くちゅくちゅと音を立てる自分の大事な部分がまるで自分のじゃない
ような、腰全体がじーんと重く痺れる感覚に紺野は身をゆだねていた。
(おしっこ…じゃ、ない…のに、なんで…濡れてるんだろう)
安倍の指先がピンク色の突起を優しく突つくたびに、あそこが濡れて
いくのを紺野は感じていた。またお洩らしてしまいそうな感じがする。
「あの、安倍さん、おトイレ…いきたいんです、けど」
消え入るような声しか、出てこなかった。
伏せ目がちにそういう紺野を茶目っ気たっぷりに焦らすようにして
指の動きを早めながら、
「紺野ちゃん、それ感じてるってことだよ。これ気持ちいいっしょ?」
そして柔らかい襞を撫で上げて指にぬめりをつけると、安倍は紺野の黒髪を
掻き上げるようにして、顔をあげるよううながした。
口元を拭いながら見上げる紺野の鼻先に、自分の恥ずかしいところで
びしょびしょになった安倍さんの細い指が突き出された。
「え、あ、あの、ごめんなさい!」
思わず、あやまってしまう。
自分をいつも優しく気遣ってくれる安倍さんの指に自分の汚いものを
つけてしまったという恥ずかしさで紺野は耳たぶまで熱くなるのを感じた。
「可愛いね、紺野っ。もうおねえさん、本気になっちゃいそうだぞ」
いたづらっぽく目を輝かせる安倍のイヤリングがふっと揺れる。
紺野の髪をさらりと撫でて膝立ちになった安倍の控えめな恥毛が鼻先を
くすぐった。さっきまでうっすらと充血して濡れていた襞はすっかり
隠れて、何事もなかったように澄ましている。
くるりと自分に背を向けて屈み込む安倍さんの見えそうで見えない翳りを
目で追っていると、舌先に残った感覚が甦ってくる。
暖かくて…柔らかかった、安倍さんのあそこ…。
そんな思いに気を取られているうちに膝立ちのまま安倍は、四つん這い
の体勢でお尻をふるふると振るわせる紺野の背後に回った。
「今度は、紺野ちゃんの番だよっ。それにしてもいやらしいお尻だねっ」
にこにこと笑いながらそう云われると、また身体が熱く湿ってくる。
太股をつたう恥ずかしい液体はぬめりを帯びて、床に滴りそうだった。
「紺野っ、もうちょっとお尻、高くあげてみそ?」
もやが掛かったように霞む意識の向こうから声が聞こえてくる。
足を大きく開いて四つん這いで唇を噛みしめる紺野の脳裏に、
あそこやお尻の割れ目まで恥ずかしいほどに晒されている自分の姿が
よぎる。安倍さんに見られてると思うと、自然に背をまるくしてしまう。
「あ、あの…ちょ、ちょっと…や、です。恥ずかしい…し」
思わずお尻にきゅっと力を込めて出来るだけ見られないように窄めてしまう。
真っ白で張りのあるお尻を撫でさすっていた安倍の指が、背筋に沿って
滑った。両手がすっと紺野の腰のあたりに伸びて、くびれに添えられた。
と思ったら、くいっと押される。
「紺野ちゃん、ちゃーんとなっちに見せてくれないと、駄目だよ」
くびれを上から押さえつけられた反動で、紺野の白い尻が天井に
向かって高く突き出されるような形になってしまう。
すかさず安倍は手をするりと太股のあいだに割り込ませると、紺野の
黒い茂みを撫で上げるように割れ目に沿って動かした。
「結構、紺野ちゃん、いっぱい生えてるんだね。なっち意外だよぉ」
白い肌に際だつ恥毛を振るわせながら、紺野は瞳を潤ませる。
「や、嫌です。そんなこと…云わないでください。お願い、です…」
桜色に充血した襞肉を溝に沿って刺激しながら、
「大丈夫だって、紺野っ。そんなでもないよ、安心して」
そう囁くように云うと、安倍は顔を紺野の濡れた部分に押しつけるように
して、舌を這わせていった。
安倍はぴちゃぴちゃと子猫がミルクを舐め取るようないやらしい音を
わざと立てながら、紺野の中を丁寧に舐めまわしていった。
「あ、あんっ、安倍さん、なんか…なんか、ヘンな…あん、出ちゃうから」
舌先で入り口から柔らかい襞のあいだまで、まるでそのものを点検する
ように唾液で湿らせた舌で細かく舐めつくす。そして小さく窄めた唇で
紺野の次第に堅くなってくるピンクの突起をちゅっと吸い上げた。
紺野の白い尻が痙攣を起こしたようにビクッと震えた。膝がガクガクと
揺れる。
「そ、そこ…だめ、だめです、安倍さん。なんか…なんか…」
泣きそうな声を漏らす紺野。
安倍さんの微かな吐息が自分のいちばん恥ずかしい部分に掛かってる…。
淡く色づいた後ろの秘所がヒクヒクを蠢いているのがわかる。
そんな紺野の戸惑いに気がついたのか、安倍はちろちろと舌を動かし
ながら、何かを思いついた子供のように目を細めて笑うと、紺野の愛液を
舌ですくい取るようにして最も恥ずかしい部分に近づいていった。
薄い色を刷毛で掃いたような亀裂の襞につつぅーっと糸を引く液体を
軽く開いた唇から垂らすと、安倍はしなやかな指先でそっと触れた。
「ここも、紺野、感じたりしちゃうのかなぁ? ねっ、なっちに教えて」
そんな風に云われて刹那、紺野の身体を恥辱が駆けめぐる。
予期していたこととはいえ、こうして四つん這いの状態で、出来れば
誰にも見られたくない部分を蛍光灯に照らされて…しかも、あのいつも
屈託のない笑顔を周囲に振りまいている安倍さんに弄られている自分…。
(なんで、こんなことになっちゃったんだろう…)
ふっと吐息が掛かったのを感じると同時に、柔らかくぬめぬめとした
感覚を粘膜に感じて、紺野は我に返った。
「だ、駄目です。そこ、安倍さん、汚いから…や、嫌っ、やめてください…」
構わず安倍は舌先を尖らせて、必死に押し返そうとする紺野の亀裂を更に
いたぶっていった。
目を大きく見開いて口を真一文字に結んだ紺野を鏡越しに見つめて、
屈託なく目を細めて笑う安倍。
「なに云ってんの、紺野っ。なっちは平気だよ。だって紺野かわいいもん」
(安倍さんが平気でも…わたし、ぜんぜん平気じゃない…のに。多分)
「でも、そんなとこ…恥ずかしいし、あっ…。んっ、んっ、んっつ」
自然に声が漏れてしまう。
紺野はいままで感じたことのない未知の刺激に歯を食いしばって耐え
ようとしていた。
安倍は切なそうに這いつくばる紺野の淡い秘所を温かい舌でこねくり
ながら、右手の親指でピンクの突起を刺激して…そっと中指を膣肛に
押し当てていった。ほんの少し進んだところで、絡みつく肉襞が堅く
締めつけてくる。ゆっくりと指を戻して、鏡越しの紺野を見つめる安倍。
大きな目に涙を一杯にためて、引き結んだ唇を振るわせる紺野。
安倍と目が合うといやいやをするように小刻みに首を振る。
「大丈夫だって、なっちさぁ、そんなことしないから、ねっ」
そういうと安倍は紺野のお尻を撫でながら頬を寄せた。
ゆっくりと膝を伸ばしうつ伏せになった紺野の身体をいたわるように、
安倍は、優しく微笑みかける。
さらさらと髪が紺野の真っ白で大きめのお尻に降りかかった。
その刺激を心地よく感じながら、紺野は説明できない幸福感に包まれ
ていた。身体ぜんたいに漂う軽い疲れが、心地よい。
「ねぇ、紺野ちゃん、気持ちいいね。ホントにホントに、気持ちいいね」
コクリとうなずく紺野を嬉しそうに眺めていた安倍は、壁掛け時計を
見上げると子猫のように軽く伸びをしてから、
「じゃあ、なっち、そろそろ行くから。紺野、早くパンツ穿きなさいよ。
風邪、ひいちゃうよ?」
「あの、安倍さんも…風邪、ひきますよ…。早くパンツ穿かないと…」
「ホントだね。いやー、なっち、すっかり忘れてたよぉ」
あたまをコツンと叩くまねをして、弾けるような笑顔でそういうと、
手早く下着を身につけてスカートの襞を丁寧に直す。
そして、あたふたと転びそうになりながら腰をふらつかせてパンツに
足を通している紺野を尻目に部屋の扉に手を掛けた。
それからふいに振り向いて、
「ねぇ、紺野ちゃん。このこと、誰かに云う?」
口をきゅっと結んだまま、首を小刻みに横に振る紺野。
「そっか、でも、なっちは、誰かに云っちゃうかもねっ! エヘヘッ」
思わず床にペタリと座り込んでしまう紺野を残して、茶目っ気たっぷりの
笑顔でぱたぱたと走り去る安倍の足音が小さくなっていった。