122 :
全員集合:
「はぁい。ごっちん。」「なのれす。」
梨華ちゃんによっすぃー、そしてののちゃんだ。
「ずいぶん目立ってたれすねー。」
「えへへ。結構熱中しちゃって。」
「じゃあ、みんな集まったし、行こっか。」
「そだね、AKBDだもんね。」
みんな隠し事をしている子供みたいに
ニシシと笑って、僕を見た。
「まず、私のからね。」
そう言って、梨華ちゃんが手を挙げた。
梨華ちゃんを先頭に、僕達は近くの
コジャレた手芸屋さんに行った。
そっか。梨華ちゃんは手作りの何かにするんだな。
僕も何にするか考えなくっちゃ。
「うーん。どうしよう。」
梨華ちゃんは綿を手に持って、布地を選んでいる。
「ねぇ、ねぇ。14歳の女の子が好きそうな
キャラクターって何かなぁ。」
「うーん、あいぼんだったら、やっぱり
キティちゃんが喜ぶんじゃないかな。」
「そうだよねぇ。…って、えぇ!?
どうしてわかったの!?」
みんな目を丸くして驚いてる。
本気で僕に秘密のつもりだったらしい。
「どうしてって言われても。この時期だし。
Ai Kago's Birth Dayってことでしょ。」
「なんだぁ、知ってたんだぁ。」
よっすぃーはガクゥと肩を落とした。
「知ってたんだぁって、僕もあいぼんのプレゼント買うのに
誘ってくれたんじゃなかったの?」
「男の人がいれば、荷物が楽だねって
言ってたんれすよ…ムゴムゴ。」
梨華ちゃんはののちゃんの口を押さえたが、遅かった。
そういうことか…。
「や、やだなー。ちゃんと知ってるって思ってたよ。
さーてと、私は手作りキティちゃんに決ーめた。」
梨華ちゃんは慌てて、取り繕った。
みんな慌てる中、ごっちんだけがクスクス笑っていた。
それにしても、みんな何にするのかな。
手芸屋さんを後にして、再び僕達は連れ立って歩き出した。
「あ、ちょっと待った。」
僕の目に雑貨屋さんが飛び込んできたのだ。
よし、僕はアレにしよっと。
「何れすか、それ?」
「アロマ。お香だよ。」
「でも、あいぼんマッチ擦れないって言ってたよ。」
梨華ちゃんは僕にそう言った。
「大丈夫。コレを渡すわけじゃないんだ。」
そう、僕はあいぼんに本をプレゼントすることにした。
前に僕ももらったことがあるけど、本にお香の匂いを移すと
ページを繰る度にいい香りがして、幸せな気分になるんだなぁ。
「よし。決まりっと。」
僕達はお店を出た。…のはいいけど
やっぱり目立ちすぎてる!男1人に女の子4人。
ただでさえ、オーラを持ってる娘。達なのに
ぞろぞろとまとまってたら、いつバレてもおかしくない。
「ねぇ。2班に分かれない?何か目立ってるし。」
僕がそう提案した瞬間だった。
「じゃあ、私お兄さんと一緒ぉ。」
「待ちなさい、のの。」
「いーじゃん。梨華ちゃんはイトコなんだから
いつでも会えるでしょ。」
「え、梨華ちゃんとこの人イトコ同士なの?」
そういや、よっすぃーには僕は梨華ちゃんの恩人って言ってたっけ。
「そうなの。10年くらい会ってなかったから
助けてもらったときは気づかなかったけど、
実はイトコだったの。」
梨華ちゃん…。
125 :
名無し娘:02/02/05 07:13 ID:NKB/e9ey
何か凄い面白いですね。
続きが楽しみです。
126 :
名無し娘:02/02/05 07:14 ID:NKB/e9ey
すいません。
うっかり上げちゃいました。
下げておきます。
それと安倍と矢口と飯田は出てきますか?
出来れば出して欲しいな
127 :
結局:02/02/05 22:00 ID:ALU4APqp
「まぁまぁ。じゃんけんで決めようよ。」
ごっちんの提案で、結局、梨華ちゃんとよっすぃー
僕とごっちんとののちゃんに分かれることになった。
ののちゃんは、梨華ちゃんの姿が見えなくなるや否や
僕の手を握ってきた。
「おひさしぶりなのれす。」
「あ、うん、お久しぶり。」
手をつなぐ僕たちを見てごっちんが言った。
「なんか兄妹みたいだね。」
「もう!そんなことないれすよ。カップルれす!」
「じゃあ、こうするとどう見えるかな。」
そう言うと、ごっちんはいきなり
ののちゃんと反対側の僕の手を握った。
「ちょ、ちょっと、ごっちん。」
「えへへ。夫婦と子供、なんちって。」
「ちがうもん。その手をはなしてくらさい!」
ののちゃんは膨れっ面を見せた。
128 :
お花:02/02/05 22:01 ID:ALU4APqp
「と、ところで、ごっちんは何にするの?」
「えっとぉ。加護も、もうそろそろ大人に
なってもいい年だから、何か落ち着いた花かな。」
そう言うと花屋さんの看板を指差した。
「じゃあ、私、注文書を書いてくるんでぇ
ちょっと待っててもらっていいですか?」
…落ち着いた花か。僕じゃ、思いつかないな。
僕の知ってる花ったら、チューリップとかヒマワリだもんな。
僕とののちゃんは、花屋さんの中をぐるぐると見て回った。
色とりどりにお店を埋めている花々。
綺麗だけど、やっぱ名前なんてわかんないや。
そう思っていると、ののちゃんが僕を見上げた。
「ねぇ。10回10回ゲームやりましょう。」
「え。あ、うん。いいよ。」
「いいれすか?将棋って10回言ってくらさいね。」
「あ。ソレ、知ってる。鉛筆ってやつでしょ。」
「なぁんだ。つまらないのれす。」
そういうやりとりをしていると、ごっちんが戻ってきた。
「なにしてるの?」
「10回10回ゲームだったんれすけど…。」
「じゃあ、僕が出してあげるよ。」
僕達は花屋さんを出ることにした。
129 :
10回:02/02/05 22:02 ID:ALU4APqp
「いい?進歩って10回言ってね。
……じゃあ、ブラブラする○ンポってなぁんだ。」
一瞬、ギクッとののちゃんの動きが止まった。
「そ、そんな…。お兄さん、辻に何てコト言わそうと
するんれすか…。えっとぉ、えっとぉ。」
みるみるうちに、ののちゃんの顔は真っ赤になって
とうとう、うつむいてしまった。
すっごい照れちゃったな…。答え、言おっかな。
そう思ったときだった。ごっちんが口を開いた。
「何、辻そんなことも分かんないのぉ?
答えはねぇ、ち…」
「わ、わぁー。ちょっと、ごっちん。」
「うふふ。冗談だよ。答えはさんぽ…でしょ。」
ごっちんは楽しそうに笑っている。
はぁ。僕まで顔真っ赤になっちゃったよ。
…ごっちんって、よくクールだとか何とか言われるけど
実際見てると、ムチャクチャ明るいコなんだよなぁ。
しかも、すごくかしこい。
何かちょっと、あいぼんとも似てる感じがする。
その辺も、師弟関係ってやつなのかな。
僕がバカな考えを巡らせているうちに、金物屋さんに着いた。
130 :
金物…:02/02/05 22:02 ID:ALU4APqp
「ののちゃんの考えてるものって…。」
「そう、コレれす。」
ののちゃんの指の先には、馬鹿でかいたこ焼き機があった。
…これだったら、1度に何個作れるだろ。
ののちゃんはレジを済ますと、たこ焼き機を抱えた。
プルルルルル…ピ。
ごっちんがケータイに出る。
「もしもし、あ、梨華ちゃん?うん。分かった。」
「…何って?」
「何か、向こうも買い物終わったらしいし、
合流しようって。」
そっか。ナイスタイミングだな。
「じゃ、行こっか。…アレ、ののちゃん?」
ののちゃんは僕らのだいぶ後ろにいた。
「大丈夫?それ、持とっか?」
「ら、らいじょーぶれすよ。」
そう言うののちゃんは顔を赤くして、今にも倒れそうだ。
「遠慮しなくていいって。
僕はそのために呼ばれたんでしょ。」
僕はヒョイっとたこ焼き機を持ち上げる。
…ハズだったけど、意外と重いな。…これ。
131 :
合流:02/02/05 22:05 ID:ALU4APqp
「やっほー。こっちこっち。」
梨華ちゃんが手を振っている。目立つってば…。
「みんな、ちゃんと買えた?」
よっすぃーは聞いてきた。
「はぁ、はぁ。よっすぃーは、何買ったの?」
僕は一生懸命平静を装ったが、息は上がってた。
だって重いんだもん、たこ焼き機。
「え。私ぃ?私はバッチリよ。あいぼんも14歳だし、
身だしなみも気になるだろうからね…。」
…メイクセットか何かかな。
「ところで、そっちの木材は何なの?」
「えっへへぇ。ひ・み・ちゅ。」
梨華ちゃんは、お得意の三人祭ポーズを決めた。
うーん。やっぱり可愛い。
「じゃ、帰ろっか。あ、コレお願いね。」
梨華ちゃんは大量の木材を指差した。
…ちょっとは遠慮して欲しいんだけどな。
「何か持とうか?」
うぅ。ごっちん、優しい…。まさかたこ焼き機を渡すわけにもいかず
僕はアロマセットを持ってもらうことにした。
ドサドサドサッ。
僕は、空き地に木材を下ろした。
「はぁっ、はぁっ。…やっと、AKBD計画終わったね。」
「なぁに言ってんの。ホントのAKBDは2月7日に始まるんだから!」
…何か不安になってきた。