176 :
その名は:02/02/11 00:07 ID:zbfUrbdD
「正義の味方。紺ブル仮面!」
「はぁ!?な、何だ。お前ら。」
「ほらぁ、矢口さんも…。」
大きい影は小さい影を突っつく。
「ケ、ケ、ケ…ケロぱん仮面参上!」
二人は男達に近づいていった。
紛れもない。二人は梨華ちゃんとやぐっつぁんだった。
…紺と緑のブルマを顔にかぶってはいたけれど。
「これ、ムチャクチャ恥ずかしいんだからね。」
ケロぱん仮面は照れながらに言った。
そして小さい体を活かして男の懐に入ると、男の胸倉を掴んだ。
ブワッ。豪快に円を描いて男は投げ飛ばされる。
紺ブル仮面の方は僕に近づいてきた。
「…梨華ちゃん。…どうしてここが?」
「『思い出した』ってトコかな。それと、今は紺ブル仮面よ。」
そう言うと、こちらも男の方へ向かった。
結果は火を見るより明らかだった。
梨華ちゃんがデッキブラシを持っていたのが決定的だった。
お得意の剣技で、それこそ掃除でもするかのように男を倒した。
「大丈夫だった?」「…うん。…何とか。」
「もう。4人相手って無理しすぎだって。」
「へへへ…面目ない。じゃ、帰りますか。」
「はぁ、はぁ。待ちなさい!」
表通りに向かう僕達の前に、新手が立ちはだかった。
「はぁ。…すぅぅ。ブッシュ仮面参上!」
モンスラをはいてブッシュのお面のごっちんが、肩で息をしていた。
「もう。みんな、なっちがトイレいってる間に
どこ行ってたのよぉ。……あ。ひどい怪我!」
「やっぱ、病院行ったほうがよさそうだね。」
やぐっつぁんが僕に言う。
「…そだね。何か、死んじゃうかも…。」
「って言ってた割にはよく食べるね。」
「いやぁ。打撲だけだって聞いたら元気になっちゃって。」
「ごめんね。」
ごっちんはずっとしおらしくしている。
「大丈夫だって。別にごっちんのせいじゃないし。
ほら、体も何ともないし。おいしいよ。コレ。」
目の前には豪勢な料理がところせましと並んでる。
…それより。
「梨華ちゃん、なんで僕を助けに来たの?
ほっといたら死んでたかも知んないのに。」
僕は小声で、梨華ちゃんに聞いた。
「あのまま死んでたら、私まで悔しい記憶を
持って生まれてくるんだよ。そんなの嫌だもん。」
なるほどね。そういうコト。
「アリガトね。」
理由はどうであれ、助けられちゃったもんな。
「あーあ。なっちもケロぱん仮面見たかったなぁ。」
「バラしたな、石川。」
「石川じゃないですよぉ。この人が勝手に…。」
「え!?僕?違うって…イテテテ。
ちょっと待ってよ、やぐっつぁああん。」
178 :
就寝:02/02/11 00:11 ID:zbfUrbdD
ふう。今日は1日いろいろありすぎたな。
僕は床に就いて考えていた。
でも1日中、梨華ちゃん達と一緒だった。しやわせだよなぁ。
…で、今もこの屏風の向こうには…。
僕と4人の間には、仲居さんによって屏風が立てらた。
軽く押せば倒れそうな屏風…。
「覗いたら、殺すからね。」
さっきのやぐっつぁんの言葉が頭をよぎった。
ヘンな考えはよそう…。
でも、もし向こうから来たら…ねぇ。
僕は布団の中にザブトンを引っ張り込んで丸めた。
こっからこう持ってきて、こう。
んで、ぶちゅーっと、ぶちゅーっと。
…は、アホらし。トイレにでも行ってこよ。
僕は床を出た。
ふー。すっきりした。
僕が戻ってくると、僕の布団の横に人影が立っていた。
…これは、ひょっとすると、ひょっとするのか?
179 :
夜這い:02/02/11 00:13 ID:zbfUrbdD
人影は僕の布団にまたがった。
…大胆だなオイ。本物はココですよー。
今、行きますからねー。
あれ?僕は足を止めた。
影は両手を大きく挙げると、布団に叩きつけた。
月明かりの中で、何度も何度も両手を叩きつける。
両手の中できらきら光るナイフ。
って、丸っきり怪談じゃん!
「あ…。」
僕と梨華ちゃんの目が合った。
梨華ちゃん、薄ら笑いを浮かべてる。
「ぎゃーーーー。」
「ん、どしたの。」
僕の声にみんな起きだした。
「あー、石川ぁ。お前、夜這いかよ。」
「おっ、梨華ちゃん、ヒューヒュー。」
「違うんですって。ちょっと寝ぼけちゃってて…。」
「言い訳はいらないって。いよっ、今夜は寝られないねぇ。」
やぐっつぁん…。その通りだよ。
今夜は眠れない…。少なくとも僕は。
ま、リクエストの取捨も作者の自由ってことで
181 :
名無し:02/02/11 01:07 ID:WrGRdgOf
ごっちんのエロに期待してしまったよ…
おもろいから別にいいけど。
今のチャーミーは電気屋の事故で氏んjから
娘。との記憶はないのではないかと思ったり
でもケロぱんワラタ
183 :
名無し :02/02/11 23:58 ID:FUaYztZX
うーん…オモシロクナクナッテキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
184 :
書くよ:02/02/12 22:12 ID:eiM3IwlZ
皆さんいつもアリガトー。何か、また来週末まで忙しい…。
>>182言っておられるのは
>>176の石川さんの台詞のこと?
主人公はまだ死んでないから、今の主人公の記憶は石川さんに
受け継がれるみたい。
>>177で石川さんがそんな感じのコト言ってるし。
そこのことじゃなかったらスマソ。って、補足してる漏れカコワルイ(w
更新回数減りまくると思いますが、時々見てくれるとウレスィです。
185 :
名無し:02/02/14 15:50 ID:RviC5DNF
ブッシュ仮面見てぇ・・・。保全
186 :
ほぜえん:02/02/14 21:06 ID:QBxR2kpe
保全
187 :
保:02/02/16 00:57 ID:MoiqVpo6
全
保全
189 :
hoze:02/02/17 20:57 ID:a3o6t8wt
hozen
ミスった あげてもうた
あと1週間も保全しなきゃなんねえの?
作者は幸せモンだな
192 :
書くよ:02/02/18 16:26 ID:zApHKAJ8
スマソ。アフォみたいに忙しくて、書けない。
バレンタインデーともう一回ぐらい書く予定だったのに…。
ふぁーあ。結局、昨日は一睡もできなかった。
今日は何すんだろう。何にしてもこんなに眠いんじゃ、
体も動かないけどね。
「あ、やぐっつぁん、おはよう。」
「おはよ。…何ボーッとしてんの。
ホラ、早く荷造りして。ごっちんも寝ないの。」
「えー、もうちょっとだけぇ。」
見るとすでにみんな荷造りを終えている。
「…今日はどこいくの?」
「何言ってんのって。帰るの、お家に。」
「え!?もう帰っちゃうの。」
「当ったり前でしょ。うちらは忙しいんだから。」
というわけで、思い描いてた甘い夜もなく
みんなとの旅行はあっという間に終わったのだった。
「おーい。電車降りるよー。」
「だめだぁ。この人、完璧に寝てるよ。」
ん…、やぐっつぁんになっちの声がする。
「ちょっと、ごっちん手伝って。」
「え、背負うの?梨華ちゃん。」
あ、何かあったかい。心地いいなぁ。…もう一眠り。
194 :
帰宅:02/02/19 15:51 ID:MWhZH7xP
「じゃあ、ここで下ろそっか。」
「え、こんなとこでいいの?」
「うん。ココ、この人の実家だから。」
「げー!すっごい門構えだなぁ。
石川のイトコってお金持ちなんだ。」
「そうなんですよぉ。…これでよしっと。
じゃあ、帰りましょっか。」
「でも、ここ道端だよぉ。」
「こんな大勢でお邪魔するのも悪いでしょ。
きっと、お家の人が気づいてくれますよ。」
ううん。…みんな僕を家まで運んでくれたのかぁ。
ちょっと寒いけど、眠い。やっぱ昨日寝れなかったしなぁ。
ふぁーーあ。目、塞がってきちゃう。
「…兄ちゃん。起きんかい。」
「う…ん。梨華ちゃん?…アレ?」
…立派な門だなぁ。それに、怖そうなお兄さん方。
「兄ちゃん、喧嘩売りに来たんか?」
「と、とんでもない。」
僕は手を思いっきり振って否定した。
…て、いつの間にか僕の手にナイフくくってあるし!
「てめぇ、どこの組のモンじゃい!」
梨華ちゃん、ちょっとシャレになってないよ…。
195 :
書くよ:02/02/19 15:55 ID:MWhZH7xP
多忙でクオリティ(あったのか?)の低下が免れない。
よって、勝手ながら完結させていただきます。だからって急造のストーリーじゃ
ないです。終わらせ方はずっと考えてきたんで…。では、どうぞ。
196 :
数日後:02/02/19 15:57 ID:MWhZH7xP
ピポピポピポーン。
いつものようにチャイムが鳴る。僕は玄関に向かう。
「ちゃーおー。ちょ、ちょっと飯田さん。」
「どうもー。いつも石川がお世話になってます。」
飯田さんが割り込んできた。…今日はこのコンビか。
部屋に入ると、二人は僕の対面にコタツに入った。
飯田さんが急に話を切り出す。
「あのねぇ、石川はこう見えていい奴なんだよ。」
「ちょっと何言ってんですか、飯田さん。」
「でも石川、ちょっとネガテブだからね…こう、
自分の気持ちに自信がないっつーか。」
「ちょっと、飯田さん。」
梨華ちゃんの制止もお構いなしに、飯田さんは続ける。
「実はね…石川って、あなたのことが…。」
「えいっ!!」
梨華ちゃんのチョップが飯田さんの首に刺さる。
ドサリ。そのまま前に突っ伏す飯田さん。
「あーあ。やっぱり飯田さんに相談したのが間違いだった。」
197 :
真相:02/02/19 15:58 ID:MWhZH7xP
「飯田さんだったら、前世とか詳しそうだと思ったんだけど…。
もうっ。ヘンな誤解しちゃって。」
梨華ちゃんは僕のほうに向き直った。
「ま、いっか。今日こそは死んでもらうから。」
笑顔ですっくと立ち上がる。んー、やっぱそう来るか。
梨華ちゃんは僕の前に歩いてきた。
「え。どういうこと?石川。」
梨華ちゃんの背中から声が聞こえる。
「い、飯田さん…気絶したんじゃ。」
「するわけねぇっしょ。あんたの貧弱なチョップじゃあ。」
飯田さんは、平然と首をさすっていた。
「へー。じゃあ、この人が死ななきゃ、石川が死んじゃうんだ。」
一通り話を聞いた飯田さんは、僕を指差して言った。
「いや…。私が死ぬわけじゃないと思うんです。
ただ、別の人の魂が転生することになって、この人の記憶も
私の記憶もなくなって、別人になっちゃうのかな…って。」
梨華ちゃん…。そっか、僕そこまで深く考えてなかったな…。
「それじゃあ死んじゃうみたいなもんだよね。
そうだたっんだ。私、てっきり恋愛の相談かと…。」
「だから、違いますって!」
飯田さんは一人でうなずいている。
「よし、石川!私の知り合いの霊媒師に見てもらおう。」
バンッ。コタツを叩いて飯田さんが立ち上がった。
そんなわけで、僕達は霊媒師さんのところへ向かうことになった。
…ここか。何か怪しい雰囲気でてるよな。
「じゃ、私と石川で行ってくるから、あなたは待っててね。」
そのまま、二人が出てくるまで僕はじっと待っていた──。
198 :
そして:02/02/19 16:00 ID:MWhZH7xP
早いものであれから一週間がたった。
肝心の梨華ちゃんは、…というと
「たー。今日こそ死んでもらうからね。」
相も変わらず、僕を歩道橋から突き落とそうとしている。
「だー。危ないってば、梨華ちゃん!…ふふっ。」
「何がおかしいのよ。本気なんだからねぇ。」
…梨華ちゃんは知らない。
あの後僕が、飯田さんから霊媒の診断結果を聞いたことを。
「魂ってのは、そんな簡単に出たり入ったりしないんだって。
だから、あなたの魂は、やっぱり石川に行くんだって。
ただ、あなたの死期が延びたから、石川、普通の人みたいに
これから前世の記憶が消えていくだけ。」
「じゃ、じゃあ。」
「そ。前世のあなたにこれから起こることが
思い出せなくなったり、デジャヴを感じなくなるだけだって。
案外、普通でつまんないの。」
──でも、あれから毎日僕の命狙いに来てるんだよな、梨華ちゃん。
これってやっぱり…
「ふふっ。って危ないって、ホントに死んじゃうって。」
「やーい。やーい。それっ、それっ。…あっ。」
「梨華ちゃん!!」
梨華ちゃんが…勢い余って歩道橋から…落ちた。
「梨華ちゃん!」
だめだ、足がもつれて上手く走れない。
…こんなに長かったっけ、階段って。
心臓がバクバクいってるのが聞こえる。
せっかく、せっかく、これからだって思ってたのに。
──何とか、歩道橋を降りきった。
「梨華ちゃん!!」
「梨華ちゃん!!…あれ?」
「ほんまやったら、ここで死ぬはずやったんやなぁ。」
梨華ちゃん…抱き受けられている。
「な、何でここに…?」
抱いているのは…
「あたしもホンマ間抜けやったんやなぁ。」
…な、中澤さん!?
「ま。助けてしもたから、もうしばらくしたら
あんたの記憶もうちに流れて来んようになるんやろな。」
「ん…た、助かったの?…な、中澤さん!?」
梨華ちゃんも気がついたみたいだった。
「どうなるか分からんけど、石川を幸せにしたってな。」
って、いうことは…
「石川、あんたもしっかりしぃや、前世のわ・た・しなんやから。」
だぁーーー。そんなことって…。
おしまい。
200 :
書くよ:02/02/19 16:11 ID:MWhZH7xP
最後まで、お付き合いくださいましてありがとうございます。
ま。来来世の自分がいなけりゃ、娘。もなくて石川にも出会わなくて…
あなたの隣の人ももしかしたら、なんてありがちのフレーズですが。
どうも、お粗末さまでした。終わり方に満足いかない方すんません。
更新ばっかり長くって、文も下手で小説というより、ネタって感じだったかも(w
最後にもう一度、──少しでも見てくれた人、サンクース。
ええねん ええねん ええやん 良かったやん
今更ですが、もしかして、「ここで殺れ」?
203 :
名無し:02/02/20 02:58 ID:kYvswN8Y
ワオ!!
いい終わり方!!!!!
また書いてくださいね。
続編よろしく。
205 :
書くよ:02/02/22 16:27 ID:rhLQVQSk
皆さんどうもありがとう。
自分で読み返してみたんだが、正直おもしろいな(w
>>202途中にもそんな話出てたけど、意図してなくてこっちが感心した。
忙しくて、続きも新作も考えてません。まぁ、出せといわれたら出せるのも
あるけど多分、面白くないんで。3月下旬に暇になるから、新作でも練って
またどっかの廃スレで細々と書くかも。そのときは、どうかひとつ。
あと、このスレもったいないし、誰か小説でも書きませんか?
条件:年齢・性別・経験不問。こんな駄作の後でもいい方。
って、漏れの言うことじゃないのかも知れないが…。
206 :
名無し:02/02/22 18:19 ID:uQWZrFL9
>>205 是非書いてください。辻の恋の行方が気になるので。それか全くの新作でも
構わないのでどうかひとつよろしく。
ぎゃあ、終わってるし・・・。
何はともあれ作者さんおつかれさん。
また書いてね。
氏にスレ ハケーン
狼で書いてたのを、転載。
こんなのでよかったら、お付き合い頂ける方 キボン
99 :連続小説第一回 :02/02/25 19:30
「あら、ごっちんどこ行くの?」
(つづく)
101 :勝手に 連続小説第二回 :02/02/25 21:08
>99 勝手にリレーするよ。
返事がない…
最近、後藤が冷たい。
「ねぇ、後藤 聞こえてる?」
もう一度呼びかけてみる。
……返事がない。
いつもならここで諦めるのだが、最近の後藤はちょっとおかしかった…
気になった私は再度声をかけようとして、唐突に同じ光景を思い出した…
〜ほんの、数日前〜
「はい。そのまま。はい、いいよその表情」
カメラマンがシャッターを切る。
ここはとあるリゾート地。
今ここでプッチモニのグラビア撮影が行われていた。
海が美しいとあって、当然撮影場所はその海岸。
そして、プッチモニは水着姿であった。
すでに吉沢を含んだ撮影は終っているため、今は保田と後藤の二人だけである。
「はい、もっと二人、引っ付いて」
カメラマンの要望に、
「なんか照れるね」
「そうだね、圭ちゃん」
保田と後藤は少し照れ笑いを浮かべながら、お互いに手を回して抱き合うと、
カメラ目線に笑った見せた。
二人がいい表情になると同時にカメラのシャッターが切られ、
フラッシュの光が何度も二人を照らした。
105 :勝手に 連続小説第三回 :02/02/25 21:52
その日の撮影は予定通りに終わり、宿泊先のそれぞれの部屋で
眠るまでの時間を過ごしていた。
「ごと〜ぉ、いるぅ〜」
保田が入ってきた。
「んぁ、圭ちゃん」
うとうとし始めていた後藤は、ちょっとタレていた涎をベットのシートで
拭いて、うつ伏せていた体を半分起こした。
「えへぇへぇ〜」
後藤が声をかけると、保田はふらふらと近づいてきて…
ベットの上の後藤に、いきなり抱きついた。
「ど!どうしたの。圭ちゃん」
後藤の寝ぼけていた頭が、一気に覚醒する。
後藤は組み敷かれた体をひねって、保田を見上げる…
向かい合った後藤の顔に、保田の息がかかり思わず叫んだ。
「酒くさーい。圭ちゃん、飲んでたの?」
よく見れば保田の顔は赤く、かなり飲んでいる様だ。
「へぇへぇ〜...後藤も飲む?」
「飲む? じゃないよ〜、ごとーはまだ、未成年だよ。」
「何よ、ごとー。堅いこといわないでさ、一緒に飲もうよ。」
保田は無理やり後藤に飲ませようと、手にしていたワインを後藤の口に持って
いこうとする。
「ちょっと、圭ちゃんやめて」
「いいじゃん、一緒に飲もうよ」
「イヤだって、もぉ、怒るよ」
後藤のイヤがる声が強くなる。
「わかったわよ〜」
保田が残念そうに諦める…
少しホッとした後藤は、保田の下から体を引き抜きにかかる。
っと、次の瞬間。
保田がワインをラッパ飲みすると、そのまま後藤の唇を塞いだ。
「んっ..んんっ...」
後藤の咽喉に、ワインが流し込まれてゆく…
(迷惑じゃなきゃ、つづく)
保田は舌を使い、後藤に口にワインを流し込んでゆく…
保田の唇から流し込まれるワインは思ったよりも冷たく、
静かに後藤の喉を蹂躙していった…
「ん..はっ」
保田の唇から開放された後藤は、大きく息を吸い込む。
蹂躙された喉を癒すかのように、後藤は細く息を吐き出した。
「えへぇへぇ〜、コレでごとーも飲んだね」
保田は嬉そうに言うと、組み敷いていた後藤の上から体をどけ、
ベットに仰向けになる。
保田の体から開放された後藤はベットから体を起こし、ドアに向けて
陶然とした足取りで歩みだす。
「ちょっとぉ ごとー、何処行くのよ」
返事は無い…
「ねぇ、ご・と・お ってば〜」
返事は無い…
ドアにたどり着いた後藤は、ためらい無くドアノブに手をかける。
「後藤さん。ごっちん。真希chan〜」
バタン!
呼びかける保田の声を無視して、ドアが重い音を立てて締まる。
「もぅ ごとーったら、ウブなんだから〜」
「キスしたぐらいで、怒る事ないのに〜」
後藤の部屋に、一人取り残された保田はそう嘯くと、
「帰ってくるまで、待ってるからなぁ」
と呟き、唇の感触が残る自分の唇を、愛しげに指でなぞった。
一人の時間は、ワインが保田の喉に流し込まれて行くのと同じ様に、
静々と流れて行く。
何時しか保田は、後藤のベットで深い眠りへと落ちていった…
翌朝、朝日が砂浜を焦がし始めるまで、部屋の主は帰っては来なかった…
その日の仕事も、昨日の撮影の続きだ。
保田、後藤、吉澤の三人がそれぞれ水着に着替え、写真に映し出されていく。
午前中は三人での撮影。
そして、午後からは再び一人での撮影と、二人組を作った撮影であった。
今は保田と後藤が撮影を行っているのだが、スタッフの顔が優れない。
「どうしたんです?」
一人ジュースを飲んで休んでいた吉澤が、スタッフの一人に聞いた。
「何かさ、あの二人。表情が固いんだよね…喧嘩でもしたの?」
「さあ、聞いてないですけど……」
吉澤が言葉を続ける。
「昨日、ごっちんが私の部屋に押しかけて来た時は、何にも言ってなかったですけど。」
「ん〜 このままじゃ、写真の構成を考え直さなきゃ、いかんかなぁ」
呟き立ち去ろうとするスタッフに、吉澤の疑問が飛ぶ。
「どこを、変えちゃうんですか?」
「ん? どこって、このままじゃツーショットは使えないよ」
スタッフは言葉を切ると、浜辺の二人を見る。
その視線を追う様に吉澤が二人を見ると、ギコチナイ笑顔の後藤が目に入る。
確かにソレは、アイドルが、惹いては女の子見せる笑顔からは程遠かった…
果たしてここに書いて、読まれるのかな?
ま、駄作だし。
続きを考えてないし。
逝ってもいっか。
もし、読む使徒がいたら、保全してくれるとありがたい。
更新不定期で、コソーリ マターリ 続けられると、ありがたい。
長文をウザがれなければ、なおありがたい。
スレタイトルが「ここでやれ」だから別に悪くないと思います。
だって、最初から乗っ取りスレだし。
でも、フィニッシュはキメてください。
ずいぶん昔に、読んだ記憶がある話。
保存庫などをさ迷っても見つからなかったので、記憶を元に再構成。
結構面白かったので、紹介の意味も込めて書き込みます。
>213
フィニッシュを考え中なので、こんなネタで閑話休題。
読んで頂けてありがたい。
「吉澤ひとみ」修学旅行放浪記」
∀月α日 天気:やや曇り
修学旅行に出かけて何日くらい経ったのか、
よくわからなくなってきました。
目的地に着く様子もなく、かといって家に帰る様子もないっす。
そもそも目的地なんてあったのか…。
修学旅行って人生みたい…終わりない・NA・ない修学旅行!
あまり素晴らしくないっす……そんな気がするっす。
∀月α日 天気:やや曇り のちに ややうす曇り
班別行動で清水寺へ。
清水の舞台から女の人が飛び降りようとしていて大騒ぎでした。
女の人は「オーディション・グランプリを獲ったのはあたしや!売る気が
ないんやったら飛び降りたるでぇ」と叫んでいました。
平家さんに似ている気がしたけど、最近、見かけないので自信
がないっす。
急がば回れと言うけれど……回り道しすぎも問題ですよね。
○月β日 天気:雨
昨夜、泊まった宿は“ざしきわらし”が現われるという噂の宿。
寝ている間、誰かが胸元に何かを置いていった気がしたけど、
そのまま寝てしまいました。
明け方、目を覚ますと胸元にベーグルとゆで卵 がありました。
間違いなく加護っす、こんな事をするのはあいつしかいないっす。
……そんな気がするっす。
○月β日 天気:雨
夜、梨佳chanの声が聞きたくなって携帯から電話する。
何の脈絡もない、くだらなくて笑えない話を延々1時間も聞かされた。
かけなきゃ良かった気がするっす。
どうでもいいけど、自分からかけてきたときはすぐ切るクセに、
あたしからかけると延々お喋りするのはやめて欲しいっす。
梨佳chanは、絶対に計算してやがるっす!
○月γ日 天気:晴れ 時々 なっち
今日は奈良。
いままでの展開を読むに、加護あたりと会うのかな?
っと思っていたのに、奈良公園で見たのは、鹿と”せんべい”
を奪い合っている安部さんでした。
とりあえず、今朝入手したゆで卵とベーグルを食べさせました。
安部さん、そんなに食べると太る気がするっす。
○月γ日 天気:晴れ 時々 UFO
午後、新幹線で広島に移動するため、京都駅に。
新幹線ホームの先頭に飯田さんが立っていました。
ホームに新幹線が入ってくるたびに「銀河鉄道はマダか〜」と叫びます。
そう言えば昔、言ってたっす。
「よっすぃは、機械の体がほしくない?」って。私はいらねっす。
でも、今のままでも十分機械っぽいっす。要チェケラッチョー!!
>214-215
漏れも読んだ記憶がある
妄想楽屋裏で連載してたよね
ひさぶり読んでワラータ
続きをキボ
○月γ日 天気:晴れ 時々 後藤さん
夜、今日はごっちんに電話。仕事の話を聞く。
ファンの人たちがあたしのことを忘れるんじゃないかという気がしてきて、
ちょっと不安っす。
「大丈夫だよ。イグアナだって脱皮するのに時間がかかるんだから、
よっすぃーもゆっくり修学旅行を楽しめばいいじゃん」
何が大丈夫なのか、よくわからねぇっす。そんな気がするっす。
○月А日 天気:晴れ またまた飯田さん
広島。朝起きると誰もいない。目覚まし時計が壊れてしまったみたい。
…っていうか、置いてくか 普通?
こんなことなら昨日、京都駅から飯田さんを連れてくれば良かったと思う。
「ディアーーー!!」の叫び声で目覚める朝。
目覚めた途端、瞳孔拡大状態の飯田さん。
ぢっと見つめられて、ステキな目覚め♪
いや、連れてこなくて良かった…そんな気がするっす。
○月∂日 天気: 晴れ 時々 なつみさんかな?
しょうがないのでクラスのみんなを探しに平和公園に。
公園内をさ迷っているとハトにたかられている女の子が…
って 辻じゃん。
「あめだま、たべるれすか?それとも、豆がいいっすか?」
辻の足下には、ハトと豆を取り合う安倍さん…
いくらお腹が減っていても、人としてのプライドは失いたくねっす。
安部さん。辻なんかに餌付けされねでほしいっす。
218 :
保全:02/02/28 22:51 ID:BZguMF2e
保全
219 :
保全:02/03/02 15:13 ID:8IOxItGB
保全
220 :
保全:02/03/05 07:00 ID:qegNevD4
保全
○月∂日 天気: 晴れ 時々梨佳chan
午後、ようやくクラスの皆と合流できたっす。
ほっと、一息つけたっす。
ん、待つっす。この機会に東京へ帰ってしまえばよかたっす。
後悔しても始まらねっす。ここはボヨヨ〜ンで、レッツ ポジティブっす。
そう思い、バスに乗り込むなり目を見張る…
「…修学旅行、それはまさに無限に続く挑戦の旅路っ!」
ポジティブな思考は、甲高いチャミ声に破られてしまたっす。
「どもっ、はじめまして。バスガイドのチャーミー石川ですっ!」
唖然。
なにがチャーミーだよ、このバカガイドっ!
人生何が有るかわかんねっす。YO チェケラッチョウ!!
○月∂日 天気: 温泉 時々 なっち?
なぜか大分。ここは別府。あのバカガイド、何をかんがえているっす。
修学旅行で温泉に来るなんて、なんか間違ってる気がするっす!
でもでも人生。何が有るかわかんねっす。要 チェケラッチョウ
と、言いつつも”ゆで卵”を作るにはもってこいであるのもまた事実っす。
安倍さんにゆで卵を食わして以来、ゆで卵のない生活を送ってきたのでつらいっす。
旅館を抜け出し入手した生卵をざるに入れ、源泉につける。
あとで取り上げるとき、火傷をするといけないのでザルに紐をくくりつけ
ておくのも忘れないっす。
1時間後、紐を引っ張りあげるとざるの先には安倍さんがかかってたっす。
釣りをしてたわけではないのはいうまでもないっす。
せっかくの温泉卵を食べてしまった安倍さんを、再び源泉に突き落とす。
あとで拾い上げるつもりはないので、当然、紐はつけないっす。
○月Б日 天気:晴れ とか、そういう問題では無い気がするっす。
バスは別府を立ち一路、長崎へと向かう。
気のせいか、車内は少しばかり寒いみたいだ。
バスガイドの何の脈絡もない話が関係している。直感的にそう思うっす。
おまえの写真集撮影の自慢話なんて聞かされても…。
「あ、そうそう。みなさま、右手をごらんください」
そういうとガイドは自分の右手を大きく前に突き出す。
バスの右側の窓の方をのぞき込む
のぞき込んだ窓の向こう側には特に何があるわけでもない。
「そうじゃなくって、チャーミーの右手を見てください……チャオ〜!」
バカガイドの右手は、心なしか小指が立っている。
秋の気配がまた一段と深まった…そんな気がするっす。
しかし、懲りない女っす。
二度と立ち上れないようにする必要があるっす。
絶対にそうするっす!そうしなきゃいけない気がするっす!
○月Б日 天気:晴れたらいいね〜♪
長崎に到着。
クール宅急便のようなバスから逃れ、友人達と中華街へと向かう。
ぶらぶら歩いていると、中国風の民族衣装を身にまとった小さな男(?)が
路地占いをしている。
いや、近くで見ると明らかに付け髭をつけた加護っす。
こいつ、こんなところでなにやってるっすか、少し笑ってしまったっす。
「お嬢さ〜ん、笑っちゃいけましぇーん。手相を見て、あげましょう!」
言われるがままに左手をさしだしてしまったっす…
「う〜ん。おー、これは女難の相が出ていますねー」
……女難の相って、あたしは女だよ……心当たりは、まぁ、ある気がするっす…
「それにキャラが立ってないので使いづらいと出ていま……バキッ」
あたしの右ストレートは的確に加護のアゴをとらえ、加護は中華街の路上
にスローモーションで崩れ落ちていったっす。
加護…今のあんたにそんな事言われたくないっす…。
○月В日 天気 : 二人暮らし 日和
平和公園へと向かう途中、知り合いに声をかけられたっす。
「おー、吉澤やないか。ちょうどええところであったわ。
あんな、これから麻雀しょ−と思ってな、ピンフ(平和)公園ゆ〜雀荘に行きた
いんやけど、どっちにいったらええか知っとるか?」
…ピンフ公園じゃないだろ! 雀荘じゃないだろ!
何を勘違いしてるんだ、このひとは?
このままでは、目的地がカブってしまうので、とりあえず、まったく反対方向を
指さしておくっす。
「おおきになー、東京に帰ったら、矢口と美味しいもん食べにつれたったるさ
かい、楽しみにまっとれよ。」
美味しい物ってベーグルっすかね、気をひかれるっすが、矢口さんとは…ちょっと…
平和公園と、わたしの平和を守った気がするっす……多分、そんな気がするっす。
○月В日 天気 : ヤンバルクイナ来襲!
中澤さんを騙くらかしての平和公園。
なんか広島でも似たようなところに来たような気がするっす。
でもでも、そこは人生。何が有るかわかんねっす。要チェケラッチョウ!
そんでもって、長崎の平和公園といえば平和祈念像。恒久の平和を祈願して建立
された像だって事は知ってるっす。しかし…
平和祈念像の前には矢口さんが、平和とは程遠い表情で仁王立ちしてるっす。
「なによっ! 勝負しようって言うの! それならひとの顔をちゃんと見なさいよっ!
ちっちゃいからって、なめんじゃねえーよ! 殺すぞ コラァ !」
平和祈念像は決して矢口さんと目を合わせようとはしなかったっす。
矢口さん、本日の戦績 : 1戦1勝
○月В日 天気 : もはや、どうでも良い…
午後は佐世保のハウステンボスに行ったっす。
因みに住所は「佐世保市ハウステンボス町」 なんかバカにされた気がするっす。
人工の町をぶらぶらしていると、人造人間…ぢゃなくて飯田さんに出逢った。
「圭織、思うんだけどさ、なんかオランダっぽい町並みがロマンティックだよね」
「…はぁ、ロマンチックですか」
「ロマンチックじゃなくてロマンティックでしょ。」
「でもさ、お花畑とかもたくさんあって、メルヒェンな感じだよね」
「…メルヘンっすよね」
「ちがう。メルヒェンっ!」
そう言い捨てると飯田さんは、夢遊病者の様な足取りで去っていきました。
どこにどういう違いがあるのかよくわからいっす。
ひょっとしたら故障している気がするっす。
○月Д日 天気:東京に帰れるかもしれねっす。心は晴れ模様っす!
博多駅、新幹線ホーム。
東京へと向かう新幹線のホームへと、とうとうやってきたっす。
ホームには既に新幹線が止まっているっす。
この新幹線に乗り込むことさえできれば、きっと帰れるはずっす。
新幹線の乗降を待っているとツカツカと歩み寄ってくる背の高い女性。
…飯田さんっす…
「吉澤、あなたが乗るのはこれじゃないよ。銀河鉄道999に乗りなさい」
な、なにを言ってるっす、この人は?
飯田さんはあたしの腕をつかむと、大きな瞳でヂッとあたしを見つめて…
「…吉澤! あんたは機械のカラダが欲しかったんじゃないの?」
前にもこんな事が有ったきがするっす。
でも、やっぱり、いらねっす…
…第一、そんなの修学旅行と関係ないっす。
○月Д日 天気:もはや、天気とかそういう問題じゃないっす!
新幹線の乗車口が開いたのを確認すると、あたしは絡みついた飯田さん
の手を振りほいたっす。
この新幹線を逃したら、もう帰れないかもしれないっす!
慌てて乗車口に駆け寄ろうとするあたしの前に、あの人が立ちふさがたっす。
…矢口さん…
「よっすぃ! ちょっと待ちなさい! あたしを倒さないと新幹線には乗れなっ…」
喋り終わるか終わらないかといううちに、
あたしの上段回し蹴りが、矢口さんのノド元に鮮やかに決まったっす!
不意に呼吸器官への一撃をくらった矢口さんはその場にへたり込んでしまったっす。
− 敵を目の前にしてのお喋りは、時間の無駄だって教えてくれたのは
矢口さん、あなたですよ。
なにはともあれ、吉澤ひとみ、矢口さんに初勝利っ!!
○月Д日 天気:新幹線に乗り込んでホッと一息。
車内に乗り込み、ホッと一息。
もう邪魔する奴はいないはずっす。
安心したら、なんだか眠くなってきたっす。
ウトウトとしているとアニメ声の車内放送…なんか、嫌な予感がするっす。
「みなさま、はじめまして。新幹線ガイドのチャーミー石川ですっ!」
新幹線ガイドって何だよ?
あたしの心配をよそにバスガイドならぬ新幹線ガイドは喋り続ける。
「はいっ、それでは続いてぇ可愛い運転士さんを紹介しましょう。運転士の辻ちゃんです」
「運転士のつじのぞみれすっ! がんばりますっ!」
「なんで辻ちゃんが運転士かと言うと、のぞみ号だからなんだよね〜」
「はいっ。がんばりまーす!」
帰れない気がするっす。
○月Д日 天気:もう勝手にしてください。
なんだか嫌な予感が徐々に増してくるっす。車内を観回すと…
通路を挟んだ席に座った飯田さんは、「ディアーーーー」と、さっきから発声を繰り返してるっす。
車内放送ではチャーミーが、テニス部の部長時代の苦労話を語っているし…
かと思えば、たまに車内販売員の格好をした安倍さんが「全部、なっちが食べたっしょ」と
言いながら空っぽになったカートを引っ張っているっす。
気分の変えようとトイレに行くため、席をたつ…ん?
さっき倒したはずの矢口さんが凄い形相でこちらに向かってくるっす…
アレ? あたしに気付かずに行ってしまったっす。
トイレに行くと中澤さんが矢口さんに背中をサスサスされながら、洗面台に向かって
ケロケロしてるっす…
…席にかえるっす…
なんだか完全に包囲されているみたいっす。このまま無事に帰れるわけがないっす。
あたしはとりあえず寝ておこうと思い、目を閉じた。
…そういえば、ごっちんと、保田さんはどうしているんだろう?
Zzz…
○月Д日 天気:もう勝手にしてください。
目が覚めると…自分の部屋っす。
目覚めたばかりだというのに疲れがとれてない感じがするっす。
ベッドの脇に目をやるとそこには、大きめのバッグ。
そうか、今日は修学旅行の出発日っす。
昨日はプッチの新曲のレコーディングで部屋に帰って来たのが、
たしか…2時をまわっていたっけ…そりゃ、疲れもするっす。
ぼんやりしたまま、目覚まし時計を見ると…
と ! 止まっているっす!
起きるはずだった時間をとっくに過ぎているっす。
やばひぃっ ひさぶりに学校の皆に合えるつーのに遅刻っす!
…でも、こんな事が前にもあったような気がするっす。
何とか集合時間に間に合い、先生の点呼の声を聞いていると、
不意に、保田さんの言っていた言葉を思い出した。
「吉澤、明日から修学旅行なんだよね。楽しんできなね。
…ちょっとオカシイかも知れないけど、私、娘。って修学旅行みたいだって思っているんだ。」
「修学旅行ですか?」
「そ、修学旅行。なんかさ、これだけ女の子が集まっていると、女子校って感じがするんだよね。
…ま、年齢幅は広いけどね。そんな風に思えない? 」
「あっ 言えてるかもしれないっす。でも、保田さん変な事ばっか、考えてるっすね。」
「吉澤…、変な事って…ま、確かに変だけど……
保田さんの話を思い出しながら、どこに向かっているのかもわからない、娘。たちの修学旅行も
いつかきっと終わる。そう思ったっす。だから、あたしは静かに祈った。
どうか、娘。達の修学旅行がもうしばらく続きますように、と。
「ほらっ、おまえ達、もうすぐ出発するぞ !」
先生のあたしたちを呼ぶ顔に、中澤さんの顔がちょっとダブって見えた。あはは、引率のお姉さんだ。
友達と顔を見合わせ、あたしは先生の待っている方へと駆けだした。
あたしたちの修学旅行はまだまだ終わらない。そんな気がするっす。
おしまい。
225 :
保全:
保全