6
「ごっちん、つんくがどこにいるか知ってる?」
突然、狂ったように笑ったかと思ったら、
次の瞬間によっすぃ〜はそんなことを聞いてきた。
「は?なんで??」
「社会を変えるっ!」
あたしの疑問に、よっすぃ〜はきっぱりと答える。
その目は、さっきまでと違って生気を取り戻している。
(全く、単純なヤツ・・・)
でも、こっちの方があたしは好きだ。
(よっすぃ〜は、見つけたんでしょ、あの子の心・・・)
あたしは、その言葉を飲み込む。
「知らない・・・?」
よっすぃ〜は、再び聞いてくる。
つんくのいる場所は、あたしたちにも極秘にされている。
官邸内にはいないって聞いたことがあるけど・・・
それすらもウソかホントかは分からない。
・・・でも、もしかしたら
「中澤さんなら知ってるかも・・・」
多分、一番つんくに近いはずだ。
「・・・中澤さん、か。ありがと、行ってみるよ」
よっすぃ〜は、そう言うと走って部屋を飛び出していった。
(なんか力が抜けた・・・)
あたしは、ベッドに腰掛ける。
よっすぃ〜は、きっと死んじゃう。
社会を変えるって反逆罪だし・・・
そういえば、止めなかったあたしも共犯になるのかな〜
ま、いいけど・・・
不意にあたしの頬をつたう温もりを感じる。
あれ?
---あたしってけっこうよっすぃ〜のこと気に入ってたんだな〜
泣いちゃってるよ・・・
「アハッ」
笑ってみる。
「あたしって、結局、1人なんだよね〜」
誰にもあたしの声は届かない。----あの人以外は・・・・・・
あたしは、ベッドに寝転がった。
7
ただいま、迷い迷って30分。
どこを歩いているのかも分からなくなってまいりました。
「・・・なにが、大丈夫なんだよっ、クソ矢口めっ!」
細かくかいてても、迷うもんは迷うんだよっ
ってゆーか、最初からどこ進んでるのかも分かってなかったんだぞ、市井はー。
(・・・なんで、あんな説得で納得しちゃったのかな)
まさに、矢口マジックだな・・・
私は、床のすき間から下を見る。
なんかの部屋みたいだけど・・・誰もいる気配はない。
っつーか、この体勢も疲れてきたしいったん、降りてみるか
「休憩、休憩〜♪」
-----バコッ
床板を蹴り落とす。
「よっ・・・うわっ、あーーーーっ!!」
かっこよくおりようと思って淵に手をかけたまではよかったが・・・
汗で手が滑ってそのままおしりで着地してしまった。
「っーーーーー!!」
痛くて声にならない。
・・・私ってけっこうマヌケなヤツかも
床で強打したお尻をさする。
「・・・チーちゃん・・・」
「へ?」
今、声が聞こえたんだけど・・・
「・・・市井ちゃんって・・・私か??」
私は、お尻をさするのをやめて顔を上げる。
「っ!!」
私の視界に、ロケットの写真の少女がベッドで眠っているのが入ってくる。
---ズキンっ
「うっ!」
走馬灯のように彼女との思い出が頭を駆け巡る。