サウンドノベル4「ハッピーエンド」真実の章

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108辻っ子のお豆さん
「うまそうなのれす。」
ヨダレを垂らしたののがフラフラと暗黒竜に近寄って行く。
私はあわててののを止めた。
「危ないって、こんな化け物に勝ってこないよ。」
「けど倒さなければ先へは進めない、それでもいいの?」
「そんなことはわかってる。でも相手はなっちと師匠と飯田さんとマリーの
 4人掛かりでやっと勝てた様な化け物なんだよ。私達だけじゃ・・」
「あれはお芝居だ。こいつはなっちの手足に過ぎない。」
「え?」
「暗黒竜を魔界から解き放ったのはなっちだ。自分で始末する為にね。」
「何の為にそんなことを?」
「これまで町や村を襲った魔物達も同じ。奴は魔物をけしかけ、
 それを自分の手で倒す。そうやって勇者という冠を手にしてきたんだ。」
初めてなっちと出会ったモーコーの町。
デーモン軍団が襲来してきたダンサイの町。
梨華ちゃんが訪れたという魔物に襲われた小さな村。
暗黒竜が現れたつんく王暗殺の日のハロプロ城。
その全てに彼女は関わっていた。全ての場所になっちは存在した。
109辻っ子のお豆さん:02/01/12 21:15 ID:dYOUWopc
「じゃあそのためだけに、モンスターに街を襲わせてたっていうの?」
「それが真実だ。」
許せない。絶対に許せない。
「よっすぃー、あいつ食ってもいいれすか?」
腕の中でののが物欲しそうに私を見上げている。
「いい!」
もう腹は決まった。暗黒竜なんかぶっ倒してやる。
「アーイ!いったらっきま〜す♪」
ののは私の腕から飛び出ると、暗黒竜の足にかじりついた。
「おいおい本当に食う気かよ。なんなのあの子?」
「ののはね、世界でたった一人の本物の勇者だよ。」
あの暗黒竜が噛み付かれた痛みでジタバタしている。やっぱりののはすごい。
「ごっちん、今がチャンスだ。いこう!」
暗黒竜はののに気を取られて完全に隙だらけだ。
「プッチ!」
恋にKO!の衝撃で暗黒竜の体が思いっきり仰け反った。
すぐさまごっちんの必殺技が炸裂。日本刀を股間から上部に引き上げる。
「ハマミエ!」
刀から放たれた黄金の閃空が暗黒竜を真っ二つに切裂いた。
110辻っ子のお豆さん:02/01/12 21:15 ID:dYOUWopc
「モグモグ、二人とも食べないのれすか?おいしいれすよ。」
「いらん!」
結局ののは一人で暗黒竜一匹を平らげてしまった。
「もう満腹れ動けないのれす。」
「暗黒竜よりよっぽど化け物だな。」
「後藤さん・・」
私達はののを引っ張って、塔のてっぺんへと出た。
そこは雲の上の世界だった。目の前に天空城が聳え立っていた。
「あそこにごっちんの先生がいるんだね。」
「うん、行こう。」
先生ってどんな人だろう?ごっちんの先生ならきっとすげーかっけーんだろうなぁ。
「HO~ほら行こうぜ!修学旅行〜行こうぜ!」
天空城に入ると、小さくて変なおっさんが踊っていた。
「何、あのおっさん?」
「んあ〜先生。」
「おおっ後藤か、ようきたな、まあ座れや。」
「え!もしかしてこのチビ・・いやこの人が…」
「うんそう、先生の岡村さんだよ〜。」
紹介された岡村先生は満面の笑みで仁王立ちしていた。
111辻っ子のお豆さん:02/01/12 21:16 ID:dYOUWopc
「先生、彼女が先生にお願いがあるみたい。」
「お、なんや、なんでもゆうてみ。先生にできないことはありません。」
私は早速岡村さんに事情を話した。死んだあいぼんを助けて欲しいと。
「なんやそんなことかい、え〜と無理です!」
「えー!!」
「もうしわけ!」
岡村さんは低い頭をさらに低くしてあやまった。
「そんなせっかくここまれきたのに、あいぼんはたすからないのれすか?」
ののの眼に涙が浮かぶ。私も泣きたくなってきたよ。
「ちょっと岡村さん、なんとかしてあげてよ。」
「そうはゆうてもやな後藤、死人を生き返らせるなんて無理やで。」
「先生はオファー達成率100%なんでしょ、だったらこのオファーもなんとかしてよ。」
オファーという言葉に岡村の表情に変化が・・
もう一押しすれば、なんとかやってくれるかもしれない。

1. 誉めちぎって頼んだ。
2. 泣き落としで頼んだ。
3. 色気を使って頼んだ。