元気爆発メロン記念日

このエントリーをはてなブックマークに追加
53マングース西浦
第8話 『転変』
この頃ハロプロ軍は北アフリカ方面に進軍している。
今回はアフリカでメロン記念日のイベントが行われるのだ。
歴史的にヨーロッパと繋がりの深いアフリカ方面も味方につけることでモーニング娘。に
対抗する力をつけようという目論見がある。
しかしそのような上層部の目論見など知る由も無く、メロン記念日の4人は
久々にイベントが出来る喜びに胸を躍らせていた。
所詮ドサまわりのイベントではあっても、それを途切れさせずに開催していくのが
芸能界と、戦争という過酷な現実を繋げる唯一の手段だったのだ。

メロン記念日は、過酷な運命にもめげず自分達がアイドルグループであるということを
一時たりとも忘れることは無かった。
その自覚は、精神を正常に保つ為にも必要なものだった。

人の多い比較的賑わいのある街に宿を取りイベントの打ち合わせを行うメロン記念日ら
ハロプロ軍の仲間達。既に数日この街に留まっていた。
まだイベントは行っていない。
メンバーそれぞれが思い思いに時間を過ごしている中
「もう衣装ボロボロだよ…」
大谷がボロボロになった衣装を手にする。
すでに各国で何度も着たイベント時の衣装は痛みが激しく、
パンチラもし放題になってしまっていた。
それを目当てに来ている変態達にとってはともかく若いメンバーにとって
それは喜ぶべからざることだった。
「でもその衣装一張羅だし…」
衣装を何着も用意する時間も、予算も無かったのだ。
そのことは、メンバー自身がよく分かっている。

「アフリカの民族衣装とか新調したらどう?逆にナウいんちゃうかとか思うんやけど」

話を聞いていた平家が横から口を出した。
タレントは衣装などでビジュアル面からイメージを定着させることも大事かもしれない。
しかしこのような特殊なイベントでは興味の無い人の関心を引きつけるということも大事なのだ。
アフリカの民族衣装を着れば最初の掴みはOK間違い無しだ。

「…うん、それって意外といいのかも知れないですね」
「なんかアフリカの人達着てるのってカッコイイもんね」
まともな衣装が無い現状では否も応も無い。
思わぬアイデアに、4人は夕食後あさみの散歩も兼ねて民族衣装などを扱っていそうな店を探して
しばらく街を散策してみることになった。