サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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842辻っ子のお豆さん
さっき見つけたベーグルを食べる。
モグモグ、ベーグル大好き。元気が戻ってきたぞ。
「待ってろ、愛!」
私は階段を見つけ上へと急いだ。
最上階まで昇ると窓の外から愛の声が聞こえてきた。
「よっすぃー!ののー!」
中庭を挟んだ向かい側の屋根の上に、福田明日香に追われる愛の姿が見えた。
私は窓から身を乗り出し、愛の名を叫んだ。
「愛―――――――――――――!!!!」
「よっすぃー?よっすぃーなの?よっすぃ――――――――――――!!」
やっと見つけた。やっと会えた。愛だ。本物の愛だ。
「今行くよー!愛―――――――――――――!!!!」
私は無我夢中で窓に足を掛け、向こう側へと思いっきり飛んだ。
「馬鹿め死ぬ気か、10m以上あるのだ届く訳がない。」
だが福田には想像もできない奇跡が、目の前で現実の物となる。
地上から一本の剣がすごい勢いで伸びてきたのだ。
「飛ぶれす!よっすぃー!」
吉澤は剣の柄を足場にさらにもう一段ジャンプした。
843辻っ子のお豆さん:02/01/06 22:20 ID:RWnNFwWX
「愛―――――――――――――――!!!」
私は愛に向かって手をいっぱいに伸ばした。
「よっすぃ――――――――――――――!!!」
愛も屋上のギリギリから身を出し、手を伸ばす。
奇跡は起きた。二人の手が空中で繋がった。
そのまま愛に引っ張られて、私達は屋上へ転がりこんだ。
目の前に涙でくしゃくしゃになった愛の顔がある。
「遅いよ、バカ・・」
「うん。」
「ずっと待ってたんやからね・・」
「うん。」
「もうこのまま会えないかもってすっごい心配したんやよ。」
「うん。」
「・・ありがと。」
「うん。」
私は泣きじゃくる愛を思いっきり抱きしめた。
初めて見た愛の涙は、どんなものより美しく見えた。
ずっとずっと待ち焦がれたこの瞬間が、ようやく訪れたんだ。
844辻っ子のお豆さん:02/01/06 22:21 ID:RWnNFwWX
「愛ちゃーん!!」
中庭からピョーンソードが再び伸びてくる。辻希美を乗せて。
「ののー!!」
ののは屋上に着くなりすぐに、私達の方へ飛び込んできた。
「フワ〜ン!あいたかったよ〜愛ちゃーん!!」
「私も会いたかったよ、ありがとうねののちゃん。本当にありがとうね。」
ののも泣きながら愛と抱き合った。
ピース村の仲良し三人組がようやくここに再会した。
「のの、ナイスアシストだったぜ。」
「てへてへ、キラーパスれす。」
そうやって照れながら、ののは涙眼で微笑む。
ののと一緒ならどんな奇跡でも起こせる気がする。
もう未来の勇者じゃないよ、私にとっては誰よりかっけー勇者だよ。
一番愛する友達と、一番かっけー友達に囲まれて、私は幸せを噛み締めた。
いや、噛み締めるにはまだ少し早いね。
眼前に最後の帝国将軍、福田明日香が憮然と私達を見下ろしている。
こいつとの決着を着けなきゃ、まだ喜ぶのは早い。
これが最後の戦いだ。そんな気持ちで私は再び拳を握った。
845辻っ子のお豆さん:02/01/06 22:21 ID:RWnNFwWX
「愛は下がってて。のの、行くよ。」
「へい、約束通り強くなったところをみせてあれるのれす。」
「がんばって、ののちゃん、よっすぃー。」
私とののは福田明日香の前に立った。
「感動の再会は済んだか、これでもうこの世に未練はないだろう。殺す。」
無表情、それでいて殺気に満ちた視線で福田は語る。
ハロプロ城ではまるで相手にならなかった。でも今は違う。
「もう負けねーのれす!」
「お前を倒して、皆でピース村に帰るんだ!」

1. 一気に終らせる。プッチとピョーンソードのダブル攻撃
2. 確実な試合運び。私は攻撃、ののは防御に専念させる。
3. あせりは禁物。まずは冷静に相手の出方を窺う。