サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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876辻っ子のお豆さん
一気に終らせる。プッチとピョーンソードのダブル攻撃!
私とののの全力攻撃が福田明日香にヒットした。
だが福田はまるで効いていない様に、平然と立ち尽くしている。
「無駄だ。人の手で我を倒す事はできぬ。」
どうなってんだこいつは?本当に人間じゃないっての?
「さて、今度はこちらの番だな。」
福田がゆっくりと攻撃の構えに入る。
その時、下の階から兵士達の騒ぎ声が聞こえてきた。
「なっちだー!勇者なっちが来たぞー!」
それは勇者なっちがこの帝国皇城に辿り着いた合図であった。
「なっちさんれす!」
「ねえねえよっすぃー、なっちってまさかあの?」
「そうだよ、暗黒竜を退治したあの英雄なっちだよ。やっと来たんだ。」
私達は伝説の勇者なっちの登場に湧き上った。
「ちっ、どうやら貴様等小物の相手をしてる場合ではない様だな。」
そう言うと福田は、一足で中庭へ飛び降りた。
「いっちゃったのれす。ろうするれすか?」
「もうここに用はないよ。梨華ちゃんとあいぼんと合流して脱出しよう。」
877辻っ子のお豆さん:02/01/08 00:58 ID:LdtBOYIK
帝国皇城最深部・祭壇の間
巨大な祭壇の右手に気絶した加護が縛りつけられていた。
「離して!どうするつもりなの!」
そして脇の柱には同様に石川が縄で縛られていた。
「おとなしくしてな、お・ひ・め・さ・ま。」
傍に控える新垣が、持っている短剣で梨華の頬をペチペチ叩く。
「もうすぐ福田が愛を連れ戻してくる。そしたら究極魔法の完成や。」
祭壇の中央で、皇帝中澤が高らかに笑う。
すると、その笑い声を止めるかのごとく勢いで扉が開かれた。
「なっちがいる限り、そんなことはさせないべ!」
そこには勇者なっちとその相棒市井紗耶香の姿があった。
「お前が勇者なっちか。」
中澤が現れた二人の元へと歩み寄る。
「どうだ私と手を組まぬか、お前になら世界の半分をやるぞ。」
「悪いけど、興味ないべさ。」
勇者なっちが剣を、市井が槍を構える。
「おっと動くなよ、動いたらあそこの娘が死ぬことになる。」
中澤の指の先に、捕らわれの石川の姿があった。
878辻っ子のお豆さん:02/01/08 00:58 ID:LdtBOYIK
「梨華姫!」
「ごめんなさい、なっち様。」
石川の首筋には、新垣の握る短剣が据えられていた。
「おのれ、卑怯者!」
「卑怯ではない、これは策という物だよ市井君。」
王女梨華を人質にとられ、勇者なっち達には手出しができなくなっていた。
「君達を殺すのはこいつらや。」
皇帝中澤が印を作る、すると召喚獣が二匹出現した。
「釣り好きの杉本さんとカラスの女房や。行け!」
中澤の召喚獣、杉本と女房が勇者なっちと市井を襲う。
「なっち様!私の事はいいから戦って!」
愛しの王子様が傷つく姿を見るに耐えず、梨華が叫ぶ。
「そうゆう訳にはいかないべさ。」
「こんな雑魚の攻撃なんか屁でもないって。」
二人はそういうが、梨華にはもう耐えられなかった。
また私が足を引っぱているよ、私がもっと強ければこんな事には・・
この縄さえ取れれば、なっち様に迷惑をかけずに済むのに・・
梨華は己の弱さが許せなかった。
879辻っ子のお豆さん:02/01/08 00:59 ID:LdtBOYIK
「なんらかたいへんなことになっているのれす。」
ピース村三人組は、石川と加護を探して祭壇の間の前に辿り着いていた。
「くっそー、梨華ちゃんを人質に使うなんて、許せねえ!」
「あの人達が私の身代わりになって助けてくれたの、ほっとけないよ。」
「当然助けだす。でも正攻法じゃ難しいし、なにか良い方法はないかなぁ。」
「ののに任せるのれす!」
ののがドアの隙間から気付かれない様にピョーンソードを伸ばした。
ピョーンソードが上手に梨華の縄を切裂く。
なっち達に見とれていた新垣は、それに気付くのが一瞬遅れた。
縄が解け自由になった梨華の平手打ちが新垣をふっ飛ばす。
それを見た安倍と市井の武器が、瞬時に閃光をあげる。
釣り好きの杉本さん、カラスの女房は瞬殺された。
「やったー、うまくいったのれす!」
「辻ちゃん!それによっすぃーと愛ちゃんも!助かったよ、ありがとう!」
私達は部屋に入って、梨華ちゃんと再会を喜び合った。
「サンキュー、いい弟子を持ったよ。」
師匠とも笑顔での再会を果たす。
残る敵は一人、私達はそいつの方へと顔を向けた。
880辻っ子のお豆さん:02/01/08 01:04 ID:LdtBOYIK
「これでお前の野望も終りだべ、中澤裕子。」
なっちの剣が中澤の袂へと向けられる。
「そ、そんな馬鹿な・・矢口は?紺野は?福田は?何をしとんや?」
「矢口は私が倒したよん。」
「コンコンはののに負けたのれす。」
「福田ってのも、さっきうち等が片付けたよ。」
あの福田を倒したのか、さすが勇者なっちと師匠だ。
全ての策を失った中澤は腰を抜かし、呆然として呟いた。
「くやし涙ポロリ、うちの負けや、殺すなら殺せ。」
それに応じて勇者なっちがゆっくりと剣を振り上げる。
「待って、なっち様!」
すると、梨華が安倍と中澤の間に割って入った。
「もう彼女に抵抗する意志はありません。命までは奪わないであげて。」
「しかし、こいつは貴方の父上を殺した張本人だべさ。それでも・・」
「お願いします。もう嫌なの、殺すとか殺されるとか!」
なっちさんが意見を求めるように私の方を向いてきた。

1. 情けは無用、とどめをさすべきだ。
2. 梨華の言う通りだ。命まで奪うことはないだろう。
3. 判断は勇者なっちに委ねる。