【小説】 ★★ 『ハロプロ』バトルロワイヤル★★

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448デッドオアアライブ
★ 『ハロプロ』バトルロワイアル【鬼武者の章】★

吉澤と後藤と松田の3人はデパートの地下5階まで来ていた。
地下一階に出来た明らかに違う深く長い地下へ階段・・・・
薄暗い螺旋階段を降りる途中で何人かの怪人を薙ぎ倒し
頑丈ででかい扉の前に降り立つ。

「ここのようだな・・・」
しかし開けるにも扉はビクともしない。
「しゃあないな・・・」
後藤は懐からプラスチック爆弾を取り出し扉がロックしてる部分に取り付ける。
非難して程なく扉は破壊された。

地下最深部の研究室には2人の白衣の男と
真っ赤なジャケットを着た松山ちはるが居た。
ちはるの右手には『ツョッカー』の首領、鈴木ムネオの
首が握られていた。
「はん、おまえ等の狙ってた首はこれだろ」
松山がムネオの首を放り投げる。
ゴロリと転がる首を一瞥し
「どういう事だ・・・?」
松田が尋ねた。

松山ちはるは政界を追われた鈴木ムネオの
日本を良い方向に変えるとの言葉を信じて神輿を担ついだ。
ムネオの隠し持っていた潤沢な資金で秘密結社を作ったが
ムネオの野望は独裁者になる事だった。
日々明らかになるムネオの欲望と小汚い人間性を肌で感じ
松山ちはるは間違いに気付き絶望した。
松山の理念は高潔すぎた。

「おまえ達が来てやっと踏ん切りがつけたよ」
松山は両手を広げおどけて見せた。
「そうかい、じゃあ覚悟は出来てるんだな・・・」
吉澤が日本刀を抜いて構えた。
「ふん、でも死ぬ気は無いがな・・・・」
松山は指をポキポキ鳴らす。
「ほう、でも死んでもらうよ」
吉澤は上段から振りかぶったまま松山まで一気に飛んで
そのまま日本刀を振り下ろした。
パシっと音がして真剣白刃取をする松山がニヤリと笑う。
吉澤は手に違和感が走り日本刀を離した。
日本刀は松山の手の発する超振動でボロボロと崩れる。
「ハハハ、俺が触ればこうなるぜ」
手のひらを見せて余裕の松山に
「そうかい」
言うなり吉澤は背中に隠し持つ、もう一振りの剣『太陽の剣』を
クルリと回転しながら抜き、透明で煌く刃を松山の
横っ腹に叩き込んだ。
一瞬何が起こったか解らない松山の顔が苦痛に歪んだ。
上半身がズルリとずれて崩れ落ちる松山ちはるは無念の表情だった。
「剣は一本だけでは無いんだよ・・・」
振り向く吉澤に「おみごと!」と後藤が拍手する。
「さて、雑魚を始末するか・・・・」
松田がガクガクと震える白衣の男達を無表情で睨んだ。


      鈴木ムネオ  死亡
      松山ちはる  死亡
      大槻教授   死亡
      ドクター中松 死亡


「ようし、乗り込むか!」
飯田が掛け声をかけ、辻、加護がオー!と応じる。
デパートに入ろうとすると吉澤達が走りながら出て来た。
「あれ!かおりん、と・・・辻ぃ加護ぉ!・・・・」
後藤が駆け寄ろうとして「わあ!!」とビックリして足を止めた。
ライオンと虎に驚いたのだ。
「再開の喜びは後だ・・・・」
松田が冷たく言い放つ。
「そうそう、爆弾仕掛けたんだよ!逃げなきゃ!」
後藤の言葉に「え〜〜!!!」と驚き全員その場を後にした。
商店街を抜け出るとデパートから爆発音が聞こえてきた。
449デッドオアアライブ :02/04/14 01:09 ID:1s4MrRtP
★ 『ハロプロ』バトルロワイアル【鬼武者の章】★

港に着いて紺野は矢口に連絡を取った。
「あの・・・私・・・」
高橋はうつむいていた。
「やっぱり・・・みんなと行けない・・・・」
ポツリと呟く。
「なんで〜?」 「一緒に行こうよ〜」
辻と加護が高橋の手を取りブンブン振り回す。
「でも・・・私、みんなに迷惑かけるから・・・」
チラリと松田を見る。
離れて見ていた松田が近づいてきて
「行けよ・・・」と促した。
高橋は下を向きながら首を振った。
「そうか・・・」
松田の言葉が終わると同時に高橋の腹から日本刀の刃先が突き出た。
自分のお腹から出た刃を見て高橋は目を見開き
松田に振り向きながら崩れ落ちた。
「わあ!」叫びながら辻と加護は高橋を支える。
「何すんだ!あんた!」
飯田が突っかかる。
松田はパチンと日本刀を鞘に納めながら
「そいつはそんな事では死なない・・・・連れて行ってやれ」
踵を返して自分が来た舟が置いてある場所に向かった。
「なかなか良いとこ有るじゃん」
吉澤がすれ違う時声をかけた。
松田は「ふん・・・」と言ったきり無言で立ち去る。

網の目を縫うように差し込んだ松田の剣は高橋の
内臓と骨、血管を傷つけなかったのだ。

「大丈夫、愛ちゃんの体は私がなんとかします」
消える松田の背中に向かって紺野は一礼した。

「じゃあ、私達も行くわ」
「また、何処かで会えるよ」
吉澤と後藤が港に止め隠していたモーターボートに乗り込み
手を振りながら白波を立てて島を離れた。
「なんだよ、ナッチと矢口に会ってけばいいのに」
腕組みをする飯田に
「きっと、照れくさいんですよ」
紺野は微笑みながら豪華クルーザーとすれ違いながら消えていく
2人が乗ったモーターボートを見送った。

その紺野の顔が蒼くなった。
矢口の操舵するクルーザーがガリガリと防波堤に
接触しながら接岸したからだ。
辻と加護はお構い無しにはしゃぎながらクルーザーに駆け寄る。
固まる紺野の肩を高橋を背負った飯田がポンと叩いた。
「まあ、めでたし、めだたしだよ」
とウインクをした・・・・・・
 

      ーーーー完ーーーー