【小説】 ★★ 『ハロプロ』バトルロワイヤル★★

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ーーーショートエピソードーーー

辻はたまに、獅子丸を連れてオロチ丸に会いに行く。
最初に出会った神社で神様と呼ばれ祭られているオロチ丸は辻の一声で
森の奥からヌルヌルと姿を現す。
寂れた神社だったのが、今では大蛇神社と命名されて、
お稲荷さんのキツネの石造も大蛇のソレになっていた。

神社の裏に周りオロチ丸の頭を撫でる辻。
「へへへー、元気でしたか?今日はクッキーを持って来たのです」
ガサガサと鞄からクッキーを取り出す。
オロチ丸は辻が持ってくるお菓子や菓子パン、果物に辟易していたが
辻の純真な心根を知ると食べずにはいられなかった。

獅子丸もおすそ分けを頂いていると後ろから声が聞こえた。
「わあぁぁあああ!!」
見ると子供が腰を抜かしていた。
バタバタと慌てる男の子に手を差し伸べて立たせる辻。
「大丈夫なのです、この子達は良い子なのです」
「ほ、本当・・・?」
「本当なのです、さあ、撫でてみるのです」
恐る恐るライオンと大蛇の頭をなでる男の子は、何時の間にか慣れて大蛇の首に跨る。
その顔はランランと輝き、本当に楽しそうだった。


謎の少女に促がされ森に帰る大蛇・・・
夕日を浴びてライオンに跨り消えていく謎の少女・・・

少年は神様に会ったと思った。
動物の女神様に・・・

この神社の神様の大蛇に出会うと願い事が叶う・・・

6歳の少年には、近頃出来た新しい「言い伝え」の事など知る由も無かった・・・

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