サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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658辻っ子のお豆さん
「できないよ。私には・・」
師匠を殺す、その現実を前にして吉澤は動きが止まった。
そんな吉澤の前に寂しい眼をした後藤が現れる。
「いちーちゃん。」
「真希・・」
二人は知り合い?後藤と市井の間に意味ありげな空気が漂っている。
「私が今楽にしてあげるよ。」
市井は何も言わず目を閉じて頷いた。まるでそれを望んでいたかの様に・・
(やっぱりお前しかいないか、真希)
「やめろー!駄目だー紗耶香!」
「いかせねーのれす。お前の相手はののれす。」
叫びながら安倍は駆け寄ろうとしたが、辻に行く手を阻まれ間に合わなかった。
プッチ バージョン2【青春時代123】発動
3本の閃光が市井の体を切裂く。
(ごめんね、なつみ)
安倍の眼に市井の最後の姿が写し出される。
「ごっちん・・」
後藤も顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
659辻っ子のお豆さん:02/01/26 12:22 ID:7y4RDa9K
『今日から私がなつみの相棒ね、よろしく。』
『君はひとりじゃないよ、ここに私がいるでしょーが。』
『なつみは間違ってないよ、自分の夢を信じなさい。』
紗耶香との思い出がなつみの頭を渦巻く。また、ひとりぼっちに戻った。
その瞬間、なつみの中の何かが音を立てて崩れ落ちた。

夢は終った。
もうこんな世界はいらない。
明日香も紗耶香もいない理想境なんてない。

ハロプロ城に巨大な落雷と旋風が吹き荒れる。
城門前で戦う矢口や紺野や騎士達がその異変に気付き、動きを止める。
見上げると上空に、天を覆う程巨大な暗黒空間が出現していた。
「ちょっと、何よアレ・・」
謎の怪奇現象に民衆はおろか騎士達ですら次々とパニックに陥ってしまった。
その時、矢口の耳に古い仲間の声が聞こえた様な気がした。
(なつみを救って・・)
「え、今のカオリ・・?なによそれ?」
660辻っ子のお豆さん:02/01/26 12:23 ID:7y4RDa9K
ハロプロ城から数キロ程離れた場所に、その異変を見上げる者達がいた。
「うおーなんじゃありゃー!」
「このままでは魔界の門が開いてしまう、急ぎましょう。」
「でも私達が行った所で何が?」
「愛ちゃん!ののやよっすぃーも戦っとるんや!うちらも手助けせなあかんやろ!」
「そ、そうだね、うん。」
その三人はハロプロ城へと足を速めた。

さらに少し離れた小高い丘の上にも、その光景に見とれる者達がいた。
「トロピカ〜ル♪」
「この国はもう終ったわね。直にここも危なくなる、行きましょう。」
「せっかくだからもう少し見ていこうよ、こんなの滅多にないですよ〜。」
自分が生まれ育った国が滅び行く様を、その少女は面白そうに微笑んで眺めていた。
流石に年配の女性もそれには少し寒気を覚えた。
「あ〜あ、こんなんだったらもう少し遊んでれば良かったなー。」
「冗談じゃない、早めにとんずらして正解だったわよ。」
年配の女性は心底そう感じていた。
魔界の門が開いたが最後、あそこにいる人間はまず命はないと悟っていたからだ。
661辻っ子のお豆さん:02/01/26 12:24 ID:7y4RDa9K
なっちの暴走によってハロプロ城内は台風の過ぎ去った後の様に荒れ果てていた。
天井には大きな穴が空き、そこから上空が覗ける。
けれど、見えたのは青い空ではなく謎の暗黒空間であった。
辻は口をポカーンと開けてそれを見上げていた。
「なんれすかあれは?」
「まさか魔界の扉!まずい、早くなっちを倒さないと!」
しかし全ての引き金を下ろしたなっちの力は、後藤にも恐れを感じさせる程であった。
「全部消えてなくなってしまえばいいべ。」
なっちが両手を上げ念じるたび、徐々に暗黒空間が地上へと降りてくる。
その時、吉澤は・・

1. 人形のように固まっている梨華ちゃんの元へ駆け寄る
2. どうすればいいかわからずとまどうののの元へ駆け寄る
3. 戦いを挑もうと構えを取るごっちんの元へ駆け寄る