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213第7章 It's your way



「・・・イヤだ、絶対、一緒に逃げる」
あたしは、泣きながら梨華ちゃんに訴える。
でも、梨華ちゃんの目からは死を覚悟した人間の光が宿って揺らがない。

---どうしてだろう?
死を覚悟した人間がこれほど強いのは・・・・・・
梨華ちゃんは、虫も殺せないような子だったのに・・・
なんで、その梨華ちゃんがこんなことになるんだよ・・・
なんなんだよ、この国は・・・なんなんだよっ、あたしは・・・
梨華ちゃんを守りたいのに---守りたいのにっ!!

ふわっとうえからなにかが体を包み込む
・・・梨華ちゃん?
手錠をかけられた腕が、上からあたしの体を抱き締めるようにおりてくる。
あたしと梨華ちゃんの距離が縮まる。

「・・・私、ひとみちゃんが好きだよ」

梨華ちゃんが、穏やかな笑みを浮かべる。
あたしは、安倍さんの笑顔を天使みたいにキレイだと思ったけど、
梨華ちゃんの笑顔は、もっと人間らしい、でも、誰にもだせないような
本当に純粋な笑顔だった。
ただ、笑うと言うことをこれだけ美しくできる人はいないだろう。
あたしの中で渦巻いていた憤りやなんかも全て消えていく気がした。
214第7章 It's your way:02/01/24 13:31 ID:dSdawvvD


-------ああ、そうだ。
あたしは、この笑顔が好きだったんだよ・・・・・・


「あたしも・・・梨華ちゃんが、好きだよ」

ずっと言わなかった言葉が自然に口をつく。
「私たち、両思いだったんだね」
梨華ちゃんは、嬉しそうに微笑む。
あたしたちは、お互いの温もりを確かめあるように抱き締め合った。


---もっとはやくこうしていれば、なにかが変わったんだろうか?
Ifはありえないけれど、そう願わずに入られない---