安倍の右手

このエントリーをはてなブックマークに追加
70銀杏猫
「歌好きだよね?」
一瞬明日香は懐疑的な表情を浮かべたけど、
「・・・・・好きだよ」
と、静かに、でも情熱を秘めて答えた。
あ・・・勘違いされただろうか・・・。明日香のこれからのこと、聞こうとしてるとおもった?
私は重くなりそうな雰囲気を笑顔で振り払うと
「えへへ・・・。じゃあ、次、いってみよーかぁ」
明日香を引っ張ってぐんぐん歩き出した。
「な、なんかいやな予感がする・・・」
明日香はされるがままひっぱられていった。
71銀杏猫:02/02/04 00:23 ID:GX89V3qm
・・・10分後、私たちはカラオケ屋さんにいた。
「こう来たか、やっぱり・・・」
明日香は額に手を当てて、いやいやとかぶりを振る。
「なんだよー、さっき『歌好き』っていったっしょ?」
「好きだけど、今歌いたいっていってないでしょーが」
「なにいってんのー、私ずいぶん明日香の歌きいてないんだからぁ。
口答えはゆるしませんよ!」
腕を組んで軽く明日香をにらむが
「やだ」
くーっ、この頑固もの・・・。
「明日香さーん、お願い!その代わりなっちもお願い聞いてあげるから」
「なんだよそれー」
明日香はぶつぶつと不服そうにしている。
72銀杏猫:02/02/04 00:24 ID:GX89V3qm
んー。
「明日香は私の歌、聞きたくなぁい?」
「いつもCDで聞いてるよ」
「CDじゃなくって、生で聞きたくなぁい?しかも娘。以外の歌、歌うんだぞ?」
これには明日香も興味を引いたみたい。しばらく考えあぐねていたけど
しょうがなさそうに口を開いた。
「仕方ない。現役の歌手に歌を聞きたいといわれるのは名誉だとおもうべきか」
無理やり自分を納得させた、そんな答えだった。
素直じゃないなぁー。