462 :
辻っ子のお豆さん:
話し合いの結果、侵入組は私とののとごっちんと保田さんの四人で、
オトリ役が矢口さんと紺野の二人ということになった。
「なんだよ〜、おいらオトリかよー。」
不満そうに口をとんがらせた矢口さんが愚痴をたれている。
「だって矢口さんのセクシービームが一番派手で、効果的じゃないですか。」
「実力的にも矢口さんなら、安心して任せられるのれす。」
「え、やっぱそう?しょーがねーなーやってやるか。」
上手くおだてて、矢口さんも納得してみたいだ。
「ファ〜話し合い終わった?」
ずっと寝ていたごっちんが、ようやく目を覚ました。
「よし行こう!」
吉澤の合図で、辻・保田・後藤・矢口・紺野・小川は立ち上がった。
「おい!」
戦地へ赴く7人の背中へ向けてあみが声を荒げた。
「勝手に入って来て部屋荒らして、お前等マジむかつくんだよ!
後で一発ずつ殴ってやるからな!だからそれまで勝手に死ぬんじゃねーぞ!!」
7人は振り向かず右腕を上げてそれに応えた。
娘達の最期の戦いが始まる。
463 :
辻っ子のお豆さん:02/01/22 01:39 ID:LHC4lgca
ハロプロ城下町の中央に伸びる大通りに小川は姿を現わした。
新しき王と王妃の誕生を祝おうと、通りは人でごった返している。
「私は少しでも多くの人達に真実を伝える。そのために全てを見届ける。」
小川は目の前にそびえる建物の屋上を見上げた。
その屋上の上では、矢口と紺野が城を見渡している。
「開演10分前、そろそろ時間だね。覚悟はできた?紺野。」
「あの…私は何をすれば…いいでしょう?」
「あんたは変な顔でもしてればいいよ、オトリ役は私がするからさ。」
矢口は自分一人で危険を背負い込む気でいた。
その後ろ姿を見て、紺野は両手で顔を抑えながら考えた。
結局何も変わっていない、矢口さんに頼ってばかり。
私はいつまで経っても落ちこぼれ・・そんなのいけない。
『ののらっておちころれらけろ勇者らもん』
紺野の胸にあの時のあの娘の言葉が重く響く。
「私だって・・私だって落ちこぼれだけど!」
セクシービームの準備をしていた矢口の横を、何かがすごい勢いで飛び出した。
「え?今のって紺野?えーー!!」
ほんとに変な顔してた。あの時みたいに・・
464 :
辻っ子のお豆さん:02/01/22 01:39 ID:LHC4lgca
変な顔で暴走したコンコンは、すごいスピードのまま屋根から屋根を伝って
ハロプロ城方向へ一目散に突進していく。恐怖の暴走コンコン再び!
「なんだあれはー!」
「騎士団を城門右翼に集めろ!なにかが襲撃してきた!」
暴走コンコンの突然の襲来に警備兵達は浮き足立った。
ドーン!
一撃の正拳によって屈強な騎士達が次々と吹っ飛ばされていく。
それは、もう誰にも手のつけられないモノと化していた。
城門での突然の騒ぎに民衆は訳が分からず、パニックが起こる。
式の演出と勘違いしておもしろがる者まで出る始末となった。
「やるね〜あいつ、こりゃおいらもウカウカしてられないよ。」
さらに矢口の放ったセクシービームが、そのパニックを後押しする。
「あら、花火ですよ、おじいさん。」
「今度の王様はやることが派手じゃのう。フォッフォッフォッ」
とある家のベランダでは、老夫婦がお茶をすすりながら微笑んでいた。
「楽しくなってきたぜヤッホ〜イ!それもう一発セクシービーム!」
「止めろー!誰か、あの二人を止めろー!」
城門前は紺野と矢口によって確実にお祭り騒ぎとなっていた。
465 :
辻っ子のお豆さん:02/01/22 01:41 ID:LHC4lgca
「表が騒がしい、どうやら上手くやってくれたみたいだね。」
地下牢から隠し通路に入った吉澤達にも、騒ぎの音が聞こえてきた。
「時間がない、私達も急ごう。」
保田が先頭に立ち隠し通路の出口へと走る。
出口は、ホコリまみれの倉庫につながっていた。
「さ〜て、警備はいなくなったかしら?」
保田さんが倉庫の扉をわずかに開き、廊下の様子を窺う。
「おや、あれも騎士団か?まずいね、変な格好したのがまだ3人残っている。」
さすがに騎士団全員が陽動された訳ではないらしい。
「3人くらいなら問題ない、一瞬で片付ける。」
ごっちんが物騒に刀を握る。
「隙を突いて、反対側から先に進んだ方がよくない?」
保田さんはそう提案する。二人の間でののは私に尋ねてきた。
「よっすぃー、ろうします?」
1. ごっちんに任せて、一瞬で片付けてもらおう。
2. 保田さんの言う通り、無駄な戦闘は避けるべきだ。
3. 事情を話して説得してみよう。