「…独立というのは目に見えて存在するものじゃない。独立なんていう言葉に縛られすぎなのよ、
平家さん達は!」
「アヤカはどうしたいん?」
冷静な平家に促され、さらにアヤカはエキサイトする。
「独立は戦いの先に存在するものじゃない。私達が作るものなんです!和平を結んで、
その後の交渉で、『独立』という状況を作るんです!そして…」
「『それが出来るんは私だけや』とでも言いたいんやろ、アンタは」
「くっ…」
皮肉に満ちた稲葉の言葉に後の句を遮られ、アヤカが奥歯を噛み締めるのが斉藤の目にも分かった。
「どうなんですか?平家さん…」
自分では立場を決めかねた斉藤が、平家に答えを求めた。
「アヤカ、誤解しとるみたいやけど私は『独立』という状況を作ろうなんて思ってへんのよ。
第一、そんなんは私には無理や。確かに、それを出来る人をうちらから選ぶんやったら、アヤカ、
あんたが一番向いとるんやろね」
「な…だったら!」
思わぬ平家の言葉に身を乗り出すアヤカ。
しかし平家は更に続けた。