【小説】 ★★ 『ハロプロ』バトルロワイヤル★★

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107デッドオアアライブ
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

「わぁあ!!」林の中から急に跳び出してきた岡村に
飯田は腰を抜かし、安倍は武器の柳葉包丁を構える。
「待て待て待てぇ!俺だ俺だ!!」
「お・・岡村さん・・・?」
「なんでここに?」と聞く2人に
「アホかっ!!おまえ等を助けに来たんやないか!!ぼけっ!!」
「なんで、怒られなきゃならないの?」と飯田が抗議する。
「ほ・・・本当・・なの?」涙目の安倍に
「あ・・当り前やないか・・・」
安倍はチョコチョコと岡村に近づき、
岡村の胸にチョコンと額をくつける「な・・なにすんねん・・・」
ドギマギする岡村に「・・・ありがとう・・・」と安倍、
「と・・とにかくや」と安倍の肩を掴み、そっと引き離し
「今から俺は学校に偵察に行く!おまえ等どうする?」
安倍と飯田は顔を見合わせて「行く!!」と声を合わせた。
108デッドオアアライブ :02/01/20 01:31 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★


学校と校庭を一望する小高い林群に身を潜め3人は伺う、
「なんや?誰もおらんやないか」
「なんかシーンとしてるね」「逃げたのかな?」
そんな会話をしているとバラバラバラとヘリコプター音が聞こえてきた。
「ヘリや・・・」校庭に降りついたのは軍用輸送ヘリだ。
中から1人大柄の白いコートを着た人物が出て来て校舎に消えた。
「正面から行くのはまずいな」と思案していた岡村が
「よっしゃ,俺は校舎の裏から潜入するわ、おまえ等はここで
隠れて待ってろや」と動き出す。
安倍と顔を見合わせ飯田が聞く「大丈夫なんですか?」
「まあ、ヤバイと思ったら逃げてくるわ、おまえ等もヤバイと
思ったら俺に構わずに逃げるんやでぇ」と林の中に消えた。
安倍は飯田の腕を取り「どうする?どうする?」
と不安を隠せないでいた。
109デッドオアアライブ :02/01/20 01:33 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

「ほんまに誰もおらん・・・」校舎に潜入した岡村は
シーンとする校内を足音を殺す為、裸足で歩いていた。
「?・・なんか音がする・・・」2階に上がり音がする教室を
窓からソーッっと覗いた「!!!」声が出そうになるのを
口を押さえて我慢した。
教室の真中で2人の男女が交わっていた。
ツンク♂にまたがり激しく腰を動かすのは和田アキコだった。
必死な形相で耐えるツンク♂をよそに和田は
「♪もーおぉ、なぁやみふよう!あなぁたぁのかみきっとはえてくるぅう♪
よろこびしんじだきぃしぃめよぅお♪リィーブイーズゥワァンダフゥーウ!♪」
と近年の自分の大ヒット曲を熱唱しながら腰を振る、
「も・・もう、あきまへんわ・・・」死にそうな顔で訴えるツンク♂に
バチンとビンタをし「なに言うとん!まだまだやでぇ!オマエの名前の
後ろに付いてるオスのマークはなんの為にあんのや!!」
と一括する。
岡村はその場をそっと離れ(ツンク♂も大変や・・・)
と少し同情した。
110デッドオアアライブ :02/01/20 01:34 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

少し離れた教室から会話が聞こえてきた。
パソコンに向かい何かを打ち込んでいるタイセーと数台ある
TVモニターを見詰めるハタケだ。
「あいつ等・・・動かんな・・・よしっ!俺が行くわ・・・」
と画面に映る砂浜を見ながらハタケはバズーカを背負い出て行く。
「ちっ、ハタケめ、アキオから逃げやがったな・・・」
和田が来てからハタケは「よし、陰獣として俺が行く」
と急にソワソワしだしたのだ。
「アキオより陰獣を選んだか・・・・」ぼやくタイセーの肩に
手を置いたのは和田だった。「どないした?」全裸の和田に
戦慄を覚えながら「な、な、な、なんでもないっす!・・・
そ・・それより、このモニターを見て下さい!」
と寺を映し出すモニターを指差す。「なんや?」
「は・・はい!テストに合格した3人がいます。死ぬ前に
捕獲したほうが良いと思いまして・・・・」
「ほう、まあ死んでても構わへんけどな・・・どれ、リスト見せてみぃ」
とタイセーが差し出すリストをみて「ふん、こいつ等か・・・」
と和田は教室を出て行く「あっ、タイセー、ツンク♂は暫く動かれへん
から、そっとしたってや・・・」
ニヤリと白いコートを着ながら和田は笑った。
111デッドオアアライブ :02/01/20 01:36 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

バラバラバラと音を立て飛び立つ軍用輸送ヘリを見ながら
「助かったぁ・・・」と胸を撫で下ろすタイセーの首に
クルクルと釣り用のテグス糸が巻きつきキューと絞める、
タイセーの顔がみるみる紫色に腫れ上がり泡を吹き出す。
岡村の顔を見る事も無くタイセーは息絶えた。
「本当に誰もおらんで・・・」
パソコンを操作しようとする岡村の背中から腹かけてに穴があいた、
腹にネットリと付く自分の血液を手に取り
「なんじゃあ!こりゃあ!!」と叫び振り向く、
腰に手を当てたツンク♂は教室のドアから身を出し
サイレンサー付きの銃を岡村に向けていた。
そのツンク♂がそのまま前のめりに倒れた、背中には柳葉包丁が・・・
安倍が口に手を当て目を見開いている、背後で飯田が肩で息をしていた。
「岡村さん!!」駆け寄り岡村を抱き寄せる安倍、
その安倍にツンク♂がリモコンを向けた。
「なっち!!」叫ぶ飯田を無視してツンク♂はスイッチを押した。
はたして、安倍の首輪はカチリと鳴り壊れて床に落ちた。
落ちた首輪を見る安倍に「おまえ等の・・・勝ちや・・・」
とツンク♂は飯田にもリモコンを向け『解除』と書かれたスイッチを入れた。
「どうして・・・?」と聞く安倍に「・・・このゲームは表向きには国民に
恐怖を植え付ける為に組まれたプログラムや・・・しかし・・・
もう、充分やろ・・・本来の目的も達成しそうだし・・・
あとは・・・好きにしいや・・・」ツンク♂は事切れた・・・
安倍の手を握る岡村のが続ける
「なんやそれ?・・・安倍、飯田・・・砂浜に俺達が乗ってきた
モーターボートが有る・・・それに乗って逃げや・・・大丈夫や・・・
俺はあの世に逝っても・・おまえ等を見守っとるで・・・・」
握る手がダラリと落ち静かに息を引き取る岡村を安倍は何度も揺らす、
「岡村さん!岡村さん!!・・・岡村さん!!!」
誰も居なくなった校舎に安倍の声だけが響いた・・・・

    タイセー 死亡
    ツンク♂ 死亡
    99岡村 死亡
112デッドオアアライブ :02/01/20 01:38 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

「お寺に行った方がいいんじゃない?」と聞く辻に
「罠に決まってるだろ!」と矢口、
飯田を探して海沿いを歩き砂浜に出た。
「うおっ!矢口さんボートが有るよ!!」と加護がモーターボートを
見つけてボートに走った。「使えるんじゃないコレ?」
うんうんと頷く辻に「でもなぁ、この首輪がなぁ・・・」
と矢口は言い「それにカオリもまだ見つかってないし・・・」
と口ごもる、誰もが思って口に出せない『死んだかも・・・』との言葉。
「よしっ!ここでちょっと待ってみるか?」
矢口の提案に「賛成!!」と辻、加護も同意する。
暫くすると人影が見えた・・・・
113デッドオアアライブ :02/01/20 01:39 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

「矢口さんあれっ!」と辻が指差す先には
最後の陰獣ハタケが立っていた。
バズーカを抱えているハタケを見て
「なんじゃあ!あれはっ!!」と後ずさりする。
ハタケがバズーカを構えた、「伏せてっ!!」
矢口が叫び辻、加護も従う。
ガァアアァン!!と大音響と共に発射されたソレは
矢口達の頭上はるか上空を抜けて海に落ちた。
「なっ!」ハタケは動揺した、今までバズーカなんて撃った事が無いからだ。
しかも次の弾をどうやって装弾したら良いかも解らない。
それを見ていた加護は立ち上がりハタケに向かって走る、
近づき「ハタケさん!」と言って自分のバックをハタケに投げた。
ハタケが受け止めたのを見届け急いで戻り「矢口さん!今やっ!!」
と矢口にバトンタッチした。
「おう!!」矢口は立ち上がりライフルを向けた。
加護のバックを開けてハタケの顔色が変わる、
バックの中には加護の武器のダイナマイトがごっそりと入っていたのだ。
ライフルの発射音と共にハタケは爆発し跡形も無く消えた。
爆風に吹っ飛び転がる矢口を辻が受け止めた。
「大丈夫ですか?矢口さん!!」心配する辻に
親指を立ててニッと笑う矢口の顔はススで真っ黒になっていた。
「ハハハハハ・・・矢口さん変な顔〜!!」ムッとする矢口、
笑う辻と加護は泣きながら笑った。

    ハタケ  死亡
114デッドオアアライブ :02/01/20 01:41 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

「よっすぃ〜・・・」後藤はなにか言おうと唇を動かそうとするが
言葉が出ない。ずっと親友の吉澤を待っていた・・・
ガリガリと地面を刀で引っ掻き吉澤がユラリと近づく、
「もう・・・」と吉澤が言った
「戻れないよ、私とアンタは人を殺しすぎた・・・
ここで生き残ってもアイドルに戻れる筈が無い・・・・」
スウと吉澤が下段に構える。
後藤も構える、ポロポロと涙を流しながら・・・
「せめて最後は美しく死ね・・・」言いながら一歩踏み出す吉澤、
そのとき、「何やってんの!!アンタ達ぃ!!」
石段を駆け上ってきた市井が叫んだ。
「市井ちゃん・・・!」後藤の動悸が激しくなる。
「楽しいのかよ!そんな事やって!!」市井は涙声だ。
楽しい訳がない、後藤の膝がガクガク震える。
「おまえら!やめんかい!!何やっとんねん!!」
吹き矢を持つ矢部も続き、ズカズカと近寄る。
「だ・・ダメ矢部さん!その人は・・・」高橋の言葉は遅かった。
矢部の肩口から脇腹に抜けた吉澤の魔剣は
吹き矢ごと矢部の体を二つにした。
ズルリと落ちる矢部の上半身に「邪魔をすれば切る・・・」
と言葉をかけ、吉澤は改めて後藤に向かう。
「なにを・・」言いかける市井に「市井ちゃん!!」と後藤が遮る
「邪魔しないで・・・」悲しげに言う後藤に市井は言葉を失った。
115デッドオアアライブ :02/01/20 01:42 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

改めて対峙する魔人と超人、最初に動いたのは魔人吉澤だった。
下段から振り上げる日本刀を後ろに跳び寸ででかわす、
刀の切っ先が後藤のセーラーを切り、鋭い剣圧が白い肌の薄皮を
切り裂く、後藤の胸に赤い線を刻み吉澤の魔剣は鋭さを増した。
吉澤の懐に入れない後藤は避けるので精一杯だ。
後藤はクルリと吉澤に背中を向けて脱兎のごとく駆け出す、
「なっ?」30mぐらい離れると立ち止まり、ゆっくりと振り向く。
後藤の目には今までにない決意が込められ赤く燃えた。
切り刻まれたセーラーをビリビリと脱ぎ捨て
形の良い胸が露わになる、「よっすぃ〜!これが最後だっ!!!」
後藤は全力で吉澤に向かって走った。
吉澤は(死ぬつもりだな・・・)と理解した、
所詮日本刀と素手ではリーチが違う、全力で走ってくる後藤に
何か策が有るとは思えなかった。
吉澤の目が据わり上段に構える。
116デッドオアアライブ :02/01/20 01:44 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

後藤は吉澤が上段に構えるのを見て勝利を確信した。
近くで戦えば上下左右から振り込まれる日本刀をかわすだけで
精一杯だった、しかし刀の軌道さえ解れば・・・・
「うおぉおおぉ!!」後藤は右ストレートを叩き込む、
振り下ろされる吉澤の魔剣に向けて・・・
ガキィーン!!後藤の鉄サックを受けた吉澤の日本刀が折れた。
すかさず左の拳で吉澤の剣を叩き落す、「終わりだぁああ!!」
叫んで右の拳に捻りを咥えて吉澤の胸骨の中心に鉄拳を叩き込む。
吉澤の顔は殴れなかった・・・・
ピシィと吉澤の胸骨にヒビが入る、そのまま右肘を曲げ
同じ所に肘を叩き込んだ『猛虎硬爬山』だ。
胸骨を粉々に砕かれ5m程吹っ飛び、ガクリと膝をつく吉澤に
後藤は走りこみ低い弾道のジャンピングニーを決める、
後藤のシャイニングウィザードに首を折られ吉澤は絶命した。
後藤はそのまま5、6歩フラフラと歩きペタリと座り込み
顔を両手で覆い声を出して号泣しだした。

117デッドオアアライブ :02/01/20 01:46 ID:ABoxLqFP
★★ 『ハロプロ』バトルロワイアル★★

「後藤!!」叫びながら市井は走りより後藤を抱きしめる。
「いいんだ、もう、いいんだよ・・・」頭を撫でながら
優しく語り掛け、鉄サックを外す。
「市井ちゃん・・・」市井の胸に顔を埋め嗚咽する。
その時、「このやろう!マコちゃんを返せ!!」叫びながら吉澤の躯を
蹴り続ける高橋が見えた。
「うわあぁぁああ!!」後藤は市井を突き飛ばし高橋に向かって走り、
恐怖に顔を引き攣らせる高橋の顔面を掴み、
そのまま走り寺の御神木に高橋の後頭部を打ち付けて殺した。
立ち尽くす紺野をキッと睨み、紺野にも突っかかる。
「うおおぉぉおお!!」木の陰から出てきたのは江頭だ。
「こんのぉぉおお!!」叫びながら紺野の前に立ちはだかり
両手を広げて紺野を守った。
「どけぇええ!」後藤は江頭のミゾオチに貫手を突き刺す。
手首まで入った貫手は江頭の内臓を潰した。
口から血を吹きニヤリと笑った江頭は後藤の胸にしゃぶりつき
そのままズルズルと崩れ落ちた。
「江頭さん!」紺野は倒れた江頭の体を揺する。
「こんのぉ・・・いきろ・・よ・・・」笑顔のまま江頭は死んだ。
紺野を見下ろす後藤の殺気は消えない、
「なにやってんだよぉ!!」市井は言い様の無い悲しみの中で叫ぶ。
後藤はピクリと振り上げた拳を止めた。
「アンタいったい何やってんだよぉ!!そのまま何の抵抗も
出来ない子供を殺すのかよ!!オマエそんな人間だったのかよ!!!」
後藤はガクガクと震え立ち尽くす、
フラフラと市井は後藤に近寄り抱き寄せる。
「おねえちゃん・・・・」いつも心で市井を呼んでいた言葉を
後藤は無意識に出した・・・・
心臓に小型のナイフを刺されても「おねえちゃんゴメンね・・・」と囁く、
市井は後藤に刺さったナイフを抜いて後藤に持たせ自分の心臓に刺させた。
ゆっくりと崩れ落ちる2人の姉妹・・・・
市井は後藤に「ごめんな・・・守れなくて・・・」と言い、
紺野に向かって「アンタは・・・生きるんだよ・・・」と言って
18年の人生の幕を閉じた・・・・・

     99矢部  死亡
     高橋アイ  死亡
     江頭2:50  死亡
     吉澤ヒトミ 死亡
     市井サヤカ 死亡
     後藤マキ  死亡