安倍の右手

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79銀杏猫
「----------!」

鮮烈・・・だった。

そして、圧倒。

ゾクゾクゾク!!
一瞬にして全身に鳥肌がたった!

耳を捉えて離さない、艶やかで、伸びのある、深みのある声。
ビブラートが私の脳天を突き抜けて揺るがす!

なに、これ・・・。
すご、い・・・。
80銀杏猫:02/02/07 00:19 ID:CB2gqygc
明日香の歌声は昔よりも、ものすごい力を秘めて私の心を掴む!
意識も、思考も、がっちりと掴まれて、ただ、ただ明日香に釘付けになる。
そのまま私の目は、二度と本に向けられることは無かった。

「っはぁ」
歌い終えた明日香が天を仰いで瞳を閉じる。
そして、ゆっくりと顔を戻すと、私を見て・・・怪訝な顔をした。
へ?なんで?
「・・・何で泣いてるの?」
「はい?」
81銀杏猫:02/02/07 00:21 ID:CB2gqygc
泣いてるって?
「え・・・誰が泣いてるの?」
「なっち以外誰もいないでしょうが」
「はいい??私??」
咄嗟に指を目元にやると、確かに濡れている・・・。
自分でも知らない間に目から涙がこぼれ落ちていた・・・らしい。
「あり?」
「謎だなぁ、なっちは・・・」
明日香はぽりぽりと頭をかくと、改まって
「わたくしめの歌はいかがでございました?」
と、おどけて見せた。
82銀杏猫:02/02/07 00:22 ID:CB2gqygc
言葉なんかでは言い表せないよ・・・。
「・・・私の涙が明日香の歌への答えだよ」
「涙が出るほど下手だった・・・???」
「ちがーう!涙が出るほどすごかったの!!感動したの!!」
明日香はものすごく驚いて、頬を赤く染めた。
「そ、そうなの?そっか、そっか・・・」
まったくぅ・・・この子は・・・。
私がいったい、どれだけ明日香の歌を聞きたいと思ったことか。
どれだけの人が明日香の歌をまた聞きたいと思っているか、考えたことある?