なかよしのフィギュア全種

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40品川 34

確かにいい所だ。 木がよく繁ってる。 木漏れ日が気持ちよくて。 いいスカイラインだ。
つい、オレのも窓を全開にしちゃった。 なっちの髪がいっそうなびく。 車内に髪の毛の香りとキレイな空気が広がった。
こんなキレイなスカイラインでも土曜の夜なんかは戦場なんだろうな・・・なんてことを考えながら道のブラックマークを見た。
「もうすぐてっぺんだよ。  酔わなかった?」
「ん〜ん、ぜぇんぜん酔わなかった。 上るときはね〜、酔うかと思ったんだけど。」
その言葉が終わると同時に視界が開けて広い湖がみえた。
「おぉっ」
「湖・・・」
ふたりとも変に感動した。 なっちは、たぶん広い湖に。 オレは、行き当たりばったりでクルマ走らせてこんなとこに着けたことに。
湖畔の駐車場にクルマを止めた。 なっちのバッグを後部座席からとって、オレもクルマを出る。 そのなっちはオレもバッグもそっちのけで
湖に近づいて深呼吸してる。 このマイペースさがまた可愛いなぁ・・・。 ついでに言うとなっち半ドアだよ・・・(笑)
静かにドアを閉めなおして、今度は体をバンザイして伸ばすなっちの背後に息を殺して近づく。 ちょうど真後ろに来たところでなっちは
パタッと腕を下ろしてくるっと振り返った。 なっちは目を丸くして驚いた。 オレも目を丸くして驚いた。
「わっ! びっくりしたぁ・・・ え?なにしようとしてたのぉ?」
ニヤニヤしながら聞いてきた。 そうだ、なにしようとしたんだろう。 抱きしめようとしたのか? 
なんだかそう考えたら照れた。恥ずかしくなって、そっぽを向いた先にグッタイミン!
「ボートあるよ!乗ろっか!」
「いいねぇ!乗ろっ☆ いつぶりかなぁ〜」
そういって飛びつくように腕を組むなっち。 これは・・・アジア1可愛い。
けど結構簡単に話がそらせたな。 こりゃあ浮気しても・・・とか、はっきり付き合うかどうかもわかってないのに不謹慎なことを考えた。そして気付く。
「あっ!クルマカギしてないよ!」