サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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716辻っ子のお豆さん
行く前にこの部屋で何か調達しよう。
そう思った私は部屋の中を見渡したが、特にめぼしい物は見当たらなかった。
やっぱり戦争中だから良い武器はほとんど残ってないのだろう。
あきらめて部屋を出ようと出口に向かうと、扉の脇に小さな箱を見つけた。
「なんだろう?」
箱を開けると中には好物のベーグルが入っていた。
「やった!ラッキー!」
私はベーグルを荷物袋の中にしまって、武器倉庫を後にした。
「ううぅ、イテテ・・あ、お前!」
廊下に出ると、将軍矢口がちょうど目を覚ました所だった。
まずったな、もっと早く武器倉庫を出ていれば気付かれずに済んだのに。
でも過ぎた事を悔やんでも仕方ない、勝負だ。
「崖から落としたのに生きてるとわね、今度は確実に殺してやるよ!」
「それはこっちのセリフだ!お前は絶対許さないからな!」
愛を誘拐し、ののを殺しかけ、私も殺されかけた一番の宿敵である。
思えばこの旅も、こいつが村を襲撃したことから始まったんだ。
あれから私も強くなった。もう前みたいにやられっぱなしじゃないぞ。
ついに因縁の宿敵、矢口との決着を着けるときが来た。
717辻っ子のお豆さん:02/01/02 19:16 ID:dyMT+BmX
矢口はその性格上、出し惜しみすることはない。
はなから最大の技を放ち、一気に勝負を決めに入るタイプである。
そして今回も、もはや定番となったあの構えから入る。
「セクシービーム!!」
これまでの対戦で、吉澤はそれを知っていたので対策もあった。
「飛行機!」
飛行機の形をとり、素早さが大幅アップ!
見事セクシービームを避けてみせた。
「今度はこっちの番だ!プッチ!」
「何!」
吉澤ひとみも最大の奥義で応戦する。プッチバージョン3「恋にKO」発動!
だが、ちっちゃな矢口はその身軽さでプッチを軽々と躱した。
「あっれー、やっぱ隙をついて撃たなきゃ駄目か。」
「おい!お前がどうしてプッチを使えるんだ?」
プッチを見て、矢口は驚きを隠せなかった。その威力を知っているからだ。
「師匠に教わったんだよ。」
「師匠だって!まさか紗耶香・・市井紗耶香か?」
意外な相手から師の名前が出た事に吉澤も驚いた。
718辻っ子のお豆さん:02/01/02 19:16 ID:dyMT+BmX
1F武器倉庫前廊下にて、吉澤vs矢口
帝国皇城中庭にて、辻vs紺野
そして最後の衝突がここ、王座の間にて始まろうとしていた。
加護と石川の前に立ち塞がるのは皇帝中澤、将軍福田、そして新垣。
「どうして貴方がここにいるの、答えなさい新垣!」
石川は元自国の騎士であった娘が、どうしてこの場にいるのか理解できなかった。
「つんくのいないハロプロ等、クズの集まりでしかないでしょ。
 世の中長い物に巻かれろって事なの、おわかり世間知らずのお姫様。」
微笑を浮かべた新垣が、淡々と答える。
「それで裏切ったというの、酷い。」
「わかりゃしねえよ、てめえみたいな上品なお嬢様にはよ!」
相変わらず不愉快な石川の態度に、新垣は怒りを露わにした。
貧しい家庭で育った彼女は、現実の厳しさというものを身を持って知っていた。
生きていく為には、金を得る為には、地位を得る為には、
コネを使おうが、誰かを裏切ろうが知った事じゃないんだ。
どっかのお姫様みたいに、奇麗事だけで生きていける程甘くないんだよ。
「邪魔者もいないみたいです、予定通り捕らえましょう。皇帝陛下。」
怒りを内に秘め、新垣は中澤にそう告げた。
719辻っ子のお豆さん:02/01/02 19:16 ID:dyMT+BmX
「ちょっと待てや〜!お前等の好きにはさせへんで〜!」
ミカからぶんどった鎖鎌を振り回し、あいぼんが吠える。
「加護ちゃん。」
「下がっとれや姫さん。ここはうちが相手したる。」
その姿を見て、皇帝中澤が面白そうに笑い出す。
「アハハハハハハ、用があるのは石川よりもむしろあんたの方やで、亜依ちゃん。」
「なんやて?」
「ようやく二人のアイが揃う時が来たんや。」
中澤は大袈裟に腕を広げ、古より伝わる伝承を語り始める。
「二つのアイ、一つになる時、究極魔法発動す。」
究極魔法、その力は一つの国を一瞬で消し去る程と云われている。
ようやく加護は理解した。今まで自分が帝国に狙われていた訳を。
「さあ、私の元へ来い、加護亜依。」
中澤の魔の手が加護に迫る。その時石川は・・

1. 加護の手を引いて、その場を逃げ出した。
2. 加護と二人で戦う意志を固めた。
3. 自分一人で逃げ出した。