サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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865辻っ子のお豆さん
――――――――――――【エンディング】――――――――――――
「おっかわり〜!」
「これが8段アイスか〜、うまいねんな。」
「もうー二人とも、食べ過ぎー!」
高橋に怒られても、辻と加護の手は止まる事はなかった。
あれからピース村の月光亭には、毎日の様にこの二人の姿があった。
「まあええやん、腹が減っては戦はナンタラゆうたやろ。」
「戦は終ったでしょーが!いい加減にしないと太るよ。」
すると、辻のズボンのボタンがポンととれた。
「てへてへ。」
世界を救った勇者は相変わらずでした。

「矢口さ〜ん。どこへ行くんですか〜?」
「別にぃ、紺野、あんたは城に残っていればいいのに。」
「ほっとけませんよ、矢口さん一人じゃ心配です。」
「あーあ、あんたに心配されるとは私も落ちたもんね。」
「いつまでも落ちこぼれ扱いしないで下さい。私だってもう立派な…」
「ハイハイ、立派な金魚だよ。・・って、おい!暴走すんなよ、こんな所で、やめてー!」
矢口はコンコンとニャンニャンでした。
866辻っ子のお豆さん:02/02/02 01:06 ID:UMYtX61K
「ただいまぁー。」
少女はまるで散歩から帰った後の様に、数ヶ月ぶりに戻る実家の敷居をくぐった。
玄関を開けると居間から長身の少女が飛び出してきた。
「あんた今まで何やってたのよ。全然連絡もよこさないでさ!」
「ちょっと、社会見学に。」
少女は何でもないといった感じで、おどけてみせた。
長身の少女は呆れて怒る気も失せてしまった。
「あーあ、やっぱり家が一番だわ。」
里沙は大きく伸びをした。

「魔界の門に、魔王に、ぶりんこ。こんな情報手に入れても誰も信じる訳ないわね。
 はぁー、あんなに苦労して全部無駄骨かぁ。」
小川はモーコーの自宅で一人、ため息をついていた。

「ねえ大谷さん、帝国なくなりましたね、どうしましょうか?」
「知らねーよ!もう4人しか残ってねーだろーが!どうにもなんねえって!」
「残ったのは私と柴田と大谷と、紺野隊の斎藤だけか。あ〜駄目だコリャ。」
「だねー。いっそのこと、ここでメロン畑でも作ってみるー?」
斎藤の意見に、4人はパッと顔を見合わせて呟いた。
「これが運命。」
867辻っ子のお豆さん:02/02/02 01:07 ID:UMYtX61K
何もない荒野の片隅に後藤真希の姿があった。
「みんな終ったよ。」
無造作に積み上げられた石碑に向かって、真希は言葉を掛ける。
十数年前まで、この地には大きな街が存在していた。
だが魔王なっちの手によって、跡形もなく滅ぼされたのだ。
家も家族も友達も全てをその時失った。
ユウキと再会するまで、真希は自分がたった一人の生き残りだと思っていた。
そして復讐を誓った。それがようやく叶ったのだ。
だけど残った物は空しさだけだった。
「どうしてだろ、いちーちゃん。ずっと望んでいたことなのに・・」
真希は地面に膝を付き、石碑を抱いて涙を流した。その時真希の耳に懐かしい声が…
『ごめんな、つらい役回りさせちゃって』
「え?」
真希は涙を拭いて辺りを見渡したが誰もいない、でも確かに聞こえる。
『ついでにもう一つ面倒かける、うちのヘボ弟子頼んだよ』
空耳、かもしれない、聞こえるはずがない。でもそれは確かに真希の心に届いていた。
「もー、しょーがないなぁ〜。」
もう泣かないよ、真希はまた歩き始めた。
868辻っ子のお豆さん:02/02/02 01:07 ID:UMYtX61K
さて、あれから1週間。新ハロプロ王国は・・
騎士団長石黒を中心にりんね、あさみ、ミカ、レファ、アヤカ等が
二人の若き王と王妃を支えてどうにかやっていた。
「ひとみ王、この書類100枚、明日までに目を通しておいて下さい。」
「ひとみ王、本日の午後は会議、明日も明後日も会議で・・」
「ひとみ王、なくなった帝国領の措置についてお話が…」
「ひとみ王、○∈◆∩▽×▲〜」
「…」
「うがぁーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
頭が爆発したひとみは、梨華の膝元へ駆け寄って泣き付いた。
「どうしたの、あなた?」
「もうヤダよー王様なんてー!スケジュールは秒単位で寝る暇も無しに次から次へと
 色んな事言われて頭はパニックで何にもできなくて眠いし腹へったし遊べないし
 世界を救ったってのにこれじゃ全然BAD ENDだよ!ウワァーーーー!!!」
「はいはい、よしよし、ポジポジ。」
梨華は自分の膝にうずくまり泣き喚くひとみの頭を、赤ちゃんみたいになでてあげた。
この1週間毎日のように、梨華はそうやってひとみをあやしていた。
でも正直、そろそろ限界かな〜と梨華も思い始めていた。
そんな時お城に突然事件が起きた。
「泥棒だぁー!」