【小説】 ★★ 『ハロプロ』バトルロワイヤル★★

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---ショウートエピソード---

僕の名前は鈴木任紀、天野君と一緒にお笑いコンビ「キャイ〜ン」のボケをやっている。
皆には天然と言われてるけど、僕にはよく分らないや。
そんな僕だが、最近 憂鬱な悩み事がある。
それは…

週に一度、収録がある「キャイ〜ン」と「モーニングペアー」が
司会を務める「ミュージックス」と言う番組なんだ。
僕と天野君にとって憂鬱な気分になる原因は勿論、リカッチとアヤヤだ。
彼女達の事務所がデカイのもそうだが、何故か皆 彼女達には逆らわない…怖い…
芸能界のアンタッチャブルなんだ。
彼女達は完璧なアイドルだ…表向きには…
でも、嫌な噂は何回も聞いてるし、多分本当なんだろうなぁ。
こんな事があったんだ…
ヒデキさんがゲストに来た時、楽屋に挨拶に行こうとしたんだ。
すると、リカッチの楽屋から怒鳴り声が聞こえてきたんだ。
鍵穴から覗くと、リカッチが怒りながらヒデキさんの
「ギャランドゥ」を毟り取っていたんだ。
泣き顔のヒデキさんの隣ではアヤヤが腹を抱えて笑っていたよ。
僕は怖くなって、その場をそっと後にしたんけど…

あ〜〜!!俺はどうすればいいんだ!?天野く〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!




彼女達は収録にも厳しくて、気に食わない事があると
直ぐ撮影を中止してプロデューサーに怒鳴るんだ。
もう、皆怖くてビクビクしてるんだ。
だから、観客なんて入れない…
テレビで聞こえる観客の歓声や笑い声は後から入れてるんだ。

そして収録が終わると、ダメ出しがリカッチの楽屋で行われるんだ。

「失礼しま〜〜す」
僕が入ると天野君が四つん這いになっていた。
その背中にリカッチがドッシリと座って僕を睨み付けるんだ。
天野君は何故か下卑て歪んだ唇から涎を垂らしてるんだ。

おいおいおいおい、どうしたんだよ!?天野く〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!

そして、僕も四つん這いにさせられて、アヤヤの椅子にさせられるんだ。
天野君と目が合うと彼の目は逝っていたよ。
たぶん僕の目も一緒だと思うんだ。
涎が垂れてるのが自分でも分ったからね。

今日は僕たちが答えを出さなければいけない日なんだ。
それは、「リカッチファミリー」に入るか「アヤヤファミリー」に入るかの選択なんだ。
彼女達は勝手に自分のファミリーを造って知り合いの芸能人達を無理やり入れるんだ。
ヒデキさんがギャランドゥをリカッチに毟られてたのも、
ヒデキさんが「アヤヤファミリー」に入る事を決めたからなんだ。

僕が知ってる限りでもグッチョンが眉毛を剃らされていたし、
名倉君は外国籍にさせられた。
南原さんなんて一日中社交ダンスを一人で踊らされていたんだ。
彼女達は特にお笑い芸人ばかりをファミリーに入れたがるんだ。
そして、今日は僕らの番なんだ…

あ〜〜!!俺達はどうすればいいんだ!?教えてくれよ!天野く〜〜〜〜〜〜ん!!!


こうして「キャイ〜ン」は石川達の軍門に下った。