元気爆発メロン記念日

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117マングース西浦
安倍が放送を行うと言った時、飯田はそれを止めさせようとした。
モーニング娘。に残ったたった二人のオリジナルメンバーとして、今はただ一緒に冥福を祈ろう。
しかし、安倍は聞かなかった。

「圭織、ただ悲しむだけなら犬にだって出来るよ。私は祐ちゃんが望んでいたことを
 かなえてあげたいの。それは、こうして生きてる私達にしか出来ないことだと思うんだ」

悲しい時に、ただ悲しむだけ。
それでは食べたい時に食べる、本能のままに生きる動物と大差がないではないか…
私は思いを残して死んでいった祐ちゃんの願いに耳を傾けてあげたい。
安倍はそう考えたのだろう。
また勿論、彼女には中澤の死を戦意高揚の道具に使おうなどというつもりは無かったに違いない。しかし、
祐ちゃんが望んでいたこと!?
中澤は本当にこんな風に最期の瞬間まで、戦いを続けることを望んでいたのだろうか?
飯田には分からなくなってきていた。
つんくが提唱した『世界征服』という馬鹿げているように思える夢のために、
これ以上関係の無い人々を巻き込んでしまっていいのだろうか…

軍を退いた保田は『保田鶏』(やすだけい)という鶏肉のブランドを立ち上げて
そこそこの収益をあげているのだという。
このモーニング娘。の残り少ないオリジナルメンバーで、最も身長が高かったメンバーの心からも、
モーニング娘。軍への帰属意識がしだいに失われようとしていた。