「矢口さんのこと、好きなんです」
そう告白してから、丁度1ヶ月がすぎた。
なんかいつのまにかメンバー全員に知られちゃってるし
それというのも、矢口さんがところ構わず、あたしに抱き付いてくるからなんだけど
いや、それは全然いいんだけどね。
ただ、なんか最近ちょっとだけ・・・
ホントにちょっとだけ物足りないかな〜なんて思ってたりして
73 :
−−:02/01/22 18:34 ID:Xr8dNVgg
「よっすぃー、なにボーっとしてんの?」
後ろからおぶさるように矢口が抱き付いてくる。
「えっ!あー、いや〜」
「なんか怪しいー」
矢口は、耳元で囁く。
「そんなんじゃないですって」
吉澤は、あわてて矢口の方に向き直る。
チュッ
「へ?」
唇に柔らかい感触。
気づくと、矢口はいつのまにかイスのうえに立ってる。
そっか、じゃないといきなりキスは出来ないもんな〜
(カワイイっ!)
吉澤は、さっきまで考えていたことをすっかり忘れて矢口を抱き締める。
「ちょ、ちょっと、よっすぃー」
矢口は、焦ったようにポカポカと背中を叩く。
「あいてててっ・・・すみません」
吉澤は、素直に矢口を抱き締めていた腕の力を緩める。
「もぅっ、よっすぃーのH」
矢口の顔は、真っ赤にしながら楽屋を出ていった。
74 :
−−:02/01/22 22:37 ID:dDE7PIso
吉澤は、困ったように頭をポリポリとかく。
(矢口さんっていっつもこうなんだよな〜)
いっつも自分から抱き付いたりキスしてくるクセに
あたしがしようとすると、嫌がるんだよな。
たまには、あたしからキスしてみたいんだけど・・・
最近の吉澤の悩みはそれだった。
付き合いだして1ヶ月。
その間に何度もキスはしたものの、それはいつも矢口からだった。
だからといって、矢口が吉澤を嫌いというわけではないことは分かっている。
矢口は、見た目と違ってかなりの恥ずかしがり屋だということだ。
75 :
−−:02/01/22 22:38 ID:dDE7PIso
「今度こそっ!」
吉澤は、天高く拳を振り上げた。
「なにが今度こそなの?」
ソファから声が聞こえた。
「げっ!!ごっちん!?」
「げってなに〜、ひどいな〜」
後藤は、体を起こしながら言う。
「イヤ、あの、いつからいたの?」
さっきまで気配すらなかったのに。
っていうか、矢口さんと二人きりかと思ってたのに・・・
「え〜、最初からいたよ〜。今、起きたけど」
後藤は、目をこすりながらあくびをする。
「そ、そう。寝てたんだ」
少し安心する。
さすがにバカップルとして公認されてても、
キスしてたりするとこ見られるのは恥ずかしい。
「で、なにが今度こそなの?」
後藤は、興味津々という風に吉澤を見上げる。
「えっ、いや・・・」
待てよ、ここはごっちんに相談にのってもらうのも手かも
うん、なんかごっちん、こーゆーこと得意そうだし
吉澤は、頭の中でそんなことを考える。
76 :
−−:02/01/22 22:39 ID:dDE7PIso
「実はさー、かくかくしかじか・・・なんだよね」
----日本語って便利だ(by作者)
「へ〜、やぐっつぁんって意外にシャイなんだね〜」
「でしょっ。どーしたらこう自分からキスできるかな〜?」
そう頼りなく言う吉澤に後藤はニヤッと不適に笑う。
「そんなの、簡単だよー」
「えっ?」
「ムリヤリしちゃえばいいじゃん」
こともなげに後藤は言った。
「はぁっ!!?」
吉澤は、当たり前のように危ないことを言う後藤に驚いて声を上げる。
「なにっ!?なんでそんな驚くの〜?」
後藤は、眉間にしわを寄せている。
「なんで・・・って、そんなことしたら嫌われるに決まってるでしょ」
「そっかな〜」
「そうだよ」
吉澤は、ドサッと後藤の隣に座る。
(ごっちんに相談したのが間違いだった)
後藤は、まずいと思ったのか少し考えたような顔をしている。
「よっすぃ〜」
「ん?」
「さっきのは冗談だよ」
いや、思いっきりマジだったでしょと、突っ込もうかと思ってやめた。
後藤が、その前に口を開いたからだ。
「あのね、やっぱり正直に言うのがいいんじゃない?」
「えーっ!キスしたいって!?」
吉澤は、そう叫びながら後藤を見る。
「カップルは話し合いだよ」
後藤は、吉澤の顔の前に人差し指をたてる。
「話し合い・・・ね〜」
あんがい、いいかもしんない。
ちょうど、明日はオフだし、矢口さんの家に泊まりに行ってみよっかな。
「それじゃ、あたし、撮影あるから」
後藤は、ソファから立ち上がり妄想モードに入りかけた吉澤にそう声をかけた。