サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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41辻っ子のお豆さん
口で言っても聞かなそうだから、一発ぶん殴った。
我慢できなかったんだ。何もかも一人で背負い込む彼女の事が。
瓦礫の上に倒れたごっちんが私のことを睨み付ける。
「あんたムカツク。」
「ムカツいてるのはこっちだ!この意地っ張り!」
「何よ!何にも知らないくせに余計な口挟まないで!」
お返しとばかりに後藤は吉澤を殴り返した。
「イッテーナー、コノヤロー!」
私はすぐに起き上がって、また一発殴り返した。
そしてごっちんも殴り返してくる。終には殴り合いの喧嘩になってしまった。
「二人とも辞めてよ!ののちゃん、よっすぃーを止めて!」
高橋が呼びかけるが、辻は加護を抱いたまま反応がなかった。
加護の死は、幼い辻の精神にあまりに大きなダメージを与えていたのだ。
そんな事はお構いなしに、吉澤と後藤の殴り合いは続く。
「いい加減にしろよ!何にもできないくせに!」
「何にも知らないから、何にもできないからムカツいてんだよ!」
その最後の一撃で私達は同時に力尽き、その場に倒れ込んだ。
「ハァ…ハァ…、どうして?無関係のくせにそんなに首突っ込むのよ?」
「・・もう無関係じゃない。もう忘れることはできない!」
42名無し募集中。。。:02/01/10 23:59 ID:fa2We4HX
新スレおめ。
久々にごっちん登場♪ 3がいいな。
43辻っ子のお豆さん :02/01/11 00:00 ID:J8nmK3HU
あの場面が、目に焼き付いて離れないんだ。
なっちの剣があいぼんの胸を貫いたあの場面が…
「あいぼんの仇を放っておいて、ハッピーエンドなんてできないよ。」
後藤は、吉澤の瞳から止めど無く涙が零れ落ちているのに気付いた。
そんな涙ながらの吉澤の悲痛な叫びが、頑なだった後藤の心を揺れ動かしていく。
「・・私の先生なら、その子を助ける方法を知っているかもしれない。」
「えっ!?」
後藤の言葉に、吉澤、高橋、辻が顔を上げる。
「今何て言った、ごっちん。」
「私の先生なら殺されたお前の仲間を生き返らせる方法を知ってるかもって。」
「本当に!」
「あいぼんらいきかえるのれすか。」
「その可能性があるかもしれない、というだけよ。」
「ののはなんれもするのれす!らからあいぼんをたすけれくらはい!」
辻の顔にいつもの元気が戻った。
「やれやれ、じゃあ行く?先生の所へ。」
「行く!すぐ行く!どこにいるの?」
ごっちんは寝転んだまま腕を伸ばし、上空を指差して呟いた。
「空。」
44辻っ子のお豆さん :02/01/11 00:01 ID:J8nmK3HU
その頃、吉澤達とは反対側の瓦礫の下から娘が二人、姿を現わした。
「生きてますか〜矢口さん。」
「ん〜、あと10分、あと10分だけ寝させてー。」
寝ぼけた矢口と、彼女をおぶって脱出した紺野であった。
「朝じゃないですよー。あさ美ですよー。」
起こす方もボケていた。
「あぁなんだ紺野か。うん?おいら何で外で寝てんだ?って、なんじゃこりゃー!」
ようやく目を覚ました矢口は、崩壊した城を見て唖然とした。
「ちょっとこれどういうことよ!!紺野、説明して!」
コンコンは実は祭壇の間での一部始終を覗き見ていた。(怖くて出て行けなかった)
それで、とりあえず見たこと聞いたことをありのまま矢口に話した。
勇者なっちのこと、福田の裏切り、中澤の死・・
「裕ちゃんが明日香に殺された・・嘘でしょ。それになつみ達が魔族!?」
当然すぐには信じきれない話だ。だが切り替えの早い矢口はすぐに受け入れた。
「これからどうします矢口さん?もう帝国は滅びちゃいましたし。」
「決まってんだろ!裕ちゃんの弔い合戦だ!あいつら絶対に許さない!」
「えーたった二人でですか。」
「なんか文句ある?あ、思い出した。そういやお前さっき私を殴ったよな。」
矢口が振り返ると、紺野はすでに逃げ出していた。
「コラー待てー!私も一発殴らせろー!」
45辻っ子のお豆さん :02/01/11 00:02 ID:J8nmK3HU
ごっちんの話によると、その先生ってのは天空の城にいるらしい。
大陸の北に浮かぶ孤島に存在する高き塔を登ってしか、そこへは行けないという。
「腕に覚えのない者は辞めといた方がいいね。」
そう語るごっちんの顔は笑っていない。
脅しではない。どうやらかなり危険な場所の様だ。
「私は近くの町に残って、加護ちゃんを看てるよ。」
「うん、愛はその方が良い。あいぼんのことよろしく頼むね。」
そして吉澤はボコボコに腫れた顔で、同じくボコボコ顔の後藤に微笑んだ。
「私は当然行くよ。」
その顔を見た後藤は口端を少し上げる。
どちらからともなく二人は軽く手を叩く。ここに歪んだ友情が生まれた。
「ののもいくのれす!」
二人の間に辻も割って入る。

1.「そうだね、ののも一緒に行こう。」
2.「ののは愛とあいぼんを守っていてくれ。」
3.「ののにはハロプロ城の偵察を頼みたい。」