☆☆業務連絡☆☆

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17第一章 GIRL MEETS GIRLS

「ほな、自己紹介しよな。うちは、中澤裕子。
 一応、ANGELのリーダーや。 年は、ヒ・ミ・ツやで。
 女は、一個ぐらい秘密をもっとくもんやからな」
金髪の人は、よく見るとけっこうマトモな顔をしている。
(年齢は単に言いたくないだけなんだろうな・・・)
「私は、安部なつみ。よろしくね、えっと・・・ヨッスィーに後藤さん。」
続いて、さっき中澤さんにツッコミをしていた
笑顔の可愛らしい人が手に持ったファイルで確認しながら言う。
(やっぱり、あたしがヨッスィーなワケね・・・所で、後藤さんって?)
ふと隣に目をやる。
隣にいた少女が安部さんに向かってだるそうに頭を下げている。
(この子が、後藤さんってことか・・・
 って、2人しかいないから当たり前なんだけど)
「ホンマは、あと3人ココに来るねんけど
 ・・・って、何してんねん、あいつらっ!?」
と、中澤さんは驚いたように入口に視線を走らせる。
あたしたちも同じように入口に目を向けた。
そこには、巨大ロボットと愉快な仲間達っ!
・・・もとい、漆黒のロングヘアーの少女と、まだ幼い女の子2人組が
延長コードらしきものに絡まってこけていた。

「裕ちゃーん、助けて〜」
と、ホントに苦しそうな声でロングヘアーの少女が言う。
「ダメれすよ、いいらさん。」
「そうですよー、このまま転がっていきましょー」
それとは、対照的に女の子達は、キャッキャッと楽しそうに笑っている。
「カオリ、大丈夫?」
安部さんが心配そうにその塊に近づき、コードをほどこうとする。
「ホンマ、何してん、あんたらはー」
中澤さんも、同じようにだけどやや乱暴にコードを引っ張る。
「く、苦・・・し・・・裕ちゃ・・・」
「あっ、スマン、スマン」
どうやら首に巻き付いているコードだったらしい。
中澤さんが、コードから手を離すといいらさん(?)は、
息絶え絶えに「勘弁してね・・・」と呟く。
女の子達は、その様子を見てまたキャッキャと笑った。
18第一章 GIRL MEETS GIRLS:01/12/27 00:43 ID:lj/JuRCj

それから、コードと格闘すること10分。
ようやく解放された3人組は遅ればせながら自己紹介を始める。
「コホン・・・恥ずかしいところを見せちゃったね。
 あっ、私は飯田カオリ。一応、サブリーダーしてます。」
(なるほど、いいらさん=飯田さんだったのか・・・)
飯田さんは、さっきの強烈なインパクトのせいかひどくマヌケな印象を持っていたが、よく見ると、深紅のジャケットに見事にマッチした
漆黒の髪とモデルのように均整の取れたスタイルを持った美少女だった。
「辻のぞみれす。」
「加護亜依です」
続けて、女の子2人が喋り出す。
辻は、妙に舌ったらずで笑うと八重歯が印象的な子だった。
加護は、黒目がちな瞳がとってもプリチー
・・・って、ちょっと待てよ。

「あの・・・」
「なんや、ヨッスィー」
あたしは、ふと気づいた疑問を投げ掛ける。
「辻さんと加護さんも隊員なんですか?」
確か、ANGELに入るには最低でも軍事訓練校で首席クラスをキープしていないといけないはずだ。
その後にも、なんやらかんやら試験があるし・・・
なんにしても、この2人は軍事訓練校を卒業できる年じゃない。

「んー、それはな〜」
中澤さんは、困ったように頭をかく。
「カオリが説明するっ」
飯田さんは、2人の女の子の肩に手を置きながら一気に言う。
「この2人は特別なの。カオリが守って上げないといけないんだもん。
 だから、いいのっ!!」
「は・・・はぁ」
(どこが説明だったんだろう・・・)
飯田さんの説明は、全くといっていいほどあたしの疑問を解決してくれなかった。
19クロラ:01/12/27 00:45 ID:lj/JuRCj
なんか前置きがなっがいな〜
話がすすまねーや。
まぁ、長編だからしょうがないってことにしとこう。
20ねぇ、名乗って:01/12/27 11:31 ID:IICkgGcW
まぁ。ガンバレや
話はじまってねーけどちょっとだけ期待しとく。
21sage:01/12/27 11:51 ID:iBEbw+jB
sage
22第一章 GIRL MEETS GIRLS :01/12/27 17:35 ID:GI8LAsRH

「疑問解決やな。ほな、ヨッスィー、次、進むで」
(疑問解決?・・・そ、そういうことにしておこう・・・)
中澤さんは、手に持っていたディスクらしきものを機材にセットしている。
「これ、つんくさんからのお祝いの言葉やから、2人ともありがたく聞いてな。」
(つんくさん・・・総統を”さん”付け?)
・・・もうこの人にツッコムのもバカらしかったのであたしは頷いた。

「えー、みんなっ・・・ゆーても2人だけやけどな。厳しい試験を
 見事にクリアし、よくココまで来よった、おめでとう。
 今日から、2人は正式にANGELのメンバーとしての
 任務が待ってるワケや。ちゃんとオレの為にがんばってくれな。
 まぁ、2人は訓練校をホンマ優秀な成績で出とるから心配はしとらん。
 ほな、あとは中澤の言うことを聞くように」

プツッと、短い映像は終わる。
モニターのつんくは、とても1日で不安定だったこの国の全権力を
掌握し、軍国主義へと走り出させた政治家には見えなかった。
中澤と同じ奇妙なアクセント、少し傷んだ金髪にグラサン・・・
まるで昔いたロックバンドのヴォーカルみたいだ。
それでも、今の政局がつんくという強力な1人の個性によって
動かされているのも事実なのだが・・・

「これで、入隊式も終わりや。
 それじゃ、ナッチ、2人を部屋まで案内してや」
「オッケー、裕ちゃん」
安部さんは、あたしたちの所まで来る。
「じゃ、私のあとについてきてね」
「はい」
安部さんは、にこにこしながら歩いていく。
(なんか安部さんの笑顔を見ていると、あたしが今までANGELに
持っていたイメージとのギャップを感じちゃうな〜)

ANGELは、つんくが直接バックアップをしている少女だけの集団で、
特別に重火器の携帯を認められている。その仕事は、政府・・・つんくに
刃向かう抵抗勢力の弾圧、非道徳的な活動の規制などである。
その活動のうちで多くの人達を抹殺している。
しかし、安部の笑顔はそうやって何人もの人々を殺害した者が
持ち得ないキレイな笑顔だった。

(さっきの自己紹介といい、軍隊らしくないっていうか・・・)
そんなことを考えていると、安部さんがひとつのドアの前で立ち止まった。