【小説】 ★★ 『ハロプロ』バトルロワイヤル★★

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140デッドオアアライブ
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

紺野は境内に散らばる死体を並べ、寺内に有った線香を一本づつ
躯の脇に置き手を合わせていた。
その時バラバラと音を立て軍用輸送ヘリが飛んできて上空でホバリングする、
見上げる紺野の目の前にハシゴが下りてきて、白いコートを
全裸に羽織っただけの和田アキコと軍服を着た男が2人降りてきた。
「ほう、凄いな・・・」和田は部下とおぼしき2人に
顎で命じ、後藤、吉澤、福田の死体をヘリに運び込ませる。
「あの・・・」声を掛ける紺野に和田は「ふ〜〜〜ん」と少し感心したように
「この惨劇の中でオマエだけ生き延びたのかい?」と聞いた。
黙っている紺野を無視し3人の遺体を運び終えた2人に
「おい、この子供も連れて行くぞ」と声を掛けた。
屈強な男に脇に抱えられても抵抗もしない小動物の様な紺野を見ながら
「流れるままに生き残ったか・・・・面白い拾い物かも・・・・」
和田はニヤリと笑い例の大ヒット曲を歌いながらハシゴを上った。
ヘリ内で部下の男の上で腰を振る和田をなるべく見ない様にしながら
「あの・・・これからどうなるんですか?」と聞いてみる。
紺野の質問を無視し「オマエもやるか?」とますます激しく
腰を振る和田に、正面の壁を見ながらプルプルと首を振った。

141デッドオアアライブ :02/01/23 02:16 ID:HgdiKtvd
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

「あ〜〜!!矢口さん!!飯田さんと安倍さんが来ましたよ!!」
喜ぶ辻に「お〜〜!!来たっ!!」と目を丸くして喜ぶ矢口。
加護はもう走りこんで飯田に跳び付いていた。
「いままで何してたんだよ!」と手を取って喜ぶ矢口に
「そっちこそ何してたべさ〜!」安倍も涙ぐんで喜ぶ。
「あれ〜、首輪がない!!」「なんで〜〜?」
辻と加護の質問に飯田がリモコンをポケットから取り出し矢口に向けた、
「わぁああ!!!」腰を抜かす矢口に『解除』スイッチを押した。
カチリと音がしてポロリと外れる首輪を見て飯田はウインクをした。
「この〜!ビックリしたやん!!!」怒る矢口に笑い出す飯田。
「取ってぇ〜!」「早く早くぅ〜!」せがむ辻、加護の首輪も外してやる。
5人は今までの経緯を話しあった。
「そっかぁ、ツンク♂さんが、あとは好きにして良いって言ったのかぁ」
考え込む矢口に加護が「じゃあ、もう帰ろうよぉ」とせがむ、
「でも、まだ生き残ってる人もいるんじゃない?」と言う飯田に
「そうなんだよねぇ・・・・」と安倍、「お腹すいた・・・」こちらは辻だ、
結局、話し合いはつかずリーダーの飯田が悩みに悩んで
帰る事に決めた。夜になるとまた、何が起こるか判らないし
帰ってから事務所の社長に話して何とかしてもらう事にしたのだ。
ギャーギャー騒ぎながら、四苦八苦しながら、モーターボートの
エンジンをかけ、ボートにあった地図と睨めっこをして
何とか島を離れた。
142デッドオアアライブ :02/01/23 02:18 ID:HgdiKtvd
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

  ーーーエピローグーーー

 夕日が赤く染まる・・・・
本当はこれからどうなるのだろう・・・・
誰も知らないし、答えられない・・・・
はしゃぐ辻、加護を「あぶない!」と本気で怒りながら
矢口はチラリと飯田と安倍を見た・・・
黙って微笑む飯田と
「だ・い・じ・ょ・う・ぶ」と声を出さず唇を動かす安倍・・・・
操舵する矢口も何故か笑っていた・・・・
波飛沫を上げるボートは赤い夕日に消えていった・・・・


143デッドオアアライブ :02/01/23 02:22 ID:HgdiKtvd
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

ーーー新章、新たなる戦いーーーー

 モーニングジャンプを繰り返すファンに手を振って応え、
スポットライトを浴びる吉澤は『Mr.Moonlight』を熱唱する、
ぼんやりと目を開けた吉澤は、長い夢を見ていたと思った、
(今日のコンサートは何処でやるんだっけ・・・)
気だるく右脇を見ると後藤がベット寝ていて、こちらを見ていた。
「ごっちん・・・?」白い部屋に計器類(ん?病院・・・?)
左脇には同じくベットから上半身を起こし窓の外を
見ている福田がいた・・・・
「気が付いたね・・・・」後藤は微笑んでいた、
後藤の顔を見てポロポロと涙が出てきた・・・・・
何故生きているのかは解らない・・・・
だが、後藤の笑顔は吉澤には辛く、とてもきつかった。
なんて言えばいいのか分からず毛布を頭からかぶった。
毛布をかぶったまま「どうなってるの・・・?」と聞いてみる。
「わからない・・・」後藤も2日前に目を覚ましたのだ。
福田はチラリと2人に視線を落として、また窓の外を見る、
カチャリとドアを開けて入ってきたのは紺野だ。
「おまえ・・・」声を掛けた吉澤にペコリと頭を下げ
「気が付いたんですね・・・良かった」とニコリと笑う。
「3人全員が目覚めたので今から説明したいと思います、」
3人には最新の医療技術が投入され蘇生させられたのだが
ナノマシンやらニューロンのたんぱく質解析やら聞いた事も無い
言葉が並び吉沢は手を上げて紺野の説明を遮った。
「つまり、生き返ったんだな・・・でも、オマエはなんで
そんなに詳しいんだ?」紺野はニコリとして
《はい、それは私も脳改造を受けましたから・・・》と応えた、が、
唇は動いてない、声は頭に直接響いた感じがした。
《私達は死んだ事になってます・・・・もう、モーニング娘。には
戻れません、私はテレパシストとして、あなた達に情報を
送る役目になっています・・・・》
驚愕する吉澤、いや、後藤と福田も目をみはっていた。
《私だけではありません、あなた達にも見合った力が与えられています、
それは戦いながら解っていくでしょう・・・》
「どういう事だ・・・」後藤が聞く、
「その前に、」と今度は声を出して紺野はテレビのスイッチをいれた。
ブンとブラウンカンがなり映り出たのは生き残った
5人のモーニング娘。だった。
聞いた事も無い新曲をニコニコと熱唱するメインの安倍、と娘。達・・・
《彼女達は洗脳されました・・・もう、私達の事も忘れたでしょう、
私達が洗脳されないのは、まだ実験段階だからです》
吉澤にしてみれば紺野も洗脳された様に見えた。
「これから、一週間後、私達は陰獣として新しいプログラムに参加します。
私達はチームを組んで、戦います。私がテレパシーで遠距離から
情報を出しますので、それを自分の判断で戦い抜いてください。」
「また、戦うのか・・・・?」と吉澤、
「紺野のテレパシーで・・・?」後藤が話を繋ぐ
「トランシーバーとか有ればいいんじゃないの?」
紺野は微笑み「全て実験です」と答え《最強の人間兵器を作る為の・・・》
とテレパシーで付け足す。
「あんたは?」初めて福田が口を開いた「あんたも洗脳されてんのか?」
「されてませんよ」はずむ声とは裏腹に言い様の無い悲しみの感情が
3人の胸にせまった《私がニコニコしているのは政府を油断させる為です。
あなた達と私で、いつかは革命政府を倒したいと思ってます。ですが、
今は時間も情報も有りません。だから、今は政府に従う振りをして下さい》
ニコニコとする紺野に
「くそっくらえ・・・だな・・・」吉澤がニヤリとする。
「同感・・・」後藤も応じる「で?その戦う相手って誰なんだ?」
福田は窓の外を見たままだ、だが唇は薄く笑っている。
「ジャニーズ。正確に言えばスマップ、トキオ、キンキ、V6,嵐
滝沢、それに何名かの芸能人も加わるはずです。
ですが、気を付けて下さい。何名かは肉体強化手術を
既に受けてます。特に稲垣メンバーはもう人間では有りません・・・」
ペコリと一礼して紺野は出て行く。《あなた達は3ヶ月も眠った
ままだったんです。少し体を動かしていた方がいいと思いますよ》
脳内に聞こえてくる紺野の声に「まじ・・・?」と吉澤。
「しゃあない・・・しばらく紺野の言う通りにするか・・・」
ベットの上で座りながら背伸びをする後藤が
「あっ、そう言えば、ちゃんと自己紹介してなかったね・・・」
と福田に声をかけた・・・・・