木にもたれかかり大きなため息をつく。
その眼前に広がるのは、ある1つの村の残骸。
前日に自分の隊が制圧したテロリストの村。
その中には一般の者たちもいただろう。
だからといって、制圧をくい止める術はない。
どうしようもない苛立ち。血にまみれた両手。
『今度、ANGELっちゅーんを発足するんや。お前に隊長になって欲しいんやけどな』
つんくさんの誘いが頭をかすめる。
――社会を変えるための部隊。
――戦争をなくすための部隊。
もし、そこに入ったなら矢口のいうような世界ができるんやろうか・・・
矢口が安心して暮らせるような世界ができるんやろうか・・・
あんたがそのまんまでいられるような世界ができるんやろうか・・・
そのためなら、これから、どれだけうちの手が汚れてしまってもええ。
そう、うちの命を賭けてでも、あんたの望む世界をつくってやる。
やから・・・
やから、あんたを置いていくうちを許してや――