ここでやれ

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122全員集合
「はぁい。ごっちん。」「なのれす。」
梨華ちゃんによっすぃー、そしてののちゃんだ。
「ずいぶん目立ってたれすねー。」
「えへへ。結構熱中しちゃって。」
「じゃあ、みんな集まったし、行こっか。」
「そだね、AKBDだもんね。」
みんな隠し事をしている子供みたいに
ニシシと笑って、僕を見た。
「まず、私のからね。」
そう言って、梨華ちゃんが手を挙げた。

梨華ちゃんを先頭に、僕達は近くの
コジャレた手芸屋さんに行った。
そっか。梨華ちゃんは手作りの何かにするんだな。
僕も何にするか考えなくっちゃ。
「うーん。どうしよう。」
梨華ちゃんは綿を手に持って、布地を選んでいる。
「ねぇ、ねぇ。14歳の女の子が好きそうな
 キャラクターって何かなぁ。」
「うーん、あいぼんだったら、やっぱり
 キティちゃんが喜ぶんじゃないかな。」
「そうだよねぇ。…って、えぇ!?
 どうしてわかったの!?」
みんな目を丸くして驚いてる。
本気で僕に秘密のつもりだったらしい。
123AKBDとは:02/02/05 01:46 ID:ALU4APqp
「どうしてって言われても。この時期だし。
 Ai Kago's Birth Dayってことでしょ。」
「なんだぁ、知ってたんだぁ。」
よっすぃーはガクゥと肩を落とした。
「知ってたんだぁって、僕もあいぼんのプレゼント買うのに
 誘ってくれたんじゃなかったの?」
「男の人がいれば、荷物が楽だねって
 言ってたんれすよ…ムゴムゴ。」
梨華ちゃんはののちゃんの口を押さえたが、遅かった。
そういうことか…。
「や、やだなー。ちゃんと知ってるって思ってたよ。
 さーてと、私は手作りキティちゃんに決ーめた。」
梨華ちゃんは慌てて、取り繕った。
みんな慌てる中、ごっちんだけがクスクス笑っていた。

それにしても、みんな何にするのかな。
手芸屋さんを後にして、再び僕達は連れ立って歩き出した。
「あ、ちょっと待った。」
僕の目に雑貨屋さんが飛び込んできたのだ。
よし、僕はアレにしよっと。
124雑貨屋さんで:02/02/05 01:48 ID:ALU4APqp
「何れすか、それ?」
「アロマ。お香だよ。」
「でも、あいぼんマッチ擦れないって言ってたよ。」
梨華ちゃんは僕にそう言った。
「大丈夫。コレを渡すわけじゃないんだ。」
そう、僕はあいぼんに本をプレゼントすることにした。
前に僕ももらったことがあるけど、本にお香の匂いを移すと
ページを繰る度にいい香りがして、幸せな気分になるんだなぁ。
「よし。決まりっと。」
僕達はお店を出た。…のはいいけど
やっぱり目立ちすぎてる!男1人に女の子4人。
ただでさえ、オーラを持ってる娘。達なのに
ぞろぞろとまとまってたら、いつバレてもおかしくない。

「ねぇ。2班に分かれない?何か目立ってるし。」
僕がそう提案した瞬間だった。
「じゃあ、私お兄さんと一緒ぉ。」
「待ちなさい、のの。」
「いーじゃん。梨華ちゃんはイトコなんだから
 いつでも会えるでしょ。」
「え、梨華ちゃんとこの人イトコ同士なの?」
そういや、よっすぃーには僕は梨華ちゃんの恩人って言ってたっけ。
「そうなの。10年くらい会ってなかったから
 助けてもらったときは気づかなかったけど、
 実はイトコだったの。」
梨華ちゃん…。
125名無し娘:02/02/05 07:13 ID:NKB/e9ey
何か凄い面白いですね。
続きが楽しみです。
126名無し娘:02/02/05 07:14 ID:NKB/e9ey
すいません。
うっかり上げちゃいました。
下げておきます。
それと安倍と矢口と飯田は出てきますか?
出来れば出して欲しいな
127結局:02/02/05 22:00 ID:ALU4APqp
「まぁまぁ。じゃんけんで決めようよ。」
ごっちんの提案で、結局、梨華ちゃんとよっすぃー
僕とごっちんとののちゃんに分かれることになった。

ののちゃんは、梨華ちゃんの姿が見えなくなるや否や
僕の手を握ってきた。
「おひさしぶりなのれす。」
「あ、うん、お久しぶり。」
手をつなぐ僕たちを見てごっちんが言った。
「なんか兄妹みたいだね。」
「もう!そんなことないれすよ。カップルれす!」
「じゃあ、こうするとどう見えるかな。」
そう言うと、ごっちんはいきなり
ののちゃんと反対側の僕の手を握った。
「ちょ、ちょっと、ごっちん。」
「えへへ。夫婦と子供、なんちって。」
「ちがうもん。その手をはなしてくらさい!」
ののちゃんは膨れっ面を見せた。
128お花:02/02/05 22:01 ID:ALU4APqp
「と、ところで、ごっちんは何にするの?」
「えっとぉ。加護も、もうそろそろ大人に
 なってもいい年だから、何か落ち着いた花かな。」
そう言うと花屋さんの看板を指差した。

「じゃあ、私、注文書を書いてくるんでぇ
 ちょっと待っててもらっていいですか?」
…落ち着いた花か。僕じゃ、思いつかないな。
僕の知ってる花ったら、チューリップとかヒマワリだもんな。
僕とののちゃんは、花屋さんの中をぐるぐると見て回った。
色とりどりにお店を埋めている花々。
綺麗だけど、やっぱ名前なんてわかんないや。
そう思っていると、ののちゃんが僕を見上げた。
「ねぇ。10回10回ゲームやりましょう。」
「え。あ、うん。いいよ。」
「いいれすか?将棋って10回言ってくらさいね。」
「あ。ソレ、知ってる。鉛筆ってやつでしょ。」
「なぁんだ。つまらないのれす。」
そういうやりとりをしていると、ごっちんが戻ってきた。
「なにしてるの?」
「10回10回ゲームだったんれすけど…。」
「じゃあ、僕が出してあげるよ。」
僕達は花屋さんを出ることにした。
12910回:02/02/05 22:02 ID:ALU4APqp
「いい?進歩って10回言ってね。
 ……じゃあ、ブラブラする○ンポってなぁんだ。」
一瞬、ギクッとののちゃんの動きが止まった。
「そ、そんな…。お兄さん、辻に何てコト言わそうと
 するんれすか…。えっとぉ、えっとぉ。」
みるみるうちに、ののちゃんの顔は真っ赤になって
とうとう、うつむいてしまった。
すっごい照れちゃったな…。答え、言おっかな。
そう思ったときだった。ごっちんが口を開いた。

「何、辻そんなことも分かんないのぉ?
 答えはねぇ、ち…」
「わ、わぁー。ちょっと、ごっちん。」
「うふふ。冗談だよ。答えはさんぽ…でしょ。」
ごっちんは楽しそうに笑っている。
はぁ。僕まで顔真っ赤になっちゃったよ。

…ごっちんって、よくクールだとか何とか言われるけど
実際見てると、ムチャクチャ明るいコなんだよなぁ。
しかも、すごくかしこい。
何かちょっと、あいぼんとも似てる感じがする。
その辺も、師弟関係ってやつなのかな。
僕がバカな考えを巡らせているうちに、金物屋さんに着いた。
130金物…:02/02/05 22:02 ID:ALU4APqp
「ののちゃんの考えてるものって…。」
「そう、コレれす。」
ののちゃんの指の先には、馬鹿でかいたこ焼き機があった。
…これだったら、1度に何個作れるだろ。
ののちゃんはレジを済ますと、たこ焼き機を抱えた。

プルルルルル…ピ。
ごっちんがケータイに出る。
「もしもし、あ、梨華ちゃん?うん。分かった。」
「…何って?」
「何か、向こうも買い物終わったらしいし、
 合流しようって。」
そっか。ナイスタイミングだな。
「じゃ、行こっか。…アレ、ののちゃん?」
ののちゃんは僕らのだいぶ後ろにいた。
「大丈夫?それ、持とっか?」
「ら、らいじょーぶれすよ。」
そう言うののちゃんは顔を赤くして、今にも倒れそうだ。
「遠慮しなくていいって。
 僕はそのために呼ばれたんでしょ。」
僕はヒョイっとたこ焼き機を持ち上げる。
…ハズだったけど、意外と重いな。…これ。
131合流:02/02/05 22:05 ID:ALU4APqp
「やっほー。こっちこっち。」
梨華ちゃんが手を振っている。目立つってば…。
「みんな、ちゃんと買えた?」
よっすぃーは聞いてきた。
「はぁ、はぁ。よっすぃーは、何買ったの?」
僕は一生懸命平静を装ったが、息は上がってた。
だって重いんだもん、たこ焼き機。
「え。私ぃ?私はバッチリよ。あいぼんも14歳だし、
 身だしなみも気になるだろうからね…。」
…メイクセットか何かかな。
「ところで、そっちの木材は何なの?」
「えっへへぇ。ひ・み・ちゅ。」
梨華ちゃんは、お得意の三人祭ポーズを決めた。
うーん。やっぱり可愛い。
「じゃ、帰ろっか。あ、コレお願いね。」
梨華ちゃんは大量の木材を指差した。
…ちょっとは遠慮して欲しいんだけどな。
「何か持とうか?」
うぅ。ごっちん、優しい…。まさかたこ焼き機を渡すわけにもいかず
僕はアロマセットを持ってもらうことにした。

ドサドサドサッ。
僕は、空き地に木材を下ろした。
「はぁっ、はぁっ。…やっと、AKBD計画終わったね。」
「なぁに言ってんの。ホントのAKBDは2月7日に始まるんだから!」
…何か不安になってきた。