☆☆業務連絡☆☆

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夕暮れの川岸に2人の少女が腰をかけて談笑している。

「---でね、なっちたち変な呼ばれ方してるんだべ」
「ふーん、どんな?」
「キリング・エンジェルとキリング・マシーン」
「じゃぁ、カオリがエンジェルだね」
「なっに言ってるべさーっ、なっちがエンジェルに決まってるべ」
「えーっ、なんでー??」
「誰がどう見ても、カオリの方がロボットみたいだべ」
「・・・そうかな〜----」

よく見ると、川は紅く染まっている。
おそらくなにかの血であることに間違いないだろう。

「・・・にしても、よくこの任務引き受けたね」
「来る者拒まず、が、なっちの信条だべ」
「ふーん・・・なっちって、人殺したのいつ?」
「えっ!?・・・んーと、忘れた、アハハー」
「カオリは、覚えてるよ、16歳の時」
「えっ!そうなのっ??」
「うん・・・遅いかな?」
「んー、なっちは基準にならないかも」
「なんで?」
「なっちは、生まれた時から戦場にいたから・・・かなり、早いべ」
「---ふーん」

背の高い少女が立ち上がる。
「じゃ、そろそろ戻ろ」
少女は、もう一人の小柄な少女に手を振る。

残されたもう一人の少女は、仲良くなったばかりの少女の背中を見つめる。
「カオリは、平和に生きてたんだね・・・」
その割には、寂しそうな背中・・・・・・
きっと、私じゃその穴は埋められないんだろうな・・・
吐息のようなため息。

少女は、背の高い少女の後を急いで追いかけた
203第7章 It's your way:02/01/22 23:46 ID:a2ICbEYr



安倍さんが撃たれた。
あたしがそれを認識するよりも早く、中澤さんは安倍さんに発砲した華奢な
少女に向かって飛びかかっていった。
よっすぃ〜が、安倍さんを抱きかかえているのを確認して
あたしは、中澤さんの後を追いかける。

「なにしたんやっ!!アンタ、なにした思うとんやっ!!!」
中澤さんは、鬼のような形相で少女に馬乗りになり殴りつけている。
少女は、全く抵抗する様子がない。
中澤さんが、おもむろに腰のホルスターから銃を取り出す。
取り囲むように見ていた野次馬たちは一斉に後ずさる。
その中に、報道用のカメラのレンズが光っていた。

----ヤバイっ

咄嗟にそう思ったあたしは、激昂してまわりに目がいかなくなっている
中澤さんの腕をつかむ。
「邪魔すんなっ後藤っ!!」
中澤さんが暴れる。
「落ち着いてって!人がいるんだってばっ!!」
あたしはそれを必死で抑える。
「そんなん関係あらへんっ、こいつはなっち殺したんやでっ!!」
いくらANGELといえど、こんな形の公開処刑は批判の的になる。
それもその処刑する相手がこんな少女なら、なおさらだ。

あたしは、中澤さんを制止しながらぐったりしている少女の顔を見た。
「えっ!?」
・・・なんで、こんなとこにいんの?

204第7章 It's your way:02/01/22 23:47 ID:a2ICbEYr


----ドンッ!!!


もみあううちに空に向かって引き金が引かれた。
野次馬は、盛大な悲鳴をあげクモの巣を散らすように逃げていく。
そのおかげで、中澤さんも少し冷静さを取り戻した。
「もうええ、離しや」
ポソッと言う。
「えっ?あ、すみません」
あたしは、しっかりつかんでいた腕をはなす。
あまりにも力強くつかんでいたから明日は筋肉痛になりそうだ。
「手錠かけて連行や」
そう言うと、中澤さんは安倍さんとよっすぃ〜の元へと歩いていった。

少女と目が合う。
「・・・なんでこんなことしたの?」
「・・・・・・」
あたしは、なにも答えない少女に手錠をかけた。