サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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564辻っ子のお豆さん
松浦亜弥の最大奥義が保田圭の体を掻き消していく。
「100回のDEATH」
かつての仲間でも松浦には一切の遠慮はない。邪魔する奴は殺す。
右足を吹き飛ばし、左腕を奪い去り、最後に頭を破壊する。
だが殺ったと思ったその時、松浦の視界から保田圭が消えた。
「あんたを外に出したのは私の責任、あんたも死ぬのよ。」
片腕片足を失い瀕死状態の保田が、松浦の背中にぴったり張りついていた。
「うそ…!」
プッチ バージョン4【ぴたクリ】
「やめろーーーーー!!」
ぴったりくっついた保田の体内から激しい爆発が巻き起こる。
(吉澤、辻、後藤、短い間だったけど、最後にお前等と笑い合えて良かった)
(さよなら・・)
爆発の音に辻が振り向くと、もうそこには保田の姿も松浦の姿もなかった。
「おばちゃーん!おばちゃーん!!」
辻が呼びかけても、もう返事は返ってこない。
「うわ〜ん!おばちゃ〜ん!!」
最後の仲間、大泥棒保田圭は死んだ。
565辻っ子のお豆さん:02/01/24 23:24 ID:/wGwDZgl
「せっかく部下にしてやったのに情けない奴だべ。」
松浦の死を安倍は悲しむどころか、むしろ笑ってさえいる。
「グスッ、エッ・・お前は仲間が死んでもなんとも思わないのれすか!」
「あいつも所詮は人間、なっちの仲間は紗耶香と明日香だけだべ。」
「お前は最低なのれす!」
辻は涙を拭いて安倍に突進した。互いに持つ剣と剣が交差してぶつかり合う。
「お前には心というものはないんれすか!人でなし!悪魔れす!」
「悪魔・・そうだよ、なっちは悪魔だべさ。」
安倍の表情が一変する。全てを憎むかのごとく冷徹な怒りを秘めた表情に。
「お前にはわからないだろうな・・何不自由なく幸せな人生を歩くお前には・・」
「不自由してるのれす。ご飯が足りなくてすぐおなかすいて不自由れす。」
「…」
「…」
「死ね。」
なっちの右手から熱き光が湧き起こる。
「真夏の光線!」
「うわー!」
あまりに近距離で、回避不可能なその光線は確実に辻を打ち抜いた。
辻はもんどりうって倒れた。
566辻っ子のお豆さん:02/01/24 23:25 ID:/wGwDZgl
その様子を見ていた福田明日香が口元を緩める。
「なっち様の魔法を受けて生きていた奴はいない、これで残り二人。」
明日香の笑みに後藤は顔をしかめた。
やっぱり辻になっちの相手は荷が重すぎた、私がやっていればこんなことには・・
だが後悔してももう遅い、辻が殺されたのは自分の責任だ。
そんな負の感情が後藤の剣さばきを鈍らせる。
「光の末裔とはこの程度か、後藤真希。」
隙を突いた魔剣ギンナンが後藤の右肩を薄く切裂いた。傷口から血が滲み出る。
さらに明日香の回し蹴りをモロにくらい、後藤は壁際に弾き飛ばされた。
「ゲホッ・・ゲホッ・・」
「お前達はここで全滅するんだよ。」
「うるさい!私は負けてない!それにまだよっすぃーもいる。」
「どうかね〜それももうすぐ終りそうだけど…」
その言葉にハッとして、後藤はすぐ横で戦っているはずの吉澤の方に振り返った。
すぐ横で、市井紗耶香と吉澤ひとみが向き合っている。
プッチのぶつかり合いによって、二人の間の床がひどく焼け焦げていた。
同様に吉澤ひとみの服も所々が焼け落ちている。
一方の市井紗耶香には傷どころか、埃すらついてない程であった。
567辻っ子のお豆さん:02/01/24 23:26 ID:/wGwDZgl
これが二人の力の差・・
自分は強くなったと思っていた、梨華ちゃんを守り抜けるくらい強くなったと思っていた。でもそれは私が思い込んでいただけなの?
私の力じゃ梨華ちゃんを守る事はできないの?
目の前に立ち塞がるこの人を越える事はできないの?
膝を突いて震える吉澤の目に、人形のように立ち尽くす花嫁姿の梨華が映った。
何もしゃべらない、何の感情も持たない、梨華ちゃん人形。
「梨華ちゃ…」
「がっかりだよ。」
私の声は、その人の呆れた様な声に掻き消された。
「もう少しマシかと期待してたんだけどねー。」
「師匠、私は…」
「もう師匠じゃねえ!私はこんな情けない弟子を持った覚えはないんだよ!」
市井は再び構え直す。
「買い被り過ぎたみたい、もういい、死ね。。。」
プッチ バージョン1【ちょこラブ】
輝きを帯びた球体が私に向かって真っ直ぐ飛んでくる。
私にそれを防ぐ術はなかった。