サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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223辻っ子のお豆さん
ペンダントの事を尋ねてみる。
「ごっちんもさ、このペンダントのこと知ってるの?」
寝起きで気だるそうな後藤は、少し考えてから頷いた。
「どんな意味があるの?教えてよ?」
「それで誰か見えた?」
質問を質問で返された。とりあえず素直に答えるか。
「見えたよ、梨華ちゃん。」
「フーン。」
ごっちんはなんだか不機嫌そうに歩き出した。
「ちょっとどこ行くの?私の質問に答えてよ!」
「聞かない方がいい、その方が君の為だよ。」
それだけ言い残して後藤は去ろうとする。
「待って!」
「時間が惜しい、私は行くよ。」
「わかった。もう聞かないから、今日はうちに泊まってきなよ、日も暮れるし。」
見上げると、空はきれいな夕暮れに包まれていた。
「ね、あいぼんのお礼がしたいんだ。」
一晩だけなら、という条件で後藤はその申し出を受け入れた。
224辻っ子のお豆さん:02/01/16 00:31 ID:uFjLdN5o
帝国滅亡のニュースは辺境のピース村まで届いていた。
さらに、さらわれた村のアイドル高橋愛を助け出した事で、
私とののは一躍村の英雄と祭り上げられた。
だからその日の夜は、村中の皆が月光亭に集まってお祭り騒ぎだった。
さすがにあいぼんはまだ病み上がりなので参加はできなかったが。
「そこれののがエーイっれキラーパスをおくったのれす!」
ののは机の上に立ち上がって、自分の活躍話を皆に語っていた。
私の所へも、旅の話を聞かせてと、ひっきりなしに人が集まってくる。
カウンターで、月光亭のオーナー平家さんと愛とごっちんが話しているのが見えたので、
なんとか人だかりを抜け出して、私もそこへ避難した。
「あ、よっすぃーだ。おつかれ〜。」
「もうまいったよ、さっきからずーっと質問攻め。」
「まあまあ、三人が無事で皆嬉しいのよ。それぐらい我慢しな。」
平家さんが私の前に料理を置いて言った。
ひさしぶりに食べる平家さんの料理は、やっぱりおいしかった。
そして本当に帰ってきたんだって実感した。
「また前みたいに、ずっと一緒に暮らせるんだよね。」
愛が隣で微笑む。それは私がずっと追い求めてきた笑顔。
225辻っ子のお豆さん:02/01/16 00:32 ID:uFjLdN5o
この村で皆一緒にのんびり暮らす。
私はずっとそれを望んで旅を続けてきたんだ。
そしてそれは叶った。でも・・だけど・・
「余計な事は考えるな。お前はここに残れ。」
私が思い悩んでいると、反対側に座るごっちんが小さな声でささやいた。
「ここにはお前が愛する人々も、お前を必要とする人々もいる。お前の場所だ。」
「ごっちん・・」
「そんな奴を連れて行く訳にはいかない、後は私の仕事だ。」
隣で愛が心配そうに私を見つめる。
平家さんも深刻そうに成り行きを見守っている。
顔の見知った村の皆が私達の帰りをこんなに祝ってくれた。
やっぱりそうなのかな、私はここに残るのが一番いいのかな。
戦争とか、魔族とか、そういうこと全部忘れて、ここで幸せに暮らす。
それが一番なのかな・・
「そうだね。」
小さく頷いた私の一言で、愛も平家さんも喜んでくれた。
これでよかったんだ。
私の旅は終った。
226辻っ子のお豆さん:02/01/16 00:32 ID:uFjLdN5o
お祭り騒ぎが終ったのは、もう真夜中だった。
ののと愛はそれぞれ自分の家へ、私もごっちんと家に帰った。
ごたごたしてたから家に戻るのはこれが最初だった。
大きな声でただいまって言った。
お母さんはおかえりって抱きしめてくれた。
お父さんは何も言わずにポンって頭をなでてくれた。
ごっちんがいたから堪えてたけど、私は我慢できずに泣いちゃった。
もう遅かったからその夜はそれだけで、私とごっちんは寝室へと向かった。
格好悪い所見られたから恥ずかしかったけど、ごっちんは特に何も言わなかった。
寝室には、お母さんが布団を二つ並んで敷いていてくれた。
私達はそれぞれの布団に入って横になった。

1. すぐに寝る
2. 少しおしゃべりしてから寝る
3. 一つの布団で一緒に寝る