なかよしのフィギュア全種

２００１年３月

もうすぐ同棲１ヶ月。　そして今日はホワイトデー。

奇跡的にこの日なっちが休みで、合わせてオレも休んだ。　いいかなぁ・・・。

「なっち起きてる？」
息に近い声でささやいた。
「ん・・。　おきた。」
可愛さに、オレもほころんだ。
「もう寒くないねぇ。」
「けどやっぱまだこうしてたい」
オレの体にまわした腕に力を込めて言った。
オレもうなずいた。
「なっち今日何の日か知ってる？」
「知ってるよっ、ちょっと楽しみにしてたもん」
不意に、くちびるを重ねてみた。
なっちは照れと驚きをミックスさせた表情をした。
それを見たらオレも逆に照れた。
最近、キスの回数が増えた。オレからのも、なっちからのも。
えっちも・・・この部屋に来てからは、１回。
そのえっちではっきりわかった。　なっちはかなりムードを大事にするタイプ。

心なしか、今朝のゴハンは豪勢だったみたい。
なっち、顔がすっげー活き活きしてる。
オレも、妙にウレシイ。
「どうしたのなっち」
「あ〜！、なんかうれしいの！　なっちのために休んでくれて。。
　なっちのためにっていうフレーズが・・こう・・あたしの中に・・」
何も言わず、表情で応えた。

なんかえーなぁーこの雰囲気。
頑張ってくらはい。

>109 はいっ！

ふたりでかなりのルンルン気分で駐車場に下りた。
すぐ見えるところにセブンは止まってる。けど・・・
「なぁ、なっち、オレのクルマあんな車高低かったっけ・・？」
「え・・・？あんまわかんないけど・・ちょっと低いみたいねぇ・・」
ハラハラしながら近付いてみると、４つすべてのタイヤがバーストさせられてる。
「ぅわぁ・・・・・」
なっちもかける言葉を見つけられないんだろうな。驚いた顔で。
空気をかえにゃなるまい。
「しょうがない、バスとか、電車とかで行くか！」
今度はオレの切り替えの早さに驚いたのか、こっちを向いて目を丸くしてる。
「行こっ」
なっちの手をとって、歩き出した。
近くのバス停まで歩く。　なっちがちょっとブルーなっちゃってるな。
「なっち」
「・・ん？」
「どした？」
「・・あのね、、もしかしたら、あたしのせいかな？って。」
「ん？？」
「よくあたしをつけてくる変な人がやったんじゃないかなって・・思うの。」
「ばかぁ。そんなこともう忘れろよ〜。　変な人は、オレがどうにかするから。
　クルマのことは、もういいよ。　スポーツカーは時々こういうことがあるの。」
「そうなの？」
「んー。　クルマがあっただけまだいいよ。　盗られたりすんだから。」
「そぉなんだ・・。」
やべっ・・逆効果・・？
「ほら、ちょうどタイヤ替えようかって思ってたし。　ちょうどよかったよっ」
「うん」
なっちは大きく首をふってうなずいた。

バスに乗った。　これがシートが狭くて、ふたりくっついて、イイカンジ。
運転もお任せだし、考えようによってはいいかも、バス。
「なっち１９だよなぁ？」
「ん、そーだよー」
窓際に座らせたのは失敗か？　海沿いを走るから外ばっか見てはしゃいでる。
なんかつまんないからなっちの手を握ってみた。　握り返してくれたけど、景色に夢中。
オレにでかい船があるとか言ってくる。　ぶっちゃけ可愛いけどね。

手を握ったまま、なっちは相変わらず外見てるし。　ちょっとクルマのことを。。。
タイヤ・・・どうすんべ。　なんか保険とかあるのかなぁ・・。　もうクルマごとかえようか・・。
いやいや、んなこたぁできねーよ。。

なっちの顔がぬっと出てきた。
「おっ！！」
「んー？難しい顔して〜。　クルマのこと考えてたんだ。」
鼻から息を吸って、首を横に振った。
「そ？　じゃ、降りよ降りよ！」
「ぁい。」

彼女に手を引かれ、でっかいデパートにやってきた。
入ると、つないでた手を離して腕を組んできた。
「ねぇねぇっ、あのさ、なっち、おねだりしてもいいの？」
顔を見ると、最高に可愛い。　こんな顔で言われたら言う気もないNOなんて出てこないね！
「いーよ。」
あ、あの顔だ・・・下唇噛んで、はにかんでる。　そして小さな声で言った。
「うれしー・・///」
でもなっちだいじょぶなのかな？けっこうわかりやすいぞ？帽子もあんま深くないし。
ま、いっか。

今日は結構持ってるぞ、オレ。　昨日下ろしてきたからねぇ、お金。

結構変わったお店に入るなぁ。エスニックな。。
かと思えば、ブランド物行ったり、本屋行ったり。
「なぁんか女の子って感じだよなぁ。」
「え〜？だってなっち女の子だもん。」