サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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338辻っ子のお豆さん
情報屋小川麻琴を尋ねる。
「ちょっとどこへ行くの?」
「この町に知り合いの情報屋がいるんだ。何かわかるかもしれないから。」
「ののもまこっちゃんにあいたいのれす!」
二人の勧めに、後藤も渋々従った。
家の前に、馬車の手入れをしている小川がいた。
「こんちわー。」
「あー、あんた達!」
「まこっちゃん、ひさしぶりなのれす。」
「あんたも元気そうね、今日はどうしたの?」
私は彼女にこれまでの経緯を簡単に話し、情報が欲しいと正直に望んだ。
職業柄あまり動じない性格の小川でも、そのあまりの内容に身震いがした。
「勇者なっちが魔族ですって?」
「嘘みたいな話だけどさ真実なんだ。信じてくれる?」
すると小川は馬車に乗り込んで言った。
「なっちと梨華姫の結婚式は明日よ、あんた達も行くんでしょ、乗りな。」
「まこっちゃんもいくんれすか。」
「当然よ。そんな大スクープ、現場に居合わせなきゃ情報屋の名が泣くわ。」
私達は顔を見合わせて頷き、馬車の荷台に乗り込んだ。
4人を乗せた馬車は超特急で西へ出発した。
339辻っ子のお豆さん:02/01/19 13:17 ID:QCNhPkut
日が暮れる。真夜中になっても馬車は歩みをとめない。
辻と後藤はすでに熟睡していた。
吉澤は荷台から、運転席に座る小川に声を掛けた。
「まこっちゃん、変わろうか?」
「いいから寝てなさい。あんた達には明日大事な仕事があるんだから。」
「うん。いつも助けてくれて、ありがとう。」
「馬鹿ね、私は大スクープの為にやってんの、あんた達の為じゃないわよ。」
「へへ、そっか。じゃ寝るね。」
そう言って吉澤は荷台に戻った。
小川は一人、月夜の荒野を眺めながら思った。
自分はあいつ等に借りがある。だから今まで情報を与えてきた。
でも今回は違う。純粋に一人の人間としてあいつ等の力になりたかった。
そして今はこう思う。あいつ等と出会えて良かった。
やがて朝日が再び荒野を照らす。
なっちと梨華の結婚式当日、運命の一日が幕を開ける。
「見えたわ、ハロプロ城よ!」
小川の一声で三人は目を覚ました。
吉澤と辻と後藤は並んで、前方に見える決戦の舞台を凝視した。
これが最後の戦いになる。誰しもの胸に、そんな想いが去来していた。
340辻っ子のお豆さん:02/01/19 13:18 ID:QCNhPkut
ハロプロ城下町は、朝だというのにお祭りムードが広がっていた。
「で、どうやってあの難攻不落のお城に忍び込むつもり?」
小川の冷静な意見に三人は顔を見合わせた。
遠目から見ても、お城には警備の兵士だらけなのがわかる。
「正面突破!じゃまするやつはれいいんぶっとらすのれす!」
「・・だな。」
辻の暴言に後藤も同意見の様で、刀を腰に差した。
ごっちんに賛同してもらえたのが嬉しかった様で、ののはてへてへ言ってる。
「ちょっと二人とも!うちらの敵は魔族どもだよ。関係ない人までやるのは・・」
「フーン、気付かれずに侵入する方法があるならいいけど。」
気付かれずに侵入って、そんなのできる奴いない・・
いやまてよ。どこかでそんな奴いた様な・・
保田圭!!
たった一人でハロプロ城に忍び込んだ大泥棒の名が頭に浮かんだ。
確か地下牢に投獄されたはず・・

1. いや無理だ。あいつは敵だ。街を回って他の手を探そう。
2. 細かい事にこだわってる場合じゃない。あいつの手を借りよう。
3. やっぱり、正面突破だな。