小説『OLやぐたん 其の弐?』

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159L.O.D
その後も安倍がWingsにいれば
矢口が来るという感じで
2人はよく遊んだ。
あまり他の街に行ったことのなかった
安倍を矢口が連れ回して
東京案内した事もある。
その日も遊んでたら夜6時を過ぎて
矢口がご飯を食べていこうというので
安倍は付き合って、ファミレスに入った。
メニューの向うに見える矢口の顔。
パッと上がったかと思うと
安倍の鼻を突ついた。
「なっち、彼氏とかは?」
「か、彼氏?」
「いないの?いないよなー、毎日
 ゲーセン通ってる子がなぁーーー」
「うるさいなぁ。矢口だって毎日遊んでるじゃん、うちと」
「あぁ、矢口、彼氏あんま欲しくない」
「へ?」
「だってさぁー、うざくない?
 付き合ったら、他の男の子と遊べなくなるんだよ。」
「あぁ、、、」
「そんなんだったら、友達いっぱいほしい。」
そう言って、メニューに目を戻す矢口の顔は
すごく大人びてるように見えて
安倍は黙って、水を流し込んだ。
160L.O.D:02/01/06 22:36 ID:78h+pd9O
今まで何度か付き合った事あったけど
そんな事考えた事もなかった。
東京の人ってみんなそういう事まで考えて
付き合ってるのかなって思った。
店員さんが来て、矢口が頼んでる。
「なっちは?」
「へ、あ、えーっとね、これで」
しばしの沈黙。
「ボーッとしてどうしたのさ?」
「んー、や、さっき矢口が言った事考えてたんだ」
「さっき?」
「うん、彼氏いたら、他の男の子と遊べない、とか。
 なっち、そんな事考えたことなかったから」
「っていうか、普通そうじゃない?」
「なのかなぁ」
手持ち無沙汰にナプキンを折り直してみる。
「彼氏、欲しい?」
「まぁ、そりゃぁ、、、」
「矢口、男友達だけはさ準備出来るから遊んでみる?」
「えー、、、」
ギャル男っぽいのしか目に映らない。
「みんな、いい人だからさぁ」
矢口と仲良くなった事で
毎日の生活が明るくなった。
誰かと知り合う事を拒む理由はない。
「じゃぁ、イケメンよろしくね」
「イケメンね、OK、OK!
 たぶんみんな呼べば、来るけど
 この後、遊びに行っちゃおうか?」
「この後!?」
「どーせ、いつ会っても同じだって!」
なんて言いながら、携帯電話であっちこっちに電話をし始める。
安倍はそんな矢口を見ながら
ちょうどやってきた料理を食べるのであった。