【小説】 ★★ 『ハロプロ』バトルロワイヤル★★

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861デッドオアアライブ ◆ALIVE7Is
           ーーショートエピソードーー

中学の美術の時間…
辻と加護のクラスで写生会が有った。
クラスの皆と一緒に堤防に行き、スケッチブックを広げる。
しかし、そこにある川の風景は平凡そのものだった。
「なんも描くのが有らへんなぁ」
「あいぼん こっちを向くのです」
「なんでや?」
辻は加護に向って座り筆を取り出す。
「風景の写生とちゃうの?」
「いいのです、のの は あいぼん を描くのです」
「そっか、ほなら うちも ののを描こう」
お互いに向かい合いスケッチブックに筆を走らす。
ケラケラと笑いながら1時間ほどで描き上げた。
「せいの で見せ合おう」
「いいですよ」
「いっせいのせい!」
お互いに見せ合う。
「うん?それは、なんですか?」
加護が描いた辻の顔は『( ´D`)ノ 』顔文字に為っていた。
そして、辻の描いた加護は…
「なんやねん、それ!」
「見たままに描いたのです」
マンガみたいな加護の両横にサングラスに髭の男と上半身裸の男が描かれていた。
「なんで うちの脇に けったいな男が2人立ってんねん」
「田代さんと江頭さんなのです」
「霊かよ!」
「霊なのです」
「ハァ?」
加護は呆れて物が言えない。
862デッドオアアライブ ◆ALIVE7Is :02/09/25 10:39 ID:A2IEu9Ar

「田代さんは悪霊なのです」
「…それで?」
「あいぼん にエッチな事をしようとしているのを江頭さんが
指を突き立てて怒って止めてるのです」
「ほう、そら凄いなぁ」
加護は面白そうなので少し付き合ってやる事にした。
「でも、なんで うちやねん?あさ美ちゃん ちゃうんか?」
「江頭さんは あさ美ちゃんに振られたのです、振られた人の所には恥かしくて行けないのです」
「ハハハ、おもろいな」
「…あっ!」
「今度はなんや?」
辻の視線は堤防の下に向う。
「江頭さんが胸でドンドン突いて田代さんを突き飛ばしているのです」
「…うん?」
よく見ると、辻の視線の先の草がガサガサと動いていた。
目をゴシゴシと拭いてパチパチとまばたきをする加護。
「なんやねん?」
ドパーンと川に水飛沫が上がった。
「江頭さんがヒップアタックで田代さんを川に突き落としたのです」
「ほんまか?」
「田代さんは泳げないのです」
「なんで分かる?」
「溺れてるの…あっ、沈んで流されたのです」
加護は少し信じてきた。
863デッドオアアライブ ◆ALIVE7Is :02/09/25 10:40 ID:A2IEu9Ar

「わぁ」
辻が尻餅をつく。
「どないした?」
「え、江頭さんが物凄い勢いでコッチに走ってくるのです」
「えっ!」
「あいぼん の目の前に居るのです」
「マジで?」
「指差しながら怒っているのです」
「な、なんて言うてんねん!」
「お礼の言葉が無いって怒ってるのです」
「え〜〜!」
「あいぼん お礼を言うのです」
「なんでやねん!」
「言わないと何時までも あいぼん に取り付くのです」
「そ、それは嫌やな…」
辻は嫌々ながらアリガトウとボソリと呟く。
「聞こえないって言ってるのです」
「えっ!なんやて!」
「土下座しないと駄目だって言ってるのです」
「なんでやねん!」
加護は空を仰いだ。

「あいつ等、何やってんだ?」
名無し君達は辻に向って土下座をする加護を見て、ゲラゲラ笑う。

「くっそ〜、あいつ等、笑いおって…」
江頭の霊に向って土下座する加護の体が怒りでプルプルと震えた。
864デッドオアアライブ ◆ALIVE7Is :02/09/25 10:41 ID:A2IEu9Ar

「あいぼん もう、いいのです」
「え?」
「江頭さんは笑いながら天に昇ったのです」
「ほんまか?」
加護はホッと胸を撫で下ろす。
「あっ…」
「今度はなんやねん…」

江頭の霊は天に帰らず、辻の上空50mぐらいを変な格好をしながらグルグル回っていた。
紺野に会いたいが恥かしくて会えない…
そんな江頭の乙女心が天に昇る事を拒んだのだ。

「そう言えば のの のスカイフィッシュは死んだのです」
辻はスカイフィッシュの代わりを探していた。
「はぁ?なに言うてん」
「江頭さんを代わりにするのです」
加護はピンときた。
「おっ、そやったら ほら ほらっ」
加護が顎で指す先には、さっき加護を見て笑った名無し君がいた。
「アイツをやっつけたら信じたるわ」
「いいですよ」
辻は指を江頭に向けて命令する。
「江頭アタ〜〜ック!!」
指差した先には名無し君がいた。
天から猛烈な勢いで降りてきた江頭は名無し君にヒップアタックを仕掛けた。
865デッドオアアライブ ◆ALIVE7Is :02/09/25 10:48 ID:A2IEu9Ar

「うわぁ!」
ドンとぶつかり前のめりに倒れた名無し君は草の間に隠れていた犬の糞に顔から突っ込んだ。
「く、臭せぇぇええええ!!!」
鼻を押さえながら川に入り顔をバシャバシャと洗う
名無し君を見て辻と加護は腹を抱えてゲラゲラと笑った。
「どうです、信じますか?」
「うちの負けや…」
加護は あっさりと認めた。

なあ、のの…なんで田代さんは うちに取り付いたんや?

あいぼん は太陽なのです。

…どう言う事や?

虫は光に集まるのです。

ニッコリと笑う辻に加護も同じ様に笑い返した…



                      ーーショートエピソードENDーー