1 :
マジック部長:
モー娘。のまだ発売してない曲とか、フルPVがあるとこ、教えて。
2 :
名無し募集中。。。:02/01/24 15:21 ID:PNrPNi53
3 :
名無し募集中。。。:02/01/24 15:22 ID:ASXsdv7w
ゼティマ
終了
4 :
:02/01/24 15:22 ID:i7+/IRxX
川o・−・) < 馬 鹿 は 嫌 い で す 。
山崎の金庫
6 :
通行人さん@無名タレント:02/01/24 15:30 ID:OKircmnL
ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ勃起。
まままままままままままままままままんこ。
せせせせせせせせせせせせせせせせーくす。
ててててててててててててててててぃむぽ。
>>1
確実に逝ってよいと判断していいのかな?
9 :
k:02/01/29 01:44 ID:CF2amWpX
10 :
:02/01/31 09:49 ID:OntMqkHq
スレ乗っ取るか・・・
12 :
日曜日-1:02/02/04 18:39 ID:HyTL15HO
私はこの日、独りの女の子に出会った。
まあその事を思い出すのは後々の事なんだけど。
ただ、私が本当に”いつも通り”に過ごしていただけだった。
近くのコンビニに雑誌を買いに出かけたり、部屋でごろごろしていたりと。
本当に”いつも通り”の日々はこの日に終わりを告げていたんだけど……。
13 :
月曜日-1:02/02/04 18:39 ID:HyTL15HO
その日、私はいつも通りに授業を受けていた。
四時間目……。
新米教師の保田の授業は私らよりもいつも通りに一人よがりで解り難かった。
「あの……、どうかなさいました?」
担任の平家が授業を覗いていたの見て、保田が声を掛けた。
平家はここぞとばかり、ひょいと顔だけ教室の中に入れた。
「いや……、今日転校生が来る筈だったんやけど、
どうも遅れてるみたいなんで。顔出してません?」
「いえ」首を振る保田。
「そうですか」
平家は、いつも通りのスタイルを崩さない保田に肩をすくめて背中を見せた。
「それじゃ……」そこでチャイム。ナイスタイミング。
「じゃ、この問題は宿題にしとこうか」
ざまあみろ。
14 :
月曜日-2:02/02/04 18:39 ID:HyTL15HO
「おーい、吉澤ぁ♪」三年の矢口先輩。
いつもこの時間になると来るんだよねぇ。
同じ保健委員って繋がり、そんなに深いのか?
「おーいなんて呼ばなくても近くなんだから聞こえますってば」
時々うざいこともあるけど、単なる世話好きなんだと思うことにしている。
「おべんと食べよ。おっべんとおっべんと♪」
「今日は何ですか?」
「ん? パンだよ、パン。食パン。バターも持って来た」
取り出したのは袋入りの六枚切り食パンと、雪印マーガリン……のタッパー。
「……。だけですか……?」溜め息。
「うん。そだよ」うわ、食べ始めてるっ!
「何か飲むものとかは……、無さそうですね。私の牛乳あげますよ」
「ッ!! ぐ。ふぃらない!! だいじょぶ。じぇんぜんへいぎ」
喉に詰まらせ胸元を叩く矢口先輩。
前の席の石川さんもこっち見てるし。
「おーい、よっすぃー。放課後に保健室来いって中澤先生が」
誰が呼んでいるのかと思ったら担任の平家がこっちを見ている。よっすぃーって……。
用件だけ伝えると平家は出て行っちゃった。
いつも思うんだけど、平家の背中には妙に哀愁が……。
15 :
月曜日-3:02/02/04 18:41 ID:HyTL15HO
その日、私吉澤ひとみはいつも通りの午後を送る予定だった筈で。
だけど事態は一転、半日にして「よっすぃー」と呼ばれるに至る……。
石川の奴、授業をしていた先生にも「吉澤さんじゃなくて、よっすぃーです」なんて言いやがって。
矢口先輩も聞いてたし、三年生にも広められるんだろうな。
部活行っても言われる……。
放課後。
私は呼び出されていた通り、保健室に向かう。
ちょっと憂鬱なムードを醸し出していた自信はある。
学校の隅の方で、あんまりこっちにまで足を伸ばす生徒は少ないらしい。
とっても静かだ。
「よっすぃーか……。はぁ」
溜め息って溜めていないよね。もう溜めてる分は全部出しちゃったはずだもん。
だもんとかタソガレている場合じゃない。
保健室の扉はすぐそこまで迫っているのだ。
中澤先生、何の用だろ。
16 :
月曜日-4:02/02/04 18:41 ID:HyTL15HO
「失礼しまー」
「ぃよう。まあ入り」早っ。これだから関西人は……。
「ん? 顔色悪いで。保健室で寝てくか?」
「いやいいデス……」
出そうになった溜め息をこらえた。快挙だ。
「んじゃ茶でも飲むか。コーヒー、紅茶、緑茶に麦茶。ギムネバ茶まで何でも揃っとるで」
「結構です。用件を言って下さい」
クールモードだぜっ。
「あぁ、用件っていうのはな……」
シャっとカーテンが開けられた。
「こいつが転校生」
ベッドで誰か寝てる。
「いろいろ世話したってーな。ほら、学校の案内とか」
「あの、寝ているんじゃ」
「うん。寝とるよ」
「あんまり大声出さない方が……」
「いや、ええねん。起こそうと思っとった所やから」
そう言うと、寝ていた女の子を起こしに掛かる。
「ほら、もう起きいや。」中澤は彼女を揺する。胸とか触ってないか……?
「ん……」うわ。可愛い。
17 :
月曜日-6:02/02/04 18:42 ID:HyTL15HO
「ほら、迎えに来てくれたで」
「ふふぁあ」女の子はあくびをすると上体を起こした。髪真っ茶色じゃん。
「あの、同じクラスになったらしい吉澤ひとみです」挨拶してみる。
「よっすぃーって呼んであげてね♪」中澤ーーーーーっ!!
「ゴトウ、後藤真希です。よろしく」目元と口元でだけ表現した感じの笑顔。
「君にもあだ名考えてやらんといかんな」お前が考えてたんかい。
後藤さんは校門の近くで貧血で倒れていたらしい。
平家先生が探していたのは四時間目の頃だったから、
朝からずっとぶっ倒れていたのか聞いたら、遅刻したんだって……。
「じゃ。お気をつけて〜。あ、矢口見かけたら捕獲しといて」捕獲?
中澤先生は手を振って送り出してくれた。
「それじゃあ、ありがとうございました」
後藤さんは丁寧にお辞儀している。いーってそんなの。
「いーってそんなん。これでメシ食っとるんやから」ほら。
18 :
月曜日-6:02/02/04 18:43 ID:HyTL15HO
後藤さんは静かだった。
なんか私が話し出すの待っているみたい。こっちだって人見知りするんだっつーの。
とりあえずこっちから切り出すことにした。
『あの』二人の声が重なった。
「ぎゃー」廊下に響き渡る。悲鳴?
すると目の前を矢口先輩、中澤先生の順で通り過ぎて行った。
保健室の方を振り返る。
あれ……、中澤って保健室に居なかった?
しっかし矢口さん……、なんで保健委員になんてなったんだろ……。
意外とああやっているのが好きなのかもなあ。
「あの吉澤さん?」
「あ、ごめん。ちょっと電波飛ばしてた。あ、よっすぃーでいいよ……」
心の枯れ野に一筋の涙。
「よっすぃー、ね。あんまり呼ばれるの嬉しそうじゃなかったから」
「そ、そんなことないよ。今日一日で広まったからね……。戸惑ってるだけ」
自分は人気者になるタイプじゃないし、あだ名なんて邪魔だっただけだ。
「ふーん」こらまた、興味無さそうね……。
19 :
火曜日-1:02/02/04 18:44 ID:HyTL15HO
私は、昨日の経緯から後藤世話役を仰せつかってしまった。
昨日は教室の場所だけ教えたくらいだったのだが、
これから生活していく為に知らなければいけないことはいくらでもある。
「こっちが体育館への渡り廊下」
「うん。わかる。体育館って目立つじゃん」
「そだよね。面倒臭い? 後藤さん頭良さそうだし、わからない事だけ教えようか?」
頭良さそうは皮肉になっちゃったろうか。
「ううん。案内して。色々聞いてるの楽しいよ」
うひゃ、こんな事言えるなんて良いよねー。私なんか言えんわ。
「よっすぃー。後藤さんじゃなくて、真希って呼んでよ」
「わかったよ。真希ちゃんね。中澤先生があだ名が考えるまでそう呼ぶね」
そんなこんなを経て、学校中を案内した。
どうも真希ちゃんは取っ付き難いところはあるけど、普通な女の子のようだった。
って、普通じゃない女の子ってなんだよ。
超能力者とかか?
20 :
火曜日-2:02/02/04 18:45 ID:HyTL15HO
お昼休み。お弁当の時間。今日は珍しく矢口先輩が来てない。
私は真希ちゃんとお弁当を広げていた。
「部活?」首をかしげる真希ちゃん。
「うん。どこか入るのかなあって」
「いいよ。途中から入るのってなんかヤダ」
「確かにそうだよねー」
「よっすぃーはね、バレー部でかっこいいんだよっ」
一人でお弁当を食べていた前の席の石川が、わざわざ振り返って宣伝してくれる。
「へぇ、よっすぃー背が高いし、何か似合ってそうだね」
「そんな事無いよ〜。飯田先輩ってもっと背の高い人だっているし」おっとりしてて戦力外だけど。
「バレーはねぇ、おいらには無理だなぁ」
矢口先輩がいつの間にか隣の席でお弁当を広げていた。
「セッターとか良いんじゃないですか? 器用そうだし」真希ちゃんはフォロー上手いなあ。
「ダメダメ。運動神経0だもん」
ゆで卵をパクついている矢口先輩。
ん? ゆで卵? ひーふーみー、一個足りない。
「あの、矢口先輩……」
「何? よっすぃー」
「私のゆで卵取りませんでした?」
「あ、一個貰ったよん。そんなにあるんだからいいじゃん」私の手の中のパックを指差す。
「駄目ですってば。10個食べないと一日乗り切れないじゃないですかっ! 返して下さい」
「ご馳走様でしたっと。よっすぃーのゆで卵はいつ食べても美味しいね」
「いっつも足りないと思ってたのはその所為だったのかー!」
捕まえようと伸ばした手から、サッと身を引いて逃げ出す矢口先輩。
「じゃーね。よっすぃー♪」ちっ。逃がした。
「真希ちゃん、このゆで卵本当に美味しいね」石川がもごもご喋る。
「うん」真希ちゃんももごもご喋る。
「はぁ」溜め息。
21 :
火曜日-3:02/02/04 18:45 ID:HyTL15HO
放課後になり、部活へと向かう。真希ちゃんは帰ったようだった。
部活かぁ。
私は何でバレー部に入ったんだっけなぁ……。
ん?
今、そこ。部室長屋の陰に誰か居たよね。
少しバックステップ。
あ、飯田先輩だ。こんなとこで何してんだろ。制服のままだし、部活行かないのかな。
またボーっとしてるんかなって思って、行こうとした時だった。
「つ……かわい……」何かぶつぶつ言ってる。
あれ、もう一人居るみたい。独り言じゃないなんて珍しい。あ。
なななな何か飯田先輩の膝の上に誰か座ってるぞ……。
中等部の制服だ。小さいな。飯田先輩がでかいからかも知れないけど。
その女の子は飯田先輩に顔を近づけてにこにこしてるし。
うわーうわー。見ちゃいけないものを……見ちゃったのかな?
い、妹か、な……。うん、きっとそうだ。そうなんだろうな。
仲の良い姉妹なんだなあ……。
はぁ……。
22 :
火曜日-4:02/02/04 18:46 ID:HyTL15HO
その日は何だか部活に身が入らなかった。
飯田先輩はいつも通りで、しっかりしてるんだか抜けているんだかいまいち解らない感じ。
「兄弟とかいるんですか?」って訊きたかったけど、怖くて訊けなかった。
家に帰ってからもずっと頭の中がもやもやしていた。
うちの学校は中高一貫の女子高なんだけど、そういう噂は少なからずある。
誰かさんが誰々と付き合ってるとか、そーゆーの。
私は単に噂の中の事だと思っていて、まさか目の当たりにするとは思わなかったんだけど。
しかも、あの飯田さんだよ。信じらんない。
はぁ。どうも最近溜め息ばっかりだ……。
23 :
水曜日-1:02/02/04 18:46 ID:HyTL15HO
保健委員には定期的な集まりがあって、放課後にトイレットペーパーの交換だとかをやらされる。
サボる人は多かったけど、中澤先生がお菓子とか出してくれんだよね。
中澤が嫌いじゃない人はだいたい集まっていた。
私もその人間の一人だった。
私が保健室に入ったのは集合時間から15分くらい遅れてからだった。
なんかいつもより人数少ないなー。
中等部の女の子が五人(実はほとんど名前憶えてない。
元気の良い一人は加護ちゃんっていうのは知ってるけど)、
あと中等部のバレー部の松浦さんと、矢口さんと、あとテレビの置いてある辺りに一人居るな。
「おう、待っとったで。よっさん」よっさん?
よっすぃー>よっさん、だからね。私の中じゃ。
「ほら、なっち。もうゲームやめや」
中澤が奥のテレビの方で座っていた女の子を制する。三年生の安倍さんだ。
この保健室にはゲームまであったのかよ。
「あうー、もうちょっとなんだ。待ってて」
テレビ画面を見つめたままに答える安倍先輩。顔はニコニコしているに違いない。
「まあ、ええわ」ええんかい。
「じゃ、ここに置いてあるトイレットペーパーな。いつも通りで」
てな簡単な説明を受け、私達は散り散りに分担場所へと長い旅路を急ぐのであった。
24 :
水曜日-2:02/02/04 18:47 ID:HyTL15HO
私の分担場所はクラスの近くの女子トイレだった。
男子トイレって、来客用を除いてほとんど無いんだよ。
個室を一つ一つチェックしながら、無いところには入れたり、予備を補填していく作業。
ここだけの話ですが三角折りになっているやつは私の仕業です。
「今日は人数が少ないから他の何箇所かも廻るしかないなあ」
手持ちのトイレットペーパーを眺めながら呟く。
「おう、吉澤じゃん」保田に出くわした。コマンド?
「どーした? 委員か」
「はい。保田先生こそどうしたんですか?」
職員室とは逆方向。中等部の方から来たんだもんね。
「ああ。中等部の先生がお休みだったんで、代わりをして来た」
中等部の生徒、泣きませんでした? って口をつきそうになったのを堪えた。あぶねー。
「へぇー。確か中等部の生徒って優秀なんですよね?」
「うん。成績だけはなあ。でも、お前らのクラスの授業の方が楽しいよ」
……、どういう意味だろう。
「じゃ、アタシはもう行くから」
「はい」
25 :
水曜日-3:02/02/04 18:49 ID:HyTL15HO
本日の締め括り、ちょっと二年生のクラス寄りのトイレに辿りついた。
ここはあんまり利用する人がいないんだよなあ。半端な位置だし。
トイレットペーパー減ってるかな。
誰も居ないだろうと、お気に入りの歌なんかを刻みつつ仕事を開始する。
「りずむ〜にのせてぇ〜うたをうーたぁってるよ〜♪」
!! すぐ隣で作業中、奥から三つ目のドアから人の気配を確認……。
ヤバ……。恥ずかし……。
「あの……誰か入ってました? ごめんなさい」
残りの作業をちゃっちゃとやって、出て行こっと。
「ね、ねえ……、吉澤さん?」か細い声。
うぎゃーーーー、もしかして同じクラスの奴なのか?
あだ名に続き、変な噂まで立てられてしまうのか?
「ねえ。お願い。黙ってて」私じゃないよ。
ん? そう言えば、この声って石川さんだな。
「わたし、恥ずかしくて……、クラスの近くのトイレに行けなかったの……」
なんか小学生みたいな悩みだなー。なんて思ってる場合じゃない。
ここは私の失態を隠すためにも石川さんに泥をかぶって貰おう……。
「わ、わかったわ」わ?「誰にも言わないけど、あんまり気にしない方がいいよ」
ドアが開いて、下を向いたままの石川さんが出て来た。
「ありがとう……」最初の蚊の鳴くような声でお礼をそそくさと出て行ってしまった。
手、洗わないの?
26 :
水曜日-4:02/02/04 18:49 ID:HyTL15HO
保健室へ戻ると矢口先輩と、加護ちゃんがカップヤキソバを食べていた。
これまた保健室にはヤキソバとか買い溜めしてあるんだよねぇ。
二人して「ペヤング!!ペヤング!!」騒いでるようだ。
何か似てるね、あの二人。
矢口さんは気がついたようで「あ、よっすぃーお帰り」と声を掛けてくれた。
さっき石川さんよっすぃーって呼ばなかったな。
やっぱり言えんだろうなぁ、あの状況ではー。
「よっすぃー、圭織みたい」矢口さんがキャハハと笑う。
何か言い返そうと思ったとこだったが、加護が割って入った。
「圭織って飯田先輩ですか? ウチのクラスの辻が大好きみたいやったでー」
「辻って?」昨日の事を思い出しながら、私は訊ねた。
もしかしてあの子が辻って子なのかな……?
「ウチの親友。食いしん坊なんやで。保健委員になったら良かったのに」
「フハハ、何なんだよ、保健委員て」
矢口さん、テンション上がってますね。
ガラッと保健室のドアが開いて立っていたのは中澤先生。
「なんや、騒いどんのか? 矢口帰って来とるんか? うちを待っといてくれたんか?」
あれ、矢口先輩が居ない……。逃げ足、超人的だな。
「あれ、おらんのかい。矢口の声聞こえたんやけどなあ」
「あぁ、そうそう、よっさん。ごっつぁんは元気か?」
「ごっつぁん?」
「後藤真希。あだ名付けるって言うとったやないか」
またこの人は……。
27 :
金曜日-1:02/02/04 18:50 ID:HyTL15HO
雪が降った。
何かセンチメンタルな事でも考えながら学校へ向かおうかと思っていた筈だが、
学校についた頃にはメチャメチャ疲れた所為で何を考えてたか忘れてしまった。
普段は人が少ない時間帯に電車に乗るのだけど、
今日は朝練が無いので通勤ラッシュに思いっきり巻き込まれてしまった。
よっぽど朝練の方が楽だっつーの。
「おは、よう……」石川さん。
「おっはよーん」真希ちゃん。いや、ごっつぁん。馴れないな。
「おっはぁ」矢口さん。
「おはようございます」って、何で朝っぱらからここに居るのだろう。
「どうしたんですか? 矢口先輩」
「朝っぱらから中澤センセに絡まれちゃってさぁ、口直しによっすぃーの顔でも見ようと思って」
「はぁ……」
「溜め息バリバリの返事しないでくれるぅ? 運が逃げちゃうよ」
『運』のとこで石川さんがビクッと震えたような気がしたが。
「そうですね……」
「じゃあ、もう行くねぇ〜、ばいばーい」
矢口さんは片手を振りながら教室から出ていった。
それにしても石川さんと真希ちゃんと矢口さんで何を話していたんだろう。
28 :
金曜日-2:02/02/04 18:51 ID:HyTL15HO
昼休みにまた矢口さん来なかったなぁ。どうしたんだろ。
なんて心配してみたり。朝元気だったからなあ。
「矢口先輩来なかったね」
ああ、私の心の代弁者、真希ちゃん。あだ名、無理です。
「そだね……。朝来たから遠慮してるのかな」
「遠慮するようなタイプには見えなかったけど、気を使ってるのかもね」
意外と言うね、あんた。
「うちのお母さんが言ってたんだけど、矢口さんちって何か色々あるみたいだよ」
はいはい。石川、あんまりそういうこと言わないようにしようね。
「関係ないでしょ〜。あんまりそういうこと言わない方が良いと思うよ」
「あ、そうだね。ごめんなさい」
真希ちゃん、最近石川さんと打ち解けてるみたいだな……。
29 :
金曜日-3:02/02/04 18:53 ID:HyTL15HO
「ひとみちゃん、三年生が呼んでいるみたいだよ」
石川さんが知らせてくれた。
教室の入口には飯田さんと安倍さんが立っていた。
飯田さん、見たことない表情してるな。何だろ。
「あの……、どうかしたんですか?」
「吉澤さん、仲良かったから言っておこうと思って……」
安倍さんが切り出した。飯田さんは黙ったままだ。
「矢口が……自殺した……」
「へ?」
その後の事はあまり憶えていない。
記憶には、真希ちゃんの手だったり、苦い口の中だったり、お風呂の水滴だったり、そういう断片的なものしか残ってない。
気がついたら自分のベッドで部屋の天井を見つめていた。
ああ。ええと。なんだっけ。……。やぐちさん。
いろんな言葉が頭ん中をぐるぐるまわって、気持ち悪かった。
30 :
日曜日-2:02/02/04 18:54 ID:HyTL15HO
夕暮れ。
「どうしたんれすか?」
背後からの舌っ足らずな口調。
「いや、落し物」
私は落としたピアスを探す手を止めないよう、振り返らずに答えた。
「ついよりマシれすよ」
小さな影が揺れる。『つい』の意味が解らなかった。
「どうかしたの?」
気になったが、今更振り返るのも変かな。
「さっきアイスを落としちゃったのれす」
「はは。残念だったね」
「これれすね」
小さな手が肩越しに突き出される。
「あ、それ。ありがとう」
きっかけをやっと見つけて振り返る。
立っていたのは小学生高学年くらいの女の子だった。
その子は何も言わずに立ち去っていった。
31 :
土曜日-1:02/02/04 18:54 ID:HyTL15HO
日曜日の出来事を夢で見た。
あの女の子って確か飯田さんの……。
今日は休みだけど、学校に行こう。家にじっとしてらんない。
昨日一日降ったりやんだりしていたらしい雪も、もう溶けかけていた。
校門の前で、出て来る中澤先生に会った。
「……」
何も言えない。自分がもっと大人だったら、何か言えるんだろうか。
「……。うち、この学校辞めるかもしれへん」
「そうですか」
私よりずっと、親しかったんだろうな。
「言おかどうか悩んだんやけど、今日は落ち着いとるみたいやし言っとく」
昨日の事知っているのかな。
「な、なんですか?」
「矢口はお前のこと、好きやったみたいやで」
「それってどういう意味で……」
「知らん。うちは矢口やないからな。でも、うちにわざわざ言ったんやから」
中澤は、にぃと笑った。
こいつはこんな時でも変わらんなあ……。
「こんくらいは許してえな。ほいじゃあな」
うう……、悩みの種が増えたじゃないか。
32 :
土曜日-2:02/02/04 18:54 ID:HyTL15HO
複雑な心境をそのまま反映した足取りで教室に入る。
いつもお弁当を食べていた場所には、石川さんと真希ちゃんが居た。
「後藤さんが、ひとみちゃん今日来るだろうって」
石川さんは何だか落ち着いてないみたいだった。
「それでね。それで。あの、わたしは」
収拾つかなくなっている石川さんを真希ちゃんが止めた。
「よっすぃー。ゆで卵持ってきた?」
「ううん」
「なんだ。食べたかったのに。今度また作って来てね」
「うん」
YesかNoかしか答えられないなんて、イクラちゃんみたいで恥ずかしかった。
真希ちゃんに見透かされて、なんか嫌じゃん。
「ねえ、今日飯田先輩見なかった?」
あの人に会いたくなった。
「ううん、見てない」真希ちゃんは首を振った。
「飯田先輩ってあの背の高い人だよね? 音楽室の辺りですれ違ったよ」
石川さんもたまには役に立つじゃん。
「ちょっと用事あるからさ、二人とも先に帰ってて」
「うん」
「二人とも、ありがとね」
私は時間が勿体無くって走り出した。
33 :
土曜日-4:02/02/04 18:55 ID:HyTL15HO
飯田さん達は屋上に居た。
飯田先輩と、辻ちゃん。
お邪魔だったかな……。
ともかく変なシーンとか目撃しないで助かった。
そんな変なシーンがこの二人の間に存在しているのだろうか……。
「飯田せんぱーい」
「おう、吉澤。大変だったね」
いきなり思い出させるようなこと言うなってば。
でも、あんまり気にしないのだろうな。
意外とこういう所に居た方が楽なのかも知れない。
「矢口は飛び降りたんだって。高いところ苦手だから、カオリだったら怖くてできないな」
「私も駄目です、高いところ」
「ついはだいじょーぶなのれす。高いところなんか」
「ちっこいから高いところに憧れるのかな〜?」
飯田さんが言うと、辻ちゃんがふくれた。
34 :
土曜日-4:02/02/04 18:56 ID:HyTL15HO
「そうだ。よっすぃー、辻が学校に泊まりたいのれすとか言ってるけど、付き合わない?」
正直、モノマネはやめた方が良いと思います。
「え? 学校にですか?」お邪魔じゃないんだろうか。
「うん。ね、いいよね? 辻」首を傾げて辻に訊ねる。
「おっけーれす。多い方が楽しいのれす」
無邪気に喜んでいるところを見ると、お邪魔ではないんだろうな。
三人で化学室にしけ込む事にした。
見回りの用務員に見つかったら何言われるかわかったもんじゃない。
黒い厚手のカーテンとか、コートとかをかき集めて布団代わりにする。
「何か飲み物とか買ってくれば良かったね」
「ついは、お腹もすいたのれす」
「あたしもだ」
真希ちゃんの言ったようにゆで卵作ってくりゃ良かったよ、ホント。
足音にびくびくしたり、こそこそ話をしながら過ごした。修学旅行みたいだ。
前の晩、散々考え散らした事も忘れて、他愛ないお喋りをした。
いつ眠っちゃったのか憶えてない。
私が起きた時、目の前で二人が寄り添い合って寝ていた。
なんだかなぁ。やっぱりこの二人、乳繰り合ってるぞ。
私はコートを羽織って、独り屋上に上がることにする。
屋上に出ると、冷たい空気が。
寒い。眩しい。
鏡無いけど、きっとほっぺたは真っ赤だろうな。
一時間くらい、ずっと空を見上げていた。
この空の下には居ない人の事を思い出しながら。
「寒いね」
「寒いれすね」
ったく。せっかく浸っているのにさ。
後ろを振り向くのも面倒臭い。
「上ばっかり見てるところんじまいますよ」辻ちゃんと。
「あ、辻。初めてカオリと会った時も言ったよね、それ」飯田さん。
「てへへ。よくお母さんに言われているのれす」
「ははは。辻らしいよ」
視線が空から、街並み、そしてもっと下へと移っていく。
校庭にはジャージ姿の生徒が人生ゲームの駒みたいに走りまわっていた。
もう門が開く時間が過ぎてたんだ。
校門から入って来る見知った二人を発見した。
私はちょうどこっちを見つけたらしい石川さんと真希ちゃんに向かって叫んだ。
「上ばっかり見てると転んじゃうよー!」
―――I wish to be not continued.
木曜日・・・、忘れた・・・
37 :
a:02/02/05 00:44 ID:vx9/UEdc
てるところんじまいますよ」辻ちゃんと。
「あ、辻。初めてカオリと会った時も言ったよね、それ」飯田さん。
「てへへ。よくお母さんに言われているのれす」
「ははは。辻らしいよ」
視線が空から、街並み、そしてもっと下へと移っていく。
校庭にはジャージ姿の生徒が人生ゲームの駒みたいに走
あっ、小説みーっけ。
こっそりと応援します。
logか?
保全
まだ続くのか?一応保全
保全
ほぜ〜ん
今ハケーンした。
続ききぼ〜ん。
保全
hozen
48 :
名無し募集中。。。:02/02/18 15:35 ID:rOgd1EqH
保全
50 :
名無し募集中。。。:02/02/18 15:37 ID:OQFCHbqR
保全。
53 :
mou◇:02/02/21 12:21 ID:wYenqljU
よかった
ちょっとジーンとして目頭が熱くなったよ
一応保全しとくか