【19】
安倍「いのち君、こっちこっち〜!
ここから見下ろすモーニング海岸の景色は最高なんだから!」
(モーニング山の山頂)
いのち「へぇ〜、なっちさん、どうりで詳しいと思ったら…
毎年この村を訪れてるんですか」
安倍「うん。まあね」
いのち「でも何でまた、こんな小さな村に?」
安倍「……」
いのち「なっちさん?」
安倍「…私ね…昔付き合ってた彼に…振られたの…この村で」
いのち「あ…」
安倍「彼はサーファーだったわ…この海岸は彼のお気に入りのポイントだった…
私は彼がサーフィンしてるのを見てるだけで幸せだった…彼を愛してた…
彼の部屋で一晩中プレステして遊んだこともあった…
でも結局…つまらない喧嘩が原因で振られちゃった…
この村は想い出の詰まった村なの」
いのち「そ、そうだったんですか…
でも、なっちさんならすぐに別の良い人が見つかりますよ!
新しい彼氏を見つけて、その昔の彼氏を見返しましょうよ!」
安倍「…それはできないわ。見返したくても…」
いのち「へ?」
安倍「彼はもうこの世にいない…彼はもう死んだの、この村で…」
【20】
いのち「亡くなったんですか…」
安倍「…うん。波の強い日だった…私は止めたにもかかわらず…
喧嘩中だったからかな…彼はむきになって海に…
彼は…彼は…う、うう…(涙」
いのち「なっちさん…」
安倍「じ、実はね、私…彼に溺れてる所を助けてもらったの…それが彼との出会い。
でも私は彼を助けることができなかった!今度は私が助ける番だったのに!うう…」
いのち「(『助けてもらった』…『助けることができなかった』…)」
安倍「うう…(涙」
いのち「(『助けることができなかった』…『助けることができなかった』)」
安倍「…いのち君?」
いのち「(『助けることができなかった』…なんだ?…む、胸が締め付けられる…)」
安倍「いのち君!」
いのち「…ふ、ふえ!?な、何ですかなっちさん」
安倍「どうしたの?急に考え込んじゃって…悲しそうな顔してたよ?
…あ、ごめんね。私が変な話しちゃったから…」
いのち「い、いや、大丈夫です…なっちさんのせいじゃ…」
安倍「……」
いのち「………」
安倍「…ねえ、いのち君」
いのち「はい?」
安倍「慰めて…」
(パサ…服を脱ぎだす安倍)