1 :
沢田 五郎:
私は、某S高校に通う普通の高校生だったのです。
2 :
名無し ◆RINNe/cA :02/02/13 02:08 ID:6UH8sQ4V
2
3 :
:02/02/13 02:09 ID:g4hw1eSU
3
4 :
名無し募集中。。。:02/02/13 02:09 ID:wXbzbYg0
テスト
5 :
名無し募集中。。。:02/02/13 02:09 ID:yXoLZayC
4
だめだめ〜♪
てすと
8 :
紺野の愛+α:02/02/16 22:37 ID:mBEEU489
ちょっとリサイクルして小説書かせてもらいます。ウィ
9 :
紺野の愛+α:02/02/16 22:39 ID:mBEEU489
【 序章 】
「・・・あかん!」
つんくはテーブルの上の企画用紙を、手で派手にばら撒いた。
「な〜んも思いつかん。歌詞もあかん、音もあかん、脱退もあかん。ホンマ、な〜んもネタないわ〜」
ここ最近、ネタを考えるだけで何も浮かばず、ただ時間だけが過ぎていった。
風呂は三日も入っていない。髭は伸びっぱなしで目の下には隈が浮かんでいる。
下手すると、どこかの浮浪者を思わせる容貌だ。
つんくは椅子に座ったままウーンと背伸びをする、と、ふと机の横に置いてあるノートパソコンに目が留まった。
「・・・ちょっとだけ休んでもバチは当たらんわな。息抜きや、息抜き」
そう言ってネットに接続する。
「切り取ったチ●コ売ります?誰が買うねん!」
「核ボタンのスイッチ?アホかい!そんなもん売るなや!」
「合体装置?ちょっとおもろそうやな」
「ネットでキャベツなんて誰が買うねん!」
ネットオークションを覗き、商品を見ては一人ツッコミ。つんくの頭は次第にハイになっていく。うひひ。
「ひゃっひゃひゃひゃ!ええ感じになってきたで〜!・・・おっ、そうや、あそこも行ってみるか」
ネットの検索画面に戻り、検索欄に「2ちゃんねる」と入力する。
「即効で羊板やで〜!!」
誰もいない部屋で一人書叫ぶ。こうなった彼は、誰も止めることができない。
「おう、つんくが来た記念や!!ヲタどもに書きこんだろ!」
そう言って適当に目についたスレッドをクリック。
「何や?・・・なっちは処女!?・・・何や!ヲタは幸せやな〜!!」
傍から見たら、彼を何と思うだろうか。まさか誰もあの「つんく♂」だとは思うまい。
ぶつぶつ言いつつも、一つ一つのスレッドに目を通していく。
そのたびに「ほお〜」「んなアホな!」「ひゃひゃひゃ!」と感想(?)を述べる。と言っても独り言だが。
「よ〜し、次はこのスレッドや!」
そう言ってまた違うスレッドをクリックする。
「なになに・・・高橋と紺野がコンビ組め?アホ言うなや!新米同士が組んでどないすんねん!」
と、再びけたたましく笑う。と、急に笑いが止まった。
「・・・・・・お?これは・・・」
つんくは独り言をやめ、画面に見入った。
「・・・ほうほう・・・ええかもな、これ」
そう言うとニヤリと笑い、「いただきや!」と叫んだ。
「たまには息抜きもええむんやな!あとの問題はアレやな・・・」
そう首をかしげ、左にかしげ、右にかしげ、かしげ、かしげ、かしげること10数分。
何かを思いついたようにニヤリと笑うと、再びパソコンに向かい合った。
そしてネットオークションのページを開く・・・。
―――数日後
紺野は安倍、飯田と一緒にマネージャーの車でスタジオに向かっていた。
「・・・でね〜、また新しい絵を書いたの」
「あはは。だけどカオリの絵って変だよ〜」
「あっ!なっちひっど〜い。紺野ならわかってくれるよね」
「・・・・・・はぃ・・・今日も頑張ります」
安倍と飯田はしばらく顔を見合わせてたかと思うと、急に笑いだした。
「お〜い、着いたぞ」
マネージャーが三人に声をかけ、安倍、飯田が車から降りた。
二人に続いて紺野も降りようとした時、
「おう、紺野、紺野!」
後ろから紺野を呼ぶ声が聞こえた。そこにはつんくが立って手招きしていた。
紺野は車から降り、つんくに向かって歩いていった。
「つんくさん、あはようございます。本日はお日柄もよく・・・」
しかしつんくは紺野の言葉を手で遮った。
「紺野。重要な話あるねん。仕事終わったら俺の控え室に来てや。これは企業秘密やから絶対誰にも言うたらあかんぞ」
それだけ言い残すと、つんくはスタジオに入っていった。事態が飲み込めない紺野は、ただスタジオの前でボーっと立っていた。
「・・・紺野?どうしたんだ?」
車をとめ、戻ってきたマネージャーが、スタジオの前に立ち尽くしている紺野を見つけ、声をかけた。
「はい、わかりました」
紺野はマネージャーに向かって返事をした。
「高橋どうしたの〜?体調悪いの?」
モーニング娘。楽屋の中、さっきから椅子に座ったままうなだれている高橋に、矢口が声をかけた。
「あ・・・すいません。何でもないです、大丈夫です・・・」
高橋はそう言って、苦虫を噛み潰したような笑顔を返した。
体調は大したことはない。いや、悪くない。
ただ今日の朝、つんくに「重大な話があるから、仕事終わったら俺の控え室に来い」と言われ、高橋は自分の体から血の気が引くのを感じたのだった。
高橋は、この世界で生きていくにはプロデューサーに体を売らなくてはいけない、という噂を聞いたことがあった。
きっと・・・きっと私・・・つんくさんにあんなことやこんなことされて、ちんちん見せられて、スカートめくりされて・・・そして・・・そして・・・!
「いやっ!やめて!」
つんくの手が自らの足に伸びた時、高橋は思わず耐え切れず、声をあげた。
しかしそこは楽屋だった。全員が高橋の顔を見ている。
「た・・・高橋・・・やっぱどっか悪いんじゃない?」
「お疲れ様でした〜」
今日の収録が全て終わり、スタジオ内はざわめきに包まれた。
「あ〜、終わったね〜」
石川が辻に声をかけた。
「なあのの〜、これから一緒にごはん食べに行かへん?」
加護が辻に声をかける。
「あいぼんごめ〜ん。ちょっとつんくさんに呼ばれてるの〜」
「ふ〜ん。ならそれ終わってからでええか?」
「うん、いいよ〜」
辻はつんくの待つ控え室に向かって歩きだした中、「あっ」と言って立ち止まり、今朝、つんくに言われたことを思い出した。
「辻、今日の仕事終わったら、俺の控え室に来てな。これは秘密やから、絶対誰にも言うたらあかんよ」
「・・・言っちゃダメだって言われてたんだっけ」
しばらく辻は立ち止まって考え込んでいたが、「ま、いっか」と言って、再び歩きだした。
「つんくさん、きっとみんなに内緒でお菓子をくれるんだ」
天性の楽天家の辻は、ありもしない(?)ことを考え、スキップしながらつんくの待つ控え室へと向かった。
「「「あっ」」」
三人は思わず同時に言った。
「愛ちゃん、ののちゃん。こんばんは〜」
「あさ美・・・辻ちゃん・・・あなた達も芸能界の掟を・・・」
「愛ちゃんとあさ美ちゃんも、つんくさんのお菓子を食べに来たの?」
三人が三人ともにそれぞれ別々の言葉を発する。・・・沈黙。と、
「本日はお日柄もよく・・・」
「犠牲になるのは一番年上の私だけでいいの!」
「それともののにお菓子を食べさせないつもりなの?」
「今日のお仕事も大変だったね」
「辻ちゃん、芸能界では辻ちゃんが先輩だけど、人間では私がお姉さんなのよ!」
「うわ〜ん!うわ〜ん!二人とも嫌いれす〜!」
「それじゃあ私は、つんくさんに用事があるから・・・」
「そんな・・・泣かないで。まだあなた達を汚したくないの」
「うわ〜ん!!うわ〜ん!!ふとるふとる言うんじゃねーよ!!」
「失礼します」
「つんくさんだって人間よ。私が涙ながらに説得すれば、きっと・・・」
「ののだっていい加減デブキャラはいやなのれす!!」
「お前らうるさいわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
―――沈黙
「全く・・・人の控え室の前でギャーギャーわめきよって・・・。まあええわ、入れ」
つんくは呆れたように、三人を手招きした。それに従い、三人も部屋に入る。
バタン
突然後方から響いた音に、高橋は思わず振り返った。そこでは・・・
「・・・ドアはきちんと閉めましょう」
紺野が開けっぱなしになっていたドアを閉めていただけだった。
「・・・さて、ちょうど三人揃ったことだし、単刀直入に話すか」
「!」「!」「!」
ああ・・・きっと裸にされて、あんなとこやこんなとこ・・・!
早く!お菓子!お菓子!まだれすか!
・・・ガスの元栓、開けっぱなしだったかなぁ・・・。
三人に様々な思いが巡る。しばらくの沈黙の後、つんくが体を少し乗り出した。
「・・・実はな、お前ら三人でユニット組みたいんやけど」
その言葉を聞いて、思わず高橋が、
「・・・芸能界の掟・・・じゃ、ないんですか?」
「はあ?何やそれ?」
「お菓子食べさせてくれないんれすか?」
「・・・お前・・・この話終わったら、このセンベイやるわ!」
「あの、ちょっと家に電話をしに行ってもいいですか?」
「・・・勝手にせえ!!」
思わず怒鳴り声になり、紺野が出ていくと同時に椅子の背にもたれかかった。
「・・・なんや、こいつら・・・緊張感のカケラも感じられん・・・」
呆れて天井を見上げ、はあ・・・とため息をついた。
しばらく呆然と天井を見つめていたかと思うと、突然起きあがり、
「・・・いや、これでええんや!ワタモニ(仮)には、この緊張感のない感じが不可欠なんや!」
と叫んだ。そんなつんくを見て、辻と高橋は互いに目を合わせ、不思議そうな顔をした。
ガチャ
紺野が戻ってきた。
バタン
「・・・ちゃんと閉まってました」
「はあ?・・・いや、まあええわ。とにかくな、お前ら三人でユニット組みたいねん」
つんくはそう言って立ちあがり、三人に向かい合った。
「今までモーニング娘。の他に、大人系のタンポポ、ダンスユニットのプッチモ二、そして子供向けのミニモニとか色々やってきた。しかし、しかしな、何かが足りん!」
そう言って机をバンと叩く。思わず高橋と辻はすくみあがった。
「そう、癒しや!圧倒的な癒し系や!他の10人・・・いや、今まで脱・・・卒業した奴も含めて14人か。そいつらの誰もがピリピリしたオーラを持っとった!」
そこで、フーッ・・・と一息ついた。と、突然三人を睨つけ、
「しかしお前らは何や!ピリピリどころかフワフワしとるやないかぁぁぁぁ!!」
ぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
声を伸ばせる限界まで叫び、ガックリと椅子に座り込む。
息をきらし、再び天井を見上げる。
「・・・どうぞ」
顔を上げると、紺野が水を差し出していた。
「・・・ああ、サンキュな・・・(ゴクッゴクッ・・・)って、ちゃうわ〜〜!!」
再び叫んで立ちあがる。辻は高橋の服の裾をギュッと掴んだ。
「・・・いや、そのフワフワした感じは、お前らにしか出せん感じや!それは見方によってはプラスにもマイナスにもなる!それをプラスに持って行くことによって・・・」
「・・・っく・・・ひっ・・・・・・うわぁ〜〜〜〜〜ん!!」
突然、辻が泣きだした。高橋が辻を抱きかかえてつんくに困ったような顔を向けた。
「つんくさん、声大きすぎます。辻ちゃん怖がってるじゃないですか」
「うわぁ〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
「・・・・・・」
つんくの体から力が抜け、またまた椅子にどかっと座りこんだ。
「・・・つんくさん、これ、頂いてよろしいですか?」
紺野が、テーブルの上に置いてあるセンベイの袋を見ている。
「・・・ああ、ええよ」
疲れきったつんくには、もうろくに言い返す気力がなかった。
紺野はセンベイを一枚手に取り、辻に差し出した。
「・・・っく・・・・・・あ、お菓子」
紺野からセンベイを受け取った辻は、一瞬で泣き止み、それを見たつんくは体からますます力が抜けていくのを感じた。と、
「・・・いや、俺はその可能性にかけたんや」
そう自分に言い聞かせ、再び三人に向かい合う。
「実はな、ユニットを作るにあたってどうしても決めておかんとダメなもんがある。・・・そう、リーダーや」
「リーダーならいいらさんが・・・」
遮る辻の声を無視し(こいつらのペースに合わせたらあかん。と言い聞かせ)、
「年齢的に言ったら高橋が普通やけど、芸能歴は辻の方が長い。せやけど、紺野には一発で場の空気を変える力がある。俺にはなかなか決められん。そこで、や」
つんくはカバンの中から、ゴミ箱くらいの大きさの機械を取り出した。
不思議そうな顔をして、その物体を見つめる三人。と、つんくは機械の横にあるスイッチを押した。
ブシュ―――――――――――――――――!!!
突然機械から煙が噴き出し、部屋の中は一帯、煙に包まれた。
「ゴホッゴホッ!な、何!?」
「これから数日間、お前らは共同生活してもらうわ!これは生物合体装置言うてな、その場におる全ての生物の精神と肉体を合体させる機械なんやで〜!まあ詳しいことはようわからんけどな、とりあえず数日間合体して、誰がリーダーに適任か決めてや!」
・・・だんだんと煙が薄れてきた。
高橋はゴホゴホと咳き込みながら、手を口に当て、煙を防いだ。
『あれ〜?みんなどこ〜?』
高橋の頭の中に辻の声が響いた。
『辻ちゃん!?辻ちゃん!?どこにいるの!?』
まだ煙で見にくい中、高橋は必死に声を出して辻を呼んだ。
『愛ちゃ〜ん、ここだよ〜』
高橋が振り返ると、そこには辻がいた。何故か辻はセーラー服を着ている。
『辻ちゃん・・・どうしたの、その格好?』
『わかんない。気がついたら着てたの・・・。愛ちゃんだって・・・』
辻にそう言われ、高橋は自分の服を見た。さっきまで私服を着ていたはずだったが、何故か高橋もセーラー服を着ている。
『な・・・なにこれ!?・・・そうだ、あさ美は!?』
『・・・わかんない。もしかして、のの達、あさ美ちゃんの中にいるんじゃない?』
まさか・・・。高橋には信じられなかった。
普通に考えて、そんなSFじみたことがあるはずがない。
『あ・・・あさ美〜!!』
『なに?』
ハッとして高橋は目の前をみると、はたして紺野は目の前にいた。
『あさ美〜!どこ行ってたの!』
『うん、ちょっといいトレーニングになると思って、走ってきたの』
そう言う紺野の服装だけ、なぜかブルマに体操着だった。
気がつくと煙は消え、辺りの風景がハッキリしてきた。
と、三人はいつの間にか見慣れぬビーチに立っていた。
辺りでは、見慣れぬ女の人達がきゃあきゃあ言いながらはしゃいでいる。
見渡しても女、女、女・・・。年齢も中学生からOLくらいの若い人ばかりだ。
砂浜には黄金のビーチパラソル、ビーチマット、海には銀色に輝くボート。
『・・・ねえ、これってもしかして・・・』
高橋は直感した。この風景、この趣味の悪さ。
「・・・う〜ん・・・」
突然、空から男の声が響いた。見上げると、空の上の方が透けている。
そこから見えるのは、さっきまで自分達がいた楽屋だ。
「・・・あれ、あいつら、どこや?」
『つんくさん!?』
高橋が声をあげる。
「おう、高橋か?どこにおんねん?」
『よくわかんないけど・・・つんくさんの中みたいです』
「うぇあぁ!?」
つんくは突然すっとんきょうな声をあげた。
『なんだか周りに水着のおねーちゃんがいっぱいいるのれす』
「・・・・・・・・・マジかい」
つんくはそう言って沈黙した。
しばらくすると、遠くから、ドドドドド・・・という、何かを叩くような音が聞こえてきた。
『な・・・なに?』
全員がその方向に目を向けた。だんだんと音が大きくなり、彼方から何かが砂煙をあげて向かってきた。
そのものの輪郭がぼんやりと見えてきた時、紺野が「あっ」と声をあげた。
『あ、あさ美、なに?』
『うん、あれ、人間みたい・・・』
『に、人間!?』
高橋と紺野が会話している間に、「それ」はだんだんと大きくなり、高橋と辻にもはっきりと見えてきた。
「それ」は筋肉質の体にフンドシ一枚で、頭に「塩」と書かれた袋を被りながら、信じられない速度で走っていた。
それが高橋達の前を通過し、なおも砂煙をあげ走り続け、豆粒のような大きさになり、次第に音も消えていった。
『ね・・・ねえ、愛ちゃん。なんだったの?』
辻が高橋の裾を引っ張って聞く。が、高橋は走り去った「それ」のいる方向を見て呆然としていた。こんな尋常ではない出来事があったにも関わらず、周囲の人間は相変わらずきゃあきゃあ騒ぎながら遊んでいる。
「どや、お前ら。なんかあったか?」
突然、空からつんくの声が聞こえた。その声で高橋は正気を取り戻した。
『あ・・・はい。塩って書かれた袋を頭にかぶった人が走り去っていきました』
「塩?・・・おかしいなぁ。俺の頭ん中では押尾を想像したんやけどな・・・」
つんくは、ウーンと頭をひねった。
「どうやら、ホンマに俺の中におるみたいやな・・・」
『・・・それで、どうするんですか?』
「ああ・・・さっき説明書読んだらな、どうやら合体した人数と同じ日数だけ合体するらしいんや」
『ええ〜!?じゃああと四日も私達つんくさんの中にいなきゃいけないんですか!?』
思わず怒鳴る高橋を「まあ待て」と遮り、
「どうやら一日おきに体と精神が変わるらしいで。つまり、今日は俺やけど、明日は高橋、次は辻、最終日は紺野。みたいな感じになるわけや」
『・・・じゃあ、のの達は四日間もつんくさんの中にいなくてもいいんれすね?』
つんくは「そんなに嫌かい!」と思いつつも、「まあ、そういうこっちゃ」と答えた。
『わ〜い!よかったれす。嫁入りする前の娘は殿方に近づいてはいけないのれす!』
高橋は、「辻ちゃん、騙されてるよ」と思ったが、声には出さなかった。
紺野はといえば、気がついたら、ビーチバレーの集団に混じっていた。
つんくはつんくで、「まあ、なるようになるわ!」と言って笑っている。
はあ・・・なんでこんなことになったんだろ・・・。
高橋は一人、ため息をついた。
とりあえず序章書きました。
今度もつんく編、辻編、高橋編、紺野編、と書いて行きたいと思います。
ウィ
読み返してみると、結構誤字や行間のミスがあるな。。。鬱。
でも理想通りには書けた。
17 :
読者:02/02/17 00:38 ID:MON+/Kny
おれは大好きだこういうの。
うはは、おもろいおもろい。
作者さん頑張って下さいねー。
>>17-18 どうもです。
以前カッコつけすぎた小説かいて失敗したんで、
今回はもう好きなように書かせてもらいました。
お陰で書いてて楽しいです(w
次回の更新は未定ですが、更新する時は一気にたくさん書きます。
20 :
:02/02/17 09:10 ID:L6txrVWX
オモシロ━━━━━(゚∀゚)━━━━━イ!!
21 :
◆YJ/ups/. :02/02/17 10:22 ID:u4bpmIwL
おもしろかったよー。
紺野編の後にできればワタモ二(仮)編も少し書いて欲しいな。
続きに期待。
22 :
:02/02/17 10:30 ID:g85E0bQF
カッコつけすぎた小説とやらも読んで見たい(w
23 :
:02/02/18 08:43 ID:oP9jygrk
保全
――― 一日目 つんく
「・・・てなわけでして、今日から四日間はこちらで責任を持ってお預かりします・・・・・・はい、はい、では」
ガチャッ
「ふぅ・・・知らないオバちゃんと話すのは疲れるわ・・・」
電話を切り、つんくはため息をついて壁にもたれかかった。
「・・・お前ら、とりあえず電話しといたからな」
つんくは独り言を言った。いや、頭の中にいる三人に話しかけた。
つんくは機転をきかせ、とりあえず今日から四日間は仕事の都合でスタジオに寝止まりする。ということにして三人の家に電話を入れたのだった。
しかし、ミーハ―オバちゃん達の「つんくさんでしょ?」攻撃に遭い、三人の家にかけ終えるまでに一時間を費やした。
『当然ですよ。まさか私の家に、つんくさんが帰るわけにも行かないし、実はこうなんです!って本当のこと説明したとこで、誰も信じるわけないし・・・』
高橋がつんく(と言っても空だが)に向かって言う。その顔はもうどこか諦め気味だ。
「せかった。じゃ済みませんよ。ほんとにもう・・・』
高橋がハァ〜っとため息をつく。
『お腹すいたぁ』
今度は辻だ。お腹をグーっと鳴らし、その場にしゃがみこんだ。
『ねえねえつんくさん、ご飯は出ないんれすか?』
「知らんわ!」
イライラしていたつんくはスタジオ内にいることも忘れ、思わず怒鳴った。たまたま通りかかった人達が皆、立ち止まって、つんくを見ている。
『・・・今日はあいぼんと約束があったのに・・・。大事な大事な約束があったのに・・・。あいぼん、きっと怒ってるのれす。ののが来なかったから怒っているのれす。つんくさんの・・・つんくさんのせいで・・・・・・うっく』
周りから刺すような視線を浴び、中からは辻の鳴きだしそうな声、高橋の非難するような目、紺野の含み笑いを浴び、つんくは思わずその場に座り込んだ。
「・やから悪かった言うとるやろ」
『悪・・スマン。ホンマ悪かった」
『うっく・・・・・・じゃあ、何かお菓子食べたいのれす・・・』
「そんなん・・・俺にどないせぇっちゅーねん」
『えっく・・・・・・やっぱりつんくしゃんは、のののことはどうでもいいのれすね・・・・・・・・・う・・・うわぁ〜〜〜〜〜〜ん!!』
けたたましい泣き声が頭の中に響き、つんくは思わず耳を塞いだ。
しかし頭の中から響くその声は、耳を塞いでも聞こえなくなるはずはなかった。
『うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!』
ますます辻は声をあげて泣きだす。高橋がオロオロし、つんくは「もう勘弁してくれぇ!」と言いながら、床を転げ回る。
『うわぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!』
つんくの気が狂いそうになったその時、紺野が一歩前に進み出た。
『・・・あの、つんくさん。恐らく、この体の主であるつんくさんが強く念じれば、きっと考えたものが出てくるはずですよ』
あたかも紺野は、この世界の住人であるかのように説明をした。高橋が驚愕したような顔をして、紺野を見た。
『あ・・・あさ美!なんでそんなこと知ってるの?』
『うわぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!』
紺野は高橋に向き直り、
『さっき塩人間が出てきたでしょう?その時、つんくさんは押尾さんを想像していた。だからきっと、同様にケーキを念じればケーキが出てくるはず』
『うわぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!』
紺野はそう言うと、再び空を見上げた。
『いいですか、半端なことを考えたらダメです。そうすると、さっきみたいに半端なモノが出てきてしまいます。強く、強く、ケーキのことだけを考えてください』
関西人の血からか、つんくはツッコミたい気持ちを押さえ、強く念じ始めた。
砂糖がたっぷり入った・・・イチゴ・・・クリーム・・・スポンジ・・・
『うわぁぁ〜〜〜〜〜!・・・・・・・・・・・・』
突然、辻が泣き止んだ。と、トコトコと前に進んだかと思うと、辻の目の前に、空から辻の三倍の大きさはあろうかという、イチゴショートが降ってきた。
『ケーキれす!!』
辻はそう叫ぶと、ケーキにむしゃぼりついてガツガツと食べ始めた。
「ふ〜っ。どや、お前ら?上手くいったか?」
頭上からつんくの声が響いた。
『はい、上手くいったみたいです。辻ちゃんもおいしそうに食べてます・・・けど』
「けど?なんや?」
『・・・辻ちゃんの食欲が・・・』
二人が話している間にも辻はケーキを食べ続け、あっという間に上の半分を平らげてしまっていた。
『がつがつがつがつ・・・・・・ふ〜・・・幸せれす♪』
「・・・」
がつがつがつ・・・
『・・・・・・』
がつがつがつがつがつがつがつがつ・・・・・・・・・
『・・・・・・・・・』
がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつ・・・・・・・・・・・・
『・・・はふぅ・・・ごちそうさまれした!』
ケーキを食べ始めてわずか数分。辻は一人で巨大ケーキを全部食べきってしまった。
高橋は言葉もなく、辻を唖然と見ていた。
『けぷっ。あれ、愛ちゃんどうしたんれすか?変な顔して』
辻はこの上ないくらいの満面の笑みを浮かべながらお腹をさすった。
『・・・いい食べっぷりで・・・』
言葉の出ない高橋に変わり、紺野が辻に声をかける。それを聞いて高橋はハッと正気に戻った。
『いい食べっぷりで・・・じゃないよ!どうするの?また太るよ?また飯田さんに怒られちゃうよ?』
『!!・・・いいらさん・・・』
高橋の言葉に辻はハッとなりうつむく。と、紺野は誰に言うでもなく、
『・・・ここの世界の住人は皆、つんくさんの精神が生み出しているもの。そして、主であるつんくさんの言うことは絶対で、例えばつんくさんが、死ね!と命令したら、ここの住人は本当に死ぬことになります』
『じゃ・・・じゃあ・・・』
そこまで話すと、高橋が紺野の言葉を遮った。高橋の顔は青ざめている。
『じゃあ、つんくさんが私達に、死ね!って言ったら死ななきゃいけないの!?』
思わず語尾が強くなる高橋。しかし、紺野は真っ直ぐ高橋の目を見つめ、深く・・・深呼吸をして、
『いえ、私達はつんくさんの世界にいるとは言っても、正式な住人ではありません。言わば、居候、客のようなものです。ですから、つんくさんがどんなに念じても、客である私達には、服が変わるなどの外的要因以外に直接的な影響を及ぼすことはありません』
『あさ美ちゃん、すっごーい!博士みたい!』
そう言って手を叩く辻。その目は尊敬に満ちている。
高橋は、ホッと胸を撫で下ろしながらも紺野に、「なんでそんなこと知ってるの?」と言いたげな視線を向けた。紺野は高橋の顔を見つめ、ニヤリと笑った。
と、突然、紺野が真面目な顔に戻ったか。
『つまり、深く影響が及ばないということは、さっきの巨大ケーキがありますね?あれをいくら食べても満腹感は得られない。ということなのです』
『・・・じゃあ、ケーキをいくら食べても、ポッキーを何本食べても、いいらさんに怒られないの?』
辻が紺野を見つめる。紺野は二ヤッと笑い、『まあ、そういうことですね』と答えた。
高橋は、はしゃぐ辻を横目で見ながら、『また騙されてるよ』と心の中で呟いた。満腹感が得られない。つまり、辻は実際は気持ちの上で満腹しているだけなのだ。
紺野はそんな辻を見ながら、どこか楽しんでいるように、ニヤニヤ笑っている。
もう・・・。高橋は小さくため息をついた。
「・・・なあ、ちょっと」
突然、つんくの声が響き、三人は空にある窓を見上げた。
「今から社長と話しあるからな、少しだけ静かにしたってや」
そう言い終わると、つんくは社長室のドアをノックし、「失礼します」と、ドアを開けた。
『・・・あれ?』
気がつくと天候が崩れ、空は一面真っ黒な雨雲に包まれていた。
そして、ポツポツと雫が落ちたかと思うと、一瞬でどしゃぶりになった。
『きゃっ!雨!?』
『冷たい!』
思わず、高橋と辻は頭を押さえた。周りにいた女性の集団も消えている。
『この世界の雨は私達には影響がありませんよ。気持ちの問題です』
紺野は冷静に言った。確かに雨には当たるものの、冷たさや濡れた感じは感じられない。しかし雨に当たるのは気分のいいものではない。
『愛ちゃん、あさ美ちゃん!あっちに家があるよ!』
辻は向こうにある海の家を指差した。高橋と辻は走って(紺野は歩いて)海の家に向かった。
海の家の中には誰もいなかったが、そこで三人は雨宿りをすることにした。
テーブルに座り、なんで突然雨が?そう言いたげな高橋の気持ちを察したかのように紺野が、『感情の乱れが原因だと思われます』と言った。
『恐らくつんくさんは、社長さんとの話が、娘。にとってマイナスになることを予感しているのではないでしょうか?』
『・・・あさ美、どうでもいいけど、その敬語はやめて』
高橋にとって、紺野が何でそんなことを知っているのかなんて、もうどうでもよくなっていた。
「何ですって!?」
雨雲からつんくの声が響いた。突然のつんくの怒鳴り声に、思わず三人は耳を立てた。
「・・・つまりね、モー娘。はもう限界じゃないかって言ってるんだよ」
社長から浴びせられた非常な言葉に、つんくは愕然とした。
「最近はCDセールスも落ちてるし、視聴率もパッとしないじゃないか。それに巷では、五期メンバー加入が失敗だって声が多いんだよ」
その言葉を聞いて、辻は思わず二人を見た。
高橋は真っ直ぐ空を見つめてはいるものの、唇をかみ締め、手をグッと握り締めている。
紺野は、さっきまでの冷静な紺野はどこへやら、顔を下に向けてうなだれている。よく見ると、つんく同様に顔面蒼白だ。
五期メンバーには高橋、小川、新垣、そして紺野が選ばれた。しかし紺野は、他の三人と違い、補欠で特別に選ばれたのだった。
だが紺野は補欠で入ったことをバネにし、それに甘えることなく努力を重ねてきた。TVで紺野の露出も増えてきて、周囲の紺野の評価も上がっているように思えた。
しかし、紺野は自分が補欠で入ったことに負い目を感じていた。もしモー娘。に何かがあった場合、それはきっと自分のせいだ。そう思っていたし、周りからもそう言われると思っていたのだった。
つんくは立ったまま動かない。つんくも娘。に何かあったら自分の責任だと感じていた。最近はアイディアが浮かんでこないのも事実だ。
これが・・・これがモーニングの限界なんか・・・?
そう思うと、つんくは思わずうなだれ、呆然とした。
『雨・・・やまないね』
そんな辻の声も、高橋と紺野の耳には入らなかった。三人のいるビーチは、ますます雨がひどくなってきた。
「・・・まあ、まだ売れる方法がないわけでもないがね」
しばらくの沈黙の後、社長がポツリと話した。
「え?ホ・・・ホンマですか!?」
つんくは思わず身を乗り出した。
その声に、高橋と紺野も顔を上げる。雨も止み、わずかに空から青空が顔を覗かせた。
「現在、新メンバーで人気があるのは誰だい?」
「え?えーと・・・。ファンレターの数やアンケートの結果だけやったら、一番人気あるのは高橋ですね。あと、紺野も結構人気あります」
「そうか。それじゃあ五期メンバーは、あその二人以外クビにしろ」
「えっ!?」
「人気ないのを入れててもしょうがないだろ?丁度いいことに、新垣にはコネ疑惑があるじゃないか。真偽はともかく、それだけでも充分な脱退理由になると思わないか?
もう一人・・・小川・・・だったかな?そいつは、『給料が少ない』とか、ワガママ言ったとかの噂を週刊誌とかに流したら、それこそいい脱退理由になるだろ?」
『な・・・何言ってるの!?』
思わず高橋はテーブルから立ちあがった。天候はさらに崩れ、遠くで雷がゴロゴロと鳴っている。
「あとは、その、高橋と紺野・・・だっけか?その二人をワシに回してくれんか?そうしたら、モー娘。をもっとPRしてやってもいいぞ」
社長はそう言って、嫌らしい笑みを浮かべた。
その笑みを見た辻は、ギュッと高橋のスカートの裾を掴んだ。高橋は紺野を見た。紺野も高橋を見た。二人とも、顔面蒼白だった。
社長の言葉はよくわからない。でも、意味は何となくわかった。
芸能界の掟だ・・・。
高橋はとっさにそう思った。芸能界の掟って、やっぱりあったんだ。
何人ものアイドルが、この嫌らしい顔の社長に嫌らしいことをされたのだろう。
売れるためだとは言え、それに耐える屈辱は計り知れないものだろう。
高橋は、嫌らしい笑みを浮かべながら社長の手が自分の体に伸びてくるのを想像した。
いやだ!怖い!
ガタガタと震えだす高橋の体。震えを押さえるために、手で自分のふとももを押さえた。
しかし、震えは収まらない。むしろますます酷くなり、高橋は叫びだしたい気持ちになった。
と、高橋の手が何か暖かいものに包まれ、高橋は正気を取り戻した。
それは紺野の手だった。紺野は高橋の震えを止めようとして、自らも高橋同様に震えている手で押さえたのだった。高橋を見つめる目は悲壮感に満ちていた。
ごめんなさい・・・私が娘。に入ったりなんかしたから・・・。
紺野の目が、そう言っているように見えた。しばらくじっと見つめあい、高橋は紺野の手をギュッと握り返した。
『・・・芸能界の掟を果たすのは、私だけでいいの。あさ美は何も悪くないんだからね。正直言って、あんなおじさんに変なことされるのは嫌だよ。だけどね、あさ美がそんなことされるのはもっと嫌』
そう言って高橋は紺野を抱きしめた。紺野は小さく「愛ちゃん・・・」と呟いたかと思うと、高橋の胸の中で肩を震わせた。
辻もよくわからないような表情を浮かべながらも、無言で二人の背中をさすっている。
どれくらいの時間が過ぎたのだろう。気がつくと雨も止んで、雨雲も消えていた。
固まっていた三人に太陽の光が当たり、三人は思わずその方向を見た。
つんくは社長に向かい合ったまま、動こうとはしなかった。
「・・・どうなんだね。やるのか、やらないのか」
さっきより少し強い口調で社長が言う。つんくは目をつぶり、深呼吸をしてから、再び目を社長に向けた。
「・・・お断りします」
「な?」
「小川をそんな作ったような理由で脱退さすつもりなんかないわ。新垣かて、コネだとか何だとかの噂をぶっ壊すだけの魂があると信じとる。それにな」
そこまで言うと、つんくはつかつかと社長に歩み寄り、胸倉をつかんで持ち上げた。そして、驚いて声も出ない社長の目を見据え、
「高橋や紺野を、俺のエゴでお前みたいな奴にやらせる気なんてさらさらないわ!クビにするなら勝手にせえ!」
そう言い放つと、社長を掴んでいた手を離し、社長はどかっと椅子に落ちた。
「他のメンバーにしても同じや。モーニング娘。は俺が守ってく」
つんくは「失礼します」と言って社長に背を向けて部屋を出た。
『つんくさん・・・』
思わず高橋は胸を押さえてつんく(空)を見上げた。
「ん・・・高橋か。聞いてたんか?」
『はい・・・その・・・・・・カッコイイです・・・』
「・・・へへ、照れるやん。まあ、気にすんなや」
と、突然、砂場が盛り上がり、そこからザバーッと、つんくが顔を出した。
「なあ、俺ってカッコイイ?なあ、俺ってカッコイイ?」
三人に向かって自分をアピールするつんく(の映像)。
『ぷ・・・あははははははは!』
突然、頭の中に響いた辻の笑い声に、つんくは思わず「何や!?」と言った。
『・・・頭脳世界では、嘘はつけないということですか』
紺野が説明をする。どうやら調子は元に戻っているようだ。
『でも・・・』今度は高橋だ。
『大丈夫なんですか?社長さんにあんなこと言って・・・』
高橋の声に、つんくは一瞬顔を硬直させたが、すぐにハハハと笑い、
「大丈夫やって!お前らは俺が何とかするから心配すんなや!」
そうは言っているものの、頭脳世界のつんくは頭をおさえて、「うわ〜、どうしよ、どうしよ」とわめいている。
『・・・頭脳世界では嘘は・・・』
『あはははははははははは!』
『・・・これがなかったら本当にカッコイイのに・・・』
三人の言葉に、つんくは「かなわんな・・・」と言いたげな顔をした。
頭をポリポリ掻きながら社長室を離れるつんく。
『つんくさん・・・ありがとう』
つんくは立ち止まった。紺野の声だ。紺野は二人に気づかれないように、思念を飛ばしていた。
ヲタク趣味のある紺野には、この世界に馴染むのが早く、使える能力をすでに把握していたのだった。
つんくはちょっと微笑み、「ありがとうなんてええよ」と紺野に思念を送ってみた。
それが届いたかどうかは知らないが、紺野は空に向かってニコッと微笑んだ。
30 :
読者:02/02/18 11:36 ID:R34cku66
三点リーダーじゃなかったり改行してなんて気にならない
だって面白いから
がんばれ〜がんばれ〜
仕事を終え、つんくは車で自宅に向かっていた。
『あさ美ちゃんって胸大きいね〜』
『でも、愛ちゃんもスタイルいいし・・・』
『辻ちゃんも可愛いよ〜』
三人の声がつんくの頭に響いた。
『お風呂に入りたい』という辻の要望を叶え(というより、また泣きわめかれたらかなわないので)、露天風呂を出してやったのはいいが、三人がうるさいのだ。
いや、うるさくはない。むしろ、スタジオにいた時までに比べたら全然静かだ。
しかし、三人の声が無償に頭に響く。
『いいな〜。愛ちゃん、ちょっと触っていい?』
『もう〜ダメだったら〜。あっ、いや、もう・・・』
つんくの呼吸がだんだんと荒くなっていく。右手だけてハンドルを握り、左手は何故か股の間に突っ込んでいる。
『あん・・・でもあさ美も胸大きいよね〜。ほらほら、つんつん!』
高橋が紺野の乳首の辺りを人差し指でつついた。紺野は、ぽうっと顔を赤らめてうつむいた。
『あ〜!あさ美ちゃん赤くなってる〜!』
辻が何か凄い発見をしたかのように、紺野を指差した。
つんくは無意識に前屈みになり、今こそ主張をアピールせんとする息子を左手で制止している。
『きゃあああ〜〜〜〜!!』
突然、頭の中に高橋と辻の声が響き、思わずつんくはアクセルを踏んだ。
「ど、どないしたん?」
つんくは三人に声をかけた。
『お・・・温泉の中から手が!!』
高橋が指差した先、そこには温泉の中から何本もの手が出て、全てが何やらクネクネと、奇妙な動きをしている。
『・・・これは多分・・・』
「わあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
説明しようとした紺野の声をかき消すかのように、つんくが大声をあげた。
つんくには、その物体が出てきた理由がわかっていたからだった。
と、つんくは強く念じ、ベッドを三つ取り出した。
「お前らもう寝ろ!」
『えぇ〜〜!?まだ10時れすよ〜!?』
「アホかい!もう12時過ぎてるわ!早う寝ろ!クビにするぞ!」
『・・・権力横暴』
「何とでも言えや!」
『でも、制服で寝るんですか?パジャマがないと寝れないです』
「・・・わーったわーった!パジャマでも何でも出したるわ!」
そう言って再び強く念じる。三人の目の前にドサドサっと何かが落ちてきた。
「ふ〜っ・・・もうええやろ」
それと同時に家に到着し、つんくは椅子の背もたれにもたれかかった。
『あの・・・つんくさん』
高橋だ。疲れきったつんくは、「何!?」とぶっきらぼうに言うと、
『・・・何で、三人祭の衣装なんですか?』
恥ずかしそうにそれを眺める高橋の横で、紺野が『趣味ですね』と言った。
疲れきったつんくには、もう何も言う気力がなかった。
フラフラと家の中に入り、ベッドに倒れ込んだ。
気持ちええわ〜・・・。
だんだんとつんくの意識が遠くなる・・・・・・・・・・・・。
『お風呂、入らないんですか?』
突然、高橋の声が響いた。
「・・・堪忍してや〜。もう眠いねん」
耳を塞いで(も、聞こえるのだが)力なくつんくが言った。
『不潔なのれす』
『髪を洗わないと、将来、禿げの原因になりますよ』
辻、紺野も見事なコンビネーションを浴びせる。
「・・・わーった!入ればええんやろ!入れば・・・」
つんくは立ちあがり、再びフラフラと歩いてシャワールームへと向かった。
シャー・・・・・・
思考能力がなくなったつんくは、半分眠った状態で体を洗っていた。
腕、体、背中・・・体を順に洗っていく。
・・・何か静かやな。
おれから三人が一言も話してないのに気づいたのだった。
もう寝たかな?そう思って股間を洗おうとした。その時、
『・・・あ、おしい』『もうちょい』と、声が響いた。
「なんや、お前ら、まだ寝てなかったんかい?」
『・・・ん、だってぇ・・・』
「・・・お前、まさか、俺のアレを見るつもりなんか?」
『・・・・・・・・・』
図星だ。年頃だから、そっちに興味はあるのだろう。しかし、だからと言って見せるわけにもいかない。
「あかんあかん!見せるわけにはいかんわ。そうと知ったからにはなおさらや」
『・・・ちぇ、けちぃ』
辻は頬を膨らませて言った。
全く・・・とんでもない奴らや。
つんくはため息をついた。興味だけで見せていいものでもない。それに、見せるわけにはいかない理由もあった。
『キャ―――――――――!!』
つんくが髪を洗ったその時、三人の悲鳴があがった。
『見た?見た?』
『ちょっと見えた〜!』
『・・・・・・ふ』
そこまで聞いて、つんくはハッとした。髪の後ろを洗っている時に頭を下げてしまい、その際に、自分でも気がつかないうちに「アレ」が視界に入っていたのだ。
慌てて手で「アレ」を隠すが、時すでに遅し。
『・・・結構小さかったね』
『うん、小さい頃に見た、お父さんのよりも怖くなかったよ』
『・・・包茎』
「お・・・お前らなあ・・・」
つんくは何も言い返せずうなだれる。見せたくない理由には、道徳的な問題と、つんく自身の男としてのプライドにあったのだった。
『あ・・・つんくさん、落ち込んでます?あの・・・可愛かったですよ?』
『うん、赤ちゃんみたいで小さくて可愛いれすよ』
『・・・・・・ふふ』
「・・・何もフォローになっとらんわ・・・アホォ・・・」
つんくは泣きながら頭を流し、シャワー室を出て、そのままフラフラとベッドに倒れ込んだ。
『つんくさ〜ん、トランプ出してくれません?』
『のの、ポッキー食べたいのれす』
『・・・サンドバッグ・・・』
つんくは耳を塞ぎ、「羊が一匹・・・羊が二匹・・・」と数え始めた。
『あ〜!ヤギだ!ヤギ〜!』
頭の中では、ヤギの大群が海辺を走っていた。
「もう堪忍して・・・・・・」
その後も、三人は頭の中で騒ぎ、眠りについた。そして午前4時、つんくもようやく眠りについたのだった。その寝顔はまさしく、死体のそれだった。
――― 一日目 終了
>>20 自分も楽しんで書いているので、それで楽しんでもらえたら幸いです(w
>>21 あ、それいいですね。いただき。
>>22 それは・・・ちょっと勘弁してください(w
あれは自分でもよく公式の場に出せたな〜。と思うくらいの駄作なんで。
では、再び次回に続きます。
更新は未定ですので、期待しないでマターリ待っててください(w
尚、更新の際にはあげますんで、そこんところよろしくお願いします。
それでは。ウィ
つんくがいい味出してるね。
「なあ、俺ってカッコイイ?」ワラタよ。
確かに30の言うとおり少し改行いれると見やすいかも。
とりあえずブックマークしたからかんばってくれい。
改行についての個人的な意見ですが…
読みづらい訳ではないし、逆に勢いが感じられて良いです。
このまま突っ走って欲しいです。がんがれ〜
38 :
:02/02/19 09:20 ID:k91oHVUs
ニヤリ紺野萌え━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!
つんく萌え━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!!
hozem
――― 二日目
ザ―――――――………
『・・・う〜ん・・・』
遠くで滝の音が聞こえ、高橋は目を覚ました。
しばらくぼんやりとした後、まだ眠気が残る目をこすすって辺りを見渡す。
まだ日は昇りきっておらず、まだ空は薄明るい。
まだちょっとは寝れるかな・・・。
そう思い、高橋は布団の中にもぐりこんだ。
―――布団?
思わず高橋は飛び起きた。確かに布団に寝ている。
しかし、昨日は確かにベッドで寝たはずだ。
いや、それ以前にここはどこなのだろう?
高橋は見慣れぬ森の中にいた。
見渡す限り、木、木、木。辺りには木が生い茂り、遠くには滝が見える。
どこからか、動物の声も聞こえる。
『・・・ここは・・・?』
「あ、愛ちゃん、起きた?」
空から声が聞こえた。どこかで聞いたことおあるような声。
『・・・あさ美?』
「そうだよ。愛ちゃん、おはよう」
『おはようって・・・あんた今どこ・・・あ!』
そうだ、昨日、つんくさんのあの機械のせいで、私たちは合体してしまったんだ。
そして、どうやら今日の肉体はは、紺野の出番らしい。
しかしまあ、この風景は、まるでどこかの映画に出てくる空手の修行場のようだ。
『・・・ここどこ?』
「ここって言われても、見えないからわからないけど・・・それより服を見てみて」
何やら嬉しそうに話す紺野。高橋は自分が着ている服を見る。
と、昨日は確かセーラー服で寝たはずだった。しかし・・・
『な・・・何これ!?』
いつの間にか、高橋はオレンジ色の道義らしき服に着替えさせられていた。
「これは悟空の胴着だよ。でもよく後ろを見て。ほら、ちゃんと界王様のマークがついてるでしょ?」
『あさ美・・・何言ってるかわかんないよ』
「あ、あとね、ある場所に如意棒も隠してるから、探してみてね」
紺野は興奮しているのか、声が多少上ずっているような気がする。
棒アニメファンの紺野は、その世界を自分の中に作り出していた。
自分もこの世界に行ってみたいな〜。などと空想することがよくあったのだ。
実際に作りだしたこの世界を自分で体験できなくても、誰かに体験させるというのは、
紺野にとって、この上ない喜びのようだ。
しかし高橋に理解できるはずもなく、勘弁して・・・と言いたげな視線を空に向けた。
ダン♪ダン♪ダン♪ダン♪ダン♪ダン♪ダン♪ダン♪
リズムのいい音楽がスタジオ内に響いている。
「ワン、エン、ツー、エン、スリー、エン・・・」
音楽とダンスの先生の声に合わせて、娘。たちがダンスをする。
いや、正確には高橋、辻以外の11人がダンスをしている。
高橋と辻は、学校の試験日ということにして休暇を貰ったのだ。
と言っても、二人は紺野の中にいるのだった。
二人は座り込んで、湖に映る風景を見ていた。そこからは外の風景が見えていた。
普段、自分たちがやってるダンスを見てみるのは、どこか変な感じがした。
『・・・あさ美、テンポがちょっとズレてるよ』
高橋がそう言った時だった。
「はい、ストップストップ!紺野、半テンポ遅いよ。もっと(タンタンタンタン)こう。わかった?」
「は・・・はい」
「は〜い!それじゃあ今のところからもう一回ね!」
先生は手をパンパンと叩き、テープを巻き戻した。
またやっちゃった・・・。
高橋たちの中に、紺野の声が響いた。
ダンスでも歌でも、いつも紺野のところでストップすることが多い。
高橋は『大丈夫かな・・・』と言いたげな視線を空(紺野)に向けた。
『・・・紺野、またやっとんな〜』
後ろから声が聞こえた。高橋と辻が振り返る。
つんくが布団から顔を出した格好でこっちを見ている。
と、その直後。
「ハ〜イ!!ストップストップ!!」
外から声が聞こえ、高橋たちは再び湖を見た。
そこには先生の顔が前面に映っている。
「紺野!あんた何回失敗したら気が済むの!?いつまで新入り気分でいるの!?わかってる!?」
「・・・・・・すいません」
と、画面が床を映した。紺野はうつむいて床を見ている。
先生は呆れたようにため息をついた。それを見て、紺野の表情が固まる。
『痛い!』
高橋は背中にチクッとする痛みを感じて振り向いた。
しかし、そこには何もなかった。
『愛ちゃん、どうしたの?』
辻に言われ、高橋は『ううん、何でもない』と言った。
気のせいかな。そう自分に言い聞かせて再び湖を見た。
二人がじっと湖の中の風景を見入る中、つんくの視線は、高橋の背中にある草むらを見ていた。
あれからも紺野は何度も怒られた。
しかし、そのたびに高橋と辻は、『がんばれ〜』と声援を送り、はげました。
そして―――
タン♪タン♪タン♪タン♪タン♪タン♪タン♪タン♪
「・・・はい!今日の練習はこれでお終いね!」
「お疲れ様でした〜」
「なっち〜、今からサウナ行かない?」
「あ〜!いいね!行く行く!」
口々に何かを話しながらスタジオを後にするメンバー。
紺野もそれに続いて出ようとした。
「・・・ああ、ちょっと、紺野」
先生が手招きをしている。紺野はおずおずと近づく。
「あなた、全然できてないじゃない。ちゃんと真面目にやってるの?」
「すみません・・・」
「すみません・・・じゃないわよ。同じ新入りで、何でこんなに違いがあるのかしら」
その言葉に、紺野は胸にチクッとする痛みを感じた。
『あさ美ちゃん・・・怒られてるね・・・』
辻が湖を覗き込みながら言う。高橋も無言で見入っている。その顔は心配そうだ。
『痛い!』
と、高橋の背中に再び痛みが走った。今度は気のせいではない。
バッと後ろを振り向く。しかし、そこには何もない。
『愛ちゃん、どうしたの?』
『うん・・・何だかさっきから背中がチクチクするの.。気のせいかなって思ってたんだけど・・・』
そう言って自分の背中をさする高橋。辻も『大丈夫?』と言ってさする。
ふと湖を見ると、まだお説教は続いているようだ。
「あなたのお陰で予定の半分しか練習できなかったんだから、もっと努力しないとダメよ」
「・・・はい」
「今日はいないけど、高橋を見なさい。あなたとあんなに動きが違うじゃない」
『てやぁっ!!』
突然、後ろから声が聞こえ、高橋と辻は振り向いた。
高橋の真後ろで、つんくが前のめりになって倒れていた。
そして、何故か白鳥の湖の衣装を着ている。
『つ・・・つんくさん!?なんですかその格好!?』
つんくはイテテ・・・と顔をあげ、鼻をさすった。
『知らんわ・・・気がついたら着とったんや。・・・それよりな』
そう言って二人に向き直り、右手を差し出す。中で何かがモゾモゾと動いている。
『『あっ』』
思わず二人は同時に声をあげた。
つんくの手の中にいたもの。それは何と、大人の手の平ほどの大きさの紺野だった。
まるで漫画に出てくる悪魔のような格好に身を包み、キーキーと暴れている。
手にはフォークのようなものを持っている。
『な・・・なにこれ?』
高橋が覗き込むと、小さな紺野はますますキーキーわめいて暴れだした。
つんくが少し手に力を込めてると、小さな紺野は動きけなくなった。
それでも必死にはい出そうとして、キーキーと暴れている。
『・・・これは俺の憶測やけど』小さな紺野の動きを封じながらつんくが言う。
『多分こいつは紺野の「正」と「負」の感情の「負」だと思うんや』
『負・・・?』
『ああ。こいつ、さっきから高橋の背中をこいつ(フォーク)で刺しとった。しかも必ずある話の時に、や』
『ある話って?』
『・・・ダンスで叱られた時や』
『ダンスで・・・あっ』
確かにそうだ。
思い出してみると、二回刺されたうち、二回ともダンスのことで怒られている時だった。
そして、つんくがチビ紺野を捕まえた時。この時も紺野はダンスで怒られていた。
『でも、なんで私だけ・・・』
確かにそうだ。高橋の隣りには辻もいる。
一回目も二回目も高橋だけが刺された。
三回目も(未遂だったとは言え)高橋の真後ろにいたということは、この時も高橋を刺そうとしていたのだろう。
つんくは、キーキーわめく紺野を見つめながら、
原因を知っているような知らないような、難しい顔をしている。
『つんくさん?』
様子がおかしい(おかしいのは服装もだが)つんくの顔を見ながら、高橋が言った。
しかしつんくは、『あ?・・・いや・・・』と言って言葉をはぐらかした。
その時、高橋はふと思い、思いきって聞いてみた。
『・・・もしかして、私だけが刺された理由を知っているんじゃないですか?』
その言葉に、つんくは驚いた顔をして高橋を見た。高橋の目は、じっとつんくの目を見て、視線を離さない。
つんくは紺野を見つめ、高橋を見つめ、再び紺野を見つめ、フーッ・・・と息を吐き出した。
『・・・これは俺の憶測だから何とも言えんけど、多分、紺野は高橋に嫉妬してるんとちゃうかな』
『・・・私に?』
つんくは『ああ』と言って高橋の目を見た。
『レッスン中、紺野は何度も怒られとった。でも刺されたのは一回だけや。
で、今終わってから一回・・・いや、未遂も含めれば二回刺されとる。
その三回に共通していること。それは、全てお前ら、五期メンバーを引き合いに出された時や』
つんくに言われ、高橋はそこでハッと気付いた。
「いつまで新入り気分でいるの!?わかってる!?」
「同じ新入りで、何でこんなに違いがあるのかしら」
「高橋を見なさい。あなたとあんなに動きが違うじゃない」
確かに三回(うち未遂一回)とも、言葉にすべて新メンバーが関係している。
それじゃあ、あさ美は・・・私たちのことを・・・。
高橋はうつむき、手がワナワナと震えている。
アカン!つんくは言ったことを後悔した。
「ふう・・・」
と、紺野の声が聞こえた。
思わずつんくはムンクの叫びを演出した。何ちゅー悪いタイミングや!
「・・・今、練習が終わりました。もう夕方ですね。お夕食、何がいいですか?」
紺野が頭の中の三人に話しかける。
『のの、お好み焼き丼がいい〜!』
辻は場を和ませようとしているのか緊張感がないのか知らないが、呑気な声でそう言う。
つんくは小さな声で辻に『おい、おい』と声をかけるが、気がつかない。
「うん、わかった。愛ちゃんは何がいい?」
しかし、高橋は無言だ。さっきからうつむいたまま動かない。
「・・・どうしたの?お腹すいてない?嫌いなものは出さないから・・・」
『そうなんだ・・・。あさ美は・・・あたしのこと・・・嫌いなんだ』
低い声で、高橋が言った。その凄みのある声に、思わず辻、つんくは高橋を見た。
「え? なに? どうしたの?」
紺野は、わけのわからないと言った声をしている。何しろ、こっちの風景は自分では一切見ることができないのだ。
「愛ちゃん?」
『・・・・・・いで』
「え?」
『・・・・・ないで』
「愛ちゃん・・・聞こえないよ・・・」
『・・・・・・』
「愛ちゃ・・・」
『話しかけないでって言ってるでしょ!?』
高橋は顔を上げ、声が出る限りに叫んだ。その声に、三人は思わずすくみあがった。
『・・・嫌い。・・・あさ美なんて嫌い!大っ嫌い!!』
「・・・!!」
無言で立ち尽くす紺野。高橋は足に顔をうずめたまま動かない。
辻は固まった表情のまま、高橋を見つめている。
『おい、いくら何でもそれは・・・』
つんくは高橋の後ろにに近づいた、が、そこまで言うと、つんくは前のめりに倒れ込んだ。
高橋の無言のパンチが、つんくの急所を直撃したのだ。
声にならぬ声をあげ、つんくはそこらを転げまわる。
「愛ちゃん・・・・・・」
『・・・もう二度と話しかけないでよね』
「・・・・・・・・・」
紺野はその場に立ち尽くしたまま、唇を振るわせ、涙を流した。
・・・グスッ・・・・・・ズズッ・・・・・・グスッ・・・・・・
高橋の耳に、紺野の悲しみが聞こえてきて、思わず胸が苦しくなった。
しかし、高橋は腕に力を込める。
・・・何さ・・・元はと言えば、あさ美、あんたが悪いんだからね!
つんくは、う〜う〜悶えながら、目の前に何かの気配を感じ、涙で滲んだ目を開けた。
そこには、さっきの小さな・・・負の紺野がいた。どうやら息子を殴られたショックで離してしまったらしい。
負の紺野は、つんくを見ながら、ケケケケと笑っている。
おのれぇ・・・。
動けないのを悟ったのか、紺野(負)は、フォークでつんくの顔をつついている。
と、その時、紺野(負)の頭に木の棒が当たった。
紺野(負)はキーキー喚きながらしゃがみ込んだ。
つんくは必死にその方向を見ると、そこには紺野がいた。
いや、顔こそ紺野だが、服装は漫画などでよく見られる天使のそれで、大きさは負の紺野の三倍はある。
大きさはつんくより遥かに小さいが、威圧感を感じさせ、それなのに見ているだけで安らげるような神々を感じさせた。
紺野(負)は、その紺野を見上げ、まるで母親に怒られた子供のようなスネた顔をした。
もう一人の紺野は、つんくにすまなそうな顔をし、つんくの顔に手をかざした。
と、手が発光し、つんくの顔は温かな、母親の体内にいるような安らぎを感じた。
徐々に光が消え、紺野は手を下げると、つんくに頭を下げた。
そして、体育座りままうつむいている高橋の後ろに近づくと、高橋の背中の傷に、手をかざした。
と、さっきと同じく手が発光し、みるみるうちに傷がふさがっていった。
そして、高橋の背に頭を下げ、興味深そうに見ている辻に頭を下げ、再びつんくに頭を下げると、
渋そうな顔をする紺野(負)の手を取って去っていった。
・・・あれはもしかして、紺野の・・・
つんくは手で顔をさすった。さっき刺された傷は消えていた。
『愛ちゃ〜ん、食べないの〜?』
たき火の前で漫画肉を焼いている辻が、高橋に話しかけた。
高橋は、さっきから全く同じ体勢のまま動いていないのだった。
『お肉、焼けたよ〜』
しかし、返事はない。辻は肉を火の中に放り込んだ。
沈黙が流れる。
紺野も紺野で、辻が『お腹すいた〜』『寒い〜』という要望を言うたびに、肉、たき火を出した。
だが、紺野もあれから一言も喋っていない。
普段は楽しそうに食べる辻も、今日は黙々と食べている。
つんくは一つ大きく息を吐き立ちあがると、肉を一つ持って高橋の所へ歩いていった。
『・・・なあ高橋、ちょっとは食・・・』
つんくの顔が固まる。再び、高橋のパンチが股間に炸裂した。
再び倒れ込んで悶絶するつんく。辻が頭を向け、こっちを見ている。
それでも高橋は動かない。
と、火の横にベッドが三つ現れた。
「・・・みなさん、ベッドを用意しました」
空から紺野の声が聞こえた。その声には感情が感じられなく、どこかの機械を思わせた。
紺野の声に、高橋はわずかにピクッと体を動かした。しかし、そのまま動こうとはしない。
しばらくの沈黙のあと、紺野は「おやすみなさい」と言った。
『・・・俺はもう寝るわ』
立ち直ったつんくが腰を叩きながらベッドに向かった。
辻はしばらく座って、肉の骨と火を交互に見つめていたが、やがて立ちあがり、ベッドに入った。
『・・・愛ちゃん、寝ないの?』
しかし、高橋の返事はない。辻はしばらく高橋を見ていたが、
やがて『おやすみ』と言って、布団にもぐり込んだ。
しばらくして、辻が寝息をたてた。つんくも高いびきをかいて寝ている。
高橋はゆっくりと立ちあがり、開いているベッドに向かった。
そしてゆっくりとベッドに入り、頭から毛布をかぶった。
そして、声をたてないように泣いた。
泣いて、
泣いて、
泣いて、
泣いて・・・・・・
しばらくすると、涙が出なくなった。
気がつくと、高橋の心は安らぎに満ちていた。
・・・あったかいな・・・。
遠くに聞こえる虫の声が、まるでオルゴールや子守唄のように聞こえた。
高橋の意識は、少しずつピンク色の靄に包まれてく・・・。
紺野はベッドに座り、気を頭の中に集中して、高橋をじっと見ていた。
やがて、高橋が寝息をたてはじめる。
紺野は全身の力を抜いた。それと同時に、周囲の虫の音色も消えた。
紺野はフウッ…と小さく息を吐き、ベッドの中にもぐり込んだ。
そして、ちいさな声で一言、「愛ちゃん、ごめんね・・・」
そう呟くと、紺野の意識は急速に薄れていった・・・。
――― 二日目 終了
>>40-46 以上で二日目終了です。
以前から言われていた改行とかに気をつけて書いてみましたが、どうですか?
改行は置いといて、内容的には、個人的に今回のは大満足なんですけどね(w
三日目の更新はこれまた未定です。まあ、マターリと待っててください。
48 :
:02/02/20 09:24 ID:3T7u9oEg
紺野&高橋の葛藤(;´Д`)ハァハァ;´Д`)ハァハァ´Д`)ハァハァД`)ハァハァ`)ハァハァ)ハァハァハァハァァハァハァァ
49 :
名無し募集中。。。:02/02/20 09:39 ID:Xrh3BNOK
なぜにつんkは白鳥の湖?
>>49 俺も思った。
改行いくらか見やすくなったよ。
面白い。がんばってくれ。
51 :
:02/02/20 18:59 ID:Pp5B8Nnc
次回作期待してますよ。頑張れ作者。
毎度、読んでくれてありがとうございます。
「何でつんくが白鳥の湖の服を着ていたの?」って質問なんですけど、
簡単って言うか、単純に、あれは紺野の仕返しなんですね。
あんたのお陰でこうなったのよ!って言う無言の。
言われて気がつきました。説明不足ですいませんです。
あと、以前言ってた「恥ずかしい小説」の一部だけ見つかりました。
内容は、娘とジャニが戦闘機に乗って戦うって内容で、まあガンダムのパクリですね(w
封印したつもりだったんですけど、見てみたいって方もいたんで、
よかったら、その一部だけ貼ってみようと思うんですが、いいでしょうか?
タオルケット様 最高!! 期待しまっせ。まあ あせらず マッタリと。
がんばれ〜〜〜!
54 :
名無し募集中。。。 :02/02/20 20:54 ID:lW4rcbin
話しかけないで高橋を見てる紺野。
ちょっとウルっときたよ。
あげちゃった。すいません。
56 :
読者:02/02/21 04:10 ID:GqqTkGi1
説明はいらんよ。ナンセンスギャグでいい。
ギャグに説明を求めちゃダメだよ。
あと説明も萎える。でも面白いです。
――― 三日目
高橋は頭から布団をかぶり、ベッドの中でモゾモゾとしていた。
目が覚めたのは、もう随分前のはずだ。
しかし、顔を出したくはなかった。いや、出す勇気がなかった。
今日は誰が本体になってるんだろう・・・。
一日目がつんく、そして二日目が紺野だった。今日は高橋か辻ということになる。
もし高橋が本体じゃなかったら、今日は紺野と一緒になる。それが怖かった。
高橋には、昨日の事が頭にこびりついていた。
『あさ美なんて大っ嫌い!!二度と私に話しかけないでよね!!』
その言葉がチラチラ頭をよぎる。そしてますます毛布をきつく掴んだ。
高橋は感情的になって言ってしまった一言を後悔していた。
しかし、それ以上に高橋には紺野の気持ちがわからなかった。
モーニング娘。に入ってから今まで、紺野はいつも笑いかけてくれた。
しかしその笑顔はどこかぎこちなく、しかし高橋はそれを「紺野の性格」として考えていた。
しかし、その笑顔が「性格」によるものではなく、実は高橋が嫌いだという無言のアピールだとしたら・・・。
今まで私に向けていた笑顔は全部嘘だったの?
私のこと、本当に嫌いなの?
わかんないよ、あさ美、どうなの?
高橋は布団の中で激しくイヤイヤをした。
『・・・愛ちゃん?』
と、声が聞こえ、高橋は思わず布団から顔を出した。
果たして、そこには紺野がいた。高橋の背中に、思わずヒヤッとした汗が流れた。
『・・・ご飯・・・こんなのしかないけど・・・』
そう言って、紺野はおずおずとポッキーの箱を差し出す。
しかし、高橋はそれを受け取らずに、再び頭から布団をかぶった。
紺野はポッキーを差し出した格好のまま固まり、口を「へ」の字に曲げた。
怒ってはいない。むしろ紺野の心は深い悲しみに包まれた。
布団の奥からでも、紺野の様子が見えるような気がして、高橋は顔を紺野の背に向け、手で耳を塞いだ。
どれくらいの時間だ経ったのだろう。背中に感じていた紺野の気配が消えた。
高橋はホッとした半面、「行かないで」という不思議な気持ちに捕らわれた。
高橋は、そっと布団から顔を出してみた。紺野が高橋に背を向けて、とぼとぼと食卓に向かっていた。
食卓について食事(といってもお菓子だが)をしている、つんくと目が合いそうになり、高橋は慌てて布団をかぶった。
と、何かがポトっと音をたててベッドから落ちた。
何だろうと思ったが、高橋にそれを確認する勇気は出なかった。
『・・・私、少し散歩してきます』
食事を終え、紺野がつんくに言う。つんくは頬杖をつきながら『おう、ええよ』と返事をした。
紺野は食卓から立ちあがり、ドアを開けた。
バタン
ドアが閉まる音がした。高橋は、そうっと布団から顔を出した。
紺野は・・・・・・いない。
紺野がいないのを確認すると、さっき落ちた「何か」を確認するため、ベッドの下を覗きこんだ。
それはポッキーの箱だった。
それを見た高橋は、何やらギューっと胸が締め付けられるような気持ちになった。
しばらくポッキーを見つめ、再びベッドの中に入ろうとした。
『・・・なぁ、高橋』
つんくが高橋に声をかけた。高橋はベッドに入ろうとした体勢のまま止まった。
『紺野、何も言わんけど、かなり落ち込んどるで』
高橋の胸に、何かがチクッと刺さり、高橋は胸をおさえた。
『なあ、謝っておいた方がええんちゃう?』
しばらく間を置いて、つんくは言葉を続ける。
そして、しばらく沈黙が流れた。
高橋の本心は、今すぐにでも紺野に謝りたかった。
心の中の世界の出来事は本人には見えない。昨日、何があったのか紺野は知らないはずだ。
昨日は丁度ムシャクシャしてた。あたっちゃってゴメン。
そう適当な理由をつけて謝ってもいい。それだけの話だ。
しかし、もう一人の自分が謝ることをためらっている。
昨日、紺野(負)に刺されたことが、まだ心にこびりついている。
『・・・実はな、昨日・・・』
つんくが高橋(と、つんく)の傷を直した「紺野」の話をしようとした時だ。
『・・・やだ・・・』
『は?』
突然、高橋が呟いた。
『・・・ヤなの!なんであたしがあさ美に謝らなきゃいけないの!
元はと言えば、あさ美が全部悪いんじゃない!あさ美が刺したんじゃない!
元々あさ美なんて嫌いだったの!補欠だし喋らないし年下だし北海道だし空手やってるし!』
理由にもならない理由を叫ぶ高橋。
『とにかくヤなの!嫌いなの!あさ美なんて大っ嫌いなの!!』
高橋はそこまで言うと、肩を上下に動かしながら息をした。
『せやけどな・・・』
『うるさいるさいうるさいうるさ―――――――い!!ヤなのヤなのイヤなの!!!』
高橋は声の限りに叫んだ。もう自分が何を言っていたのかわからなかった。
そんな高橋を、つんくは圧倒されたように呆然と見ていた。
60 :
名無し募集中。。。:02/02/21 22:21 ID:FzjBoxjJ
おもしろいです!
頑張ってください!応援してます!
紺野は手にかっぱえびせんの袋を持ち、高橋とつんくがいる家へと向かって歩いていた。
何か仲直りになるきっかけを考えるため、紺野は散歩がてらそこらを歩いていのだ。
見渡す限り、お菓子、お菓子、お菓子。辻の中はお菓子だらけだった。
よくここまで食べ物のことばかり考えれると思い、紺野は呆れる半面、多少ながら感心した。
その風景に混じって、時々、スリムで胸の大きい辻が歩いてきたりした(恐らく辻の理想さのだろう)。
そして、辻の思い出の一部らしいものもあちこちに見かける。
家族と遊ぶ辻、クラスメイトと遊ぶ辻、授業中に起こされる辻、
そして、モーニング娘。としての辻希美。
芸能活動の風景の中に、中澤に甘えたり、飯田に怒られたり、吉澤にからかわれる辻。
その中に紺野に勉強を教えられている風景も見られた。
しかし、中でも多く見られたのが、加護との思い出だった。
加護にからかわれる辻、加護と一緒にイタズラする辻、泣いてる横で加護に頭をなでられる辻。
加護ちゃんのこと、大切なんだなぁ・・・。
それを見て、紺野はそう思った。同時に、高橋とどうしても仲直りしたくなった。しかし。
『あさ美なんて大っ嫌い!!』
昨日の高橋の一言が、ずっと紺野の頭に焼き付いて離れなかった。
何故、高橋があんなことを言ったのかわからない。しかし、紺野は自分に非があると思っていた。
きっと、気がつかないうちに愛ちゃんを怒らせたんだ。
紺野はそう思っていた。
謝ろうと思えばできた。しかし、紺野は謝ることができなかった。
もし謝ろうとして、『話しかけないでって言ったでしょ!?』と言われるのが怖かった。
しかし、もし謝ったとしても、ハッキリ「嫌い」と言われたら・・・。
そう思うと謝れなかった。しかし、仲直りはしたかった。
そう考え考え、紺野はあるものを思いついた。
紺野はお菓子だらけの中、必死にそれを探した。意外にも「それ」は簡単に見つかった。
紺野は「それ」を拾い上げた。「それ」は、かっぱえびせんの袋だった。
かっぱえびせんは、モーニング娘。に入った時、初めて高橋と一緒に食べたお菓子だった。
愛ちゃんがこれを覚えていてくれたら、きっと仲直りできるはず・・・。
根拠はなかった。しかし紺野はそう確信していた。
だが、家が近づくと、緊張のあまり心臓がドキドキしてきた。
・・・やっぱりやめようかな。
一瞬そう思った。
高橋とは仕事上の仲間。別に喧嘩しても、仕事に支障が出ないなら・・・。
しかし、高橋との関係は、仕事仲間と割り切るには寂しさがあった。
それ以上に、高橋と仲直りしたかった。
気がつくと、紺野は家の前にいた。
紺野は深く、何度も深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。
『・・・ヤなの!なんであたしがあさ美に謝らなきゃいけないの!』
紺野はドアノブに回しかけた手を止めた。
『元はと言えば、あさ美が全部悪いんじゃない!あさ美が刺したんじゃない!』
刺した?何を?私が?愛ちゃんを?いつ?何で?
高橋の言っていることが理解できない。紺野の頭は混乱してきた。
『元々あさ美なんて嫌いだったの!補欠だし喋らないし年下だし北海道だし空手やってるし!』
混乱した紺野に追い討ちをかけるように、高橋の声が頭に響いてきた。
高橋が何で怒っているのかは全く理解できない。
しかし、ある一言だけは爆発的に理解した。
紺野は目を大きく見開き、その場に立ち尽くした。
家の中からは、もう何も聞こえない。中からも、まさか外に紺野がいるとは思わないだろう。
しばらくの後、紺野は持っていたかっぱえびせんを近くのお菓子の山に置き、とぼとぼと家を離れた。
周りからは、楽しそうな辻の笑い声が聞こえる。しかし、紺野の耳には入らない。
紺野はうつむきながらて歩き続けた。その顔には感情がなかった。
頭の中には何もない。いや、何も考えることができなかった。
この世界同様、自分の心にも風景があるのだろう。
昨日は感じることはできたが、実際に「見る」ことはできなかった。
しかし、今はハッキリと自分の心の中の風景を見ることができた、。
心の中は真っ黒だった。黒以外、何も見えない。
しょうがないよね。私は愛ちゃんを傷つけたんだし。モー娘。では劣等性だし・・・。
私なんて、愛ちゃんみたいないい子に嫌われるような人間だし。
きっと、昨日もこんな真っ暗な中にいたんだね。愛ちゃんが怒るのも無理ないよね。
ゴツン
何かが頭に当たり、紺野は思わず顔をあげた。
それは大きなペットボトルだった。頭を下げていたから気がつかなかったのだ。
紺野は当たった部分を手でさすった。と、自然と涙が出てきた。
大した痛みはない。しかし、涙が止まらない。次から次へと溢れてくる。
まるで今まで溜まっていた涙が、頭への痛みがきっかけで、ダムのように溢れてきた。
流しても流しても止まらない。
愛ちゃんごめんね・・・ごめんね・・・・・・
何故か高橋への謝罪の言葉ばかり繰り返し出てくる。
紺野は嗚咽し、声をあげて泣いた。
周りに誰もいないので、より一層大きな声で泣いた。
何時間も、声がかれるくらいに泣き続けた。
>>58-62 今日は以上です。
あ、ちなみに「三日目」はまだ終わってませんので、あしからず・・・
64 :
名無し募集中。。。:02/02/21 22:35 ID:FzjBoxjJ
無理にとは言いませんがすごくおもしろいので
どんどん更新してください!
65 :
ななす:02/02/21 22:36 ID:JyhfIqoO
川o・д・) <うわあああああああああああああああああ
すいません…
66 :
山田:02/02/21 22:42 ID:JyhfIqoO
>タオル
あんたイイよ イイ!
いいねぇ・・・お気に入りに追加です。
おもろいねえ
期待してまっせ。作者さん。
作者がんがれ。
ほ
収録が一段落つき、現場は和やかな雰囲気に包まれている。
近くでは、メンバー達が集まって雑談をし、向こうではスタッフが集まり、
次の打ち合わせについて話しているようだ。
「あいぼ〜ん」
辻は、加護を探していた。
「あいぼ〜ん」
呼んでも返事はない。探しても姿は見あたらない。
「・・・でね、昨日ゴッチンったらすっごいの!サウナでね・・・」
「ねえねえ、おばちゃ〜ん」
辻は、雑談をしている保田に声をかけた。
「ちょっと〜。私はまだおばちゃんじゃないのよ〜」
厳しい目つきで、しかしどこか嬉しそうに保田は言う。しかし、そんな保田の様子も見えないのか、辻は、
「・・・あいぼんは?」
と、不安そうに聞いた。
どこか様子が辻の様子が変なのに気づいた保田は、真顔に戻り、
「う〜ん・・・知らないわね。誰か見た?」
「え〜。カオリも知らないなぁ〜」と、飯田。
「どこに言ったか知らないの?」母親のように辻に話しかける安倍。辻はコクンと頷いた。
「・・・んあ、そういえば、さっき小川とスタジオの外に出たと思うよ」と、後藤。
「え?マコっちゃんと・・・?」
不安そうな顔を浮かべる辻。その様子に気づいた吉澤が辻に顔を近づける。
「なんだ〜?加護と喧嘩でもしたのか〜?」
「え?・・・喧嘩なんてしてないよ。ただね、ただ・・・」
「ただ?」
何も言わず、服を掴みながらモジモジといじる辻。
「・・・あいぼん、今日は一回も話しかけてくれないの・・・」
そうなのだ。今日、仕事に来てから、辻と加護は一回も話をしていない。
辻から話し掛けようとはするのだが、辻が近づくと、加護は辻を避けるように離れていくのだ。
それに、いつもなら収録が終わったら、必ず話しかけてきてくれるはずだ。
「ふ〜ん・・・・・・あ、のの、加護が帰ってきたぞ」
吉澤の言葉に振りかえる辻。その先には確かに加護がいた。しかし小川と一緒に。
「あいぼ〜ん!」
トテトテと駆け出す辻。辻の声に、加護はハッとそっちを見る。
加護の表情が固まった。
「はあはあ・・・ねえ、あいぼん、どこ行ってたの?」
「・・・それでなマコっちゃん、さっきの話の続きやけど・・・」
加護は辻を無視し、小川と話を続ける。
「? ・・・ねえ、マコっちゃん、どこに」
「あ〜!そういえばなマコっちゃん!近くのお好み焼き屋、メッチャうまいんやで!」
小川は「そうなんだ〜」と返事をするものの、視線は辻を見ている。
なんで?あいぼん、なんでののを無視するの?
辻は唇をギュッとかみしめる。加護の顔にわずかに動揺の色が走った。
「ちょっと小川〜。こっち来て〜」
向こうの安倍に呼ばれ、小川は加護に軽く手を上げて(辻をチラッと見て)、
安倍たちのところへ向かった。
加護は再びスタジオの外に出ようとした。いや、辻から逃げようとした。
「あ、あいぼん」
それに気がついた辻は、慌てて後を追いかけた。
その後ろでは・・・。
「・・・そっか・・・。高橋、電話が繋がらないんだ・・・」
「はい・・・。何回も電話するんですけど」
「どうしたのかな、高橋・・・」
「あいぼん」
辻の声に気づいた加護が振り向く。その目はどこか怒っている。
「なんや」
「・・・・・・」
加護の目に威圧されたのか、辻は何も話すことができない。
「・・・用がないなら行くで」
再び振りかえり、加護が行こうとした。
「あ、待って」
再び辻が呼びとめる。
「だからなんやて」
「・・・あのね」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
辻は言い出せない。加護は再び去ろうとした。
辻は思わず加護の手を掴んだ。
「なんやねん!しつこいなぁ!」
加護が声を荒らげる。その声に、思わず辻はビクッとした。しかし、
「・・・なんで、のののこと無視するの?」
辻は震える声で言った。二人の間に沈黙が流れた。と、
「・・・のの。・・・なんで約束破ったんや?」
沈黙を破ったのは加護だった。
「え?」
「・・・おととい、一緒にご飯食べに行く言うたやん」
加護は少し低めに言った。
「あれからウチ、ずっと待ってたんやで?
オバチャン達の仕事終わるまで、ずっと楽屋で待ってたんやで?
なのに何で?携帯にも出んし、かといってそっちから電話するわけでもないし・・・」
加護は少しうつむいて話している。
あれから、辻も色々なことが起こり、加護との約束を忘れていた。
昨日、加護に謝るよう紺野に頼んだはずだった。
しかし紺野は、例の件のショックで、謝るのを忘れていたのだ。
そんなに待ってたんだ・・・。
加護が怒るのも無理はない。辻は思った。
「なあ、せめて来れなかった理由だけでも聞かせてくれへん?それだけでええから。
それで全部、そのことは水に流すわ」
加護はまっすぐに辻の目を見ている。
辻は辺りをキョロキョロと見渡し、こくんと頷いた。
「・・・あのね、のの、つんくさんの変な機械でね、つんくさんとあさ美ちゃんの頭の中にいたの。
それでね、今日はね、ののの番なの。愛ちゃんとあさ美ちゃんもね、ののの中にいるの」
辻は舌足らずながらも一生懸命に説明をした。嘘は言っていない。
しかし、加護は何を言っているのかわからないといった顔で、辻を見ている。
――― 沈黙
「・・・のの、ふざけとるんか?」
加護が少し怒ったような口調で言う。辻の体に電流が走った。
「うそじゃないもん!ほんとだもん!」
「そんな話、誰が信じれるか!それに、言ってることもようわからんわ!」
「らって本当らもん!つんくさんがお塩出したり、つんくさんのちんちん小さいことも知ってるもん!」
辻の話に、加護はちょっと顔を赤らめたが、
「ア・・・アホかい!そんなん適当な話や!そんな漫画みたいな話、信じれる方がおかしいわ!」
辻はボロボロと涙を流しながら、
「らってほんとうなんらも〜〜〜ん!!」
と言って号泣しだした。
「あああ、なんで泣くねん!」
「うわああああああああああああああああああああ!!」
「せやけどな、そんな話、信じる方が」
「ほんとうなんらも〜〜ん!!うわああああああああああああああああああ!!」
辻は泣き止まない。加護は「あーもうっ!」と叫び、
「わーったわーった!信じる!ののが正しい!だから泣き止めや!」
そう言って加護は、辻の頭を撫でだした。しばらく撫でてると、辻の号泣は止まり、ヒックヒックしゃっくりをあげだした。
「・・・ヒック・・・・・・ほ・・・ほんと?」
辻の声に、加護はホッと息を吐いた。
「ああ、ホンマや、信じる」
考えてみればそうだ。辻は嘘のつけるような人間ではない。いや、嘘を言えないのだ。
加護は辻の話など信じていなかったが、きっと寝ぼけて夢でも見てたんやろ。
そう勝手に解釈することにした。
しばらく頭を撫でていると、辻がエヘヘ。と言って泣き止んだ。
「よかった、あいぼんと仲直りできて」
辻の笑顔に、加護はようやく肩の力を抜いた。
「・・・よっしゃ!そんじゃ行けなかった分、明日食べに行こか?」
辻は「うん!」と言いかけたが、慌てて止めた。
明日は愛ちゃんだから、食べに行けないよ・・・。
うつむく辻を「どした?」と加護は見た。
「明日はあかんのか?」
「・・・うん、愛ちゃんの日らもん・・・」
辻の言葉に、思わず、ハア?となる加護。しかし頭をプルプルと振って、
「・・・そっか。そんなら今日行こか?」
加護の言葉に、辻は顔をあげて「うん!」と頷いた。
加護は「やれやれ」と言いたそうに手を腰に当て、苦笑いをした。
「さっきまで喧嘩してると思ったら、今度はベッタリか〜?熱いね〜お二人さん」
楽しそうに加護に話しかける辻を見て、ひやかすように吉澤が言った。
「らってのの、あいぼん大好きなんらもん!」
そう言って、辻は加護にキスをした。
「うおっほぉ〜〜う♪」
吉澤が意味不明な叫びをあげた。安倍たちも何かニヤニヤと笑っている。
加護は吉澤と目が合い、「ま、しゃーないわ」そう言いたそうに苦笑いをした。
『・・・紺野、帰って来ぃひんな』
頬杖をつきながら、つんくが呟やき、高橋の方に目をやる。
高橋は布団を頭から被っている。
高橋も、あれから布団に入ったまま、全く動こうとはしない。
つんくはため息をつて、窓の外を見た。
紺野が出ていってから、もう五時間は経とうとしている。
最初は、随分長い散歩だな。と思ってただけだったが、ここまで長いと普通じゃない。
いくら頭脳世界で、死の心配はないとはいえ、ここまで遅いと何かあったのかと考えざるを得なかった。
『・・・辻ぃ〜。おい辻ぃ〜』
つんくが辻に声をかける。辻に紺野を探してもらおうと考えていた。
しかし、辻は全く反応をしない。つんくはまた、ため息をついた。
『何やってんねん、辻・・・』
かれこれ何度も辻に話しかけてはいるが、辻は全く返事をしない。
何故なら、辻は食べるのに夢中で、つんくの声など耳に入っていなかったからだ。
一時間・・・・・・二時間・・・・・・
家の中に、重苦しい空気だけが流れる。紺野はまだ帰ってこない。
やがて、待ちくたびれたつんくは、座ったままの状態で眠り始めた。
しかし、高橋は眠れなかった。布団の中で、ドアの前の気配だけに気持ちを集中して。
さらに、一時間・・・・・・二時間と時が流れた。
結局この日、紺野は帰ってこなかった。
――― 三日目 終了
>>72-75 以上で三日目終了です。
これで残すは四日目。高橋です。
では。
とても面白い作品だと思います!!
作者さんの努力には思わず涙腺が緩みます(w
がんばってください〜!
78 :
石橋:02/02/23 19:02 ID:c+qnRsJu
完璧
79 :
名無し募集中。。。 :02/02/23 20:15 ID:LpE3N9Vo
作者さん、四日目、楽しみにしていますよ。
がんばってください。
おもろいっす。
四日目楽しみにしてます。
sage
>72‐75
AAで見たいなあ(w
>「うおっほぉ〜〜う♪」
ありそう(w
83 :
名無し募集中。。。:02/02/24 15:07 ID:RDHga8NP
保全あげ
84 :
名無し募集中。。。:02/02/25 02:55 ID:kLqeEqVz
保全
紺野の愛って、
こんの のの あい
だったということに今更気付いた俺。
ついでに、
+αはつんくかな?
4日目楽しみにしてます。
87 :
名無し募集中。。。:02/02/25 14:49 ID:kLqeEqVz
4日目たのすいみ〜。
いや〜オモロイ、そして切ないです。
>>85 言われて初めて気付いた俺。
――― 四日目
気がついたら、紺野は石壁に囲まれた部屋の中にいた。
部屋の中は薄暗く、壁にかけられたロウソクが、チロチロと音を立てて燃えている。
目の前には、いかにも重そうな鉄でできたドアがある。
『・・・ここは・・・』
紺野は辺りを見渡した。しかし、周りは本当に石壁ばかりで何もない。
しかし、紺野の寝ていたところだけ、何故か質素な藁が敷かれていた。
人の気配も感じられない。
『もしかして、ここは・・・』
高橋の頭脳世界なの?紺野はそう思い、再び辺りを見渡した。
いつも楽しそうに笑う高橋。
いつも元気な高橋。
いつもみんなに笑顔を振り撒いている高橋。
そして、とても優しい高橋・・・いや、愛ちゃん。
その高橋の思念の固まった世界が、この世界なのだろうか。
静寂と闇しか見えない・・・こんな殺風景な世界が。
紺野には信じることができなかった。
紺野は立ちあがり、ドアに手をかけた。
「・・・し・・・高橋」
突然聞こえた声に、高橋はビクッとし、顔をあげた。
「は、はい!」
声をかけたのは飯田だった。そして高橋はキョロキョロと辺りを見渡す。
ここは・・・控え室だ。いつの間に・・・。
・・・いや、今日は確かに自分の足で控え室に来た。
飯田は心配そうな顔で、高橋を見ている。
「どうしたの?体の具合でも悪いの?」
「い、いえ・・・そんな・・・大丈夫です」
高橋は精一杯の笑顔を作ってみせた。しかし、その笑顔はどこかぎこちない。
「・・・やっぱりどこか変だよ?朝から全然喋らないし・・・」
「いえ、本当に大丈夫です。すいません」
飯田はどこか釈然としない顔をしながらも、
「そう。・・・もしどこか悪かったら遠慮しないで言ってね」
飯田の声に、高橋はコクンと頷いた。
飯田が離れると、高橋は頭をおさえ、ふう〜っとため息をついた。
記憶が混乱している。現実世界のサイクルに慣れていない。
数日も、あんな妙な体験をすれば、頭もおかしくなるはずだ。
しかし、今の状態がおかしいのは、本当に今までの体験のせいだろうか?
ふと頭をよぎった疑問を、高橋は頭をプルプルと振り、両手で顔を覆った。
「・・・ねえ、愛」
声が聞こえ、高橋は手から顔を覗かせた。小川だ。
「愛〜、どうしたの?今日はなんだか元気ないよ」
高橋の目をじっと見つめながら小川が言う。どこか心配そうな顔をしている。
しかし、そんな小川の顔を見て、高橋は胃がギュッと絞まるような痛みを感じた。
紺野は廊下を歩いていた。
廊下も紺野がいた部屋同様に、石壁で覆われている。
しかも、道はまるで迷路のように入り組んでいる。
あまりにも複雑なので、部屋に帰ろうかとも思ったが、今更引き返せない。
立ち止まるにも、立ち止まったで何が起こるかわからない。
紺野は歩き続けるしかなかった。
もしかしたら、何かが見つかるかもしれなかった。
『・・・また別れ道だ』
紺野の目の前に、三本の分かれ道が現れた。さっきからずっと分かれ道の連続。
紺野は、自分が高橋に拒まれているのではないか。
この分かれ道の連続は、高橋が紺野を拒否している無言のアピールなのでは。
ならば、このまま動かない方が高橋のためなのではないか。
そう思った時だった。
「そんな顔してるけど、真琴だって本当はあたしのこと嫌いなんでしょ!」
左の道から、太く低い声が聞こえた。
『愛ちゃん?』
それはどう聞いても高橋の声には聞こえなかった。紺野もそう思った。
しかし紺野には、それが高橋の声だと確信した。
紺野は導かれるように、高橋の声が聞こえた道へと進んだ。
「・・・大丈夫、ちょっと疲れてるだけだから」
そう言って高橋は、小川に微笑んだ。
「・・・そう。あんまり無理しないでね。喋らないと、あさ美みたいで変な感じだから」
あさ美
高橋は笑顔で返したが、その言葉に腹痛はますますひどくなった。
と、控え室のドアが回り、スタッフが入ってきた。
「では収録になりますので、スタジオにお入りください」
スタッフの声に、飯田が手を叩いて「はい、行くよ〜」とメンバーに言う。
その声に従い、ゾロゾロと控え室を出て行くメンバーたち。
「・・・高橋?」
保田が椅子から立ちあがらず、下を見てうつむいている高橋に声をかけた。
「高橋、どうしたの?収録だよ」
保田の声に、高橋はハッと我に返り、「す、すみません」と言って立ち上がった。
慌てて部屋から出ようとしたため、高橋はドアの段差につまづいた。
それを見て、保田が怪訝そうな顔をする。
「・・・なんか、今日の高橋って紺野みたい」
そう言って笑う保田。その声を、高橋は唇をかみしめながら聞いていた。
つんくは平原を歩いていた。
朝起きたら、つんくと辻は、粗末な布団の中にいた。
しかし、紺野の姿はなかった。
高橋に聞いても、紺野を探してくれるとは思えない。
つんくは半分寝ぼけまなこの辻をおぶり、紺野を探しに出たのだった。
『つんくさ〜ん・・・お腹すいた〜』
背中におぶさった辻が声をかける。
『・・・そないなこと言っても、何も食い物ないねん』
さっきから何度も同じ言葉を繰り返す。そして、また黙々と歩きだす。
『それにしても・・・』
そう言ってつんくは辺りを見渡す。
荒れ果てた道、ところどころに散らばる枯れ木、そして、空には黒い太陽。
『・・・ここは、ホンマに高橋の中なんか?』
つんくが紺野と同じ疑問をつぶやいた。
そう思いながらも、紺野の名前を呼び続ける。と、
『あ!あれ!』
辻がつんくの頭をパンパン叩きながら言った。
『ど、どした?紺野いたんか?』
『違う!あれ!あれ!』
そう言って辻はその方向を指差す。つんくも辻の指線の先をみる。と、そこには・・・。
『な・・・なんじゃこりゃあぁぁぁ!?』
つんくは思わず叫んだ。
つんくの視線の先、そこには巨大な石でできた、古めかしい城があった。
「キャハハハハ!!どうしたの、高橋!?」
「さっきからこうだよね。ずーっとボーっとしてさ」
「うん、今日の高橋、紺野みたいだよね」
「ホントだ〜!紺野みたいだよ」
メンバーの間に爆笑が起こる。高橋は下を見て、叫びたいのをグッと耐えていた。が、
ポン
「あ、ごめん」
小川が振りかえった拍子に、肘が高橋の肩に当たった。
高橋は、キッと小川を睨みつけた。
「愛?どうし・・・」
パアァァァン!!
スタジオ内に、乾いた音が響いた。
小川が驚いた表情で高橋をみている。高橋が小川を平手打ちしたのだ。
小川は、何が起こったのかわからないといった顔をしている。
が、自らの赤くなった頬をさすると、小川の目に涙が浮かび、両手で顔を隠し、号泣しだした。
「ちょ・・・ちょっと高橋!何するの!」
あっけに取られていたメンバーの中で、一番最初に正気を取り戻したのは保田だった。
「あ・・・あんた、自分が何をやったかわかってんの!?」
保田が立ちあがり、高橋を批難しだした。
保田の声に、他のメンバーも正気に戻り、口々に高橋を批難する。
高橋はチラッと小川を見た。号泣している小川を抱き寄せ、新垣が怯えた目で高橋を見ている。
高橋は、自分が何で小川をぶったのかわからなかった。衝動的としか言い様がない。
小川の肘が、自分の肩に当たった。それが原因でムカっときた。
しかし、それで叩いたとしたら、それは理由にならない。それは自分でもわかっていた。
小川の肘が当たったのがきっかけで、それまで溜まっていた何かが爆発した。
高橋にはそんな感じがした。
「ちょっと高橋、聞いてんの!?」
保田の声が聞こえた。高橋は保田の方を見た。保田の目は怒りに燃えている。
飯田、安倍、矢口も口々に高橋を批難する。
後藤、吉澤は互いに顔を見合わせてる。
石川、加護、新垣は怯えた目で高橋を見ている。
そして、隣りの席の小川は号泣している。
高橋には、その泣き声が、小川の声に聞こえた。
「こいつが悪いのよ!愛が悪いのよ!」と言っているように聞こえた。
メンバーの視線も、高橋の全てを否定しているように見えた。
「高橋最悪」「なんでこんな奴がメンバーなの?」「高橋、酷いね」「こいつ悪魔だね」
「人間やめたら?」「田舎に帰りなよ」「ガキのくせに」「どうせ体売ったんでしょ?」
メンバーの心の声が聞こえたような気がした。
高橋は気が狂いそうになり、耳を塞いだ。それでも声は聞こえてくる。
「何考えてんの?」「頭おかしいんじゃない?」「いい事と悪いことの判断つかないの?」
「こいつ、絶対犯罪犯すよ」「そうだね」「間違いないね」「そんならさ、クビにしようよ」
「クビなんて甘いよ、こんなゴミ」「うんそうだね」「いっそのこと、殺しちゃおうか?」
「え〜?こいつ殺すの?」「こんな奴殺して捕まるのやだよ〜」「そう言われたらそだね」
「そうだよ〜」「だからさ〜自殺してくんない?」「あ!それ名案!」「よし、きまり!」
「何がいいかな?」「そんなの知らないよ」「うん、死ぬのは高橋だもんね」「そうだよ」
「だからさ、さっさと死んで?」「ほらほら早く!」「死んでも誰も悲しまないからさ〜」
「死んでちょうだい♪」「早く死んでよ〜」「まだ死なないの〜?」「死んでくださ〜い」
「死んでよ」「死ねば?」「死ねよ」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
「わああぁぁぁぁぁあああああああああぁあぁぁぁぁぁあぁあああぁぁ!!!!!」
高橋は叫びながら、頭を大きく左右に振った。
そしてそのまま、スタジオの外へと飛び出した。
『ここは・・・?』
高橋の声に導かれるように紺野が進んだ先には、巨大な扉があった。
この中には重要なものがありますよ。
いかにも、そう言っているような重そうな扉だ。
『こんなの、開けれるかな・・・』
紺野は扉に手をかけようとした。と、
『あさ美なんて大っ嫌い!』
高橋の言葉が頭に浮かび、振れただけで手を引っ込めた。
しかし、扉は意外にもギィ〜ッと鈍い音をたてて開いた。
部屋の中は、完全な闇が支配していた。目をこらしても全く見えなかった。
紺野はしばらく呆然としていたが、やがて恐る恐る部屋の中へと足を踏み入れた。
バタン!!
数歩歩いたところで、後ろから大きな音が聞こえた。
振りかえると、扉が閉まっていた。紺野は慌てて扉を引いた。
しかし、さっき簡単に開いたのが嘘のように、扉はピクリとも動かなかった。
それでも何度も引いて、引いて、時には押してみた。しかし扉は動かない。
紺野の表情に焦りの色が浮かんだ。
もう一度引いてみようとした時、部屋一面が青黒い光に包まれているのに気づいた。
視界はハッキリしないが、さっきよりはわかる。
紺野は落ち着きを取り戻した。いや、落ち着きを取り戻したのは視界が原因だけではない。
ここの部屋に流れる気配。これをどこかで感じたことがあった。
それが何だかわからないが、とても落ち着く、大好きな感じだった。
『あっ』
紺野は部屋の奥に、何かがあるのに気がついた。
紺野はよく目を凝らして「それ」を見てみる。だんだんと輪郭がハッキリとしてきた。
『・・・愛ちゃん?』
奥にあるそれは、巨大なハートだった。
紺野の身長より半分くらい大きいそれは、重りをつけた風船のように、
紺野の膝のあたりをフワフワと浮かんでいた。
この部屋・・・そして、このハートは、高橋の思念の中心部だった。
スタジオを飛び出した高橋は、地下にあるトイレの個室に隠れていた。
そこで爪を噛み、ただガチガチと震えていた。
「たかはしぃ〜!どこなの〜!」
遠くから飯田の声が聞こえた。その声に、高橋は体をすくませ、体を小さくする。
「どこにいるのぉ〜!たかはしぃ〜!・・・しぃ〜・・・」
徐々に声が小さくなっていく。高橋は少し肩の力を抜いた。
しかし、小川を叩いたことを思いだし、高橋は再び震えだした。
なんであんなことしゃったんだろう・・・。
高橋は、激しい後悔に襲われた。
冷静に考えて、あんなことで怒るなんてどうにかしてる。
保田さんたちが怒るのも無理はない。
小さい体をさらに小さくし、そう思った。
でも、なんで叩いちゃったんだろう・・・。
高橋は、小川を叩いた手の平を見つめた。
まだ感覚は残っている。小川の頬を叩いた。あの刺すような感覚。
小川のことを憎いわけじゃない。
むしろ同期として・・・いや、友達として好きだったはず。
しかし、もしかしたら小川のことを嫌いだったのか?
いや、それはない。自分でもわかっている。小川は好きだ。
じゃあ何で?考えれば考えるほどわからなくなる。
高橋は頭をさげ、激しく頭を振った。
「・・・全く〜!こんな時に辻と紺野はなにしてんだかなぁ!」
「よっすぃー・・・辻と紺野は休みだよ」
遠くから、後藤、吉澤の声が聞こえた。
紺野。
紺野?紺野あさ美?あさ美?
高橋はハッと顔をあげた。
そうだ、あさ美だ。あさ美が私をこんなにしたんだ。
みんな、今日の私はあさ美みたいだって言った。
そのたびに、私はイライラした。あさ美の名前を聞くだけで。
しや、あさ美に例えられたから。それがイヤだった。
・・・イヤだったの?イヤなはず。だって私はあさ美のことが嫌いだから。
・・・でも、本当にあさ美のことが嫌いなの?
嫌いってハッキリ言ったけど、本当なの?
『・・・愛ちゃん?』
と、高橋の頭に、紺野の声が響いた。
「あさ美!?」
高橋は思わず叫んだ。
「・・・ん?今の声、高橋じゃない!?」
地下から聞こえてきた声に、安倍と石川は地下へと向かった。
「あさ美!どこにいるの!?」
部屋の中に高橋の声が響いた。
『・・・今、愛ちゃんの心の中にいるよ。多分、心の中枢部』
紺野は、ハートを見ながら答えた。
「バカ!出てってよ!あんたの声なんか聞きたくないの!」
高橋の声と同時に、紺野の横を何かがヒュッと音をたててかすめた。
そして、それは高橋のハートに突き刺さった。
『ああ・・・!』
紺野は愕然とした。よく見ると、ハートには無数の針のようなものが突き刺さっている。
紺野はしばらく唖然とした後、つかつかとハートに歩み寄った。
『愛ちゃん・・・痛そう。今抜いてあげるから』
そう言って、紺野は針の一つに触れようとした。
「何言ってんの!勝手にあたしのこころに入らないで!嫌い!あさ美なんて大嫌い!」
その声と同時に、再び高橋のハートに針が数本突き刺さった。
『愛ちゃん・・・』
高橋の言葉に、紺野は唇をかみしめ、針を触ろうとした体勢のまま固まった。
しかし、紺野は無言で針を掴み、
『嫌いでもいいから・・・この針だけは抜かせて』
そう言って、紺野は針を強く握った。
気がついたら、紺野は森の中にいた。
隣りには辻、目の前にはつんくがいる。
と、よく見ると、つんくの手に何かが握られている。
あっ・・・
紺野は思わず息を飲んだ。それは、小さな紺野だった。
『・・・多分、これは紺野の負の感情だと思う』
つんくが「紺野」を見ながら話している。
『紺野、高橋に嫉妬してるんちゃうかな』
つんくが紺野に向かって話しかけた。
「たかはしぃ!どこなの!出てきなさい!」
段々と声が近づいてくる。
あさ美のせいだ・・・!
高橋はドアに寄りかかりながら爪を噛んだ。
あさ美が声をかけなかったら・・・!
あさ美が私の心に入ってこなかったら・・・!
バカ!バカ!バカ!あさ美なんて嫌いだ!
『・・・・・・』
気がついたら、紺野は心の中枢部にいた。
手の中にあった針は、跡形もなく消えている。
『愛ちゃん・・・』
紺野は自分の手を見ながら、誰に言うでもなく呟いた。
紺野は、そのまま動かなかった。
紺野は、高橋が怒った原因を知った。
針に触れた瞬間、針が映像を見せてくれた。
この針は、高橋の心の傷そのものだったのだ。
紺野は、次の針を抜くのをためらった。
これ全てが紺野への怒りの現れだと思うと、怖くて触れなかった。
また、この針が高橋の紺野への怒りだとしたら、それは偽善になるのではないか。
高橋を助けるという口実で、自分への怒りを抜いているのでは。
それが、紺野が針を抜く気持ちをためらわせた。
しばらくの沈黙が流れた。
と、紺野は意を決したかのように、針に手を伸ばした。
偽善でもいい。許してくれなんて言わない。私が悪いのは事実だから。
それに、この痛々しい愛ちゃんの心を見ていられない。
紺野は針を強く握り、ギュッと目をつむった。
『あさ美なんて嫌い!二度と話しかけないでよね!』
紺野は叫んだ。いや、高橋の声が響いた。
しばらくの沈黙の後、空から紺野の鳴き声が聞こえてきた。
(なにさ!元はと言えば、あさ美が全部悪いんだからね!)
紺野の頭に高橋の思念が響く。
その時の高橋の心の中は・・・怒り。それと、
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめんね)
呟くような高橋の謝罪の言葉。
『愛ちゃん・・・』
紺野の声が聞こえ、高橋はハッと顔を上げた。
「あさ美!?あさ美なの!?」
高橋は思わず声をあげる。しかし、
「な・・・なんで話しかけるの!?話しかけないでって言ったでしょ!?」
『愛ちゃん・・・私のこと、嫌いでもいいから、聞いてほしいの』
高橋の声を無視するかのように、紺野が続ける。
『愛ちゃんって、歌もうまいし、可愛いし、ダンスも上手だし、本当に凄いよね
それに、明るいし、人気もあるし・・・』
「ふざけないで!あさ美の気持ちはわかってるんだから!」
高橋の声に、紺野が沈黙する。しかし、
『・・・うん、わかってる。私、そんな何でもできる愛ちゃんに嫉妬してた』
紺野が呟く。そして、再び沈黙・・・。
『・・・私、劣等性として娘。に入ったでしょ?
それだけじゃなく、歌も歌えないし、ダンスも踊れないし、上手に喋れない。
だから、愛ちゃんが羨ましくて・・・・・・イヤだった』
「たかはしぃ!ここにいるの!?」
トイレの中に、安倍たちが入ってきた。
しかし、高橋の心は紺野だけに向けられている。
『・・・でもね、それ以上に、愛ちゃんと会えてよかったと思ってる。
愛ちゃんと同期で・・・ううん、友達になれて、本当によかったと思ってる』
「・・・・・・・・・」
『愛ちゃんが私のこと嫌いでも、私は愛ちゃんのことが好きだから。
・・・あと、愛ちゃん・・・』
と、紺野の声が震えだした。
『・・・・・・刺しちゃって・・・ゴメンね・・・・・・ゴメ・・・・・・』
最後の方は、言葉にならなかった。
高橋は、上を見上げながら紺野の言葉を聞いていた。
「・・・あさ美・・・・・・あさ美って本当にお人良しだね・・・・・・」
そう言って、高橋はフフっと笑った。と、
「ごめんね・・・・・・ごめんね、あさ美ぃ・・・・・・」
高橋は胸をおさえて泣きだした。
紺野は高橋のハートにしがみついて泣いていた。
『・・・また、友達になってくれる?』
「何言ってんのよ・・・バカ・・・」
いつの間にか、針は全て消えていた。
>>89-102 以上で、更新終了です。
次回、多分最終回になると思います。
ワタモニがどうなるかは・・・まあ、私の気分次第ということで(w
乙カレーです。
高橋はアスカ(もちEVAの)状態なんですね・・・
>>104 う〜ん・・・これ(高橋ブチギレ)と辻が目立たないのには賛否両論あるだろうけど、
自分としては今回、一部を抜かして思う通りにできたから満足っす。
あと、エバはよく知らないっす・・・スマソ
>105
いやいやアスカも極度の人間不信なんですよ。
>>106 あ、そうなんですか。
別に意識したわけじゃないっす(w
あと、ミスを二箇所発見しました。
>>94と
>>102です。
「萎える」とか言われそうですが、
この二つだけ再更新します。スイマセン。。。
「でね〜、カオリが絵を見せたの。そしたらねぇ〜」
「でも、カオリの絵って変だもんね〜」
「言えてる!キャハハハハ!」
本番中、高橋の意識はなかった。
意識はあるのだが、気持ちをどこかに置いてきたような感じだ。
何も考えることができない。
「・・・高橋はどう思う?」
急に聞こえた声に、高橋の意識は急速に自分の体に戻った。
「は!はい!」
思わず叫んでしまう。メンバーの間に沈黙が流れる。と、
「キャハハハハ!!どうしたの、高橋!?」
「さっきからこうだよね。ずーっとボーっとしてさ」
「うん、今日の高橋、紺野みたいだよね」
「ホントだ〜!紺野みたいだよ」
メンバーの間に爆笑が起こる。高橋は下を見て、叫びたいのをグッと耐えていた。が、
ポン
「あ、ごめん」
小川が振りかえった拍子に、肘が高橋の肩に当たった。
高橋は、キッと小川を睨みつけた。
「愛?どうし・・・」
パアァァァン!!
スタジオ内に、乾いた音が響いた。
小川が驚いた表情で高橋をみている。高橋が小川を平手打ちしたのだ。
小川は、何が起こったのかわからないといった顔をしている。
が、自らの赤くなった頬をさすると、小川の目に涙が浮かび、両手で顔を隠し、号泣しだした。
「ちょ・・・ちょっと高橋!何するの!」
あっけに取られていたメンバーの中で、一番最初に正気を取り戻したのは保田だった。
「あ・・・あんた、自分が何をやったかわかtってんの!?」
保田が立ちあがり、高橋を批難しだした。
保田の声に、他のメンバーも正気に戻り、口々に高橋を批難する。
高橋はチラッと小川を見た。号泣している小川を抱き寄せ、新垣が怯えた目で高橋を見ている。
『愛ちゃん・・・』
紺野の声が聞こえ、高橋はハッと顔を上げた。
「あさ美!?あさ美なの!?」
高橋は思わず声をあげる。しかし、
「な・・・なんで話しかけるの!?話しかけないでって言ったでしょ!?」
『愛ちゃん・・・私のこと、嫌いでもいいから、聞いてほしいの』
高橋の声を無視するかのように、紺野が続ける。
『愛ちゃんって、歌もうまいし、可愛いし、ダンスも上手だし、本当に凄いよね
それに、明るいし、人気もあるし・・・』
「ふざけないで!あさ美の気持ちはわかってるんだから!」
高橋の声に、紺野が沈黙する。しかし、
『・・・うん、わかってる。私、そんな何でもできる愛ちゃんに嫉妬してた』
紺野が呟く。そして、再び沈黙・・・。
『・・・私、劣等性として娘。に入ったでしょ?
それだけじゃなく、歌も歌えないし、ダンスも踊れないし、上手に喋れない。
だから、愛ちゃんが羨ましくて・・・・・・イヤだった』
「たかはしぃ!ここにいるの!?」
トイレの中に、安倍たちが入ってきた。
しかし、高橋の心は紺野だけに向けられている。
『・・・でもね、それ以上に、愛ちゃんと会えてよかったと思ってるの。
愛ちゃんと同期で・・・ううん、友達になれて、本当によかったと思ってる』
「・・・・・・・・・」
『愛ちゃんが私のこと嫌いでも、私は愛ちゃんのことが好きだから。
私が言いたいのはそれだけ。・・・あと、愛ちゃん・・・』
と、紺野の声が震えだした。
『・・・・・・刺しちゃって・・・ゴメンね・・・・・・ゴメ・・・・・・』
最後の方は、言葉にならなかった。
高橋は、上を見上げながら紺野の言葉を聞いていた。
「・・・あさ美・・・・・・あさ美って本当にお人良しだね・・・・・・」
そう言って、高橋はフフっと笑った。と、
「ごめんね・・・・・・ごめんね、あさ美ぃ・・・・・・」
高橋は胸をおさえて泣きだした。
紺野は高橋のハートにしがみついて泣いていた。
高橋の中に、紺野の温もりが流れてくるのを感じた。
嫉妬の感情。大切に思う気持ち。三日間の苦悩。
『・・・また、友達になってくれる?』
「何言ってんのよ・・・バカ・・・」
いつの間にか、針は全て消えていた。
マジですんません・・・。
今後気をつけますんで。
111 :
名無し募集中。。。:02/02/26 10:08 ID:idEzwbRy
「死ね・死ね」の部分、すげえ
あ、また上げちまったよ、すまん
>>95 これもある意味、カッコつけすぎ小説。
無駄なこと言ってスマン。面白いよ。
高橋こういう友情もの似合い過ぎ・・・
「氏ね」のところは一瞬荒らしかとオモタ(w
いいっす…
頑張ってください
116 :
ねぇ、名乗って :02/02/28 21:22 ID:J/eYdPPC
一回上げとく
117 :
山田:02/02/28 21:24 ID:OcSL38Sy
なんでだよ!
118 :
ttp://page.freett.com/aibons/aibons.mpg :02/02/28 23:04 ID:Z8CEqLyh
age
まじでいいっスと、書かずにいられませんでした。
友情物って男のイメージが強いけど、女の友情もいいね…
それだけでなくつんくなどオモロイとこもあって良いです・
最終回期待してます。リーダーは…あの人かな?
120 :
HAZAKURA ◆TKIEWRLY :02/03/01 01:06 ID:XcF/o3mo
いいっすねぇ 紺野の愛さん最高!で 一つお願いあるんすけど
しばらくしたら書き下ろしさせてもらえますか?
具体的に言いますと途中までの小説引用させてもらって、紺野の愛改
っていうふうに作品つくりたいのですが・・・
最終回期待してます^^;
あげてしまいました・・・ すいません。
次で最終回ですね
期待大!!
「いい?いち、にの、さんで体当たりだからね?」
安倍が再確認をするように言う。
ドアを開けない高橋。もはや強行突破しかない。
「うん、わかった!」
飯田、保田が頷く。安倍、飯田、保田の三人が体を低くかまえた。
目標は、高橋がいるトイレのドア。
「よし・・・行くよ。いち・・・にの・・・さん!」
ガチャッ
「え?」
突然ドアが開いて、三人の目の前に高橋が姿を現した。
「高橋!?・・・わあああああああああああ!どいてどいてどいて〜!!」
勢いがついて止まらない三人は、そのまま個室になだれ込んだ。
ドカドカドカドカドカ!!
高橋に覆い被さるようにして、四人が倒れた。
その様子を唖然として見つめる(小川・新垣以外の)五人。
しばらくして、高橋が「いたたたた・・・」と言って起きあがった。
「た・・・たかはしぃ・・・大丈夫・・・?」
飯田もフラフラとしながらも起きあがる。それに続いて安倍、保田も。
「は・・・はい・・・大丈夫で・・・」
と、誰かが後ろから突然、高橋の肩をつかんだ。
振りかえると、そこには普段の気の抜けた顔とは違う、口を固く結んでいる後藤。
「後藤さ・・・」
ビシィッ!!
後藤は有無を言わさず、高橋の頬に張り手をした。
「ご・・・ごっちん!?何するの!?」
高橋は一瞬何が起こったのかわからなかったが。
「ご・・・ごっちん!?何するの!?」
安倍が高橋に駆け寄り、後藤を見る。
「なっち」
後ろから飯田の声が聞こえ、安倍は振り向く。
飯田は「ダメだよ」と言いたそうに、首を横に振っている。
と、後藤が高橋に近寄り、高橋は後藤を見た。
その顔は、普段の気の抜けた後藤ではない、真剣な顔そのものだ。
「・・・今度、こんなことやったら、承知しないから」
それだけ言うと、後藤は一人、スタスタと出て行った。
それを呆然と見送るメンバー。
「・・・カッケー」
吉澤がボソッと呟いた。
高橋も、しばらく唖然としていたが、頬にビリッとした痛みを感じ、手で抑えた。
痛い・・・。
それは右頬だった。小川を叩いた時と同じ。
高橋の目に、再び自然と涙が浮かんできて、小さくしゃっくりをあげ始めた。
痛みの涙ではなく、後悔の涙が溢れてきて止まらない。
高橋をじっと見つめるメンバー。
安倍が無言で、高橋の頭をなでていた。
「・・・はい、OKです!お疲れ様でした〜!」
あれから何とか収録に漕ぎつけ、何とか収録を終えることができた。
普段は収録と同時に騒ぎだすメンバー。
しかし、今日は誰もほとんど喋らない。どこか空気が重い。
高橋には理由がわかっていた。
誰も椅子から立ちあがろうとしない。
そして時々、誰かが高橋をチラッと見ているような視線を感じる。
謝ればいいだけかもしれない。しかし、どうすればいいのかわからない。
『・・・ん、愛ちゃん』
と、頭の中に紺野の声が聞こえてきた。
「・・・あさ美?」
高橋は心の声で言ってみた。
『愛ちゃん、ちゃんと謝らなきゃダメだよ』
紺野が諭すように言う。しかし、高橋には謝ることにためらいがあった。
「・・・でも・・・」
『大丈夫、私が見てるから』
「・・・・・・・・・」
『愛ちゃん』
「・・・・・・うん」
そう言って高橋は、小川の方を見る。
小川はビクッとして一瞬目を逸らせたが、おずおずと高橋の顔を見る。
「・・・・・・何?」
どこか怒ってるような・・・怯えているような小川の声。
「・・・・・・麻琴、ごめん」
高橋は、小川の目をじっと見つめながら言った。
小川は「えっ?」と言いたそうな目で高橋の顔を見ている。
―――沈黙
と、
「・・・さて、仕事も終わったし、帰ろうか!」
突然飯田が立ちあがって叫んだ。
そして「はいみんな!いつまで座ってんの!立って立って!」と言って手を叩く。
それと同時にザワザワと騒ぎだすスタジオ。
「あ〜!今日も疲れたね〜!」
「うん、お腹ペッコペコだよ〜」
そう言って、メンバーはゾロゾロとスタジオを出ていく。
あっけに取られて椅子に座ったままいる高橋に、
「愛〜!なにやってんの〜!?置いてくよ〜!」
と、小川が声をかける。
「え?あ、うん!い、今行く」
そう言ってアタフタと椅子から立ちあがる高橋。
と、その拍子に足がもつれて転んだ。
「・・・・・・ぷ・・・あはははは!なにやってんの高橋ぃ!」
後藤が腹をかかえて笑いだした。
「あははははは!今日の高橋の中に、紺野がいるんじゃないの?」
飯田の言葉に、メンバー全員が笑いだす。
それにつられて高橋も笑った。不快感はなかった。
ドンドンドンドン!!
『お〜い!誰かおらんか?』
つんくが、城の扉をノックする。しかし返事はない。
『くそっ!漫才ならここで、誰もいませんよ〜。言うハズやのに、
全くノリの悪い扉やで!』
そう言って扉をガァンと蹴りつけ『あいた〜!』ともだえる。
『ねえねえつんくさん!』
辻が城の端っこから叫んでいる。
『・・・なんや!こっちは今お取り込み中や!』
『このお城、ハリボテだよ〜!』
『そんなオチ、今時誰も・・・・・・え!?』
『あさ美ちゃんもいる!』
つんくは痛みも忘れ、辻のいるところへと走りだした。
『あっ!・・・ホンマや・・・』
確かに城には表部分しかなかった。
その先には、見渡す限りの花畑が広がっていた。
そして・・・
『・・・あっ、紺野・・・』
紺野は、ハートの形をしたものに寄りかかり、笑顔を浮かべながら眠っていた。
二人は気がついていなかったが、辺りの風景は、荒野から見渡す限りの平原へと変わっていた。
「・・・でね、あれからみんなでご飯食べに行ってね」
宿直室のベッドの中、高橋は一人言を呟いていた。
『・・・うん』
高橋の中に、紺野の声が響いた。
紺野の隣りでは、つんくと辻が寝息をたてている。
「はあ・・・今日でこの変な生活も終わりかぁ〜」
『・・・うん』
「これで明日から、また普通の生活だね」
『・・・うん』
「もう〜!あさ美ったら、さっきからうんうんばっかり〜」
『・・・うん』
また「うん」だ。高橋は小さく笑った。
「・・・ねえあさ美、元の体に戻ったら、どこか遊びに行こうよ」
『・・・うん』
「どこがいい?」
しららくの沈黙の後、
『・・・愛ちゃんと、かっぱえびせん食べたいな・・・』
紺野は呟くように言った。
高橋は「何それ?」と言いたそうな顔をしていたが、
「・・・うん、わかった」
そう言って微笑んだ。
やがて夜も更け、高橋と紺野も眠りについた。
そして、高橋の体が発光し始める―――。
――― 四日目 終了
ジリリリリ ジリリリリ
目覚ましの音に、高橋は目を覚ました。宿直室のベッドの中。
「・・・あれ?」
誰もいない。
てっきり元に戻り、あちこちに散らばっていると思っていたのだが・・・。
「ひいっ!?」
と、足元に何やらモゾッとした感触を感じ、高橋は思わず布団をひっぺがした。
「うう〜ん・・・メグミちゃ〜ん・・・30分だけ・・・延長・・・ええやろ?」
つんくが高橋の足にしがみついて、ほおずりをしていた。
「!?!?!?!? ・・・ぎぃやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
高橋はかん高い声をあげ、枕でつんくの頭をバンバンと叩いた。
「いた!いたい!SMかいな!・・・・・・れ?メグミちゃん?」
つんくが目を覚まし、辺りをキョロキョロと見渡す。
「メグミちゃ〜ん?メグた〜ん?どこにいる・・・・・・あ!」
目の前に高橋を発見して、つんくは慌てて咳払いをした。
「な、なに!?今の声!?」
と、台所から辻が姿を現した。そして高橋が起きてるのを確認すると、
「あ!愛ちゃんおはよ〜!」
と言ってニッコリと微笑んだ。
あさ美は?
高橋は紺野の姿を探した。
「つんくさん。あさ美知りませんか?」
つんくは頭を痛そうに抑えながら、首を左右に振り、
「知らんよ。俺が起きた時にはおらんかった」
「辻ちゃん!あさ美は?」
辻も台所から顔だけ出し、「しあなうぃよ」と言って首を振った。
どうしたんだろう・・・。まさか、まだ中に?
高橋は頭の中に声をかけてみようとした。と、
ガチャッ
宿直室のドアが開いて、そこから紺野が現れた。
「・・・あ、みなさん、おはようございます・・・」
紺野は全身汗まみれで、息がきれている。
「あさ美!どこ行ってたの?」
「うん、ちょっと走ってきたの」
高橋は「心配したんだよ?」と言いたげな目を紺野に向けた。
紺野も「ゴメンね」と目で返す。
「・・・あ、シャワー浴びていいかな?」
紺野の声に、辻が「いいよ〜」と言う。何をしているのだろう。
「・・・ね、あさ美、一緒に入ろうか?」
高橋がイタズラっぽく笑う。つんくが「何!?」という顔で高橋を見る。
「あ〜!じゃあののも!」
口に青糊をつけた辻が台所から出てきて言う。
紺野はちょっと困った顔をしていた。
「そ・・・そんなら俺も・・・」
「ダメです」
高橋に突っ込まれ、「冗談や」と言って、つんくはしぶしぶとトイレに入っていく。
「・・・じゃあ、入ろうか?」
紺野の声に、高橋と辻は、きゃあきゃあ言いながら服を脱ぎ捨てた。
「・・・もう、ちゃんと畳まなきゃ」
シャワー室に入って行く二人。紺野は二人の衣類を持って、シャワー室に入った。
「うわぁ〜!あさ美ちゃん胸おっきい〜!」
「あん・・・もう〜だめだよ・・・」
「辻ちゃんの胸だって小さくて可愛いよ」
「きゃっ!愛ちゃんのエッチ〜」
シャワー室でじゃれ合う三人。その隣りでは・・・。
つんくがトイレの壁に耳を押し当て、右手で一心にナニをしごいていた。
「ハァハァ・・・・・・ここ最近ごぶさたやったからな・・・」
そして「メグミちゃ〜ん!今日は行ったるで〜!」そう言って果てた。
あれから数日―――
仕事の合間の休憩時間、高橋たち三人は机に向かい、何やら書いている。
「・・・ここはもっとこうしたら・・・」
「え〜、そう?そうしたら、ここの良さが消えない?」
「ののは、もっと可愛くしたらいいと思うなぁ」
周りのメンバーも何をしているのか気になっている様子だ。
「・・・これをここに持ってくるとかは・・・」
「ねえ、さっきから三人で何してんの?」
後ろから声がし、慌てて三人が振り向く。そこには飯田の顔があった。
「わあっ!」
高橋が、慌てて紙を隠し、「何でもないです・・・」と苦笑いをした。
「・・・何でもないなら、なんで隠すの?」
「そ・・・それは・・・その・・・」
オロオロとする高橋。
「ダメェ!今、とっても大切な大切なもの書いてるんだから!」
辻の真剣な表情に、飯田はわかったわかったと言って三人から離れた。
「・・・ふうっ、危なかったね・・・」
高橋がため息をついた。
「・・・まだこれは見せれないもんね」
辻が二人を見て笑う。
「うん、これを見せる時は、ワタモニ完成の時だからね」
紺野の声に、高橋、辻も、ぷくくくっと笑う。
メンバーには、三人が何をやっているのかわからない。
しかし誰にも、何をしているのかをこれ以上詮索する気はなかった。
三人の目は、とても生き生きしていた。
コンコン
「失礼します」
つんくの控え室のドアがノックされ、高橋、辻、紺野の三人が入ってくる。
「おう、来たか」
つんくは近くにあった椅子に座り、タバコに火をつけた。
そして、煙をフーッと吐き出すと、三人を見た。
「ここに三人を呼んだっちゅーことは、何だかわかるやろ?」
つんくの言葉に、三人はコクンと頷いた。
しばらくの沈黙が室内に流れる。と。
「――― 単刀直入に言ってな、紺野、お前にワタモニのリーダーをやってもらいたい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
紺野は驚きを隠せなかった。何で自分が?という思いが頭を駆け巡る。
紺野は高橋を見る。高橋は無言で頷いた。辻も同様だ。
「・・・紺野、お前、今なんて思ってる?」
つんくが紺野を見て言う。紺野は答えない。
「・・・私なんかが、劣等性なんかが、リーダーなんて無理。
先輩の辻か、年上の高橋がリーダーに適任。そう思っとるやろ?」
紺野はうつむいた。その通りだったからだ。
紺野は何も喋らない。つんくは、しばらくの間を置いてから言った。
「あんなあ紺野。お前は確かに歌は下手やしダンスも下手。おまけにトロ臭いときてる。
芸能人としたら落第点だらけや」
つんくの言葉が、紺野の胸にチクチクと刺さる。紺野は全くその通りだと思った。
「・・・せやけどな、紺野。お前じゃないとダメなんや。
お前の持っているその空気は、フワフワしてる辻にも高橋にも出せん。
それをまだ、お前はうまく使いこなせてないだけや。
お前はきっとこの先、娘。に必要な人間になる。もっと自信持てや」
「・・・・・・はい」
「声が小さい!」
「はいっ!」
紺野の声に、つんくは満足そうに頷いた。そして、再び真剣な目になり、
「・・・せやけど、お前はまだ未熟もんや。
お前なんかをリーダーにしたら、どんなことになるかわからん。せらから」
そう言って、今度は高橋を見る。
「高橋、お前がサブリーダーになって、紺野が一人前になるまでサポートしたれや」
高橋も、まっすぐにつんくの目を見る。
「・・・はいっ!」
その声に、つんくは再びコクンと頷いた。
「それでやな・・・」
「・・・ねえねえ、ののは?」
話を始めようとしたつんくを、辻が遮る。
「辻か?辻はミニモニとか色々大変やろ?あんま無理さすわけにもいかんからな」
つんくの言葉に、辻は「わかった」とだけ言った。
「・・・でな、もう曲だけはできとるから、明日から振り付けの練習に入ってくれ」
手を上げて「以上!」と言うつんく。しかし、三人は動かない。
「ん?どないした?もう行ってもええよ」
「・・・あの、実は曲のことなんですけど・・・」
紺野が言う。そして何やら封筒のようなものを出した。
「何や?それ」
「実は、私たちで詞を書いてみたんです。ワタモニの」
「それでね、ののたちこの歌詞で歌いたいな〜って思うの」
高橋、辻も続く。つんくは片手を差し出し、「見せてみい」と紺野に言う。
紺野はつんくに歩み寄り、封筒を差し出して手渡す。
「・・・・・・・・・ふ〜ん・・・・・・」
つんくはまじまじと歌詞が書かれた紙を見つめる。
それを緊張しながら見ている三人。
「・・・これ、もしかして、例の体験のことを詞にしたんか?」
つんくが目だけ向けて聞く。紺野が頷く。そして再び紙に目を戻す。
「・・・詞の意味、俺にはわかるで。
でもな、これを知らん奴には何言ってるかわからんかもしれん。
もしかしたら、お前らの芸能活動に影響が出るほどダメージを受けるかもしれん」
つんくは紙を膝の上に置き、三人を見つめる。
その目は「もし最悪の事態になっても、それでもええんか?」と言っているように見える。
「・・・・・・はい、あの体験無しにはワタモニはありません。
それが皆さんに伝わらなくても、言葉だけを頭の片隅に置いてほしいんです」
紺野は、つんくの目を真っ直ぐみつめながら言った。
つんくは紺野を見、紙を見、高橋を見、紙を見、辻を見、紙を見・・・。
「・・・わかった。これで歌詞をつけてみる」
つんくの声に、三人の顔が輝く。
「は、はい!ありがとうございます!」
そう言って部屋を出ていく三人。
と、辻が戻ってきた。
「おう、どないしたん、辻」
「・・・あ・・・あのね・・・」
辻は何やら口ごもって答えない。
つんくは机の上にあったセンベイを取り上げ、
「センベイ、食うか?」
と言って辻に差し出した。
「わあ!つんくさんありがとう!」
そう言って、袋ごと持っていって部屋を出ていった。
つんくは差し出したままの姿勢で固まった。
「・・・・・・一枚だけちゃうんか」
椅子の背もたれに寄りかかり、つんくは呟いた。
そして、天井をみあげながら、ハハッと笑った。
――― エピローグ
飯田、安倍はTV局の廊下を歩いていた。
「大丈夫かなぁ、あの三人」
飯田が呟く。
「大丈夫だよ、・・・多分」
安倍はそう言うものの、どこか不安そうだ。
今日は、ワタモニの曲の初披露の日だ。しかも生。
きっと緊張しているに違いない。と思い、仕事の合間を縫って、二人は三人の控え室に向かっていた。
コンコン
安倍がドアをノックする。
「みんな、いる?」
しかし返事がない。
やっぱり緊張してるのかなぁ。安倍は飯田と目を合わせる。
「ドア、開けてもいいかな」
「いいんじゃない?」
ガチャッ
ドアを開け、二人が控え室に入ると、三人とも緊張して。
「あれ〜?安倍さんに飯田さん?」
いなかった。
三人とも、お菓子を食べながら、何やら雑談をしている。
「・・・お菓子、食べます?」
そう言って、紺野がかっぱえびせんの袋を差し出す。
二人は、あっけに取られたような顔で、三人を見ている。
「・・・あんたたち、随分リラックスしてるわね」
飯田が呆れたように呟く(ついでに、お菓子もつまみ食い)。
安倍も「緊張とか、ないの?」言う。
「緊張してるよ〜!もうバクバク!」
辻がそう言って笑う。どう見ても緊張しているようには見えない。
安倍、飯田は顔を見合わせ、苦笑いをした。
ガチャッ
控え室のドアが回る。
「ワタモニの皆さん、そろそろスタジオの方にお願いします」
ディレクターだ。高橋は「よ〜し、行こうか」と言い、椅子から立ちあがる。
高橋と辻が控え室から出ていく。紺野はお菓子の袋を片付けている。
「あ〜!いいよ紺野!ナッチがやるから!」
紺野は「すいません」と言って、ドアに向かう。
「紺野?」
飯田が声をかける。紺野が「はい?」と言って振り向く。
「・・・本当に大丈夫?緊張とかいてない?」
飯田の言葉に紺野は何やら考えるような仕草をした。少しの沈黙の後、
「・・・緊張がないと言ったら嘘になりますね。今でも、かなりドキドキしています。
でも、愛ちゃんと辻ちゃんが側にいますから、平気です」
そう言って、紺野は控え室を出ていく。
飯田は、紺野が出ていったドアを見ていた。そして、近くの椅子に腰をかける。
「・・・二人がいるから平気・・・か」
飯田が誰に言うでもなく呟いた。
「・・・カオリ」
お菓子を片付け終えた安倍が言う。
「・・・今日、久しぶりに、二人だけでご飯食べに行こうか?」
飯田は、コクンと頷いた。そして、二人で顔を見合わせて微笑んだ。
テレビから、女子アナウンサーの声が聞こえる。
「・・・では、早速今週のゲストの皆さま方をご紹介したいと思います」
明るく、暖かい音楽に乗って、高橋、辻、紺野の三人が画面に現れた。
「・・・大丈夫だよ、あの三人は」
「・・・うん」
安倍と飯田は、微笑みながら三人を見ていた。
――― END
>>123-131 以上で完結です。更新まで時間かかってすいません。
なかなか思いつかなかったんで・・・。
>>120 もし作って頂けるのでしたらお願いします。
一歩離れて、自分が作った小説も見てみたいです。
では、しばらく休憩・・・。
気が向いたらまた何か書くかもしれません。
読んでくれた皆さん、ありがとうございました。
では。
タオルケットさんお疲れ様でした。ずっと感想を言うのを我慢してました。
面白い!ほんと面白かったです。設定うんぬん抜きで笑えてちょっとジーン
ときました。設定ももちろん良かったですよ。出来たら、また次回作作って
ください。
お疲れ様でした。
何がどう面白かったか上手く言えないけど・・・
すごくよかったです!
(・∀・)イイ!!
この一言に尽きます。
136 :
名無し:02/03/02 15:59 ID:XiSw0ZQJ
うん、面白かった。
楽しませてもらったよ。
ごくろうさん。
137 :
ななし:02/03/02 17:31 ID:ya3uifwp
ワタモニの曲の歌詞が知りたいです。
あとお疲れ様でした。
つんく♂のオナーニにワラタ!
今回の話なかなか、よかったですYO!
>>120書き下ろし期待してます。
ワタモニ(仮、実際にキボンヌ!!
文章的にはどうかなと思ったけど
奇抜なアイデアと場面がいいところで切り替わるところが
とても良かったです。
高橋と紺野の友情にひびが入る理由がちょっと胆略的かなとも
思ったけど二人とも中学生と言う事で…。
ということでまた書いて下さい。
かなーり面白かったです。
よかったっす
これから高紺or紺高がどんどん増えてくれるといいな…
紺野はいいとして高橋は素材が無さすぎだよな。
四期の性格が分かってきたのが加入して半年後くらい?
ってことはもうそろそろわかってきてもいい頃だけど、
もうちょっとかかるのか?
とにかく書きにくい。
ホゼーン
沈没阻止
144 :
ねぇ、名乗って :02/03/05 18:11 ID:XfKp3epR
緊急浮上!
hozeso
146 :
名無し募集中。。。:02/03/08 00:19 ID:azDHGtWZ
hozen
148 :
名無し募集中。。。:02/03/11 15:40 ID:5s1fjv+1
新小説。駄作だけどね。
149 :
名無し募集中。。。:02/03/11 16:20 ID:5s1fjv+1
ヤツラハジンセイヲノットルンデス。
最初の犠牲者は市井さんでした。
十日前、市井さんは死にました。みんな唯の事故だって言ってたんです。
私も最初はそうだと思ってたんです。でも、事実は違いました。私が異変
に気付いたのは、市井さんが死んでから一週間後のことでした。そう、全
ては市井さんの死んだ次の日から始まっていたのです。
――――――十日前――――――
後藤「市井さんが事故で死んだんだって。」
吉澤「かわいそうに。」
クラスメイトが噂しあう中、深刻にショックを受けていたのは私たちだけ
だったような気もします。
飯田「何で市井さんが。」
石川「事故だなんて、そんなの悲しすぎます。」
中澤先生「はーい、みんな席について。」
始まりゆくホームルーム。衝撃的な噂も、先生によって静められる。
中澤先生「みんな聞いていると思うけど、昨日、市井さんが事故のため、
亡くなりました。葬式とか日程はまだ未定らしいので、おって連絡します。
ショックなのは分かるけど、何時までも悲しんでいちゃいけないよ。あなた
達には受験が待っているんだから。」
そう、私達は高校三年生。今年は受験を控えていてみんなそれぞれの道を
歩むため、忙しかった。そんな中、私達はいつも一緒だった。いつも強気に
私達をひっぱっていた飯田さん。元気に笑って皆を励ましている安部さん。
弱気な石川さん。そして、明るく前向きな市井さん。私達5人は周りから見
ても仲の良い友達でした。その五人の中から一人抜けたこと。それがどんな
につらかったことか。
中澤先生「さて、こんな忙しい時期にもう一つニュースです。こっちの方
は明るいニュースなんですけど、新メンバーじゃなくって転入生が一人この
クラスに入ってきます。入っておいで。」
小川「始めまして。新潟から先週引っ越してきた小川真琴です。よろしく
お願いします。」
中澤先生「皆さん。あと、一年ですけれども、仲良くしてあげてください
ね。席はえーと、矢口さんの隣で。」
150 :
名無し募集中。。。:02/03/11 16:22 ID:5s1fjv+1
転入生の小川さん。彼女は私の隣の席に座ることになりました。最初
の印象は、有名プロレスラーのアントニ○猪木のような・・・・。と
にかく元気いっぱい。そんな印象を受けました。
「よろしくね。小川さん。私がこのクラスで一番の・び・じ・ん・の
矢口です。」
飯田「信じちゃだめだよ小川さん。一番の美人は、あたしなんだから。」
中澤先生「はいはいそこまで。クラス1の美人は私なんだから。授業
始めるから小川さん。席について。」
小川「はい、よろしくお願いします。矢口さん。」
「真里でいいよ。何かわからないことあったらなんでも聞いてね。」
一見普通の女子高生。この女子高のどこかに、同じようなキャラが
いるんじゃないかなって思うくらいに普通の女子でした。最初の印象
は・・・。
加護「小川さんって新潟出身なんだ。どんなとこなの?」
辻「彼氏いるの?小川さん。」
昼の休憩時間。席が隣になった縁もあり、何時ものメンバー+小川
さん−市井さんで、弁当を食べているとクラスの元気なツートップ、
辻・加護タッグに、質問攻めにあっていた。
小川「新潟はねいいとこだよ。彼氏?いないよ。」
辻・加護タッグは嵐のように現れ質問の雨あられ。それ全てに答えき
る小川さん。やるね。
飯田「この次期に転校って大変でしょ。」
安倍「大丈夫だって。すぐに慣れるよクラスにも」
石川「どこの大学受けるとか考えてる?」
友達を一人失った私達は、新しく来た小川さんと、仲良く話していま
した。でも、私にはわかりました。皆少し無理をしているのを。しょう
がないよね。大事な友達を一人、失っちゃったんだから。新しく来た転
入生、クラスにもすぐになじめそうでした。
下校。昼の休憩時間の延長みたくこのメンバーで帰ることになりました。
安倍「小川さんはどこに住んでいるの」
小川「Aってとこなんですよ。」
飯田「へぇ、じゃあココでおわかれかぁ。また明日。」
小川「うん。」
151 :
名無し募集中。。。:02/03/11 16:23 ID:5s1fjv+1
小川さんと別れて、何時ものメンバー−市井さんとなっちゃった私達は、
この話題に触れずにはいられませんでした。
石川「なんか何時もより一人少ないと寂しいですね。」
「うん。この中でいちばんあかるかったからね。さやかは。」
飯田「うん。あっ、この店さやかが働いてた店だよね。」
帰り道の途中にあるのは、市井さんがバイトしていたファミレス。何時も
帰りにはココによって、暗くなるまで話していた。
安倍「さやかがいなくなると、この店によりづらくなったね。」
安倍さんの言う通り、もうこの店によりづらくなった。ウェイトレスの
格好をした市井さん。もうこの店にはいない。
石川「なんか、信じられませんよね。店に入ったら、まだ市井さんが働
いているような気がして。」
飯田「そうだね。どうする?さやかの家に行ってみる?」
「でも、検死とかなんとかでさやかの遺体は家にいないんでしょ?」
安倍「でも、おばちゃんを元気付けてあげたいね。」
飯田「でも、今はおばちゃんをそっとしといてあげたほうがいいかもね。」
安倍「そうか、そうだよね。また次のときに。」
石川「じゃあ、またあした。チャオ。」
「バイバーイ。」
ここで皆お別れ。ココからは一人の家路。市井さんの家は帰り道の途中。
何時も二人で帰っていたのに。今日は一人ぼっち。私は一人で市井さんの
家に行くことにした。おばさんに会いに。
市井さんの家。よく遊んだ。部屋で市井さんと二人、よく話し合った。
学校のこと、友達のこと、好きな人のことを。
「ごめんください。」
市井・母「真理ちゃん。いらっしゃい。」
何時もより元気のないおばさん。一人娘を失った気持ちは、私にはわか
らないけど、おばさんの姿はすごく寂しそうだった。
「このたびは、おくやみもうしあげます。」
市井・母「わざわざありがとね。昨日の今日でまだ何も。実感ないのよ。
まだ、あの子が元気に帰ってくるんじゃないかって。遺体はまだ家にない
の。まだ帰ってきてないのよね。あの子。本当にありがとう。あの子も喜
んでるわ。きっと。」
「いえいいんです。私も、いろいろお世話になったから。」
市井・母「ありがとね。あの子と一番仲良くしてくれたのは真理ちゃん
だからね。」
「それじゃあまた来ます。元気出してくださいね。」
市井・母「ありがとう真理ちゃん。帰り道気をつけて。」
寂しそうなおばさん。見ているのが辛くて、早めに帰ることにした。次
の日、このことを皆に話そうと思った。
152 :
名無し募集中。。。:02/03/11 16:24 ID:5s1fjv+1
近日更新予定。
なんか突っ込みどころ満載な小説だな(w
「名無し娘。は様子を見ている…」
「名無し娘。は 保全 を唱えた!」
保全してみようかね
ほぜむ
ほせん
ほっぜん
ホーゼン
161 :
:02/03/23 20:25 ID:OuMam/GL
あげ
保全
165 :
:02/03/28 23:26 ID:VPuhXPWL
ほぜ
ほ〜
ほぜむ協力
ほぜ
む
hozen
ほぜむ
保全
圃
一月か・・・。でもほぜん
もうそんなになるのか・・・保全