【一日目 午後6時】
そして天井に設置されたスピーカーから、場違いなほど陽気な声が聞こえてきた。
『こんばんはー、モーニング娘のみなさん。
いっきなりだけど、君達の仲間を1人預かったよー。
彼女の命がおしければ、12人の力を合わせて謎を解いてみな。
ヒントはテーブルの上に記しておいたよー。んじゃね〜。
…おっと忘れてた。私が誰か言ってなかったね。私は君達の中にいるよ。』
ガチャ
そこで声は途切れた。
「なんじゃそりゃ〜!!」
私達は一斉に声をあげた。
「何何何、これってどういうこと?」
「私は君達の中にいるよ?ほえ〜?」
あまりの出来事に、その場の全員がパニくっていた。
その声は機械的な物で、誰の声か判別するのは不可能だった。
「あ〜わかった〜!」
すると、石川さんの甲高い声があがった。
「きっとこれはTVのドッキリ番組ですよ。」
すると矢口さんが大袈裟に倒れ込んだ。
「ヤラレタ〜!せっかくのバカンスだと思ったのにそうゆうことかよ!」
「つんくさんにハメられたって訳か。あ〜あ。」
後藤さんも頭をテーブルに落として、軽くへこんでいる。
「え!てことはどっかに隠しカメラとかあったりすんの、最悪ぅ!」
吉澤さんの言葉で、全員が一斉に当りを探し始める。
「探せ探せ!」
「こっちにはないで〜。」
「ないれすね。」
食堂中を掻き回したが、結局どこにも隠しカメラらしき物は見当たらなかった。
すると安倍さんが何か思い出した様に言った。
「そういえば・・さっきヒントがどうとかって言ってたよね。」
「うん、確かテーブルの上とか・・」
保田さんの答えに、今度は11人全員が一斉にテーブルを囲んで覗き見る。
しかしこれから食べる料理が並んでいるだけで、変わった物は特に見当たらない。
「てゆーかこんな所に何かあったら、先にうちらが気付いてるっつーの、なぁ。」
矢口さんの意見に石川さんが頷く。
「もしかしてこの下じゃないですかぁ?」
まこっちゃんがテーブルシートの端を持ってびらびらさせる。
「んあ〜面倒くさいけど、一応確かめてみる?」
私達はテーブルの上の皿を全部どかして、テーブルシートを剥ぎ取った。
「あ!」
誰かが驚きの声をあげた。
木製のテーブルには文章が切り刻まれていたのだ。
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全てから
モーニング娘13人が消えた時
その2番目と13番目
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よく意味のわからない文章。これがヒントなのだろうか?
「わかったぁー!!」
すると辻加護コンビが声を揃えて手を上げた。
「犯人は2番目に消えた人と13番目に消えた人だ〜!」
「そのままかよ!」
流石矢口さん。ていねいに突っ込んであげている。
「ん〜。訳わかんないから、ちょっと整理してみようよ。」
「のの、おなかすいたのれす。」
安倍さんとののの意見を受け入れ、食事を取りながら整理することにした。
・ 飯田、新垣が行方不明
・ 謎の放送、声の主はこの中の誰かと言っている。
・ 隠しカメラ等は一切見つかっていない
・ テーブルの上に意味不明のヒント
代表して矢口さんが紙に書いてまとめる。
「こんなもんか?」
「そういえば、さっきの放送変じゃなかった。2人いないのに1人預かったって…」
後藤さんの発言に石川さんも頷く。
「私も思ったの、12人の力を合わせろとか、まちがってるよね。」
「そそっかしい犯人じゃないの。」
「じゃあよっすぃーかな。」
「だね。」
「あーひでー!梨華ちゃんもごっつぁんもー!」
「よっすぃーはしっかりものれす。」
「ののーわかってくれるのはお前だけだー!」
吉澤さんは泣き真似しながらののに抱き着いた。