元気爆発メロン記念日

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86マングース西浦
「く…苦しい…」
ついに石川は地に膝をついた。
…戻って来て…中澤さん、戻って来てまた私を叱って…
しかしもう中澤は永久に帰らない。

その時、
「い…いやぁぁぁー!!」
慌ただしいヘリポートに、1人の女性の悲鳴が響いた。
「い…いや…紗耶香…祐ちゃん…そんな…」
悲鳴の主は後藤真希だった。
爆発音を聞きつけて駆けつけた後藤は、兵士から中澤と市井が搭乗するヘリが墜落したことを
知らされた。
「り…梨華ちゃん…どういうことなの…?戦死って…こんなところで戦死なんてありえないじゃない…」
UFA本部屋上のヘリポート。
戦場ではない。

「うぅ…」
石川はようやく立ち上がると、後藤を無視してその場を去ろうとした。
「り…梨華ちゃん!?」

「戦死と言ったら戦死…事故でも事件でもなく、戦死なの…」
石川は苦しそうに言い捨てると、その場を去って行った。

「…紗耶香…」
まだ話したいことがあった…もう一度会って話したいことがあったのに…
後藤は、最後に市井と話した時のことを思い出していた。

あれは、つんくの本当の気持ちを知り、市井にこれ以上情報を流すわけにはいかない。
そう伝えた時のことだった。

――
『ありがとう後藤。また情報があったら頼むね』
「そのことなんだけど…もうこれでこういうことは最後にしたいの」
『…なんで?どうしたの!?』
つんくは私達のことを思ってくれていた。
そのつんくのことを裏切るようなことは出来ない。
後藤はこの時決意していた。
「もう影でつんくさんを裏切りたくないの…」