糞娘マジウザイ!氏ね!!!!!!!

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66番外編 休日

-----ピーンポーン。

せっかくのオフでゆっくり眠る保田を起こすチャイムの音が響く。
「・・・ん、誰よ、こんな朝っぱらから・・・」
時刻は、とうに12時をまわっているが、
保田はそんなことを言いながら、ベッドからもぞもぞと這い出た。


「いやー、けーちゃんちってはじめてだね〜」
突然の訪問者、後藤が、妙に年寄り臭い口調で言う。
「そうね」
「あっ、けーちゃん、今、ちょっとクールぶってたね」
「はぁっ?」
「ま、そこがいいんだけど」
後藤は、そう言いながら少しの遠慮もなく部屋の中へと入っていく。
片手には、買い物袋。

『明日、一緒にご飯食べよーね』

昨日、仕事帰りに後藤がそう言った。
そして、それをホントに今から実行するらしい。
(・・・っていうか、連絡してから来いっての)
保田は、ボケーッと後藤の背中を見る。
後藤は、鼻歌をうたいながらエプロンを付けている。
幸せそうな顔。
(---ま、いっか)
保田は、その顔を見れるだけでもよかった。

67−−:02/01/21 23:55 ID:VcvCNBWE

「じゃーんっ、後藤特製ミートなオムレツNEWヴァージョン!!」
後藤は、ワケの分からないことを言いながら皿をもってくる。
(ホント、後藤ってつかみにくいわよね)
保田は、ニコニコとしている後藤を無意識に見つめながら、
そのつかみにくい後藤の気持ちを探ろうとしていた。
「早く、食べてよーっ」
後藤が、口をとがらして言う。
「あっ、そうだね。じゃ、いただきます」
保田は、自分が後藤を見ていたことに気づいて少し赤くなる。
それを誤魔化すように、後藤のミートなオムレツ(以下略)を口に運ぶ。
意外にそれはおいしい。
(って、後藤って料理得意だったわね)
後藤は、保田の食べているところばかりを見ている。
「後藤も食べなさいよ」
今、気づいたけど後藤の分のお皿はない。
まさか、保田が食べているところだけ見て自分は食べないつもりなんだろうか?
なんとなく、食べているところを見られているのは気恥ずかしい。
そう思った保田に、後藤がニコッとする。
「?」
2人の視線が交差する。
68−−:02/01/21 23:56 ID:VcvCNBWE

「あーん」

後藤が口を開けた。
「は?」
思わず声が出る。
つ、つまり食べさせろってこと??
なっ!そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ
保田は、心の中でツッコミをいれる。
「けーちゃ〜ん」
--でも・・・でも、後藤のそんな甘えた姿見てたら、なんか-----
「ガラじゃないのよね」
言い訳を言いながら、自分のスプーンを後藤の口にもっていく。
「ん〜、おいし〜。けーちゃんの味がする〜」
後藤は、もぐもぐと口を動かしながらそんなことを言う。
それから、またなにかたくらんでいるような顔になる。
「けーちゃんのスプーン貸して」
後藤は、保田の手からスプーンをとると、今度は自分でオムレツにスプーンをいれる。
そして、保田を上目遣いでチラッと見る。
「けーちゃん、あ〜ん」
「はぁっ?」
保田は、さっきよりもさらに大きな声を上げた。
(こ、今度は私が食べろって言うの!?)
後藤は、そんな保田をおもしろそうに見ている。
「早く〜」
後藤が、スプーンを近づける。
「ご、後藤、あのね、うっ@×*!!!」
保田が言葉を発そうと口を開けたところに、スプーンがねじ込まれる。
「後藤の味がするでしょ?」
後藤は、ウィンクした。
保田は口をモグモグ動かしながら、怒るのを忘れて呆れてしまった。

69−−:02/01/21 23:57 ID:VcvCNBWE

食事の後かたづけもすみ、保田はなにをするでもなく
ソファにゆったりと体を預けていた。
TVの前にいた後藤が、その隣に座ってくる。
「っていうか、あんた、今日泊まる気?」
保田は、気になっていたことを尋ねる。
「当たり前じゃ〜ん」
後藤は、ニコッと笑うと体ごと保田にのしかかる。
「ちょっ、ちょっとっ!!」
保田は、後藤の突飛な行動にいまだに慣れない。
慌ててその両肩を押して体を引き離そうとする。

次の瞬間、後藤に唇を奪われていた。
後藤の舌が、迷うことなく保田の中に滑り込んでくる。
「・・・んっ・・・ぅんっ・・・」
甘い痺れ。
酸欠気味の息苦しささえも、それを増幅する。
(や、ヤバイ・・・)
保田は、ともすればなくなりかけそうな理性を総動員して
後藤の唇を自分から離す。
しかし、後藤は少し息を吸って再び唇を近づけようとする。
それをとっさに片手で制止する。
「・・・も〜、なんでそう素直じゃないかな〜」
後藤が、髪を掻き上げながら不満の声を漏らす。
「そういう問題じゃないの」
保田は、顔をしかめる。
「じゃ、どーゆー問題?」
後藤は、そう言いながらも保田の胸に手を伸ばす。
(・・・全く、この子は)
「あのねー、いい加減にしなって」
保田は、思いっきり不機嫌な声を出す。
それに驚いたのか、後藤が不安そうに上半身を起こす。
下半身は、相変わらず保田を押さえつけているが-------

70−−:02/01/21 23:58 ID:VcvCNBWE

「--怒ってる?」
後藤が、おずおずと聞いてくる。
「怒ってない」
「ウソ、怒ったんでしょ?」
「だから、怒ってるんじゃないって」
「じゃぁ、なんでダメなの?」
後藤は、真剣だ。


ホントに、相変わらず自分勝手なヤツ・・・まぁ、そんなとこも好きなんだけど
でも、それは絶対に言わない。言ったらすぐ調子に乗るし・・・
じゃなくて・・・そんなことよりも、先にしなきゃいけないことあるでしょ

71−−:02/01/21 23:59 ID:VcvCNBWE

「あのね、あんた、石川に謝ったの?」
保田の頭には、いつもそれがあった。
だからこそ、後藤とそうすることが躊躇われるのだ。
案の定、後藤は保田から目をそらす。
「まだなんでしょ?」
「・・・し、仕事があわなくてさ〜」
後藤は、言い訳がましく口をボソボソと動かす。
「まぁ、謝りにくいわよね。それは、分かるわよ」
保田は体を起こし、後藤の髪を優しく撫でる。
「でも、謝らなきゃいけないの。2人でね」
後藤が、微かにうなづく。
「よしっ。じゃ、ちゃんと謝るまではキスまでね」
保田は、そう言ってすぐにしまったという顔になる。
それとは対照的に、後藤は満面の笑みに変わる。
「ってことは、謝ったらこの続き・・・アハっ」
「あのねー・・・」
(本当に反省してるんだろうか?)
保田の頭に疑問が浮かぶ。
後藤は、そんな保田の顔を見て真面目な顔になる。
「分かってるって。あたしだってバカじゃないから、自分のしたことがどれだけ悪いかって・・・
 反省もしてるし・・・だから梨華ちゃんには、ちゃんとしっかり謝る。
 ただ、ちょっと怖いからさ・・・」
そこまで言って、口ごもる。
(ふーん、そういうこと・・・) 
怖いから終わった後の楽しいことを考えてたいってワケか。
保田は、納得する。
(カワイイとこあるじゃない・・・やることはアレだけど・・・)
保田は、右手を後藤の首にまわし、左手を腰に回す。
「私も一緒に謝るからね」
そう、後藤の耳元で囁いてしっかりと抱き締めた。