小説『OLやぐたん 其の弐?』

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67L.O.D
風呂から上がり、
辻の髪の毛を拭いてあげてると
ちょうどよく食事の時間で
次から次へとおいしそうな料理が
運ばれてくる。
目をキラキラさせてる辻を見て
ほっぺたをつつくと
満面の笑みで市井の方を見た。
「うまそーだろ?」
「うんっ!」
「よし、じゃ、食べるかぁー」
仲居さんが焼き物に火を入れて、去っていく。
「いったらきまぁーーーす!」
「いただきます」
まず、刺身と御飯一杯が消える。
市井はお弼を開け、よそってあげた。
味噌汁は白味噌で具はアサリ。
ほどよい塩加減がまた御飯を進める。
「そんな慌てて食べるなよー」
「らって、おいしぃんらもん」
口の中をいっぱいにして
しゃべる辻。
「あはは」
「おいしい?」
「おいしいっ」
「あぁっ、こぼすなよ」
やっぱりなにか食べてる時の辻は
輝いてるというか
本当にかわいい。
食べるという行為自体が好きなのだろう。
そんな顔をしてくれると
市井も嬉しくて
またどっかうまいところを探したり
しようかなって思ってしまう。
68L.O.D:01/12/30 22:08 ID:WyUwPEhm
食事が終わったら、2人でゆっくり
テレビを見てた。
辻がちょっと甘えてきて
ごろごろと横たわってる市井に
なにかとふっつきたがる。
市井もそんな辻を時折かまってやって
じゃれあってみたり。
仲居さんがやってきて、布団を引けば
そのまま枕投げに発展。
「行くぞー」
「負けないよぉー」
枕を構えて、ニカッと笑う2人。
ピッタリふっついた布団。
よけいな気を利かせてくれたものだ。
すぐに市井の顔面にクリーンヒット。
「ぶはっ!」
「あはははははっ!」
「ののーーーっ」
「キャァアーーー」
二つ枕を持って投げると
辻は器用にキャッチ。
「へへーっ」
「うわっ、お前、、やめろぉーー」
「うりゃぁーーー」
楽しそうな声が響く。
しばらく、そうやってじゃれあってると
汗をかいてきてしまう。
「っはー」
「疲れたー」
「パジャマ着る?」
「うん、着替える」
「その前に一っ風呂あびて
 汗流すってのも良くない!」
指をピッと辻に向けて、決めっ
辻も同じように返して、一言
「いいですねぇー!」
69L.O.D:01/12/30 22:09 ID:WyUwPEhm
さっきのテンションのまま
2人で脱ぐ。
「のの、お前お腹すごいぞー」
「ぷよんぷよんだぁー」
「腹叩くなよぉー」
「あははははっ、ぽぉーん」
「風呂へレッツゴー」
「ゴー」
露天風呂。
内湯からつながるドアを開けると
少し冷たい風が吹いてる。
「?hぅあー」
市井がアイドルらしかぬ声を上げながら、湯につかる。
「行くぞーー!」
「あ、待て、のの!!」
暴走王辻希美にかかれば
こんな露天湯も飛び込みだ。
水しぶきというよりも
巨大な波が市井に襲い掛かった。
「だぁーーーーー!」
頭からビッショリ濡れた市井。
顔についた水を払って
髪の毛をスーッとオールバックにする。
「ん?」
辻が笑いもしないでおとなしいので
底に顔面か、頭でも強打したかと横を見ると
黙ってこっちを見てた。
「どした?」
「んー、、、、」
「頭でも打った?」
「ううん」
辻はちょっとニヤケながら、俯いた。
70L.O.D:01/12/30 22:10 ID:WyUwPEhm
「なんだよぉ」
市井が手を伸ばして、辻の手を握る。
「かっこいいなって思った、、、、」
「へへ、、、」
腰を抱き寄せ、キスをする。
「はぁ、、、」
「んっ、、、」
市井の目の端に海が映る。
月が波間を照らし
幻想的な風景だけど、
目を閉じて
辻との舌の遊びを楽しむ。
ゆっくり、そして、激しく絡み合う。
長い長いキス。
きっと2人が付き合って
今までで一番長くて激しいキス。
「好きだよ、のの」
「私も大好きだよ、、、、」
「呼んでよ」
「?」
「私の事」
「さぁやりんっ」
市井が下になりながら
ギュッと抱き締める。
柔らかな身体。
まだまだ成長途中の女の子の身体。
大好きな人の身体。
髪の毛がお湯についても気にしない。
今はただ抱き締めていたい。
鼓動が混じる。
2人とも速くなってる。
今は自分がどんな身分の人間だろうがよかった。
目の前の人とこうして抱き合えるだけでよかった。
「あったかいね」
辻が耳元でつぶやく。
「うん、、、、、、あれ?」
市井は答えてから異変に気付く。
自分の肩口を湯以外の物が、、、、、、
「あー、鼻血」
ダラァーーーっと両方の鼻から赤い血を垂れ流す辻も
またバカっぽくてかわいいと思いながら
思わず爆笑してしまった。
71L.O.D:01/12/30 22:12 ID:WyUwPEhm
書きながら、息子。が興奮してしまいました、申し訳。
72ねえ、名乗って:01/12/30 22:57 ID:Ef1Oskkx
>>71
前回の更新のほうが俺はやばかった
73ぼの ◆BONOl.Ok :01/12/31 00:44 ID:jE5KjBpP
漏れ、温泉モードに入ってから元気になりっぱなし。
ロッカーに入って頭突きしながら反省。
74トロピカ〜ル名無して〜る:01/12/31 01:55 ID:XTny7U+j
>>L.O.D
イイ人だ(w やっぱり書き手からしてそうじゃないとね
明日は見られないのでココにくるのは今年最後だなー

皆さん良いお年をってことで…
75名無し募集中。。。:01/12/31 09:42 ID:0Rqw5YIx
チンコ握ったまま年越すぜ
76:01/12/31 09:44 ID:FRDpdpqj
>>作者
お疲れさま&良質の作品を多数ありがとう。
いつか筆を折るその日まで(勘弁してほしいが)読み続けます。

「♪」というコテハンは羊内に類似品が出現したうえ
混同されたくないような寒い内容のレスが書かれているのを発見したり
ってことで、これにて封。

新年のご多幸をお祈りします>皆様
77L.O.D:01/12/31 10:04 ID:6Rv79dDS
>75
持ったまま越せないかも知れないぜー(ニヤソ)

>♪さん
俺が筆を折る日は娘。が解散する時ですよ。
78L.O.D:01/12/31 10:05 ID:6Rv79dDS
パジャマを着て、鼻にはティッシュをつめた彼女が目の前にいる。
「へへー」
心なしか、鼻にティッシュをつめた姿がお気に入りの様子で
終始、笑ってるのだが
こちらとしては少々笑えない現状である。
(あのまま、いい感じで布団に来たかった・・・・・・)
市井紗耶香は悩む。
これからどうやってムードを作れというのだ。
まるで多くの男性の悩みのようであるが
まさしく今、悩んでいた。
予想外のアクシデント、、、まぁ、鼻血なのだが。
どうも元々鼻の粘膜が強い方ではないらしく
よく鼻血を出すらしい。
思い出せば、初めて会った頃も
たまに出してた気がする。
「さやりーん、止まったぁ?」
「まだじゃねーか?」
「かなぁ?」
といって、ポケーッと上を見る辻の口は半開き。
市井はガックリと肩を落とす。
辻は市井が何を考えてるか分かっていた。
実はしょぼくれてたのだが、空元気を見せた。
まったく、自分のダメさに落ち込まされる。
露天風呂ではすごいドキドキした。
あのままだったら、なんの怖さもなく
出来たかもしれないけど
今は少しだけ怖い。
1人でした事がないわけじゃないし
胸だって揉まれた事あるし
揉んだ事もある。
あいぼんのは大きい。
だけど、それとは別の事で意味が違う。
大好きな人に触られるのだ。
今まで他の人に触られた事のない場所を
市井が指でかき分けるのだ。
顔が上気してくのが分かる。
「のの、、、、?」
79L.O.D:01/12/31 10:05 ID:6Rv79dDS
そんな辻に気付いたのか市井が声をかける。
「あ、、、、」
「どした?」
とことこと横に来て、座ると
ぎゅっと手を握ってきた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
無言のまま、手をつないでる。
辻が市井の肩に頭を乗せる。
「なんだよぅ」
「ごめんなさい、、、」
「なにが?」
「鼻血出しちゃって、、、、」
「ビックリしたけどな」
「や、、、、」
「ん?」
「だって、、、、、」
「?」
口を真一文字に結ぶ。
次の言葉を待ってる市井。
「さやりん、、、、エッチ、、、」
「!?」
思い掛けない言葉が辻の口から出てきて
市井は驚きのあまり、ビクッと身体が震えた。
そんな事を辻が意識してるとは
これっぽちも思っていなかった。
出来ればいいなとは思ってたが
無理だとも半分ほど考えてた。
辻が鼻血を出したのも天命と
諦めかけてたところの一声だったから
なおの事、市井は度胆を抜かれる。
「なぁ、、、辻は、、その、、、、」
逆に恥ずかしくなってくる。
なぜだろう。
「エッチ、、、、とか、、、」
「?」
「知ってる、、、の?」
80L.O.D:01/12/31 10:06 ID:6Rv79dDS
「なぁに言ってるのさぁー!
 辻だって、それくらいっ。」
「ま、娘。に入ればな」
「そうだよ、中澤さんがよくしたいしたいって言ってるよぅー」
「そだよなぁー、ははははは」
「あははははは」
再び訪れる沈黙。
なかなか気まずい。
市井は息を整える。
踏み出す勇気。
愛してるからこそ
真正面から行きたかった。
「辻は私としたい?」
「・・・・・・」
へらへらしてた辻の顔が締まる。
考える時間。
1秒が10分にも思える瞬間。
市井にしてみれば、賭だった。
「さやりんの事は大好きだけどぉ」
「うん?」
「エッチするの、、、怖い」
心なしか辻の手が強く握られた気がする。
霧が散っていくように心のモヤモヤが
スーッと去っていく。
市井は辻の目を見る。
「んじゃ、しない」
「え?」
81L.O.D:01/12/31 10:07 ID:6Rv79dDS
「だって、のの、怖いんだろ」
「え、だって、さやりんしたいんじゃ?」
「私はいいよ」
「・・・・・・」
「それよりも、辻が怖くなくなる方が大事だもん。
 その時まで取っておくよ」
「さやりん・・・・・・」
「寝よっ?」
「うん」
「血、もう大丈夫だね」
「・・・・・・」
市井の笑顔。
それだけが辻にとって救いだった。
きっとしたいんだと思う。
だけど、あえてなにもしないでくれた
市井の優しさが沁みる。
「一緒の布団で寝たい、、、」
「おーしっ、来い!」
「へへ」
「こないだ裕ちゃんに会ったら
 ののは抱いて寝ると気持ちいいっ
 て言ってたからなぁー」
「だっこ」
自分以外の温もりがある。
胸元に押し当てられた辻の顔。
「あ」
辻が小さく声を出して
市井を見た。
「ん?」
「お休みのキス」
それはちょっと幼稚なフレンチキス。
軽く口付けて、
辻は布団に潜ってしまった。
82L.O.D:01/12/31 16:35 ID:7cswa6O1
市井が目を覚ましたのはまだ夜中の3時で
布団をめくると、辻は気持ちよさそうに寝ていた。
ただ、寝た時と頭の位置が真逆になってるのが
ものすごく気になるが。
「・・・・・・」
ゆっくりと身体を布団から抜き
トイレに入る。
小用を足し、戻るが、また寝る気にはなれず
冷蔵庫からビールを取り出して
小さな灯をつけた。
辻の顔が見える。
壁によしかかりながら
ビールのタブを開け
軽く流し込んだ。
「苦っ」
最初の一口のいつもの感想。
飲んでいれば、慣れてしまう。
正直、したかった。
これが本音だ。
愛し合いたかった。
抱き締め、キスして
名前を呼んで
愛を囁いて
撫でて
触って
確かめたかった。
あの時
大丈夫といって
優しく抱き締めてしまえば
辻と出来ただろうか。
83L.O.D:01/12/31 16:36 ID:7cswa6O1
でも、それはなんか違う気がして
ただのいたずらであり
愛のあるSEXではないような気がする。
「はぁ・・・・・・」
辻を見る。
まったくかわいい寝顔である。
よだれ垂れてる。
柔らかそうな頬。
市井はぐっとビールを飲んで
缶を持ったまま立ち上がり
辻のところへ歩いていく。
「かわいいなぁ、ののは」
独り言。
真横に座り込み
じーっと見てる。
小さな胸
豊かな腰回り。
ちょっと酔ってきたせいか
一瞬、頭がクラッとする。
「市井はしたかったんだぞぅ」
無邪気な寝顔。
なんとなくキスはしづらい。
「・・・・・・」
もう一度、立ち上がり、今度は露天風呂へ。
「ここなら聞こえないよな、、、、」
めんどくさそうに、パジャマの下を脱ぎ捨てる。
湯が並々と注がれてる縁に腰掛け
膝半分湯につかりながら
始める自慰。
「ん、、、、、」
はだけた上着の中の胸。
身体が火照っていて
指で乳首を転がすと
ちょっといい。
ものすごく恥ずかしい事をしてる感じがする。
84L.O.D:01/12/31 16:37 ID:7cswa6O1
「はっ、、、、はぁ、、、、、」
摘んで、引っぱりながら弄る。
あの子がすると、ちょっと力が強いかもしれない。
そんな事を考えながら弄ってしまう。
「ののっ、、、、、、」
手は下に伸びる。
旅行に来る前にちょっと剃った。
昼に見た、辻の薄さを思い出す、、、、
そこに顔を埋める自分、、、
指で開いて
舌でなぞっていく。
小陰唇の中まで丹念に、、、、
少し膨らんだクリを舌先でつつくようにし
辻の反応を見る。
恥ずかしそうにこちらを見てる。
ますます熱くなるクリをいじりながら
指は入り口をかき回す。
妄想が頭の中をグルグル回る。
「ふっ、、、はぁっ、、、、ん、、、あ、、、」
吐息の間隔が短くなり始める。
蜜が溢れ出すのを指でからめ
二本指で弄る。
中に入れ、肉壁をこすりながら
自分の気持ちいいところを強くする。
ピクッと震える太股。
「はぅっ、、、、んぅ、、、、、うあ、、、、」
頭の中は自分とキスする辻を見てる。
唇が触れ、濃厚に絡み合い
口の端から唾液がこぼれるのも無視して
むさぼるようにせめぎあう。
「ふ、、、うぅう、、、、ふあぁ、、、
 あぅっ、、うあぁ、、あああっ」
全ての感覚が静寂に包まれた。
荒い息。
星の光が一層強く感じる。
(のの・・・・・・)
心の中でつぶやく。
愛してるその人の名前。
85L.O.D:01/12/31 16:38 ID:7cswa6O1
翌日の朝早く
東京駅に2人の姿があった。
「一旦、家帰るんでしょ?」
「うん」
「じゃー、ここでお別れだな」
「分かったぁ」
「また、メールする」
「夜にね」
「おぅ」
バッグを抱えて、また改札を戻っていく辻を見送る。
市井は帰ると、仕事の時間までに帰ってこれる保証がないので
朝からやってるファーストフード店でも行くかと思う。
深く深呼吸。
朝の空気の匂いがした。
86L.O.D:01/12/31 17:21 ID:7cswa6O1
時は過ぎて、12月24日。
市井はプレ・ソロデビューのフォークソングアルバムのおかげで
12月は忙殺された。
頭から仕事は入りっぱなし。
一時のオフもなく、全国行脚&お披露目ライブ。
そうやって一月走ってきた市井がひさしぶりに貰ったオフがよりにもよって
こんな日。
(そりゃないよな)
目を覚まして、1発目に思ってしまった。
街はクリスマスイヴと、はしゃいでる事だろう。
携帯を見ると、辻からメールが来てた。
(これから、リハ行ってきます。)
正月ハロプロのリハも大詰め。
夏先生の声を思い出す。
メールには続きがあった。
(夜、遅くなっても会いたいよ、、、)
会いたい・・・・・・
11月に温泉に行ってから
ほとんど顔を合わせていない。
リハが終わるのは一体何時になるだろう。
場合によっては、午前1時過ぎ・・・・・・
とりあえず返信
(会いたいね)
携帯をベッドに置いて
ひとまず顔を洗おう。
そう思って、市井は部屋からいなくなる。
87L.O.D:01/12/31 17:22 ID:7cswa6O1
『ピース!ピース!』
午前11時半。
時は刻一刻と迫ってくる。
なるべく最上級の物を、
見せれる限りの完全なる物を。
ステージと同じ模型を組み立てた練習場で
踊るモーニング娘。
新メンが入って、2度目のライブ。
前に比べれば、そういう部分でのミスはだいぶ減ってきた。
しかし、今回はハロプロのため人数がものすごく多い。
ラストのステージなどは、半歩間違えれば、人とぶつかりかねない。
辻もそんな中で、何度もライブを重ねた強さを見せる。
近くにいた紺野が振りを間違えてるのを
夏先生が怒る前に教えてあげる。
「分かった?」
「、、、はい」
うまい事間違いが直って、自分でも満足。
「はいっ、休憩!」
今日は予定よりも早く進んでいる。
スタッフも気を利かせてくれて
早めに切り上げて
休みを多めに取ってくれたらしい。
「のの、お弁当、どっちが早く取りにいけるか
 競争なっ!」
「負けないれすよ」
加護が肩を叩いてく。
後を追って、ちょっと駆け足になると
足がもつれて転んでしまう。
飯田が驚いて、駆け寄ってくるが
辻は苦笑しながら立ち上がる。
「ダンスしたばっかりだから、
 あんま走ったりしたらダメだからね」
「あいっ!」
加護のところに行って、仲良さそうに手をつないでる。
「紗耶香とはどーなんだろね?」
矢口がその2人の様子を見ながら、つぶやいた。
「仕事で会えてないよねー、、」
安倍の心配そうな声
「最近、全然、紗耶香の話しないね」
戻ってきた飯田が座りながら、言う。
「朝、なんかケーキ焼いたとか言ってたよ、辻」
汗を拭く保田の一言に驚く皆。
昨日のリハの後にスポンジを焼いたというのか?
確かに、後藤に指南して
趣味はケーキ作りと書けるくらい上手くはなったが
愛の為せる技とでもいうのだろうか。
88L.O.D:01/12/31 17:22 ID:7cswa6O1
午後12時半。
市井紗耶香は街にいた。
お昼は、なんとなく蕎麦が食べたくて
こないだスタッフと食べに行って
おいしかった蕎麦屋に行ってみた。
やっぱり今日はサラリーマンこそいたが
自分みたいな客は少なくて
店員さんも驚いて
「1人ですか???」
と聞いてきた。
笑ってしまったが
内心、(悪いかちゅーねん)とつぶやいた。
自他共に認めるロマンチスト市井紗耶香だが
最近、癒しにハマっていて
和が持つ癒しはなかなか好きだ。
実際、蕎麦食いながら、和んでたし。
クリスマスにうまい蕎麦を食うのも
なかなか風流なものである。
そんなわけで、蕎麦を食べた市井は
少し歩いて、デパート街は避けて
馴染みの服屋へ行く。
古着ブームの頃に安倍がよく行ってた場所で
なかなか好みのリメイクがしてあった。
今はシルバーアクセも取り扱ってて
矢口がはしゃいでた。
そこに行けば、なにか辻にプレゼントが買えるかもと思ったのだ。
食べ物の方が素直な笑顔が見れそうだが
せっかくのクリスマス。
仕事が遅くなってるのに
わざわざ会いたいって言ってくれるんだから
それなりの物を上げたかった。
店はいつもの通り、ちょっと暗め。
B-BOYっぽい格好の店長さん。
ガラス棚の中を覗いてると
「彼氏?」
「まぁ」
「いたんだ、、、、」
「なんだよぉ」
「店長、ちょっとショック、、、」
「あはははっ」
「サイズは?」
辻がこないだ市井の指輪は入らないと言っていた。
もう少しで入りそうなんだが入らないのだ。
「これの一回り大きいやつ」
「あー、はいはい」
店長が出してくれたのは
少しゴツめの紋様入りの奴。
男の人がしてるとかっこいいが
辻がしてるのを想像すると
なんか違う。
「もうちょい軽い感じのがいいかな」
「ふーん」
「これなんかいいな」
市井が選んだのは、
三つ編のシルバーのリングに真珠がついてる。
「誕生日、6月なの?」
「うん」
「これでいいの?」
「ラッピングもよろしく」
「箱は?」
「つけて」
「了解っ」
金を払い、店の中の服を見ながら
待っていると、小さな箱を持って、やってきた。
「ありがとうございましたー」
プレゼントは出来た。
89L.O.D:01/12/31 17:23 ID:7cswa6O1
加護が3人祭をやってる横で
保田と『チュッ!』をやってふざけていた。
午前中はピリピリしてたが
午後は比較的ほどよい緊張の中で進む。
「次!」
ディレクターさんの声。
ステージは暗転している設定。
さっと並んで、イントロが流れる。
頭の中では市井の事を考えていた。
クリスマスイヴ
お仕事は遅くまである。
けど、一緒にケーキが食べたい。
「こらっ!辻ぃ!!」
・・・・・・怒られた。

ミニモニ。が終われば
しばらく他のユニットが続いて
辻の出番はない。
タンポポの皆様を廊下で見つけ
抱きついていく。
石川が一番前にいたので
ひとまず石川に飛びついた。
「りっかちゃぁーん」
「ののーっ」
ひしと抱き合い
顔を見ながら、石川が言う。
「来年は痩せようね!」
「オマエモナー」
「?」
後ろで矢口が爆笑してる。
さっき保田がパソコンで見てたホームページに
文字と記号で作ったかわいい絵と
この台詞があったので
なんとなく使ってみたが
矢口はネタ元を知ってるらしい。
「辻ぃー、、、それ、あんま
 よそでやっちゃダメだぞ!
 ハァーー、おかしぃい!」
タンポポの面々と別れ
控え室に戻り
携帯電話を見る。
市井から返事が来てた。
(私、どうすればいい?)
家で待っててもらうのが一番安全ではあるが。
その旨を伝えると、OKとの返事が返ってきた。
これから、何時までかかるか分からないが
辻の元気は補給された。
90L.O.D:01/12/31 17:24 ID:7cswa6O1
市井は帰りの電車の中で
フッと思う。
一昨年のクリスマスイヴはメンバーと一緒に過ごした。
7個のプレゼントを貰った。
去年のクリスマスイヴは家で寝てた。
今年のイヴはどうなるんだろうか。
いつ待てばいいのか分からない。
まるでサンタを待つ子供のような気分。
起きていれば、サンタさんを見れるかもしれない。
そんなドキドキが胸に響いてくる。
好きな人がいるから。
それはクリスマスイヴのための重要なファクター。
100倍楽しむための大切な事。
それだけでも心が浮き立ってきてしまう。
「のの・・・・・」
小さくつぶやいて、顔がニヤけた。
市井の大事な人、辻希美14才。
食べる事が大好きで
食べてる時が幸せで
甘えん坊なんだけど
怪力で。
モーニング娘。なんていうアイドルグループのメンバーである。
斜向えの男子高校生が娘。の話をしている。
この2、3日特番が続いている。
出せば、視聴率が自然に上がるだけの
トップスターになったのである。
そういえば、こないだのフジテレビの特番では
辻が鼻にケーキをつけてたが
あれは食べててついたケーキではなく
先に加護の鼻にいたずらでケーキをつけた辻が
反撃されて、あーなってしまったらしい。
さすが辻加護である。
フと、ポケットの中の箱を
コートの上から押さえた。
2人とも、今日はサンタクロース・・・・・・
91L.O.D:01/12/31 17:46 ID:7cswa6O1
「っごはん、ごっはん!」
「ごはんを食べさせてくらさい!」
もう飯を食う事しか楽しみがないんじゃないかって勢いで
弁当に入ったダンボールに喰らいついていく
辻と加護の2人を見て
スタッフも爆笑する。
互いに違う弁当をゲットしたらしく
仲良く並んで、どんなおかずがじっくり観察し
どれを交換するか話してると
新メンも周りに集まって来て
なお一層にぎやかになり
ますます学校の遠足と化す。
年上メンバーはなんかそんな風景をほのぼのと
眺めてるのも好きになってきた。
「よっすぃー、あーん」
「ごっちんも、あーん」
この2人は負けないぐらい熱々だが。
「さ、やぐっちゃんも」
「しねぇーよっ」
安倍さんは矢口さんに断られた模様。
「私もしないわよ」
「するわけないじゃん」
「え・・・・・・」
残りの2人に言う前から釘を刺されて
1人おとなしく食べる石川。
13人という大所帯も難しいように見えて
きちんと出来ているようである。
それは、リハの様子にも言えて
中澤がいなくなった分
頑張らなきゃという先輩メンバーの意識と
より一層の努力をしなきゃいけない
後輩メンバーの意識が
うまく前に行っていて
それが伝わってきていた。
今回はハロプロなので
もちろん、この人はいるのだが。
「おはようございまーす」
別の仕事を終えてきた中澤裕子、登場。
92L.O.D:01/12/31 17:47 ID:7cswa6O1
「裕ちゃんっ!」
「おはよー」
娘。のメンバーだけに限らず
稲葉や平家には蹴りまで喰らう始末。
来た早々にボロボロになった中澤は
ちゃっかり矢口の隣に座って
ご飯を食べ始めたのだが
キョロキョロとなにかを探していた。
「どうしましたか、中澤さん?」
「辻、どこや?」
「あそこですよー、いやですねー。
 老眼ですかー?」
「おぉ、いたいた。ありがとさん。
 今日も黒いチャーミー。。」
投げキッスでお礼は返して
ススーッと辻の元へ行く。
辻と加護はなにやらふざけあっていて気付かないが
気付いた新メンの動きが止まる。
どうもまだ慣れないらしい。
後ろからむんずと辻のない胸を掴む。
「おわぁああ!」
机を蹴り壊さないかぐらい
身体を跳ね上げ驚いてた。
「あははははは、なにそんなびっくりしてんねん」
「中澤さぁーーん」
ふにゃふにゃーっとした笑顔。
「あ、キスしよかと思たけどやーめた」
「うん、しないでくらさい」
「なぁー、紗耶香の唇やもんなー」
「そうれすよ、中澤さんのようなみそじとは
 キッスできないのれすよ」
「みそじ言うな、みそじぃぃぃぃぃぃ!!」
「キャァーーーーー!!」
加護の手を引っ張って走り回り
中澤はそれを追わない。
「あれー、裕ちゃん、付き合ってあげなよぉー」
矢口が思わず抗議の声。
ひさしぶりに2人を追いかけ回す中澤が見たかったらしい。
「つまんなぁーーい」
「つまんないれすーーーー」
加護が近くにいた松浦に同じように言うようにけしかけてる。
加護の顔と中澤の顔を交互に見てた松浦だが
ここはネタに走るべきかと判断したらしく
「やっぱり年がーっ、、、、、」
などとつぶやいてしまう。
93L.O.D:01/12/31 17:47 ID:7cswa6O1
「松浦、ごるぁああ!!」
「きゃぁーーーごめんなさいごめんなさい!!」
中澤に襲われ、思う存分キスをされ
解放された時にはグッタリしてた。
何か吸ってるのか、あの人は?
「ってそんな話じゃなくて
 辻さん、あなた、最近どうなのよ?」
「なにがですかぁー?」
「エンジョイしてる?」
「e・n・j・o・y?」
「e、、、n、、、って知らんわ!
 矢口、合ってるっけ?」
「あー、ごめん、矢口、ダメ。
 忘れちゃったから」
「よっさぁあああああーーーーーん!」
「はぁああーい?」
ぴたクリの吉澤の叫び並に呼ぶと
ダンディな声を出して、現れる。
「enjoyなん?」
「合ってますよー」
「あ、そうなんか。
 よかったな、合ってるって」
「はいっ」
「で、そんなんとも違うわ。
 紗耶香や、紗耶香」
「あー」
忙しい事は中澤も一緒に仕事してたから分かっている。
娘。が忙しいのも分かっている。
だから、気になるのである。
そんな事で、紗耶香がせっかく好きになった人と
別れてしまうなんて事がないように。
「今日、ケーキ焼いたんですよぉ」
「ふんふん」
「クリームは面倒だから
 チーズケーキにしたんです」
「で?」
「終わってから、さやりんのお家に行くんです」
「なんや、ラブラブなんかい!」
「へい」
「あー、もうムカつくわぁああ!!
 サンタさぁーーーん、男くれぇーーー!
 あ、やっぱ訂正!矢口でもよし」
「でもってなんだよ、裕子!!」
騒がしいクリスマスイヴの夜。
94L.O.D:01/12/31 17:48 ID:7cswa6O1
家で買ったケーキも食べ終わり
HEYHEYHEYも見て
ダラダラとテレビを見て
自分の部屋に戻って
ゲームをしたり
漫画を読んだり
ギターを弾いたり
キーボードをいじったり
だけど、鳴らない携帯電話。
その内、飽きてきて
ベッドに寝転がって
ボーッとしていた。
来れるだろうか。
会えるだろうか。
時計は11時を過ぎていた。
「はぁ・・・・・・」
1人の夜。
なんだか空しい。
隣に辻がいたらいいのに。
肩を寄せあって
おしゃべりできるのに。
そんな事考えても
隣に辻はいなくて
枕を抱き締めた。
なぜか涙が溢れてくる。
こんなに切ない気持ちになるなんて
思わなかった。
会えない事なんてしょっちゅうなのに
なぜだか今夜はこんなに辛い。
「会いたいよぉ」
95L.O.D:01/12/31 17:49 ID:7cswa6O1
結局、辻の仕事が終わったのは午前3時過ぎ。
この後は体力などの関係上
ここまで遅くなる事はないらしいが
最終的な細かいチェックには
余念がない。
帰る支度をするため
控室に戻ってきて
携帯を見ると
市井からのメールはなかった。
「寝ちゃったのかなぁ」
「かけてみなよ」
安倍が一言そう言う。
「出てくれるさ、紗耶香なら」
他の人がメイクを直したりしてる時間を使って
電話をかけてみる。
コール、1。
『はいっ!!』
「さやりん、、、、ごめんなさい」
『終わったの?』
「うん」
『どうする?眠いんじゃないか?』
自分の身体を気づかってくれる市井。
『無理するなよっ』
「うん、、、ちょっと眠い」
『プレゼントはまた今度渡せばいいから』
「ごめんね、、、、、」
『罰として、そこで大きな声で愛してる、さやりんって言って』
「えー」
『言ってよー』
周りを見ればニヤニヤとこっちを見てる。
辻は思いきって叫ぶ。
「さやりん、愛してるぞおおお!」
『うっしゃ』
「ごめんね、ほんとに」
『いいってば。身体壊したらやばいだろ。
 エビ食ってエビになった圭ちゃんみたいになって
 ハロプロ休まなきゃいけないってなったら
 大変だからなぁーーー』
「さやりん、、、、エビにはなってないれすよ」
『あ、そうだっけ』
保田の目が怖い。
「えっと、あの、メリークリスマス」
『メリークリスマス、チュ!!』
電話の向こうから聞こえてきたキスの音。
顔がますます赤くなってしまう。
『おやすみな』
「おやすみなさい」
この後、辻がボコボコにされたのは言うまでもない。
(特に保田辺りに)

帰りのタクシー
後部座席で全てが終わったように
眠りこける少女がいた。
運転手としても困り物である。
オーバーオールで大股開き。
恥も外分もなく寝てる。
クリスマスイヴの夜でさえ
こんなに遅くまで働く14才。
せっかくのクリスマスが台なしになってしまったけど
あの電話1本で少し落ち着いたらしい。
夢の中で辻は、市井とチーズケーキを食べていた・・・・・・
96ねえ、名乗って:01/12/31 18:07 ID:DQEfzsyg
読んでたらレコ大の最初見損ねる所だった。。。あぶねぇ、あぶねぇ
97名無し娘。:01/12/31 18:42 ID:/3cnKiW1
>>L.O.D

いや〜ご馳走様。甘々だったよ。
>>95
>「さやりん、愛してるぞおおお!」
で、「オッシャー、のの良く言ったッ!」ってパソの前でガッツポーズ←キモヲタ(w

 アンタには色々厳しい事を言ったが、アンタは叩かれて伸びるタイプ(飼育外部etc…
みたいだからこれからもマンセーレスはあんまり付け無いが、放置作品が無いってのは凄い
事だ。その点は評価してるぞ。(狛(略 なんか何個放置してるんだ?(w
L.O.Dの妄想に幸多からん事を願いつつ、
>>ALL
良いお年を…。
98L.O.D:01/12/31 20:37 ID:7cswa6O1
本日、午前7時。
「おはようございまーす」
NHKに元気良く聞こえる挨拶の声。
タレントクロークで受付を済ませ
マネージャーに連れられ
地下2階のいつものリハーサル室へ。
年々、アーティストの確保が難しくなってる
紅白は今年、娘。をフルに使いきろうと
様々な場面で企画を用意してる。
紅白用の衣装1着あれば済むものを
その企画のために、3倍もの量の衣装が
ズラァーーーーーッと並ぶ中
メイクさん、スタイリストさん
馴染みの顔。
ここは、戦場。
ここに立てる事はとてもすごい事。
まるでインプリンティングするように
中澤がよく言ってた。
メンバーは安倍以外みんないる。
間もなくして、安倍もやってきて
飯田が声を出す。
「はーい、みんなちゅうもーーーく」
新メンだけじゃなく
全員が何事かと見てる。
「2001年最後の日でーす」
その瞬間、全員がつっこむ。
「リーダー、その話どれくらいかかりますか!?」
99L.O.D:01/12/31 20:38 ID:7cswa6O1
市井は頭をぐしゃぐしゃとかき回しながら起きてくる。
「誕生日、おめでと」
「ありがと」
?氓Q月31日は市井紗耶香の誕生日。
母親と顔を合わせて、笑ってしまう。
18才の朝。
「なんか違うかい?」
「べっつにー」
「そんなもんなんだよ」
「AVでも借りてくるかなー」
「なーに言ってんの」
と、言って、頭を叩かれる。
キシシと笑って
台所を覗くと、お正月の準備を始めてた。
「再来年のお正月は一緒にいれないね、、、」
「かもねぇ」
手を伸ばして、切り立てのサラミをつまむ。
「ちょっとー」
「へへっ」
「そだ、あんた、あの子と会うの?」
「どうだろ」
「紅白終わってからでしょ?」
「うん」
「寒いからあったかい格好してきなさいね」
「うん」
お湯が湧く音。
いつもの朝の光景。
焼き立てのパンの香ばしい匂い。
「ココアがいい?」
「コーヒー」
「背伸びしちゃって」
「ほら、18才だし」
そして、香ってくるコーヒーの香り。
変わる物
変わらない物
たった一晩という短い間だけど
自分という人間が生まれた日。
100L.O.D:01/12/31 20:41 ID:7cswa6O1
お客さんの入っていないステージで
たくさんの子供達とミニモニ。じゃんけんぴょんのリハ。
踊ってる途中で加護に向って笑いかけた。
気付いて、はける時に手を握り合う。
「なぁ、のの」
「ん?」
「市井さんの誕生日でしょ?」
「うん」
「会いに行かへんの?」
「行きたいよぅ」
「紅白終わったらな、
 具合悪い言うて
 早めに抜けだしちゃえ」
「それ、いいねっ」
矢口もやってきて、
ひそひそ話してる2人に混ざる。
「リーダー、あのですねぇ」
こういう時、加護は本当に頼りになる。
「?」
「ののがちょっと具合悪いって」
「おいおいー、大丈夫かー?」
「頑張ります、、、」
一芝居打ってみせる。
「ハロプロまでは持ってくれよー、、」
「まだ大丈夫みたいだから
 マネージャーさんとかには
 言わなくていいれすよ、、、」
「うん、分かったけど無茶すんなよ?
 辛かったら、ちゃんと言うんだぞ?」
「あい」
すっかり信じ切ってる。
市井に会いに行くための最初の一歩。
加護の手を握り直す。
「ありがとね、あいぼん」
「ちょっとな、元気なさそうだったから
 うちからの遅い遅いクリスマスプレゼントな」
照れながら、そう言う加護の頬にキスする。
「じゃ、これがののからのプレゼント」
「ツジちゃーん、カゴちゃーん!
 kissしてるんですかーーー?」
「うっさい、外国人」
「あっちいけなのれす」
「・・・・・・」
怖っ。
101L.O.D:01/12/31 23:25 ID:7cswa6O1
最近、ちょっと待つ人になっている。
18才記念で
詩でも書こうかと思って
パソコンの前に座ってみたのだが
なんとなくそんな事を思う。
言葉を羅列してても
会えないだとか
見えないだとか
届かないだとか
そんな言葉が並ぶ。
不本意である。
毎日、電話してるし
仕事の途中だってスキ見てメールしてる
なのに、出てくるのはこんな言葉ばかり。
不満なんだろうか。
自分に問うてみる。
それでいいのか。
「うっし。」
時計を見る。
3時。
チャレンジ。
携帯を握りしめる。
辻の電話番号。
かけてみる。
出てくれるだろうか。
「頼む」
『はい?』
「石川か?」
『そうです』
「ののは?」
『今、遊びに行っちゃってるんですよぉ』
「今日の紅白の後のスケジュールは?」
『どっかお店に行って、ご飯食べようって』
「何時くらいになりそうだ?」
石川の声が小さくなる。
『市井さん、お誕生日おめでとうございます』
「あ、ありがと」
『御会いになりたいんですよね、、、?』
「そうなんだけどさ」
『石川が連絡しておきます
 どこに行けばいいですか?』
「・・・・・・いつもの場所で待ってるって伝えてくれ」
『はいっ!』
電話が切れる。
心臓がドキドキと速く打ってる。
いてもたってもいれなくて
ネットでテレビ表を見る。
9時を過ぎると、お子様メンバーは出れなくなる。
かといって、外にも出れないので
大概、楽屋で先輩メンバーのショーなんか見る。
その頃になれば、きっと電話できる。
どうにかして今日は一緒にいたい・・・・・・
102L.O.D:01/12/31 23:27 ID:7cswa6O1
辻と加護と吉澤が廊下で遊んでると
えなりかずきが歩いてくる。
「おはようございます」
「あ、おはようございますっ」
「控室を御訪問したいんですが
 よろしいでしょうか?」
「えーっと、ちょっと待ってくださいね?」
吉澤が走って確認しにいく。
残された辻と加護。
えなりを見て、へらへらーっと笑う。
「?」
「あのぉ」
「はい」
「頭触ってみてもいいですか?」
「あっ、はい、いいですよっ」
2人でえなりの頭を撫でて、はしゃぐ。
「いい頭ですねぇ」
「ねぇ」
「そうですか、あははは」
吉澤が控室のドアから顔を出す。
「OKですよ」
えなりが入っていくのと入れ違いで
石川が出てきて
辻と加護をトイレにつれていく。
ここは他のアーティストもいないので
娘。関係者かNHK関係者しか出入りしない。
「あのね、市井さんから電話があったの」
「え?」
「でね、伝言なんだけど
 いつもの場所で待ってるって」
「待ってるって、、、、」
「紅白終わったら、抜け出して
 早く行ってあげてね!」
手をがっしり掴まれて、
目をキラキラさせて
言われるとうなづくしかない。
「大丈夫やで、梨華ちゃんっ」
加護がビシィっとポーズ。
「うちに考えがあんねん」
103L.O.D:01/12/31 23:32 ID:7cswa6O1
耳を貸してもらって、こそこそっと
あの案を教える。
「ナイスッ!」
「あーでも梨華ちゃんはなんもしないでいいれすよ」
「え?」
「うん、演技ヘタやしな」
「そんな事言わないでよー」
「まぁ、うちらでなんとかするので」
そこまで言われては何も言えず
石川は了解した。
「じゃ、私、戻るね」
「うん」
「うちも、、、戻るな」
「うん」
加護は辻を思って
石川と一緒に行く。
誰もいなくなったトイレ。
「ふぅ・・・・・・」
一つ溜息。
会える。
クリスマスの後もずっと会えなかった。
会ったら、何を話そう。
クリスマスの時のケーキは食べちゃった。
会ったら、どうなっちゃうんだろう。
気持ちが高ぶってる。
自分がどうなるか分からない。
会える事が嬉しい。
会えるんだ。
104ぼの ◆BONOl.Ok :02/01/01 01:06 ID:AhQnpHqn
明けオメsage。
年末まで鬼更新か。おめでてーな。

LODとこのスレの皆さんにとって良い年になりますように。
あ、あとののちゃむの二人にとっても・・・
105L.O.D:02/01/01 03:31 ID:Am4YzJg6
あけおめーーー。
某所で年越しチャットしてますー(現在進行形)
実は全部書き終わってますが
ちょっともう42時間近く起きっぱなしなので
ちゃんとオトせてるのか確認してから
更新したいと思います、はい。
106名無し娘。:02/01/01 03:43 ID:Uq8yK/Gc
>>L.O.D

ドコ?
107名無し娘。:02/01/01 04:11 ID:Uq8yK/Gc
>>L.O.D

ハケーン(w
108L.O.D:02/01/01 04:13 ID:Am4YzJg6
ハケーンサレー(www
109名無し娘。:02/01/01 04:16 ID:Uq8yK/Gc
>>L.O.D

早く書けッ!(w
110L.O.D:02/01/01 22:04 ID:J1XPgz/f
ブラウン管の中の彼女は
しっかりとした目をして
輝いていた。
モーニング娘。の一員として
紅白という舞台に立ち向かう。
「紗耶香、車呼んだからね」
「うん・・・・・・」
Mr.moonlightのイントロが流れて
踊り出す皆。
目は自然に辻を追っている。
映る度にドキッとする。
かわいいあの子。
大変な人を好きになったと思う。
これじゃテレビだけじゃなくて
雑誌を見てて
広告に出てただけでドキドキしてしまう。
「のの・・・・・・」
無事に歌い終えるのを見届けて
横に置いておいたコートを掴んだ。
母親がマフラーを手渡す。
「がんばってね」
「うん。なに、がんばんだか分からないけど」
手を振り、家を出る。
階段を降りて
団地の玄関口。
タクシーが来てる。
「新宿まで」
111L.O.D:02/01/01 22:05 ID:J1XPgz/f
真っ暗な道を走る。
恋に似てるな、なんて思って
鼻歌を歌う。
緊張をほぐすように。
12月31日という日が
特別な意味を持ち出す。
大晦日だったり
誕生日だったり
今までの人生の中で
何度かくぐり抜けてきた
それらのイベントではなく
好きなあの人に
こんな夜に会いに行くという
それが意味のある事
もう我慢は出来ないから。
気持ちに素直になりたいから。
しばらくすると、東京の光が見えてくる。
自分達を祝ってるって考えると
ロマンティックじゃないか。
市井は少し微笑んだ。
112L.O.D:02/01/01 22:07 ID:J1XPgz/f
長い廊下。
辻は少し俯きながら帰ってくる。
他のメンバーも辻が具合悪そうにしてるのを
なんとなく気付いていた。
「辻、、大丈夫か?」
「あい、、、」
矢口が辻を心配そうに覗き込む。
「圭織、辻さー、具合悪いみたいだから
 忘年会出さないで、帰した方がいいよね?」
「そうだね、、ハロプロに影響したら困るもんね」
飯田が立ち止まって
辻の頭を撫でる。
「辻、それでもいい?」
「いいです、、、、」
前の辻だったら無理してでも
ご飯!!と言い出すだろうが
おとなしくしてる。
よほど具合が悪そう。
振り返り、歩き出した飯田。
保田が口元に笑みを浮かべながら
辻を見る。
そのまま、後藤と吉澤と目が合う。
うなづく2人。
控室に行って、出演のある年上メンバーは
着替えを始める。
年下メンバーもめいめい私服に着替える。
辻もゆっくりと着替え
鞄を抱える。
「、、、お疲れさまれした」
ドアノブに手をかけて、頭を下げ
一度、部屋全体を見渡した。
メンバーは皆、がんばれというような
合図を送ってる。
途端に顔が真っ赤になってしまった。
みんな知っていたのだ。
茶番劇に付き合ってくれたのである。
安倍の優しい声
「ほぉーら、行きなさい」
(紗耶香が待ってるから)
声にならない声が
辻の背中を押してくれる。
辻はきちんと気をつけして
頭を下げると
廊下を飛び出す。
タクシーに乗る前に
財布を確認した。
(プレゼントを買いに行こうっ!)
113名無し募集中。。。:02/01/01 23:02 ID:DXNKzY7g
どこでチャットしてたの??
HPには無かったよね??
114旧♪:02/01/02 08:29 ID:EePtVRrD
>作者
あけま(略
「年内完結」を匂わせる不敵なコメントを見て、
「……やりかねない」
と思いきや終わってなかった(w
115L.O.D:02/01/02 13:38 ID:zVk/SdGJ
実は出来たんだけど、やらなかったっす。
じらそうかな、と。(藁)
116旧♪:02/01/02 18:47 ID:EePtVRrD
>>115
じゃあ「喘いどく」(w
117L.O.D:02/01/03 00:00 ID:kbIejhGx
新宿の裏道にある
カフェスタイルの洋食屋さん。
昼は営業しないで
オールナイトでやっている
朝方、歌舞伎町のお姉さん方が
サンドイッチなんかを買いに来る事もある。
位置が分かりづらいために
結構な穴場だ。
狭いビルで3階まであるのだが
市井は3階の窓から
夜の街を眺める。
少し浮かれているようにも見える。
携帯電話を開く。
午後11時。
まだ来ないだろう。
テーブルの上で湯気を立てるコーヒー。
一口飲んで、気持ちを落ち着けた。
あと1時間で自分が生まれた日が終わりを告げ
新たな年が生まれる時を迎える。
そんな瞬間を辻と分かち合いたかった。
一緒にいたかった。
ポケットからそっと取り出す箱。
クリスマスに渡せなかった真珠の指輪。
真っ白な包装に赤いリボンがついている。
テーブルの上に置いて
ちょこんと指でこづいてみる。
意味もない行動。
頭の中は辻の事でいっぱいだった。

そんな時・・・・・・
118L.O.D:02/01/03 00:01 ID:kbIejhGx
「さやりんっ!!」
真っ白なダッフルコートに身を包んだ
辻が立っていた。
「のの・・・・・・」
嬉しそうにへらへら笑いながら
市井の反対に座る。
ただ無言で見つめあってる2人。
「・・・・・・」
「チュ」
三人祭のように唇を突き出してくる。
市井は恥も外分もなく
その唇を奪おうかと思ったが
やめておいた。
「そだ、のの」
「?」
「これ、クリスマスのプレゼント」
スッと辻の方に押してあげる。
箱を手に取って、左手に乗せてみる。
「クッキー?」
「・・・・・・違うよ」
「開けていいの?」
「うん、開けてみ」
辻は無邪気にリボンをほどき、
むしるように包装を破る。
出てきたのは、藍色のケース。
開くと、そこには、真珠の指輪が一つ。
「指輪、、、?」
「そう」
市井は辻の左手を取り、人さし指にはめてあげた。
サイズは悪くない。
指元でキラキラと輝くそれを
窓から差し込む光の中に置くと
より一層光が増すようで
辻はじぃっと見てた。
119L.O.D:02/01/03 00:02 ID:kbIejhGx
「似合うよ」
「ほんと?」
「うん」
「やったぁ、、、なんかお姉さんになった気分」
「ふふ」
「ののもね、プレゼント買ってきたんだぁー」
肩からかけてたバッグから取り出す。
「じゃーんっ!」
.同じくらいの大きさの箱を受け取って、開けてみた。
小さなピンクシルバーのピアスが一対。
市井は今、してる奴をはずして、つけてみる。
淡い光を放ち、桃色に輝くピアス。
「かわいいっ!」
「ほんと?」
「うんうんっ」
辻が手鏡を出してくれる。
両耳のピアスが鏡の中に映った。
「ありがと、のの」
「へ、、、、あ」
はにかむように笑う辻の頬に触れ
そっと寄せ、優しくキスした。
突然の事に辻はキョトンとして
市井を見てる。
反対に市井は笑っていた。
「なんか、食べるか?」
「、、、うん」
「ここ、量多いから、2人で1つにしよっか」
「、、、うん」
「ピザかなぁ、、、」
「・・・・・・」
120L.O.D:02/01/03 00:02 ID:kbIejhGx
「どした?」
「ううん」
俯く辻。
市井もメニューを持ったまま、黙ってしまう。
ポツリと辻がつぶやいた。
「ビックリしたよぅ、、、」
「ごめん、、、、」
「や、、あの、、、、」
言葉に詰まる。
恥ずかしくて、なかなか言えない。
軽く息を吸って、ホッと吐き出した。
「ドキドキした、、、、」
「、、、」
市井は返す言葉もなくて
ただ辻の事を見てた。
緊張した面持ちの辻
きっとなにか言いたい事があるに違いない。
市井はただその言葉を待つ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「もっと、、、して」
意識が吹っ飛んだ。
何も考えれなくなった。
たった一言で。
何がなんだか分からなくなった。
テーブルの上にある空になったコーヒーカップを
意味もなくもて遊んでた指に触って
ゆっくりとからませ、ギュッと握る辻の手。
「さやりんがね、大好きだよ。
 会えなくて寂しかった。
 寝る前とかにね、泣いたりしたんだよ。
 さっき顔見た時にね、
 すごくドキドキしちゃった。
 今だって、のの、ドキドキしてるんだよ」
「・・・・・・」
「キスも嬉しかった。
 頭が痺れた。
 なんかね、気持ち良かったの」
顔を上げた辻の目はうっすらと濡れてて
ほんのり染めた頬が微笑みすらいじらしくする。
辻希美にまた惚れた。
121アルマーニ濱口 ◆2ggkL5EU :02/01/03 00:53 ID:0EpysZLk
俺もドキドキする〜W
122トロピカ〜ル名無して〜る:02/01/03 01:39 ID:SmwzOKeB
どわ〜120で思わず目頭が熱くなっちまったよ!
まったく年明け早々に…

あ、遅くなったですがあけおめことよろ>L.O.D&ALL
123名無し娘。:02/01/03 02:51 ID:jBJ8FxQH
>「もっと、、、して」
>意識が吹っ飛んだ。
>何も考えれなくなった。
>たった一言で。

(・∀・)イイ!! スゲーイイ!!
124L.O.D:02/01/03 17:39 ID:gCH5fK93
少し寒いこの夜の道も
2人で手を絡めて歩けば
暖かかった。
午前0時、2分前。
辻が鍵を取り出す。
閑静な住宅街の中の一件。
辻の家。
「お邪魔しまーす、、、」
ゆっくりと2階の辻の部屋へ行く。
散らかった部屋。
コートを脱いで座ると
辻はすぐに甘えてくる。
力強く抱きしめて
頭を撫でたりしてると
顔を上げて、キスを求めてきた。
最初はそっと唇の感触を味わって
やがて舌をねじ込み、絡めあい
粘膜と粘膜が触れあう卑猥な味を
感じあう。
物音のしない部屋では
ピチャピチャという音が
より一層大きく聞こえて
恥ずかしい。
市井がさりげなく胸に触れても
辻は嫌がらない。
服の上から包み込み
軽く掴んだりする。
「のの、、、」
「?」
「いいか?」
「、、、、、うん」
125L.O.D:02/01/03 17:39 ID:gCH5fK93
つぶやいた辻の頬は赤く染まっている。
市井の指が、シャツのボタンを外していく。
露になるブラジャー。
まだスポーツブラみたいなお子様仕様。
思わず『なつかしっ!』とかリアクションしようかと
思ってしまったが、やめておく。
「胸ちっちゃいから、、、」
「大丈夫、市井もちっちゃかったけど
 ちょっと大きくなったからさ。」
「・・・・・・」
ホックをはずして、やわらかそうな身体を撫でる。
下から上へスーッと動かして
ブラの中に手を入れる。
乳首が少し張り出してる。
指でなぞると、辻は眉を八の字に曲げる。
コロコロと転がすように弄ったり
軽く摘んでやると
それがきつくなったり、弛んだりする。
次第に熱を帯びてきて膨らんできた。
「気持ちいい?」
「うん、、、、」
片手でブラを肩へ寄せ、口で遊ぶ。
唇で軽く甘噛みし、舌で撫で回し
チュッと吸ってみたりすると
辻は顔を真っ赤にして甘い吐息を吐く。
その唇をふさいでる間に
ズボンのチャックに手をかけた。
126L.O.D:02/01/03 17:40 ID:gCH5fK93
下着の上から線にそって優しく撫でる。
腕を伸ばして市井の首にしがみついてきて
市井は耳の中まで舌でいじる。
辻の口元から短く切なげな声を漏した。
「濡れてる、、、」
市井の指はショーツをずらして、直に触れていた。
幼いそこは十分に火照り
雫を貯えている。
先の方にある肉芽を探り当て
たくさんの汁を絡めた指でいじってやると
辻の腰は反応し、ピクッと戦慄く。
「ふふ、、、」
いたずらな笑みを浮かべ
人さし指と薬指で肉壁を押し広げながら
時に強く揉んでやると
クチュクチュというような
非日常的な音が
耳から入り、思考を奪う。
辻の目はトロンとして
全ての力を抜き
市井に身体をあずけ
任せていた。
「イッちゃおうか?」
「・・・・・・」
耳元でそっと囁いてあげると
無言でうなづき返した。
市井は膣口を中指でチロチロと攻め立てる。
首に回った辻の腕が一層強く感じる。
身体全体が震えてるのが分かる。
127L.O.D:02/01/03 17:41 ID:gCH5fK93
(すげぇかわいい、、、、)
自分の腕の中で恥ずかしそうにそっぽを向きながらも
自分の指の動きに反応しちゃってる辻を見て
市井は頭の中でつぶやく。
感じてくれてる。
自分の事を感じてる。
また、自分も辻の事を感じてる。
温もり、感触、そこにいる事
そのどれもが埋まらなかった寂しさを満たしていく。
好きな気持ちが溢れても
互いの天秤皿で受け止めている。
すごいバランスが取れてる。
そして、素直に気持ち良かった。
「ふぁっあぅっ!」
「イッちゃう?」
「んぅう、、あぁあっ!!」
荒い息。
ぐったりとよりかかる身体。
指の間から零れていく愛液。
市井は床の上に辻を寝かせて
もう一度優しくキスした。
うっとりと目をつぶり
波のような快感を感じてる辻。
「あ、そうだ、、、、」
しぼりだすように言う。
汁を拭こうとティッシュを探してた市井は振り向く。
「お誕生日おめでと」
「のの、もう年明けだぞ」
「あぁー」
「ハッピーニューイヤー」
「ハッピーニューイヤーっ」
そう言って、2人は恥ずかしげに笑い合った。

満たされた時間。
また明日へ2人で歩いていこう・・・・・・
愛しい貴方の背中へ
小さな声で
つぶやいた。

A Happy New Year!
128L.O.D:02/01/03 17:51 ID:gCH5fK93
『愛しい貴方へ』終了記念カキコ

というわけで、いかがでしたかののちゃむ。
ちゃむ、、、完璧の炉だな。