
中澤は言い知れない絶望に襲われた。しかし、こうしていられなかった。
急ぎライフスタージへと辻と加護を運ぶ。
もうしかしたらもう助からないかもしれない・・・それでも、希望があるなら・・・
眠るような2人を見つめならが中澤達はそう願った。
769 :
名無し:02/09/14 02:22 ID:V8ANy01M
ライフステージに着くと、早速最新のMRIに2人をかける。
しかし・・・2人はやはり・・・死んでいた。
ただ、1つだけ・・・脳細胞だけが体内に装備された緊急時用の装置の
おかげで生きながらいる事だけが救いだった・・。
「ということは、2人は生きてるってことだよね?」
飯田が中澤に尋ねる。
「・・・せやけど、死んでるに等しい状態や。このままほっといたら、
後数時間のうちに・・・・」
中澤は言葉を止めた。そして、ゆっくりと言葉を続ける。
「・・・確実に、死んでしまうで・・・。」
「しかも、加護博士のいない今・・・うちらにできる事はあらへん。」
「?!なんとか、なんとかならにのゆうちゃん!」
矢口が中澤の胸倉を掴んで揺する。
「うちかて・・・なんとかしたいわ!せやけど・・・無理なんや・・・」
「ここまで傷ついてしもたら・・・うちらの力じゃ治しようがあらへん」
中澤が涙声になりながら、俯く。
「・・・そんな、そんなことって・・・」
石黒も声を詰まらせる。
「嘘だよね・・・このまま見殺しにしろなんて・・・。」
圭も顔を覆う。
「・・・」
ひとみも目を閉じたままうなだれる。
「・・・こんな時なんにもできないなんて・・・」
梨華が声をつまらせたまま、ひとみの胸に顔を埋めた・・・。
だが、圭織と紺野だけはまだあきらめてはいなかった。
まだ脳が生きているなら、なにか方法があるはずだ・・・。
2人の中に1つの疑問が起きるのに時間はかからなかった。
「ねぇ、ゆうちゃん。辻ってさ、確か1回死んだんだよね?」
「確か、加護さんも・・・。」
「・・・せや、加護博士が辻を改造して蘇らしてんや。」
「それがどないしたんや?・・・うちらが加護博士みたいにはできへんのに」
「ねぇ、その時、どうやって辻は生き返ったの?」
「・・・そやな、確か電機ショックを何回も与えてもろたとか・・・」
そこまで言って中澤は、はっとする。
「・・・せや、もしかしたら・・・もう一回電機ショックを与えたら」
「改造された人工臓器が蘇生するやもしれん!」
「そうだよ!それだよ。なんで気づかなかったんだろう?」
石黒もはっとしたように顔を上げる。
「せやけど、そんな電気発生さすのにどうやったらええね?」
「あ、それだったら私のエレキハンドで・・・」
「あほ!そんな3憶ボルトも浴びせたら、逆に死んでまうわ!」
加護生化学研究所の発電機を用いれば、もちろん高圧電流は作れる。
しかし・・・2人分となるとそれは難しい問題だった。
「圭織のエレキハンドのエネルギーを分割するのもかなり難しい作業やし」
「後数時間では、そこまではできへん・・・」
結局すべてが振り出しに戻ったかと思ったその瞬間!
「・・・ゆうちゃん、あの子は?あの子ならきっとそれできるよ!」
矢口が声を弾ませる。
「あの子?・・・ああ、なっちか!」
安倍なつみこと、電機人間仮面ライダーストロンガー・・・。
今日はここまでです。
>名無し1号さん
いよいよ、というか久々にストロンガーが(仲間を救う為)活躍というわけですね。
安倍なつみの奮闘に期待&辻加護復活祈願!がんばってください!!
>名無し1号さん
「安倍なつみと飯田圭織」でした。すいません。
改めて期待&応援しています!!
おおっ!はやくも続編ですね。
いや良かった。実は、バイクロッサーの続きで
ののとあいを出そうと思っていたので、どうしようかと思ってたとこです。
続きが楽しみです。頑張って下さい。
777GET保全
-海沿いの丘-
「きれいでね、安倍さん。」
「うん、そうだね、なっちの生まれた所もこんなんだったべさ。」
高橋愛と安倍なつみは、2人で海辺の丘に来ていた。
パトロールが終わってから、一息ついていたのだ。
「星もきれいだで。やっぱわだしの生まれたとこよりは見えにくいけどさ。」
「なっちのところは、工業都市だからやっぱりこんなもんかなぁ・・・。」
2人は自分達の故郷の話にはなをさかせていた。
ふと安倍が口笛を吹き始めた。
静かなそして少しもの哀しいメロディで。
「きれいな曲だども、どこで習っただか?」
「うん・・・これはね、なっちの親友の教えてくれた曲なんだ。」
「その人どうしてるだ?今」
「・・・もうこの世にはいないべ。・・・ゼティマに殺された」
「・・・そうだっただか・・・お父さんと一緒だ・・・」
2人はそっと目を閉じた。今は亡き人達を思い出すかのように。
そして、安倍は高橋に聞こえることのない小さな声でつぶやいた。
「福ちゃん・・・なっちは元気にしてるべよ。」
780 :
:02/09/15 23:48 ID:VlOIlOV3
ID記念カキコ
その時、カブトローの無線機が鳴り響いた。
慌てて2人はバイクのところに向かう。
「はい、こちらなっちたべ。」
「なっちか!裕子や。はよ、研究所に戻ってきて!辻と加護が大変なんや!」
「それで、どうしてもあんたの力がいるんや。頼んだで!」
「うん、分かったべさ。これから愛ちゃんとそっちに戻るベ」
安倍と高橋は、急ぎバイクを加護生化学研究所へと走らせた。
-加護生化学研究所-
安倍と高橋がライフステージに着くと中澤が大急ぎで辻と加護の眠る
手術台に安倍を連れていった。
周りには中澤の家にいる改造人間、人造人間が全員いた。
みな、心配そうに辻と加護を見守っている。
「いったい、どうしたんだべ?ひどい怪我だべさ・・・。」
「ゼティマの新型の改造人間にやられてんや・・・それよりも」
「なっち、あんたの力が必要やねん。あんたの電気の力が。」
「この子らの人口臓器を動かすのに、高圧電流が必要やね!」
2人を見つめる安倍の中にさまざまな思いが渦巻く。
助ける事ができなかった親友、目の前で死んでいった戦友の事が・・・。
「福ちゃん、あさみ・・・もう、2度とあんな思いはごめんだべ!」
手袋を外すとあらわになったコイルアームを擦り合わせる。
「変身!ストロンガー!」
バチッ、バチッという高圧電流のほとばしる音と供になつみは
その姿を変えた。
「いくべさ、みんなさがってるべ!」
ストロンガーとなったなつみは、その体の発電機を自由に操る事が
できるようになる。何百万ボルトの電圧を生出す発電機から
3万ボルトの電気を生出すことはたやすい。
圭織はまだその調節を会得していないが、なつみにはそれがたやすくできた。
それが、彼女が「電気人間」であるあかしでもあるのだが・・・。
調節した電気を辻と加護に向かい、なつみは放つ。
「デンショーーック!」
3万ボルトの電気が辻と加護に当てられる。
なんども高電圧の電気のせいで、辻と加護の体が宙に浮く。
そして・・・
「ピーッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピ・・・」
2人に取り付けられていた心電図計が2人の人工心臓が動き出した事を告げた。
「やったー!」
「よかった、よかったよぉーっ!」
口々にみんなが叫び、場が一気に明るさを取り戻す。
「助かったんや!ありがとう、なっち!」
なつみは、変身を解く。そして、また呟いた。
「・・・福ちゃん、あさみ、やったよ・・・」
が、その時!
「うん?ゆうちゃん、なんか2人が変だよ!?」
矢口が叫ぶ。
「な、これは・・・なんやね、いったい?」
全員が驚きのまま、辻と加護を見る。
2人は、激しい光に包まれていた。目もあけられないぐらいの光に。
そして、その場にいた者は皆見た。
光に包まれた2人が一瞬仮面ライダー・・・見た事もない仮面ライダーの
姿になる場面を。
しかし、光がおさまった時・・・そこにいるのは、今までと変わらない姿の
辻と加護だった。
-辻、加護の夢の中-
「ううっ、ここはどこなのれすか?」
「うん?のの、うちらはいったい?」
2人は真っ暗な世界にいた。確か、さっきまでZXとかいう改造人間と
戦っていたはず・・・そこで爆弾が爆発して・・・
「なぁ、のの、あんまり考えたないけど、うち前にここに来た気がするで」
「ののもれす・・・あいちゃんと倉庫で炎に包まれた時に・・・」
「死後の世界ってやつか・・・はぁ、死んでもうたんかな?うちら」
「そうかもしれないれすね・・・・。」
2人はため息をついた。
「今度は助からんかもしれへんなぁ・・・。一回死んどるし、うちら」
「でも、まだ死ぬわけにはいかねぇのれす・・・ゼティマも倒してないのに・・・」
「・・・汝、輝きを求めるか・・・」
「・・・汝、光を極めるか・・・」
呆然とする2人の耳に何かの声が聞こえて来た。
「だれれすか?いったい?」
「せや、だれやね?」
2人は同時に声を上げる。
「・・・我等は、汝らに埋めこまれ賢者の石と聖石アマダムの意思なり」
「・・・我等、汝らが危機に陥りし時、目覚めるものなり。」
2つの声が辻と加護の耳に届く。
「賢者の石?聖石?そんなもんがうちらの中に・・・」
「・・・待てよ、もしかしてベルトのエネルギー返還装置についとる
石の事か?」
「あいちゃん、それってなんれすか?」
「・・・うちらのベルトの裏側にあるエネルギー返還装置にブラックボックスが
あるんや。そこにどういう意図でか知らんけど宝石みたいな石がはまっとるんや。」
「・・・多分、それの事やと思うね。せやけど、あれがそんな石やったとは・・・」
「あいちゃんの改造を手伝った時、箱は見たけど石は見てなかったのれ、
ののは、知らなかったれすよ。」
「・・・せやろな・・・うちもじいちゃんの記憶から引き出したもんやし。」
「で、その石さんがなんの用やね?」
加護がその声に尋ねる。
「・・・我等は汝らに新たな力を与えん」
「・・・新たな驚異に今の汝らでは、立ち向かえん。」
そして、2つの声が重なる。
「・・・やがてくる究極の闇を止める為にも・・・」
「究極の闇?なんれすか、それは?」
「・・・究極の闇、それは全てを壊し、殺し尽くす者なり。」
「もしかして、こないだのウン・ダクバなんとかとかいうやつかいな?」
「せやとしたら、確かに今のままのうちらじゃ・・・きついわな。」
「ZXにも負けてる状態れすからね・・・」
2人は目を閉じる、そして見つめあう。
「あいちゃんはどうするれすか?」
辻が加護に問う。
「ののこそ、どないすんね?」
加護が今度は辻に問う。
「ののは・・・強くなりたいれす。今よりももっと・・・」
「・・・みんなを守りたいのれす、あいちゃんやみんなを・・・」
「うちもや・・・もっと力が欲しい。例えそれが辛い結果になっても・・・」
「・・・悲しむ人をみたないねや。ののやみんなをな・・・」
2人の意思に2つの声は答える。
「・・・ならば与えよう、光と究極の力を・・・」
「・・・ライダーの姿で勝てぬ時、願うが良い。力をくれとな。」
「・・・我等、汝らを輝きと究極の戦士へと変えん。」
言葉とともに辻と加護の体は光に包まれた・・・。
-加護生化学研究所-
「・・・うん、ここはどこれすか?」
「・・・どこやねん、ここ?」
辻と加護は、ライフステージのベッドの上に寝かされていた。
「おおっ?!ゆうちゃん、辻と加護目が覚めたよ。」
「なに?!ほんまか?!大丈夫か?2人とも。」
石黒と中澤、そして全員がかけつけてくる。
「ほんまに心配したんやで。なっちが助けてくれてんや。」
「2人に高圧電流浴びせてな。よかったわ、せやけど。」
「そうだったんれすか・・・あべしゃんが、のの達を助けてくれたんれすね。」
「世話になってもうたなぁ、安倍さんに。」
隣でなつみはにこやかに微笑んだ。
「たいしたことないっしょ?なっちも腕治してもらったし。」
「それより、お腹すいたのれす。ご飯が食べたれす。」
「あ、うちも!」
その場にいた全員がずっこける。
「・・・お前等、元気になったと思ったらそれかよ!」
矢口が口をとがらせる。
「まぁ、いいじゃないですか?そのほうが2人らしいし。」
ひとみがフォローする。
「じゃ、待ってな。すぐ作ってくるよ。」
石黒が部屋を出て行く。
「やっぱり、2人はこのほうがいいですね・・・」
「せやな・・・まぁ、ええとしとこか」
梨華が中澤に耳打ちする。
「ほな、うちもこの子らの着替えとりに一回家戻って来るわ。」
中澤は、梨華と梨花美達メイドにそこを任せると外に出ていった。
1人明け方の道を中澤は家へと向かう。
いろいろと考え事をしながら・・・。
「あの時の、辻と加護の姿。あれって、もしかしてSN計画とUM計画の
最終形態やなかったか?」
「一瞬やから、見間違えかもしれへんけど・・・。」
「そうやとしたら・・・希望が増えた事になる。せやけど・・・」
「2人に重いもん、また背負わせる事になるやもなぁ・・・」
朝日がだんだんと周りを包み始める。
中澤は、思いを振りきるように家路を急ぐ。
その時!
「中澤さんですね?」
後ろから突然声をかけられた。
「!?誰や」
さっと後ろを振り向き身構えると、そこには黒いスーツを着た
大柄な女性が立っていた。
「驚かせて、ごめんなさい。私、稲葉のFBIでの同僚で、
信田と申します。」
そう言いながら、女性は手帳を見せた。
「あっちゃんの仕事仲間かいな?そんな人が突然何の用で?」
「はい、実は、中澤さんに今度の事件の事でご同行願いたいと。」
「今度の事件?いや、まだあっちゃんからなんも聞いとらへんよ?」
「・・・仮面ライダーがやられたと聞いたもので・・・」
女性はふっと微笑む。
「!?なんで知ってるねん?いくらFBIが情報早い言うても・・・グッ」
女性は中澤の腹に拳を当て、気絶させる。
「ちょろいもんだ。こんな簡単にひっかかってくれるとはな・・・」
女性は、近くに停めてあった車に中澤を放り込むと無線を取った。
「・・・ZX、聞こえるか、タイガーロイドだ」
「・・・聞こえている、どうだ、上手くいったのか?」
「ああ、中澤裕子は確保した。これで奴らをおびき出す。」
「・・・ぬかるなよ。」
無線は切れた。
「クックック、これで、あいつらも終わりだ。」
「仮面ライダーも人造人間も一網打尽にしてやろう。」
「そしてZX・・・お前もナ。」
高笑いとともに中澤を乗せた車は走り去って行った・・・。
第26話「-輝きと究極-・・・新たなる希望!」完
なんとか終わりました。
今回は、なんか長いばっかりでつまらなかったかもしれないですね(苦笑)
一応、いろいろと謎と謎解きを混ぜながら進めていくつもりです。
ただ・・・いつになったらZXを合流させることができるのやら。
>名無し1号
ごくろうさん
楽しませてもらってるよ
回を重ねるごとに文章がうまくなっていくね
この調子でガンバレ
>名無し1号さん
更新お疲れ様です。辻加護ついに復活、そして「あの」ライダーに・・・。
ZX編もいよいよ佳境ですね。期待&応援してます!
名無し1号さま
お疲れさまでした。辻加護は白い二本線と赤手袋になるのかと
思ったら、違うのかな。最近のは解らないので。
800GET/プリペアー保全
>>名無し1号さん
更新お疲れ様でした。また良いトコで終わって。(w
二人の「進化形」も楽しみですね。
ところで、次の方はどなたかいらっしゃいますか?一応こちらも
一つできあがりましたので、よろしければ明日の昼あたりから、と
思うのですが。
>名無し募集中さん。。。
お誉めいただきありがとうございます。
また次の作品も書いていきますので、よろしくお願いします。
>名無し天狗さん
そうです、辻・加護が進化するのは「あの」ライダーです。
題名にヒントを一応だしておいたので、分かり安かったですか?
あ、賢者の石と聖石のほうでしょうか?もしかして。
>名無しんじーさん
ええ、一応辻加護は登場時及び他作品からどうやらすでに新1号・2号らしい
ので、パワーUPは平成でと考えました。
ダグバもたの人の作品で出ているのもあったのですが。
>ナナシマンさん
私としては、また次の作品までかかりそうなので、どうぞお先に書いて下さい。
お話し楽しみにしています。
>名無し1号
後者ですね。・・・あ、そうだ。そうなるとマシンは・・・?
それらも併せて今後に期待します、がんばって下さい!
(私の「名無し天狗」の由来は「鞍馬天狗」
・・・って、どうでもいいですね、これは)
しまった!名無し1号さん、
>>804での敬称略、
大変失礼いたしました!!改めて期待してます!!
>名無し天狗さん
そうですか、やっぱりあれだとバレバレでしょうか?
マシン・・・辻のほうはともかく、加護のほうが問題ですね。
サイクロンからどうやってあのマシンに持っていくか?
今後の課題になりそうです。
>名無し1号さん
心待ちにしています。是非!!
第27話 「変転せよ!自由の戦士」
東京の地底深く。そこに我々の知る東京と全く同じ風景を持った
都市が存在することは、誰も知らない。
人工太陽の恩恵を約束された、新人類と呼ばれる超能力者の楽園。
人はその都市を「デスパーシティ」と呼ぶ。しかしそこは絶望の支配
する暗黒の都市であった。
その都市で自由を謳歌する者はいない。新人類と呼ばれる者達は皆、
デスパー軍団の支配下にあった。都市の管理者、サデスパー市長のもと
管理される市民は約5万人。彼らは皆、楽園の美名の元に軍団の戦力
として連れてこられた人々であった。
一切の自由を奪われた市民は、花や木々を愛でることも、読書さえも
許されない。これに逆らえば親衛隊に逮捕され、死刑に処される事も
しばしばであった。
デスパーシティには街を管理する市長サデスパーをはじめとした、
デスパー軍団を束ねる総帥が存在する。彼は緑に囲まれた閑静な佇まい
の館に住んでいた。「総統府」と呼ぶに相応しい、支配者の住まう館
である。
静寂に包まれた居室で、一人チェスに興じる男。彼の後ろには、巨大な
肖像画が掲げられている。
黒いマントと軍服に身を包んだ隻眼の男の名はガイゼル総統。彼こそ
最強の超能力者にしてデスパー軍団の偉大なる総帥である。
その時、彼を訪ねて何者かがやってきた。居室の扉が開いて姿を現した
のは、銀色の甲冑のようなボディに砲弾のような頭部を持つデスパーロボ
だった。彼の名はウデスパー。デスパー軍団の参謀である。
ウデスパーはかねてより命ぜられていた敵対勢力の壊滅指令を遂行した
旨を報告するためにやってきたのだ。
「総統閣下、ミサイルデスパーがファントム軍団の掃討を終えたとの
報告が入りました。しかし、生存者がいる模様です」
ウデスパーの報告にふとチェスの手を止めたガイゼル総統。そして
おもむろにウデスパーの方を振り向く。しばしの沈黙の後、ウデスパー
は口を開いた。
「・・・かつてのお仲間ですが、いかが致しますか?」
「チト、か」
かつてナチスドイツの一部隊に籍を置いていた総統には、当時志を
同じくした二人の仲間がいたという。しかし、そのうちの一人は総統に
対する裏切りが発覚し殺されてしまった。総統の財力の源、アフリカの
金鉱脈に目がくらんだのだ。
そしてもう一人、彼と袂を分かち軍団を結成した男がいた。彼の名は
チト。新人類の理想郷を築くという同じ志を持ちながらも、決別せざる
を得なかった男だ。
総統の脳裏に一瞬よぎった、同士の名。しかし彼は再びウデスパーに
背を向けると、再びチェスの続きを始めた。
やがてガイゼル総統は盤上からキングの駒を取り除く。その一挙動に
総統の意志を読みとったウデスパーは答えた。
「判りました。すぐにも追討軍を派遣し敵を壊滅してご覧に入れます」
ウデスパーが軍団に残党狩りの号令を発しようとしたその時。何者かが
荒々しく総統の居室のドアを開け放った。突然の来訪者にウデスパーが
ドアの方に振り向いて身構える。その視線の先には、黒いマントをまとった
幽鬼の如き怪人が立っていた。
「ガイゼル、我が軍団に何の恨みがある?この者を差し向けたのは、
貴様であろう!!」
そう言って怪人は手にしたロボットの首をガイゼルの足下に投げつけた。
迷彩色に塗られたロボットの首。それはファントム軍団掃討の命を受けた
デスパー軍団のロボット、ミサイルデスパーの首だった。
軍団の攻撃から生き残った一人の男。彼の正体こそ、ガイゼル総統の
かつての同士チトだった。新人類帝国建国を掲げるファントム軍団の王。
彼はまたの名を「帝王バンバ」と言った。
出勤時間ですので(w今日はここまでとなります。続きは明日の今頃に。
始まりましたね。頑張って下さい。
おいらも、そろそろまとめたいなー。早く考えねば。
>ナナシマンさん
おおぅ!遂に出ました新ヒーロー!それも「自由の戦士」、いいですねぇ。
新ヒーローは誰か?また変身するのは誰なのか!?
より一層幅が広がった「仮面ライダーののV3」、さらに期待が増してきました!!
がんばってください、応援してます!!
>名無し1号さま
遂に平成ライダー登場ですね。平成ライダーはよく知らないから凄い楽しみ
です。頑張ってください。
>ナナシマンさま
のっけから燃える展開ですね。もしかして『F』のほうですか?実はあまり
知らないんですけど、頑張って下さい。
そろそろ、ハカイダーを何とかしたいので出来上がったら書かせ貰っていいですか?
時間はかかると思います。申し訳ない。
「ガイゼル、いやヨハン!貴様と儂は確かに袂を分かったが、互いに
不可侵を通してきたはず。このような振る舞いは断じて許さん!」
怒り狂ったバンバはガイゼル総統の元へ猛然と歩み寄っていく。
しかし、それを制止するのは総統の片腕、ウデスパー参謀だ。
「どうやってここまで・・・だが、閣下には指一本触れさせんぞ!」
自ら総統の盾となるべく二人の間に割ってはいるウデスパー。しかし、
そんな彼を制止したのは他ならぬガイゼル総統だった。チェスの手を
止め、手にした杖でウデスパーの行く手を遮る。
「閣下!」
なおもバンバに向かおうとするウデスパーだったが、ガイゼルの命
に逆らうことはできない。
ひとまずウデスパーが一歩退くと、代わって椅子から立ち上がった
ガイゼル総統がバンバの前に歩み出た。残された右目に狂気がにじむ。
その視線に射すくめられたか、バンバは一瞬彼に対して躊躇した。
「親愛なる同士よ。だが、貴様も私を裏切った・・・!」
そう言うや総統は手にした杖に手をかけた。次の瞬間、杖に仕込まれた
白刃のきらめきと共にバンバの首があっけなく転がり落ちた。かつての友
ですら容赦なく手にかける冷酷さに、思わず息をのむウデスパー参謀。
崩れ落ちる帝王バンバ。それと同時にどす黒い血が絨毯に広がっていく。
足下に転がる友の骸、その様子に一瞬哀れむような視線を送るガイゼル総統。
しかし彼はすぐまた椅子に腰掛け、何事もなかったかのごとく再びチェスに
興じ始めた。
その直後、ガイゼル総統の元に通信連絡が入った。肖像画の裏側から
現れたスクリーンに写ったのは、尖った角を何本も頭に生やし、まるで
中世の拷問器具「鋼鉄の処女」に手足の生えたような姿のロボット
だった。彼こそこのデスパーシティの管理者、サデスパー市長である。
「総統閣下。ゼティマに放ったスパイからの情報が入りました」
サデスパーの言葉に手を止めたガイゼル総統はゆっくりとスクリーン
に向き直る。その姿を見るや、スクリーンの向こうのサデスパーは報告
を始めた。居合わせたウデスパーもその様子を食い入るように見ている。
「ゼティマになにやら動きがあった様子。何でもかねてよりやつら
に楯突いていた『仮面ライダー』なる者達を倒したとかで勢いづいて
おります」
その言葉を聞いたガイゼル総統は、静かにスクリーンに背を向けると
再びチェスを始めた。それを見たウデスパーは一人頷いて言った。
「捨て置け、と仰せだ。サデスパー、今後も監視を続けよ」
ウデスパーの言葉を聞いたサデスパーは恭しく一礼すると、そのまま
スクリーンから姿を消した。サデスパーの報告に総統の意志を代弁して
みせたものの、実はゼティマを脅威に感じていたウデスパー参謀。
しかし、そんな彼の本心を見透かしたようにガイゼル総統は言った。
「ゼティマは今もその者達との戦いに血道を上げているはず。当面
我々に手を出す様なことはあるまい」
その言葉に得心したウデスパーも総統に一礼すると退室した。ゆっくり
とドアの閉まる音が静かな居室に響く。
彼以外に誰もいない部屋。次の一手を思案していた総統は、しばし手を
休めて一人つぶやいた。
「私の街だ・・・私の・・・」
今日はここまでです。明日の朝に更新の後、月曜までお休みを
いただきます。申し訳ありませんがご了承下さい。新垣を譲って
下さった名無し@キカイダー編さんのご厚意にお応え出来たか
どうかは正直判りませんがこの後もしばしおつきあいの程、
何とぞよろしくお願いいたします。
>>名無しんじーさん
バイクロッサー、インタールードとあわせて読むと世界観が
広がりますね。まとまったら、是非読ませてくださいね。
>>白い名無し娘。さん
そうです。やるならフラッシュの方を、と思いまして。
僕の方も次の話の中盤がまだよく書けていません。そういった
個人的な事情もありますが、なによりハカイダーの話というのが
気になります。僕としては続いてくださるとうれしいんですが。
>>名無し天狗さん
ちなみに今回とイナズマン編2話のストーリーには、ちょっとした
趣向が加えられています。単に奇をてらっただけ、という事も出来る
のですが。(w
>ナナシマンさん
激期待&激応援!!
明朝と休み明けを楽しみにしています!!
ナナシマンさま
そう言っていただけると嬉しいです。
白い名無し娘。さんの後位にできるようにしたいです。
続き頑張って下さい。
デスパー軍団に支配された楽園という名の鳥籠。都市には希望と呼べる
ものは何一つ無く、整備された美しい町並みには重い空気が漂っていた。
そしてここに、幼くして母親と生き別れた一人の少女がいた。運命は彼女に
母親との別離という試練を課したが、それでも少女は決して笑顔を絶やさず、
明るく振る舞って生きてきた。
やがて、狭い路地から大通りに出てきた少女は、人目を気にしながらある
場所を目指して駆けていく。一歩を踏み出すたびにゆれる、二つに結んだ長い
髪。利発そうな顔立ちの中にも幼さの漂う少女。彼女の名は、里沙と言った。
彼女はこれから、子供達のために絵本を届けに行くところだった。
里沙は監視の目を盗んでは、子供達に絵本を読んで聞かせることを日課として
いた。サデスパーらデスパーの治安部隊に知れれば逮捕も免れない行為だった
が、子供達が純粋な心と自由への希望を持ち続けることが出来るようにと、
危険を冒してでも続けていたのである。
息を弾ませてたどり着いた先は、一件のビルだった。そのビルの一室で、
今日も子供達が自分のことを待っている。そう思うと、里沙は気もそぞろに
階段を駆け上がる。やがて、里沙は目的の場所、子供達のいる部屋へとたどり
着いた。
里沙は決められた回数だけドアをノックする。これはデスパーの監視を
逃れるための約束事だ。いつもなら、ここで子供達が来訪者が誰かを訪ねる
声がする。
「だぁれ?」
里沙の事を待ちこがれる、子供達の声。そんな声に
「里沙お姉ちゃんだよ?」
と、答えるのが常だった。ところが、今日に限って子供達の声がしない。
絵本の時間はもうとっくに来ているはずなのに、子供達の声がしないのだ。
「変だなぁ・・・もしかして、間違ったのかな?」
不思議に思いながら、里沙はもう一度決められた回数だけドアをノック
した。最初は3回。そして4回。最後に5回。すると、ようやく扉が開いた。
「ごめんねみんな、ちょっと遅くなっちゃって・・・」
と、言いかけたその時、里沙は何者かに腕を引っ張られ、部屋の中に
引きずり込まれた。
「きゃっ!」
叫び声をあげようとしたが、不意に何者かの手が里沙の口をふさぐと、
それ以上彼女は声を上げることは出来なかった。身の危険を感じ、身体を
こわばらせる里沙。と、その時聞こえたのは聞き覚えのある人物の声だった。
「里沙、落ち着きなさい。私だ。誰にもつけられていないな?」
老人の声にハッとして落ち着きを取り戻した里沙。その様子を察した
老人は里沙の手を離し、自分の方へと向き直らせる。
「おじいちゃん。どうしたの、急に」
「デスパー達にここのことがバレたかもしれん。里沙、私はお前を
地上へ逃がそうと思う」
この老人こそ、里沙が手伝っていた絵本の朗読会を催していた人物
である。老人はデスパーシティの子供達がガイゼルによって少年兵として
招集されている事に心を痛め、純粋な心と思いやりを持ち続けるようにと
朗読会を催していたのだ。
>ナナシマンさん
YO!待ってました、新垣登場!!ってことは、いよいよ・・・!
早く休み明けになぁ〜れ!!
・・・更新お疲れ様です。感想は上記の通り、期待&応援してます。
>>名無し天狗さん
中途半端なところで切ってしまってすいません。
船に遅れそうだったのでやむなく・・・。ただいまから船着き場の公衆電話より
今日の分最終更新します。
「裏に車を用意してある。シティの北にある軍用車両の通用門から
地上に出るんだ」
「でも、おじいちゃんはどうするの?みんなは?」
老人の身と子供達を案じ、表情を曇らせる里沙。しかし、老人は優しい
口調でこう言った。
「私なら大丈夫。それに少年兵部隊を作るくらいだ、子供達はデスパー
にとっては財産も同然。手荒にはするまい」
そうと決まれば事は急を要する。二人は急いで車に飛び乗ると、
通用門を目指した。
やがて二人を乗せた車はシティの軍用車両通用門に到着した。実は
通常この門は使用されておらず、わずかに警備兵が配備されている
のみであった。
そういう場所だったから、突然現れた不審な車両を発見した警備兵達
が二人の車を制止するのは当然の成り行きだった。
「おい爺さん、ここは一般人の来るところじゃないぞ。道を間違えた
なら引き返せ」
防毒マスクを思わせる顔、黒い戦闘服に身を包んだデスパー軍団の
兵士が銃を構えてやってきた。緊張に包まれる車内。唇をかみしめて
うつむく里沙。それとは対照的に、老人は何食わぬ顔でこう言い放った。
「総統のご命令で工作員の娘を地上に送り届けるところだ。ここを
開けてはくれんかな?」
そう言うや、老人は警備兵の目をじっと見つめる。
「まて、そんな命令は聞いていない・・・」
なおも警備兵の目を見つめる老人。と、その時警備兵ががっくり
項垂れると、まるで付き物にでも憑かれたかのような声で言った。
「・・・わかった。ご苦労、行ってよし」
警備兵はそう言ってもう仲間に手で合図を送った。突然の出来事に
あっけにとられる里沙。明らかに自分たちを通すとは思えなかった
警備兵が、突然通行を許可したのだ。それはまるで、魔法のような
出来事だった。かくして通行の許可が下りたことで、二人は易々と
通用門を通過することが出来たのだった。
こうして地上への脱出を果たした二人だったが、特に行くあてがある
訳ではない。二人は車を走らせ、公園へとたどり着いた。
そこは里沙にとって、始めての地上であった。だが、今の彼女には
そんなことを顧みる余裕はなかった。夜の闇に包まれた公園は人影もなく、
二人以外は誰もいない様子だった。やがて老人は里沙に車から降りるよう
促すと、二人は車の外に出る。老人と少女の姿を、街灯だけが照らして
いた。
「里沙。これからお前は地上で生活しなさい。私とはここでお別れだ」
「えっ?待っておじいちゃん。イヤだよ、そんなの」
老人との別れを拒んですがりつく里沙。その目に涙がにじむ。そんな
彼女の頬に、老人は優しく手を当ててこう言った。
「別れはいつか必ずやってくるんだよ、里沙。それより、お前に
渡したいものがある。目を閉じて、じっとしているんだよ」
かなり駆け足になってしまいましたが、今日の分は以上です。
また月曜日におつきあい下さい。ゴチーン祭りのヨカーンなので
早めの時間になると思います。(「歴史の証人」になれる人たちは
是非楽しんできてくださいね。僕はダメぽですが・・・。)
>827のナナシマンさん
いえいえ、別に気にしてません。休み明けに期待しています。
ついに新垣登場。これで娘全員が登場した事になるのか?(w
中澤の時は歴史の証人になれたが今回は俺もダメぽ
ほぜむ
そう言うと、老人は里沙の頬に手を当てたまま目を閉じる。里沙も
同じように目を閉じる。その直後里沙の閉じた瞼に電光が走ると、
二人の姿はまばゆい光に包まれた。全身の細胞が覚醒する感覚、
心地よい風が吹き抜けるような感覚を全身で感じた里沙。
やがて、まばゆい光は里沙の体の中に収束していく。里沙が再び
目を開けると、そこには少々疲れたような表情を浮かべた老人の姿が
あった。不思議な感覚から醒めた里沙は、老人の様子を案じて声を
かけた。
「おじいちゃん、大丈夫?」
「私は大丈夫だ。それより里沙。私はお前に、私が持っていた力の
全てを伝えた。お前が優しい心と本当の勇気、悪を許さない心を持ち
続けている限り、この力はお前を助けてくれる」
老人はそう言って、優しくゆっくりと里沙の髪を撫でる。そして老人
は里沙にある道具を渡した。それはかなり派手な色遣いで、その中に
折りたたまれた三色のレンズが、そして外側に稲妻状のプレートが
スイスナイフのツール類のように納められている。
「これは『ゼーバー』と言って、お前の力をより強くしてくれる。
じきにデスパーシティから追っ手がやってくるだろう。その時、お前を
助けてくれる」
「どうやって使ったらいいの?力って何?」
困惑の表情を浮かべて、里沙は老人に訊ねる。彼は里沙の目をまっすぐ
見つめて言った。
「力の使い方は、お前の心の声に聞きなさい。私はお前にビジョンを
託した。後は心の声が自由の戦士になるためのビジョンを示すだろう。
お前の力は、正しいことのために使うんだよ」
自由の戦士。老人のその言葉にも、今ひとつ実感がわかないのか小首を
かしげる里沙。しかし、老人にはあまり時間がなかった。少しでも彼女に
力の事を伝えておきたいと、急ぎ足で説明する。
「覚えておきなさい。お前の力は今は一足飛びに使うことはできない。
お前の力は蛹が蝶になるように段階を踏まなければならないんだ。それが
サナギマンと、自由の戦士イナズマンだ」
「蛹から・・・蝶?サナギマンとかイナズマンとかって何?」
老人はなおも言葉を続けようとしたが、見ると里沙は戸惑いの表情を
浮かべ老人をじっと見ている。これを一度に全て理解しろというのは無理
な話だ。続きは明日にしよう、そう思った老人は里沙に優しく言葉を
かけた。彼女の知っている、いつもの口調で。
「いきなり全部を理解することはできないだろう。今日はもう遅い。
車の中で休みなさい」
老人に促され、里沙は車の中で眠りについた。その姿を見届けた老人の
顔に、優しい笑みが浮かんでいた。
一方、老人と里沙が去った後のデスパーシティ。通用門から走り去る
二人の車の映像は、通用門に設置されたカメラに克明に納められていた。
それを見たウデスパー参謀は警備兵達を怒鳴り散らす。
「バカどもが!みすみす脱走者を見逃すなど、何をしておるのだ!!」
通用門の巡察に訪れた彼は、この失態を現場で知った。彼はすぐさま
部下のデスパーロボを呼び寄せる。彼の命令に応じ出頭してきたのは、
巨大なハンマー状の頭部と、左手にもハンマーを装備したデスパーロボ
だった。
「ハンマーデスパーよ、これから地上に赴き、脱走者を始末してこい」
「任せてくれ。見つけ次第必ず始末する」
ウデスパーの命令にハンマーデスパーはすぐさま地上へと向かったが、
ウデスパー自身もまた地上に赴く事にした。彼の性格が、部下の報告を
ただ待っていることを許さなかったのだ。
「万一と言うこともある。俺も地上に出ることにしよう」
そして地上に姿を見せたウデスパー参謀は、地上との隠し通路がある
公園で思いがけない光景を目撃した。公園の傍らに止められた車、その中
にいたのはカメラが捕らえた二人の脱走者だった。
「あれが例の脱走者か。小娘ともう一人・・・待て、あれはまさか!」
ウデスパー参謀は、里沙も知らない老人の素性を知っていた。
予定より遅くなってしまって申し訳ありません。実家近くの
カフェから大至急で更新です。しかもうっかりageてしまって。
勝手が違うとはいえホントすいません。今、下がってますか?
>ナナシマンさん
お帰りなさい!ぎりぎりのあたりですが、下がってます!
遅くなったなんてとんでもない、待ちに待った甲斐がありましたYO!
イナズマン新垣の奮戦に激期待!チェースト!!
>ナナシマンさん
連続カキコ失礼!今ちょっと下がりました!
保全
「あれは、まさか渡五郎?!」
ウデスパー参謀はそこで思いがけない人物を目撃した。それはかつて
デスパー軍団に叛逆した超能力者、渡五郎・・・誰あろう、里沙とともに
シティを脱走したあの老人のことだった。二人は車の中から出て、里沙が
買ってきたパンを二人で食べていた。
「俺には判るぞ。老いさらばえてはいるが、間違いない。総統閣下との
戦いに敗れて能力を失ったというのは本当だったか」
仇敵渡五郎をみすみす逃す手はない。ウデスパーはすぐさま五郎を襲撃
せんと物陰から身を乗り出そうとした。だが、その時。
「ウッ!!」
後頭部に感じた強烈な一撃。よろよろと崩れ落ちるウデスパー参謀の
背後に立っていたのは、なんとハンマーデスパーだった。
「悪く思うなよ、ウデスパー。あの小娘と渡五郎を葬る絶好のチャンス
なのだ」
「その声は・・・貴様ァ・・・」
何とハンマーデスパーはウデスパー参謀の手柄を横取りするために彼を
闇討ちにしたのだ。ハンマーデスパーは、ばったりと倒れたウデスパー
を尻目に物陰から里沙達の前に姿を現した。
「脱走者め、見つけたぞ!」
突如二人の前に立ちはだかったのは、自分たちを追ってきた追跡者。
デスパー軍団が差し向けたハンマーデスパーだった。その姿に、里沙の体
が恐怖にすくむ。
「二人とも逃げられると思ったか!死ねぇ!!」
一瞬逃げ遅れた里沙に振り下ろされたハンマーの一撃。しかし、間一髪
でこれを救ったのは五郎老人だった。しかし里沙を救った彼は、その身に
ハンマーデスパーの一撃を受けてしまったのだ。
「おじいちゃん!!」
肩口にハンマーデスパーの攻撃を食らった五郎老人は、殴られた場所を
押さえてうずくまる。しかし彼はひるむことなく、ハンマーデスパーを
睨み付けた。
「貴様は渡五郎!それにしても老いたものよ。ここまで衰えるとは!!」
「おじいちゃん、どういう事なの?」
里沙の問いかけにも、老人は答えない。ただ歯を食いしばって痛みを
堪えている。
「貴様はかつて総統閣下と戦い、敗れて全ての能力を失ったそうだな。
急激な老化はそのためか!!」
そう言うやハンマーデスパーは今度は老人の腹部に一撃を見舞う。
「昔語りをしに来たわけではあるまい・・・この娘は渡さない!」
かつての超能力はほとんど失われていた。とりわけ里沙に自分の能力を
授けたことで、五郎の体力はもはや限界に来ていた。だが、敵から里沙を
守るために死力を振り絞って五郎は立ち上がる。
「やめて、おじいちゃん!」
里沙の制止も聞かず五郎は再び立ち上がると、傷ついた身体を押して
ハンマーデスパーに近づいていく。
「里沙・・・今までありがとう。私の言いつけは必ず守るんだぞ」
里沙の耳に聞こえた、五郎の言葉。しかしその直後、彼は敵の一撃に
よってなぎ払われた。風で吹き飛ばされた人形のように、あっけなく
倒れる五郎。
「おじいちゃん!!」
すぐさま里沙は五郎の元に駆け寄って抱き起こすが、彼はもう里沙
の言葉に応えることはなかった。五郎の亡骸に縋ってすすり泣く里沙。
しかし、その声に構わず敵はさらに一撃を加えようと里沙の元へと
歩み寄っていく。
「安心しろ。お前もすぐあの世へ送ってやる」
迫りくる敵の姿に里沙は全く気づいていない。背後に立ち、五郎を
手にかけた左腕のハンマーを振りおろさんとするハンマーデスパー。
今日の更新分はこれにて終了です。明日、もしくはあさってには
イナズマン編第1話は終了となります。
>>名無しサバイブさん
実は祐ちゃんの時が一番行きたかったりしたんですよね・・・。
うらやますぃです。
>>名無し天狗さん
ホントすいません、お世話になりました。とにかく時間がなかった
ので、フロッピー片手に急いでカフェに飛び込んだんですが、慣れない
環境で手間取りました。(w
>ナナシマンさん
何の。この急展開、まさに待った甲斐があったというもの。
・・・にしても、まさか彼(か)の老人が「初代」イナズマンだったとは驚きました。
その「初代」の遺志を受け継いだ2代目イナズマン・新垣里沙の活躍に期待チェースト!!
本日更新の予定でしたが、一日お休みをいただきます。この後ラスト
までのストーリーに手直しを加えるためです。まことに申し訳ありません
が、何とぞご了承下さい。明日の更新で、イナズマン登場編完結です。
>ナナシマンさん
ゆっくり焦らずマイペースで
がんばってください!明日が楽しみだチェースト!!
マータリ待ちます
嗚咽する里沙に敵の姿は全く見えていない。今まさにハンマーデスパー
の一撃が振り下ろされようとしていた、その時だった。
悲しみに身を震わせる里沙の身体をまばゆい光が包む。それはまさに
電光だった。そのあまりのまぶしさにハンマーデスパーが身じろぎして
後ずさる。
「何だ!一体どういう事だ!!」
やがて光が収束していくと、それはやがて人の形になってゆっくりと
立ち上がる。そしてそれは電光を伴いながら、一人の戦士の形となって
実体化した。
「わかったよ、おじいちゃん。私、約束は必ず守るからね」
その声は紛れもなく里沙のものだった。しかし、その姿はこれまでの
いかなる戦士とも違っていた。全身青色の身体に走る無数の稲妻模様。
長くのびた触角と、まるで昆虫のような眼。風になびく黄色いマフラー
にも稲光のような模様が走る。
かつて、渡五郎が超能力に目覚めて変転した自由の戦士。彼の遺志が
今、里沙に受け継がれたのだ。
「貴様、その姿は!!」
「そう・・・私は自由の戦士、イナズマン!!」
五郎は里沙に「力は一足飛びには発動できない」と教えていた。
それはさながら蛹から蝶になるように段階を踏まなければならない。
だが、今まさにハンマーデスパーの目の前で里沙は一気にその超能力
を解放し、イナズマンとして変転を遂げたのだ。
「あり得ん!貴様のような小娘がイナズマンなどとは!!」
うなりをあげてハンマーデスパーの左腕が振り下ろされる。だが、
イナズマンはそれをよける様子もなく、たやすく敵の一撃を受け止めた。
「馬鹿な!」
驚きの声を上げるハンマーデスパーに対して、イナズマンの一撃が
炸裂する。
「チェースト!」
腕を取られてがら空きになったボディにパンチが打ち込まれると、
その衝撃でハンマーデスパーはよろよろとうずくまってしまった。
そこに更なる追い打ちをかけるイナズマン。機を逃さず空中高く
ジャンプするとそこから跳び蹴りを放つ。思いがけない攻撃に遭い
すっかり気が動転してしまったハンマーデスパー。蹴りの威力は思った
よりも強く、なかなか立ち上がることが出来ない。
「うわぁぁぁぁ!!」
叫びと共にイナズマンは倒れたハンマーデスパーに飛びかかり、
馬乗りになって殴りつける。ハンマーデスパーのボディにイナズマン
の拳が打ち付けられるたびに電光と火花が弾け飛ぶ。
「おじいちゃんの仇!覚悟しろ!!」
ひとしきり殴りつけたイナズマンはそう言ってハンマーデスパーの
頭をつかむと、強引に引き起こした。
戦闘態勢が整っていないハンマーデスパーに対して、さらに攻撃を
加えるイナズマン。連続攻撃が次々に決まり敵を圧倒していく。
「まさかこの俺がここまで押されるとは!このガキ、本物か?!」
ハンマーデスパーも必死に応戦を試み、右に左にハンマーを振り
下ろす。しかし、イナズマンはそれを冷静に捌くと、大振りの一撃に
カウンターのパンチを放つ。
「チェェースト!念力パーンチ!!」
「ガハァッ!」
必殺のパンチが顔面を捉えた。金槌状の頭部がひずむほどの一撃を
食らったハンマーデスパーは既に這々の体。すっかり戦意を喪失して
イナズマンに対して背を向け、這ってでも逃げようともがく。
「こっ、このままでは済まさんからな!覚えてろ!」
どうにか立ち上がったハンマーデスパーは、そんな捨て台詞を残すと
よろよろと公園から逃走した。イナズマンは後を追おうとしたが、敵は
地上に張り巡らされた地下世界との通路を通って退散していた。
と、その様子を物陰から見ていた影があった。先ほど闇討ちにされた
ウデスパー参謀だ。ハンマーデスパーの一撃から立ち直った矢先、
彼はまたも驚くべき光景を目にしたのだ。
「信じられん、まさかあの小娘が?!」
彼の目の前に立っていたのは、紛れもなくイナズマンだった。だが、
その傍らには、かつてイナズマンとして戦い続けた仇敵の骸が転がって
いた。五郎と里沙、二人の間に起きた出来事。それはウデスパー参謀
にもおぼろげながら推察することが出来た。
「おのれ渡五郎め・・・死してなお我らに刃向かうか!」
イナズマンとハンマーデスパーの戦いを見届けた彼は、総統への報告
を急いだ。渡五郎は既に亡き者となったが、それよりもイナズマンの力
を手に入れた里沙の方が軍団にとって危険な存在であった。
戦いは終わった。里沙、いやイナズマンはひとまずデスパー軍団から
の刺客を退けた。しかし、彼女に力を託した五郎老人は既に亡い。彼から
託された変転の力は、里沙を何処へ導くというのか。
「教えて、おじいちゃん。私はこれからどうしたらいいの?私は
これから、何処へ行けばいいの?」
始めて目にした地上の太陽。空を真っ赤に燃やす夕日がビルの谷間に
吸い込まれていく。里沙はデスパーシティに残してきた幼い子供達と、
今は亡き渡五郎に思いを馳せながら、夕焼けの空を眺めていた。
地下世界デスパーシティから脱走した少女、里沙。彼女は身よりもない
地上でこれから一人で生きていかなければならない。新たな自由の戦士
としての力を与えられた彼女に、安息の日は遠い。
第27話 「変転せよ!自由の戦士」 終
おつきあい頂きありがとうございました。イナズマン登場編は
以上です。この後のイナズマン編2話は中盤の話が書き上り完成
した時に、頃合いを見て参加させて頂きたく思います。序盤と
後半、ラストは既に書き上がっているのですが、僕が「思いついた
ところから書く」タイプなので全体が仕上がっておらず、中盤の
展開を考えてるところです。
それに加えて他の話を思いつくとそこでまた書き始めて・・・と
言った具合で気がつけば3本くらい平行して書いてる状態です。(W
>>名無し天狗さん
イナズマン編第2話以降はさらに急展開のヨカーンです。(W
ハンマーデスパーの逆襲、そして活躍というよりむしろ「受難」
とも言うべき過酷な運命がニィニィに待ち受けている、予定。
怒濤の新展開を見せる「仮面ライダーのの」。出会いと別れ、
ついに姿を現した大首領。この後もさらに新たな展開が待ち受けて
いるでしょう。
娘。たちの戦いの先にあるものは果たして何か?誰も知らない
この物語の結末、僕も注目してます。
>ナナシマンさん
更新お疲れ様!期待倍増激応援チェースト!!
ナナシマンさま
おつかれー!イナズマンって見た事ないんですよね。
でも、これはいいですね。急展開のヨカーンが楽しみ。
スレッド数が600を越えたので緊急保全
860 :
名無し天狗:02/09/30 21:29 ID:Hoz7hsZC
番外ではなく本編での平家・松浦はどんな形で登場するんだろう保全
>>860 ageちゃってよいのだろうか? 一応sage保全
>861
ゴメン、sageるの忘れてた・・・しかも放ったらかし・・・。
改めてsage保全
保
次作者カム保全
シェキドルはここではどうなるの保全
保全
いんたーみっしょん!
【ご来店お待ちしています。】
開店当初はそこそこ、繁盛していたお店も客足が途絶えてしまった。
「お客さんが来ないのはいつから?」
この状況にめぐみは苛立っていた。
「チラシも配った。ホームページも作った。」
「そうすれば、お客さんが来るって、まさえ、言ったよね?」
「本当にどれくらい、待ってればお客さん来るの?」
「ねぇ、教えてよ、どれくらいなの?」
苛立つめぐみに、まさえが言った。
「もっと、うまく宣伝すれば良かったかな?」
「まだ売れると思うんだけど、駄目かな?」
「店の奥に残ってる在庫。」
「でも、本当に、お客さん来ないのいつからだろう?」
「やつらが現れれば、結局お店閉めて、出かける方を選ぶし。」
まさえも考え始めた。
「せっかく作った、家具とかだって、全然売れないよ、もう泣きそうだよ。」
めぐみは、かなり落ち込んでいる。
「もっと早く気がつくべきだったね、お客さん減ったの。」
「でも、めぐみの家具好きって言ってくれる人だっているの知ってるでしょ?」
「きっと、また来てくれるよ。」
「お客さんが来ないのはいつからでしょうなんて言ってないでさ、頑張ろう。」
まさえは、そう言うと、新しいチラシを作り始めた。
「そうだね、焦ってもしょうがないか、でもなー、もう待てませーん。」
いんたーみっしょん。おわり
つづけ・・
>名無しんじーさん
「バイクロッサー」のいんたーみっしょんですね。
めぐみと雅恵の普段の顔が手に取るようにわかっておもしろいです。
・・・ところで、初登場の話にあった「大山田のおばさん」って、
出典はもしかして(←大げさ?)「ア○ド○をさ○せ!」のミニドラマの
名悪役(笑)の「あの人」ですか?
871 :
まn:02/10/06 13:19 ID:On1JlcvO
名無し天狗様
大山田さんはその通りです。
一応今回の、いんたーみっしょんは「電話待っています」
パロディだったのですが、気づいていただけたでしょうか?
>名無しんじーさん
なるほど、メロン記念日「ならでは」ですね。
歌詞を思い出しながら読むとなるほどって感じ
875 :
名無し募集中。。。:02/10/09 16:28 ID:gCbpmuNE
age
放置プレイ中保全
ののたんとあいぼんの最終形態は?
>877さん
それは今後のお楽しみ・保全
6期加入してももう配役が残ってないな
各作者の皆さんは何処に
どなたも、書かれない様なので行かせていただきます。
一応続編できました。
28話【出会い】
話はのの達がパーフェクトサイボーグと出会う少し前の事である。
めぐみとまさえに次々とロボを破壊されるデスター。
「えーい、いまいましい。バイクロッサーとやらめ。」
いらつく、デスターの首領その名も『ドクターQ』
「こうなれば、私自ら出張ってくれるわ。」
そう言うとドクターQ自ら戦いの場へと向かった。
場所は変わって『インテリアショップペガサス』
「よし、出来た。まさえ、出来たよー。」
めぐみは、まさえに声をかけた。
「今行くー、ちょっとまって。」
まさえが一階の店から上がってきた。後ろにはもう二人ついて来ている。
「あっ、来てたの。」
メグミは後ろの二人に声をかけた。
まさえの後ろに居るのは、今出来たばかりの、家具の注文主で
ペガサスの隣にある、『何でも屋ハローワーク商会』のひとみとあゆみだった。
二人は、最近まさえとめぐみが出動する時の店番をしているのである。
「うん、注文通り。さすがめぐみ。」
ひとみは注文したテーブルの出来に満足している様だ。
その時である、まさえはやつらが居るのを感じた。
「めぐみ!やつらだよ。」
「うん、行こう!ごめん、後お願い。」
めぐみは、ひとみに言った。
「はい、解りました。いってらっしゃい。」
ひとみがそう言うと、あゆみも二人に声をかけた。
「がんばってね。バイクロッサー!」
ひとみもあゆみも、二人のやっている事を知り協力しているのだ。
マサエとメグミは近くの公園にやってきた。
そこには、デスターのロボット『ドラクロス』とドクターQ
それと、ブラックマン数人が二人の少女を囲んでいた。
「わはは、泣け、ガキども。」
ドクターQの笑い声が響く。
「なんや、おまえら!せこいまねしおって。」
「アイスが、アイスがー・・・」
「いつまで泣いてんねん、いくで、のの!」
「ゆるさないのれす。アイスの仇れす。」
二人の少女が構えたその時
「まちなさい、そこまでよ!」
メグミはいつもの様に叫んだ。
「貴様らがバイクロッサーか!ワンパターンの登場だな!」
ドクターQは笑った。
「バイクロッサーメグミ!」
「バイクロッサーマサエ!」
二人は名乗りを上げた。
「名乗らんでも解っとるわ!ドラクロスやれ!」
ドラクロスとブラックマンが二人に襲い掛かる。
「そっちこそワンパターンの攻撃じゃない。」
ブラックマンを蹴散らしてマサエが言った。
一方、メグミもそれほど苦戦はしていない様だ。
「フン、それはどうかな?」
ドクターQは余裕の笑みを浮かべる。
あらかたブラックマンを片付けた二人にドラクロスが襲い掛かる。
「くらえ!」
ドラクロスは口から何か吐き出した。
二人は素早くよけた。しかしそれが当たった地面が解ける。
「溶解液?まずいな。」
メグミはつぶやく。さらにドラクロスはマントを翻し襲ってくる。
溶解液とマントの二重攻撃に二人は苦戦していた。
「メグミ、こんなのどうだろう?」
マサエある作戦を思いついた。
「うん、それやってみよう。」
メグミはバスタークロスを乱射する。そしてドラクロスに向かっていった。
ドラクロスは構えた、しかし突進するメグミの後ろから
マサエが現れ一撃を加えた。
【隠 烈 剛】バイクロッサーのコンビネーション技
メグミの後ろにマサエが隠れ一人と思わせる
まるでジェットス○リームアタックの様な技である。
「今だ、ブレイザーカノン」
ブレイザーカノンを食らってドラクロスは息絶えた。
「おのれ、次はこうはいかんぞ!」
そう言うとドクターQは去っていった。
「またんかい、ゼティマ!」
関西弁の少女が叫んだ。しかしそこにはドクターQの姿はすでになかった。
「大丈夫?」
メグミは少女達に声をかける。
「大丈夫や、ありがとうな。ねーちゃん達ゼティマ知っとるんか?」
「ゼティマってさっきのデスターの連中の事?」
マサエが聞いた。
「デスター?デスターゆーんかあいつら。」
「ゼティマって何?」
メグミは少女達に尋ねる。
関西弁の少女はハッとした。
「いや、なんでもない気にせんといて。」
「ゼティマは悪いやつらなのれす。」
「アホ、おまえは黙っとき。いや、助かったわ、ありがとう。」
そう言うと少女達は、去っていった。
今回はここまで、続きは今日中にはまた書きます。
_、_ グッジョブ!!
( ,_ノ` ) n
 ̄ \ ( E)
フ /ヽ ヽ_//
>名無しんじーさん
YO!待ってました!バイクロッサーと辻加護ライダーの
運命の初対面シーン!いんたーみっしょんで一度読んだことはあったんですが、
(失礼な言い方かもしれませんが・・・)ディレクターズカット版になって
より面白くなって、今後の彼女たちの共同戦線を予感&期待させますね。
斉藤&柴田も登場して(「ハローワーク商会」とは盲点でした)安心しました。
続きも期待!ファイト!
続きです。
店に戻った二人は、ひとみ達と先ほど出会った少女達の事を話し合っていた。
「あの子達が言っていたゼティマって何?悪い奴らって言ってけど・・」
めぐみは言った。
「それに、あの子達何かしようとしてなかった?(いくで)って。」
まさえが応える。二人の話を聞いたひとみが言った。
「その子達そのゼティマってのを知ってるけど隠そうしてるみたいね。」
「すぐにどっか行っちゃったんでしょ?なんか気になるなー。」
結局なにも解らないまま数日が過ぎた。
場所は変わってこちらは中澤家。今日は家族も増えたのでお買い物。
「ホンマいいテーブル見つからんなー。大体人数多すぎんねん。」
安倍、高橋が加わり中澤家のテーブルも狭くなってしまった様だ。
「中澤さん、そんな事言ったってしょうがないですよ。」
「そやで、仲間は多い方が楽しいやんか。」
「そうなのれす、みんな家族なのれす。」
梨華、亜依、希美が同行していた。
「そやな、ポジティブに考えんとな。」
「そうですよ。何事もポジティブです。」
一行を乗せた車はある店を見つけた。
その店の看板にはこう書かれていた。
【インテリアショップペガサス】そしてその下には
『オーダーメイド家具承ります。』
「おっ、ちょっとここ覗いていこうか。」
店の前の駐車場の車を止めると一行は店の中へ。
「こんにちはー。」
中澤は声をかけた。店の奥からまさえが出てきた。
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
「大きいテーブルなんやけど、できれば安いのがいいなー。」
「はい、目的とご予算に合わせたものをご用意させていただきます。」
まさえは話しながら中澤の後ろを見る。
「おっ、これおもろいな。どや梨華ちゃん。」
「あいぼん、こっちの時計かわいいれす。」
後から入ってきた三人のうち二人はあの時子達だ。
「出来れば20人位で使える奴・・ねぇ聞いてる?」
中澤の言葉に我に還るまさえ。
「あっ、はい、では、詳しくお話しましょう。こちらにお座り下さい。」
まさえは、そう言うと、二階のめぐみの所へ行った。
「めぐみ!この前の子達が来てるの、一緒に来て。」
二人は一行の所へ。そして具体的な商談をしている時
「ねえちゃん達、どっかで会った事ないか?」
亜依が突然聞いてきた。
「いえ、初めてお会いすると思いますが・・・」
まさえが答える。
「そっか、じゃ気のせいやな。」
話は進み
「よっしゃ、気に入った。これでお願いするわ、配達はしてくれんの?」
「はい、ありがとうございます。完成しだいお届けいたします。」
一行は注文を終えると帰っていった。
「びっくりしたよ。あの子達だよね?」
「うん、でもどうしようか?」
「どうしようかって、とりあえず、作業にかかってよ、今暇だし。」
「わかった、一応まさえは、ひとみたちに知らせて。」
めぐみの作業は急ピッチで進められテーブルは完成。
配達は、四人で行く事にした。配達の車の中で
「どうするの?あの事聞くの?」
あゆみは三人に聞いた。
「うん、でもねそれで怒らせてキャンセルされたら痛いしなー。」
まさえは商売の心配をしている。
「ちょっと様子を見ようか?それからだね」
ひとみが言った。車は中澤家に到着する。
「こんにちはー。ペガサスです。テーブルお届けに伺いましたー。」
「はーい。」
家の中から小柄な子が出てきた。
「あっ、もう出来たの?早いなー。裕ちゃんテーブル来たよー。」
「矢口、入ってもらってー。」
「はいよー。じゃあリビングにお願いします。こっちです。」
矢口に案内され四人はリビングに行った。
「それじゃ、今組み立てますので。」
めぐみは素早くテーブルを組み立てた。
「おっ、ええやん、注文通りやね。」
中澤が満足そうにそう言うと、中澤家の面々が集まってきた。
「いいねぇー。」
「これなら、みんなで使えるべさ。」
十人はいるだろうか、その人の数に四人は圧倒されていた。
「ちょっと事情があってな、みんなここにおんねん。気にせんといて。」
中澤は四人に言った。
とてもこの前の話を聞ける状況ではなさそうだ。
そう思った四人は、夕暮れの中帰路についた。
帰り道四人の乗った車の前を何かが遮る。
「何?」
まさえは車を止めた。
そこには、派手なコスチュームの連中と鳥の化け物がいた。
「こいつらは?デスター?でもちょっと違うみたい・・」
めぐみがそう言うと鳥の化け物が言葉を発した。
「おんな四人か、ちょうどよい、このカナリコブラ様の実験台にしてやる。」
そう言うと、化け物達は四人に襲い掛かる。
めぐみとまさえは過去の戦闘により生身でも戦えた。
一方ひとみとあゆみはこちらも【何でも屋】の職業柄
護身術は心得ていた。特にあゆみは身体能力は高く十倍とは行かないが
他人より優れていてさらに、リアル合気道の使い手でもある。
しかし、相手の数が多すぎる。徐々に追い詰められたその時
けたたましいエンジン音と共に二台のバイクが現れた。
「出たなゼティマ、うちらが相手や。」
「覚悟するのれす。」
「来たかライダーども、その四人共々死ぬがいい。」
バイクで現れたこれまた怪人の様な戦士だが、その声は
「まさえ、この二人あの子達じゃない?」
「うん、この声しゃべり方間違いなさそう。」
ライダー達の参戦はあったが敵の数が多い。
そしてついにひとみが深手を負ってしまった。
「ひとみ!」
まさえとめぐみは叫んだその時、二人の体は光に包まれた。
「うそ!変身してる。」
ひとみのピンチが二人を超空間に通らずに変身させたのだ。
「バイクロッサーメグミ」
「バイクロッサーマサエ」
二人は怪人達に名乗りをあげた。
変身を遂げた二人はゼティマの戦闘員の敵ではなかった。
「あゆみはひとみの手当てをして。」
メグミがあゆみに言った。あゆみは、近くの戦闘員を倒すと
素早くひとみに駆け寄った。
「やっぱりこの前助けてくれたんは、ねーちゃん達か。」
亜依がマサエに話し掛ける。
「その話はこの後にしよ。」
「そやな。」
ライダーとバイクロッサー四人の力はあっという間に戦闘員を片付けた。
残されたカナリコブラは
「くそっ、覚えておれ。次はこうはいかんぞ。」
そう言って立ち去ろうしたが
「お前につぎはない!」
マサエはそう言うとスリングクラッシャーを放つ。
同時にメグミはクロスシューターを放つ。
同時攻撃を受けたカナリコブラはひるんだ。
「とどめや、ライダーキィィィック。」
ライダーキックをまともに受けてカナリコブラは爆発した。
「終わったな、はよひとみさんの手当てせな。」
そして全員中澤家に戻った。
ひとみは中澤家で手当てを受け意識もしっかりしている。
「助かりました。ありがとうございます。」
あゆみがお礼を言う。
「気にしないで下さい。もう大丈夫ですよ。」
梨華はそう言いながら笑った。
「さて、それじゃ話聞かせてもらっていいかな?」
まさえとめぐみは今までの話を話した。
「そうか・・ゼティマの事は知らんのか。」
そう言うと中澤も自分達の事を話した。
めぐみ達四人にその話は信じられないしショックだった。
ここの家の大半は改造人間で梨華ともう一人のひとみは人造人間。
とてもそうは見えない。どう見ても普通の人間だ。
しかし、傍から見れば、自分達の存在すら信じられないだろう。
その様子に気がついたのか保田が言った。
「信じられないのは無理ないよ、でも事実なんだ。」
「かわいそうって思うかも知れないけど、私達は誰一人後悔はしていないよ。」
そう言って笑った。
「それにね、あなた達は改造こそされてないけど同じ立場かも知れない。」
今度は彩が二人に話し始めた。
「デスターは、ゼティマの傘下の組織なの。簡単に言うと資金集めの集団ね。」
「ゴーラ像を手に入れてからは勢いづいてたね。」
そこでめぐみが尋ねる。
「ゴーラ像って・・」
「おそらく、あんたが思ってるもんやね。」
今度は中澤が話し始めた。
「のの達から話し聞いてな、思い出してん。」
「デスターとゴーラ像、あれどっからか奪って来た言ってたわ。」
「あんたらの話からするとおそらく・・・」
中澤の言葉が止まった。
「そうですか・・、やっぱりあの火事は事故じゃなかったんですね。」
めぐみは拳を握り締めた。
「100%そうだとは言えんけど、たぶんな・・」
「あいつらなら、それくらい平気でやると思うわ。」
中澤がそう言うとまさえが中澤に言った。
「あいつらは何処にいるんですか?教えて下さい。」
かなり興奮している。
「はっきり言ってわからん。ごめんな。それに知ってても教えられんよ。」
「なぜですか?知ってるなら教えて下さい。」
「だから、知らんゆーてるやろ。仮に教えたとしてあんたらで何ができるん?」
この言葉にまさえもめぐみも何も言えなかった。
「忘れてほしくないんは、みんな同じって事。」
「ただむやみやたらに戦うんは無謀やないん?」
「きつい事言う様やけど、今日の事だってそうやろ?」
「普通なら逃げるとこやろ?でも何とかなるって思わなかった?」
「逃げてればその子だって怪我しとらんかったかも知れんし。」
中澤の言葉はその通りだった。めぐみもまさえも多少の驕りはあった。
「たしかにそうかもしれません。ひとみ、ごめんね。」
めぐみがひとみに言った。
「大丈夫だよ、それに逃げなかったから今ここにいるんだし。」
「ありがとう。」「ありがとう。」
めぐみもまさえもそう言ってはいるが涙ぐんでいる。
「何も泣く事ないべ。それが成長だべさ。」
安倍が言った。それに高橋がつっこむ。
「それって安部さんが言う事ですかね?」
高橋のつっこみにその場のみんなが笑った。
「なんだべさ、なっちだって日々成長してるべさ。」
安倍も怒りながら笑っている。それを見てめぐみとまさえにも笑顔が戻った。
「どうやろ?あんたら四人も、うちらに協力してくれんかな?」
「めぐみさんもまさえさんもかなりの力ありそうやし。」
「あゆみさんもひとみさんも相当のもんやで。」
中澤は四人に協力を求めた。
四人は顔を見合わせると頷いた。
「はい、喜んでお引き受けします。でも・・・」
めぐみの言葉が止まった。
「おいら達の事は気にしないでよ。それは全部が終わってから考えようよ。」
めぐみ達の気持ちがわかったのか矢口が言った。
「はい、すいません。よろしくお願いします。」
四人は頭を下げる。
「あっ、でもここには住めませんよ。」
まさえが言った。
「あたりまえやろ、たださえ大人数なのにこれ以上面倒みれるか。」
「さーて、仲間になった以上呼び捨てでいくでええな?」
「えーと、めぐみにまさえにひとみにあゆみ、ひとみがかぶるなー。」
「よし、村田、大谷、斎藤、柴田、これで行こう。」
中澤がそう言うと四人は頷いた。
「それにと、大谷ちゃん、うちら仲間だよねー。」
「えっ?はい、そうですね。」
「だったらー、テーブル代もう少しまけてくれへん?」
「えーっ!そんなー、勘弁してくださいよー」
「(怒)仲間やないの?そんなもんなん?」
中澤の勢いにまさえは負けた。
「はい・・・値引きさせていただきます・・・」
「そやろ、そう言ってくれと思ってたわー。」
「よし、そんなら、冷蔵庫にメロンあったやろ、みんなで食おかー。」
「やったー!」
みんな大喜びだ。特に辻はうれしそうだ。
「ひさしぶりなのれす。今日はメロン記念日れす。」
これがバイクロッサーとライダー達の出会いの物語である。
その後の出来事はまだ誰も知らなかった。
第28話【出会い】終わり!
以上で出会い編は終了です。
ちょっとおかしな部分あるかも知れませんが勘弁してください。
戦闘シーンはもう少し頑張らないといけないなー。
名無し天狗様
柴田と斎藤をどうやって出そうか考えていたのですが
この前古いビデオを整理してハロモニのアルバイト柴田をみて
これだ!と、原作に出てくるキャッツワーク商会を思い出しました。
大分違いますが・・・
名無しサバイブ様
いんたーみっしょんのレスありがとうございました。
今回はいかがだったでしょうか?
ALL作者様
900超えちゃいましたごめんなさい。
>名無しんじーさん
出会い編のカキコお疲れ様でした!
ついにバイクロッサーも中澤軍団と合流、共闘という運びとなるわけですね。
楽しみにしてます!
・・・最後のくだり、みんなでメロンを食べて辻のセリフ「今日はメロン記念日
れす。」・・・上手いですね。座布団一枚!
∧_ヘ
/ \〇ノゝ
/三√・ω・`)ホゼン
(つ旦と)
と_)_)
hozen
ご無沙汰してました。
ノートPCが不調だったんですが、分解して自力でどうにか回復
しますた(W
>>名無しんじーさん
インターミッションと本編28話、楽しませて頂きましたよ。
特にインターミッションについてはホントにアイデアの勝利と
言うか、曲の歌詞をストーリーに織り込むなんて思いもよりません
でした。
本編の方は名無し天狗さんの一言に集約されますね。こちらも
良いですよ。お疲れ様でした。
白い名無し娘。さんの次作が待ち遠しいところではありますが、
スレッド維持のためにもイナズマン編2話を続けさせて頂ければ
と思うのですが、いかがでしょうか?もしよろしかったら明日の夜
あたりから始めさせていただければと思う次第です。
ナナシマン様
感想ありがとう御座います。
アイデアの勝利とは嬉しいですね。
正直書いたのはいいけど、みなさんに怒られるのではないかと
思ったりもしていたのですが・・・
昨日過去ログ読み返しましたが、やっぱり皆さん凄いですね。
イナズマン続編に期待です。
名無し天狗様
座布団10枚で何か貰えるのでしょうか?(w
>名無しんじーさん
イエ・・・「座布団あげちゃうくらい上手いこと仰る」と
言いたかったわけで・・・。ホント、いいまとめ方してますよ。
>ナナシマンさま。
えーと。なかなか自分の話がまとまりませんのでどうぞ。
他の作者さん達も私に構わずにやって頂いて構いませんので。
すいません。なるべく早く書き上げたいと思いますので。
それでは。
,,;⊂⊃;,、
(´D`∩)
【( ⊃ #)
し'し'
第29話「紅い暗殺者」
イナズマンに敗れ去ったハンマーデスパーは、這々の体で
デスパーシティに帰還した。上司であるウデスパー参謀を闇討ち
にして手柄を手に入れようと目論んだ結果が無様な敗退とあって
は、彼に待ち受ける運命は一つしかない。
シティに帰還した彼は早速捕縛され、ガイゼル総統の前に
突き出された。そこには闇討ちにされ手傷を負ったウデスパー参謀
もいた。
ガイゼル総統は既にウデスパーから報告を受けており、里沙が
イナズマンであることも、ハンマーデスパーの裏切りも知っていた。
それでも、相変わらず総統は表情一つ変えずチェスに興じていた。
「この俺を闇討ちにするとは、貴様そうまでして手柄が欲しかった
のか!その挙げ句になんたるザマだ!」
自分を闇討ちの目に遭わせた上、任務に失敗したハンマーデスパー
を目の前にして怒りをあらわにするウデスパー。
一方そんな二人に背を向けて、チェスに興じるガイゼル総統は
おもむろに駒を動かす。その姿にウデスパーは何かを察したように
右腕を鋭いハサミに取り替ると、冷酷に言い放った。
「貴様には相応の償いをしてもらうぞ・・・フン!!」
刃の閃きと共に、ハンマーデスパーの左腕が切り落とされた。
「ギャアアアア!!」
苦しみもだえてがっくりと膝をつくハンマーデスパー。そんな
彼の前に立つ影、一つ。ガイゼル総統である。
「ハンマーデスパー、貴様の使命は?」
「そ・・・それは・・・」
「もう一度聞く。貴様の任務は何だ」
威圧感に満ちた低い声で問いかけるガイゼル総統に対し、答えに
窮するハンマーデスパー。と次の瞬間、ガイゼル総統は無言で手に
した杖を握るや、仕込まれた細身の剣を抜いてハンマーデスパーの
首を刎ねた。金槌状の頭部が転がり落ちる。
「そ・・・総統閣下、いっ・・・命だけはお助けを!!」
首を切り落とされながらも、命乞いをするハンマーデスパー。
心臓部を破壊されない限りデスパーロボは死ぬことはない。あまりに
哀れな部下の姿にウデスパーは挽回の機会を与えようと思ったのか、
こう言った。
「一つだけ、助かる方法がある」
残った右腕だけでウデスパーの足下に縋ると、ハンマーデスパーは
必死の思いでその言葉に答える。
「何でもする!何でもするから殺さないでくれ、ウデスパー!!」
ハンマーデスパーの言葉を聞いた総統が、またも黙って駒を動かす。
その姿に何事かを悟ったウデスパーは助命の条件を提示した。
「一日与える。行ってイナズマンを始末してこい」
「たった一日?!」
与えられた期限はわずかに一日。あまりにも短すぎる。この身体
では無理だ、とハンマーデスパーが言いかけた、その時。
「ハンマーデスパーは自信がなさそうですが」
ウデスパー参謀のそんな言葉が総統の耳に届くのを恐れ、
ハンマーデスパーは必死に否定する。出来ない、などと言おう
ものなら間違いなくその場で処刑される。しかし1分1秒でも
生きながらえればチャンスはあるかもしれない。彼に選択の余地は
なかった。
「ハンマーデスパーを修理部隊へ移送しろ!」
かくして彼はウデスパーに命じられ、修理部隊へと移送された。
その姿を見送るでもなく、ガイゼル総統は一人チェスを続けていた。
すると、そこへ姿を現したものがある。デスパーシティの市長、
サデスパーだ。
「閣下、レッドクインがドイツより帰国し、日本に入ったとの
報告が」
その知らせに総統が一瞬手を止める。その姿にまたも総統の意志
を感じ取ったウデスパー参謀は、サデスパーにこう告げた。
「おそらく、あの女はすでに何処かに潜伏しているだろう。至急
貴様の部下に命じてメッセージを送れ。『花は死んだ』と」
「花は死んだ」、これは女暗殺者、レッドクインと軍団が連絡を
取り合うための暗号メッセージだ。もしこれをレッドクインが見れば、
彼女の方から連絡が入るのである。
「レッドクインが日本にいるのならちょうどいい、イナズマンを
始末させよう。念には念を、だ」
里沙−イナズマンを狙うもう一つのたくらみが、静かに進行しようと
していた。
一方、里沙は一人途方に暮れていた。
地上世界にたった一人で放り出されてしまったのだから無理もない
話なのだが、その上彼女は今やデスパー軍団に追われる身となって
しまった。
行くあてなど最初からない。一人街を行く孤独の少女。夕闇迫る街
にたたずむ、小さな影。
と、その時何者かが里沙の目の前に姿を現した。心細さに思わず涙
が出そうになってしまった、そんな里沙の目の前に立つ一人の女性。
彼女は里沙の元に近づくと、優しくほほえんでこう言った。
「あなた、もしかして新垣里沙ちゃん?」
女性は里沙のことを知っているようだった。突然のことに驚いた
様子の里沙を前に、女性はさらに言葉を続けた。
「びっくりさせたかな?ごめんなさい。私は沙紀。荒井沙紀。
あなたと一緒にいたおじいちゃんがいたよね?前に見かけたんだけど。
あの人のことも知ってるよ」
すっかり日が落ちた夜の街をわたる風は、身よりのない少女には
冷たすぎる。沙紀は里沙を連れて、近くの喫茶店へと入っていった。
風邪を引いてしまい、予定より出遅れてしまって申し訳ありません。
今晩よりスタートです。
>>白い名無し娘。さん
お言葉に甘えましてスタートさせて頂きました。白い名無し娘。さん
のも読者として楽しみにしていますよ。
>ナナシマンさん
遂に来ましたイナズマン編その2(←でしたっけ?)!
以前、保全メッセージで「シェキドルはどうなるのか」と書いたことが
ありましたが・・・・・・なるほど、意表を衝かれましたね。
こうなると、残りの「三人(延べ人数)」が気になりますが・・・・・・
まずは里沙と沙紀の今後の展開に期待チェーースト!!!
(か、感想文になってない・・・・・・スイマセン!)
>ナナシマンさん(連続カキコご容赦!)
お体に気をつけて、マイペースでがんばってチェーースト!!
「私の父はね、あのおじいちゃん・・・五郎さんとは一緒に戦った
仲だったんだよ」
「おじいちゃんの、友達?」
沙紀の言葉に、里沙はそういって不思議そうに尋ねる。その言葉を
聞いて沙紀は言った。
「私の父はインターポールの捜査官だったの。でも、デスパー軍団
との最後の戦いの時に捕らえられて、処刑されてしまったの。五郎さん
は父を助けるために必死で戦ったんだけど・・・」
沙紀の話に表情を曇らす里沙。思えばデスパー軍団は、彼女にとって
も肉親同然だった五郎の仇である。
「ごめんね、いやなことを思い出させちゃったね。あたしったら」
うつむいてしまった里沙の気を紛らわそうと、精一杯の笑顔を見せる
沙紀。そして二人は、しばらくお互いのことを語り合った。
と、その時。不意に沙紀の携帯電話の着信音が鳴る。
「あ、誰からだろ」
そう言って沙紀はディスプレイに視線を落とす。それは電話ではなく
メールの着信を告げる音だった。しかし沙紀が送信者を確認した時、
彼女の顔から血の気が失せていく。そんな沙紀の様子を不思議そうに
見つめる里沙。
「どうかしたんですか?」
「・・・ううん、何でもない。里沙ちゃん、ちょっとごめんね?」
そう言って沙紀はあわただしく席を立つと、トイレに駆け込む。
そのまま彼女は携帯を手に取ると、キーを素早く押し始めた。まるで
メールを打っているようにも見えるその作業は、実は暗号化された本文
を解読するためのパスワード入力なのだ。数秒後、暗号を解除された
本文が出力されると、沙紀は本文を確認して絶句した。
「件名:花は死んだ 指令:脱走者の抹殺 市民統制番号:21GA−K1
氏名:新垣里沙 上記の者は渡五郎と接触し、イナズマンの力を継承した
危険分子である。写真を添付するので、確認次第指令を完遂せよ。 D」
何かの間違いであってほしい、と沙紀は添付された画像を開く。と、そこに
映し出されたのは、太い眉毛も印象的な少女の姿。間違いなくそれは里沙
だった。思わず天を仰ぐ。
「そんな・・・ひどい」
愕然となる沙紀。しかし彼女はそれでも努めて平静を装おうと、何食わぬ
顔で個室から出て行った。
「行くところがないなら、しばらくウチに居たらいいよ。ね?」
沙紀のそんな言葉に、里沙は甘えることにした。このまま街を
彷徨ったところでどうなるわけでもない。もしかしたら、デスパー
の刺客に見つかってしまうかもしれない。そう考えると、沙紀の申し出
は里沙にとって唯一の救いだった。そこで早速二人は沙紀のアパートへ
帰ることにした。
と、その道中。二人は通りすがった公園で怪しい人影に出くわした。
壊れて消えてしまっていた街灯のあたりに、確かに人がいる。デスパー
か、あるいはそれ以外の何者かなのか。里沙は恐ろしくなって沙紀の腕
にしがみつく。
「このあたりで待ってたら、もしかしたら会えるかもと思ってね。
その娘を連れてどこへ行くつもり?荒井沙紀、いや、レッドクイン」
不意に聞こえたその声は、女性のものだった。年の頃はまだ十代後半
くらいの、少女の声だ。すると、壊れていたと思っていた街灯に、突然
明かりが灯る。それはまるでスポットライトのように、声の主の姿を
浮かび上がらせた。そこに立っていたのは、黒いテンガロンハットを
かぶった少女。声の主はどうやら、彼女のようだ。
本日はここまでです。一応日曜には終わるかな、と言う感じです。
それにしても、そろそろ新スレのことも考えないといけませんね。
>>名無し天狗さん
実は残りの三人の事は考えてなかったです・・・すいません。
ホントどう使いましょうか。思案どころです。