そのあと、地元の警官も騒ぎを聞きつけてやってきたの。
あれだけの騒ぎとなったのだから当然よね。
しかし、警官は軍人同士の喧嘩と判断し小言を言って放免してくれたわ。
相手グループが軍の法務士官だった事も影響したようね。
とリあえず、手当てや話もしたかったので近場の喫茶店へはいる事にしたの。
「はぁーい。じっとしてて下さいね」
チャーミーが何時も持ち歩いている医療キットから何かの軟膏を出して左頬に塗ってくれている。
「痛いの痛いの飛んでゆけー」
店内に響くアニメ声がちょっと恥ずかしくて赤面してしまったわよ。
ヤグチは、右隣で膝に消毒薬を塗りながら
小声でイテッと何度も呟いているし、
ゴトーはなっちに面倒見られている。
相手のグループもその様子からただの寄り合いではなくきちんと編成されたチームであると感じられる。
「で、どうしてうちのゴトーをお宅等はかわいがってくれたわけ?」
一言、言ってさめたコーヒーを口に含む。
コーヒーの温もりが口内の傷にしみる。
すいません。更新が遅れています。
職場のサーバが不安定なので皆様が帰宅後
サーバーをとめてチェックするのですが原因が
つかめず帰る時間が遅くネットもせずに寝て
しまっています。
思ったより下がるの早いのですねぇ。
頑張ります。
リーダーらしい子が固い表情のままあたしの顔を見つめる。
右手にはビニール袋に入れた氷を握りしめ、
チャーミーにハンドバッグで殴られたコブを冷やしている。
その表情からすると、あたしを値踏みしているようね。
「まず、お互いが何者か名のった方がいいわね。あたしは、…」
「知ってます。ケイ・ヤスダ一尉」
「へぇ、あたしも有名になったものね。
で、そっちは保安三課のどなたかしら?」
「さすがですね。三課のソニン一尉です。
この間の査問会議での答弁は立派でした。
自分も末席ながらあの場に居りました。」
うひゃあ。適当に言ったらあたっちゃった。
「なにもかもお見通しの様なのでお話しますと、…」
監察宇宙軍保安三課つまり経済警察部門の人間である。
彼らは、今回の事件はイーター星開発を乗っ取っていた
宇宙海賊の仕業であると睨んでいると言う。
確実な証拠がないので動けなかったらしい。
その偵察に入る矢先にあたしらが殴りこんで手がかりが
星ごとなくなってしまいくさっていたというのだ。
そこで、うさばらしに街へ出たら最近無断欠勤を続けている
メンバーと瓜二つなゴトーが居たので問い詰め様としていたという。
「もしかしてそいつの名前はユウキ?」
「ええ、そうですけど何故知って…」
「あたしの弟だよ」
ひぇ。ゴトーに弟がいたんだ。
そっくりならえらいいい男じゃん。
うっヨダレがでそうよ。
「ヤ・ス・ダさん!」
いたっ。チャーミー、そんな怖い顔してつねらなくても…
久しぶりの姉弟の巡り合いかい。
彼らに案内させてゴトーの弟の住宅へ行くことにした。
えっ、何であたしが着いて行くって?
そりゃ見たいじゃない。美少年!。
あたしたちのような船乗りは、乗艦自体が家なので地上には特に自宅はない。
艦を離れて宿泊するときは軍と契約しているホテルに泊まるのが普通だ。
まれにマンションとか借りている者もいるが、1年間に何回帰れるのだろうか?
あたし?あたしは無論借りてないわよ。
その方が経済的じゃない。
ゴトーの弟が住むマンションは階層もあまり高くなく落ち着いて静かそうな場所だった。
同じマンションに住むという彼らの一人が入口のセキュリティーを解除する。
エレべーターに乗り4階でおりる。
かべは赤いレンガ調のタイルが貼られ床は防音リノ二ーュームで覆われているので、
足音が全くしない。
「この部屋です。」
ソニンはそう言うとインターホンを押した。
「でも、この通り何の反応もないんです」
言いながら、何度もボタンを押す。
「やっぱり、居ませんね。どうしますか?」
居ないんじゃしょうがないわね。
ここに居てもしょうがないし、何か手がかりを…
「居るよ」
そう言うとゴトーは、インターホンに向って話しだした。
「ユウキ、出といで!居るのは判ってるんだよ。」
ややあって、ドアの鍵を開ける音が聞こえ中からゴトーと
同じ顔があらわれた。
パシィー。
「いきなり何すんだよ!ネエちゃん」
「あんたのせいであたしは殴られたんだからね。
これは、友達のぶん!」
パシィー。
ひぇっ。合うなりいきなり2発ですか。
荒っぽいわね。ゴトーも。
ヤンキーだったって噂は本当かい?
あーぁ。両頬ひっぱたかれて赤くなっているわよ。