サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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369辻っ子のお豆さん
細かい事にこだわってる場合じゃない。あいつの手を借りよう。
私達はお城の脇にある地下牢入り口へと向かった。
警備はほとんど城に集められていたので、簡単に入ることができた。
ここには嫌な思い出がある。
もう二度と近寄りたくはなかったんだけど、まさかこんな理由で来る事になろうとは。
最深部まで来た時、私は殺気に近い気配を感じて顔をあげた。
闇の中に浮かぶ二つの目がこちらを睨み付けている。
「保田さん?」
「…」
返事はない、だがわかる。彼女は保田圭だ。
獰猛な獣に近いその殺気に、辻と小川は少し後退りした。
ごっちんだけはいつもみたいに平然としている。
でもこの中で彼女と面識があるのは私だけなので、私が話すしかない。
「私のこと覚えていますか?吉澤です。」
その途端、闇の中から物凄い勢いで二つの腕が伸びてきた。
鉄格子がなければ、私の首は跳ね飛ばされていたかもしれない。
「…!」
ようやく見えた彼女の姿は、私の知っている保田さんとはまるで別人だった。
長い牢獄生活により、頬の肉が削げ落ち、すっかり痩せ細っていたのだ。
370辻っ子のお豆さん:02/01/20 02:16 ID:5vxnEMVi
保田さんはそのつりあがった目で、何も言わず私だけを凝視し続けている。
当然だ。彼女をこんな目に合わせた原因は私にある。私を恨んでいるに決まっている。
「ねえ、やっぱりやめよ、よっすぃー!」
後ろでののの声が聞こえた。悪いけどやめる訳にはいかないんだ。
梨華ちゃんを助ける為なら何だってやってやる。
「保田さん、今からここを開けます。」
「…」
「ハロプロ城に忍び込む為に、あなたの助けが欲しいの。」
「…」
保田さんは何も答えず、ただ私の目を睨み付けている。
ヒュンと音を立て、ごっちんがハマミエを抜いた。
「先に言っておくぞ、少しでも妙な真似をしたらすぐに斬る。」
保田に負けぬ眼光で脅しをつけ、後藤は鉄格子を切裂いた。
もう間に障害は何もない。保田圭はゆっくりと牢獄の中から出てきた。
その瞳はまだ私の瞳を写し出している。何を考えているのかわからない。
「二つ…条件がある。」
しばらくして、ようやく重い口を開いた。
「松浦亜弥に会わせろ。」
「たぶん、嫌でも会える。あと一つは?」
「メシおごれ。」
371辻っ子のお豆さん:02/01/20 02:17 ID:5vxnEMVi
「うわーすごい兵士の数ですよ、矢口さん。」
「見りゃわかるよ!ポケーっとしてないで口閉じろ。」
元帝国将軍の二人、矢口と紺野もハロプロ城下町にいた。
「本当にこんな中を行く気ですか、すごいですね。」
「馬鹿!お前も一緒に行くんだよ!他人事みたいに言うな!」
「えー嫌ですよ私。やめましょう、ね、やめましょ。」
「おいら、一度決めた事は曲げないって決めてんの!ほら行くぞ!」
ゴッチ〜ン!
勢い良く通りへ飛び出した矢口は、食堂から出てきた娘と激突した。
「いった〜い!」
「お前どこに目つけてんだ!私にぶつかってただで済むとでも・・」
あれ?前にもこんなことあった様な?
デジャブった矢口は、ぶつかった相手を見てまた声をあげた。
「あーまたお前か!」
「んあ〜、あの時の!」
「ごっちん、大丈夫。」
すると彼女の連れと思われる集団が4,5人食堂から現れた。
それを見て矢口は、またまた大声をあげることになる。
372辻っ子のお豆さん:02/01/20 02:18 ID:5vxnEMVi
「あー!」
「あー!」
指差して叫ぶ矢口を見て、吉澤も矢口を指差して叫ぶ。
「あ、その節はどうも。」
「おいーっす。」
同様に辻の姿を見た紺野も丁寧に頭を下げておじぎした。
「ちょっと〜今度は誰よ、もう。」
また知らない顔の登場に、小川はいい加減呆れていた。
「…」
圭ちゃんは焼き鳥を咥えて様子を窺っている。
飯食ったら、どうやらやつれた頬も元に戻ったみたいだ。
「んあ〜、よっすぃーも知り合いなの?」
「え、ごっちんこそ知り合いなの?」
「ていうか、お前等こそ何でここに一緒にいるんだよ!?」
後藤も吉澤も矢口も、どうしていいのかわからなくなった。

1. とりあえず今は関わってる暇はない、逃げろ!
2. 今度こそ決着を着けてやる。いざ勝負!
3. あーもう面倒だ!全員一緒にヤンジャン家へGO!