シアター

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105ごっつぁむ@作者
「ハァ?吉澤、気でも狂った?」
そうやって、茶々を入れるのはやぐっつぁんだったが、よっすぃーは立ち上がったまま
鼻で荒く息をして、そう、まるで興奮しているようだった。
「だってそうじゃないですか!新垣いなくなって、この中に殺人犯がいるんです!」
よっすぃーの興奮は次第に高まっていき、さらには大声を出し始めた。
「アタシ、イヤですからね!!東京に戻って、この中の誰かが殺人犯扱いされるなんて!!!」
…よっすぃーの大声がむなしく響く。
誰も喋らなかった。いや、むしろ誰もがよっすぃーの意見に同意したってことか。
「そうね」
あたしは、よっすぃーに助け舟を出し静かに立ち上がった。
「確かに、この中に殺人犯が潜んでいるかも知れないけど…。
 根本的に何かが変わるってわけでもないわね。…東京に戻っても」
「…そうかも」
「そうだね」
「……そうですね」
他のメンバーも口々に納得し始める。
「じゃあ、しばらくはここで生活しましょう」
そうやって、あたしたちの意見をかおりがまとめた。そして、こうも言い加えた。
「ただし…。安全には十分気をつけてね」
それぞれが返事を返し、部屋に戻る。あたしもなっちと一緒に2階の部屋へと戻った。