629 :
辻っ子のお豆さん:
私達4人は帝国皇城を裏口からこっそり忍び込んだ。
「うまいこと見つからずに忍び込めたな」
「気付かれる前に愛ちゃんをみつけるのれす。」
「よし、行こう。」
なるべく音を立てない様に、皇城の廊下を走る。
「待って、声がするわ。隠れよ。」
梨華の言う通り、前方から二人組の兵士が歩いてきた。
とっさに物置の様な部屋に隠れたので、なんとか気付かれずに済んだ。
「ったく、何で俺達が城で留守番なんだよ。派手に暴れたかったのによ。」
「まあまあ、落ち着いて大谷さん。これも大事な役割ですよ。」
どこかで見た様な二人だった。
「ちぇ、お前はいいよな。昇進して今やキャプテンだもん。」
「ヘヘー、あ、そう言えばさっき将軍が三人とも引き上げてきましたね。」
「ああ、なんでも勇者なっちが攻めて来るからって話だぜ。」
「例のスパイさんの情報ですよね、本当ですかねぇ?」
「さあな、まあ一応用心にこしたことはないだろ・・」
そんな雑談をしながら、二人組の兵士は去っていった。
スパイ?誰の事だろう?
630 :
辻っ子のお豆さん:01/12/30 01:29 ID:PUaM8vor
「私の情報に間違いはないですよ、中澤皇帝陛下。」
スパイ新垣里沙は笑みを浮かべて大袈裟に頭を下げた。
彼女は王を失ったハロプロ王国に素早く見切りをつけ、帝国へと渡っていたのだ。
ハロプロ近衛騎士時代に入手した王国の内部情報を売り渡し、
今度はそのコネで、帝国内でのし上がっていた。
「ああ、優秀なスパイが手に入って、助かったよ。」
その情報によって、この戦争も帝国に有利に進んでいた。
さらにいち早く勇者なっちの情報も入り、戦地から三将軍を呼び戻すことができた。
「勇者なっちごとき、私一人でも十分ですよ。」
将軍の一人、福田明日香が相変わらず不敵な態度で言い張る。
「バカが、お前はあいつの強さを知らないんだ。」
なっちの名を聞き、矢口将軍の顔に焦りが浮かび上がっていた。
矢口は以前なっちと共に戦ったことがあり、その実力は身を持って知っていたのだ。
「なつみが敵に回るとはね、厄介なことになったよ。」
「そんなに強い人なんですか、その人は?」
紺野がオドオドしながら尋ねる。
「ああ、それに紗耶香も一緒なんだろ。二人同時に相手するのは厳しいね。」
「心配御無用です。対策は考えてありますよ。」
そう発したのは、スパイ新垣であった。
631 :
辻っ子のお豆さん:01/12/30 01:29 ID:PUaM8vor
「ほう、何だ言ってみな。」
中澤に許しをもらい、新垣が前に出て発言をする。
「勇者なっちは現在、その剣を失っていて全盛期の力はありません。」
そう、勇者の剣は現在松浦の手にあった。
「さらに奴の弱点とも言うべき存在を見つけました。」
「誰よそれ?」
「ハロプロの王女、石川梨華です。」
「キャハハ、あんた馬鹿?今から姫様捕らえに行くっての?間に合う訳ないでしょ!」
新垣の発言に、矢口が文句をつける。
「いえ、それがなぜかいるんですよ今、この城の中に・・」
「なんだって!ハロプロ王国の王女がか!」
すると新垣は懐から、小さな受信機を取り出した。
「私はあの女に少し恨みがありましてね、超小型の発信機を付けておいたのですよ。
あいつが肌身離さず持ち歩いているペンダントにね。」
その反応は確かに帝国皇城の内部を示していた。
「なるほどね、そのお姫様を捕まえて人質にすりゃなつみも手が出せないって訳か。
よーし、そうとわかりゃすぐに行動だ。行くよ紺野!」
「は、はい!」
恐怖の参謀新垣の策により、吉澤達に危機が迫る。
632 :
辻っ子のお豆さん:01/12/30 01:30 ID:PUaM8vor
「愛、どこにいるんだろう?」
広い城内を進む4人には、危機が間近に迫っている事等知る由もない。
「とりあえず、片っ端から部屋を調べてみようよ。」
「そやな。」
「どこからしらべるれすか?」
目の前には三つの扉があった。
1. 武器倉庫
2. 食堂
3. 紺野の部屋
3で
| ハ@
|‘д‘)<3
|⊂
|
順序と言うか、敵地に攻め込むセオリーで
1
1は正統派で良いんだけど、3でお願いします。
3で
3
639 :
のてせ:01/12/30 02:59 ID:YU2sMW6A
手ぶらじゃないだろうし、ハラペコでもなさそうだし
「3」ですな。
2で。
ののを満腹にしておこう。
641 :
ねぇ、名乗って:01/12/30 04:20 ID:eILJe4KZ
2
紺野の部屋・・・気になる(w
3で。
3
644 :
夢幻夢:01/12/30 08:52 ID:OT1Ybitd
3で。
しかし武器倉庫・食堂・紺野の部屋が並んでるなんて
凄い城だな。紺野一応将軍なのに・・・。
3
646 :
ざわ…:01/12/30 10:54 ID:vXTpoEgZ
3で〜
矢口との対決が近い。ののを満腹にして戦闘体制を・・・と思うのだが・・・
今回は3で(w
3
3−。
3
絶対3♪
食堂もいいが、やっぱこんこんのお部屋が魅力的。
以前、野良猫をおっかけたこんこんに辻加護が救われたのを思い出して、3。
3で♪
3
655 :
。。。:01/12/30 17:52 ID:J5fuk5dD
昨日から娘切草以降全部読んでやっと追いついた。
読み応えがあって面白いです。
死んでるのは寺田とソニンだけか。合掌。
ってか「ハッピーエンド」で紺野ヲタになりつつあるのは俺だけっすか(w
そんなわけで3希望
( ´D`)<3がいいのれす!
2だろ。。オナかいっぱい辻ちゃんです・
あと年末忙しいと思うけど辻豆さんがんばってqq
658 :
辻っ子のお豆さん:01/12/31 01:29 ID:dcwA/QiI
紺野の部屋から調べることにした。
一見ごく普通の女の子の部屋に見えたが、よく見るとおかしな物が転がっている。
空手胴着、茶帯、瓦、サンドバック、金魚の水槽、ドラゴンボール全巻。
「にゃははは、おもしろいのれす。」
「あちょー!」
予想通り辻加護は、瓦を割ったりサンドバック叩いたりして遊び出した。
「クリリンが死んじゃったよ〜。」
梨華ちゃんは漫画を読み出すし、こんな事してる場合じゃないのに・・
と思いつつ、私もパクパクしてる金魚を覗き込んだ。
「二重飛びやで〜!」
するとあいぼんが今度は茶帯で縄跳びを始めた。
「ののにもかしてくらはい。」
「うわ、押すな押すな!」
よろけた二人が背中にぶつかった勢いで、金魚の水槽をぶちまけてしまった。
「やっべ、金魚が死んじゃう。」
「あー、水槽の水で漫画が濡れちゃったよ!」
「あいぼん、茶帯がちぎれてしまったのれす!」
紺野の部屋は地獄絵図と化していた。
「行こか。」
659 :
辻っ子のお豆さん:01/12/31 01:29 ID:dcwA/QiI
廊下に出ると、矢口紺野とばったり鉢合わせしてしまった。
「げっ!」
「あー!お前等はあの時の!」
「あれ、どうして私の部屋から?」
紺野は嫌な予感を察知し、急いで部屋を覗きこむ。
粉々に砕かれ散乱した瓦、穴の空いたサンドバック、水浸しの大好きな漫画。
まるで台風が去った後かのような自分の部屋の姿がそこにあった。
「ここ君の部屋なの、ごめん。金魚死んじゃった。」
プチ・・
「すまんなぁ、茶帯ちぎれてもうた。」
プチ・・
吉澤と加護の弁明に、紺野は固まって動かなくなった。
唯一の友達であったペットの金魚ちゃんが死んだ。
空手家の魂とも言える命より大事な茶帯が引き千切られた。
紺野の精神が崩壊してゆく。
プチン!
「キャハハ、何だよ紺野その変な顔は!」
変な顔して固まる紺野。彼女の中で何かが変わった。
660 :
辻っ子のお豆さん:01/12/31 01:30 ID:dcwA/QiI
ドーン!
大砲のような紺野の正拳突きで加護は吹っ飛んだ。
「あいぼーん!」
次の瞬間、吉澤にも紺野の正拳突きが入り、派手にぶっ飛ばされた。
「よっすぃー!」
石川と辻の叫び声が廊下に響き渡る。
あの吉澤と加護が一撃でダウンしていた。とてつもない破壊力である。
変な顔した紺野は、突きの態勢で固まっている。
「なんだよーお前、やればできんじゃん!」
見直した矢口が紺野の肩をポンと叩く。
ドーン!
大砲のような正拳突きが矢口にも炸裂した。
「こ、紺野・・お前、なんで私ま・・ゲホッ!」
将軍矢口も一撃KOされた。
気がふれた紺野には、すでに敵味方の区別はなかった。
近づく物を破壊し尽くす格闘マシーンと化していたのだ。
その動きは制御不能で、自ら壁に頭をぶつけている。危険すぎる。
そして次のターゲットが残る二人に定められた。
661 :
辻っ子のお豆さん:01/12/31 01:30 ID:dcwA/QiI
変な顔したままの格闘マシーンが、一歩一歩近づいてくる。
「13人が〜か〜りのク〜リス〜マス〜♪」
「訳わかんない歌うたってるよ、どうしよう辻ちゃん。」
「やるしかねーのれす!」
勇者ののと王女梨華に最大の脅威が迫る。
1. 勇者ののの新装備「ピョーンソード」
2. 王女梨華の新魔法「ハッピー!イェーイ!」
3. とんずら
662 :
辻っ子のお豆さん:01/12/31 01:32 ID:dcwA/QiI
これが今年最後の更新かな。
えらいシーンで終ったもんだ。
じゃあみんな、よいお年を。
やった、更新に立ち会えた。
ここはやっぱり1です。
更新キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
辻豆さん、乙。
来年も楽しませてください。
1かな・・・。
2で。
667 :
のてせ:01/12/31 02:04 ID:FRDpdpqj
>辻豆さん
ご苦労様でした、そして「コンゴトモヨロシク……」
逃げ切れなさそうだし、イタそうな魔法だし、加護いないし……
「1」かな。
やはり紺野は只者じゃなかった・・・(w
FFでトンベリと遭遇したときのような恐怖感を感じます。
ここは2で。 辻豆さん、よいお年を。
2 見たい
1はもう少しとっておいて欲しいので、2で。
辻豆さん、来年も頑張って下さい。
辻豆さん、今年1年ご苦労様でした。
新年から、ののを見たいので
1
ピョーンソードをここで使うのはなぁ・・・
クライマックスで炸裂するのを期待。
2で!
よし。3だ。
2で♪
辻豆さんも良いお年を♪
| ハ@
|‘д‘)<1やね
|⊂ 良いお年を >>辻豆さん&みなさん
|
2でお願いしたい。なんか期待できそう。
2で
678 :
。。。:01/12/31 15:42 ID:BGgzVu9U
矢口までぶっ飛ばすとは・・・
完全に悟空の大猿ぢゃねぇか(w
やっぱ1はもったいないので2♪
ただコレやると紺野味方になっちまうかも。
2で〜
2かな
来年は今年よりも、(自分も含めて)少しだけでもHAPPYに過ごせますよ〜に!
みなさんよいお年を(^0^)~~~~~~
( ^▽^)<2で 辻豆さんもみなさんも「ハッピー! イェーイ!」
1かなぁ。
よいお年を。
あけおめ!
辻っ子さん、加護っ子さんも良いお年を・・・
1はあとのお楽しみってことで2でお願いします
うんと3
3だと別れちゃうかな。て訳で1。
1
あけました\(^〇^)/
2でお願いします。はっぴ〜♪
3。
危険過ぎるぜ!
2で!
明けましておめれとうございまふ。
新年は是非、ののの活躍から始まって欲しいのれ1!
しかし、紺野の部屋は面白いかったな。
選んでよかったぜ。
ドラゴンボールといえば、最近、TVであややを見るとランチさんを思い出す、今日この頃。
くしゃみ一発ブラックあやや〜、みたいな。
691 :
辻っ子のお豆さん:02/01/01 23:52 ID:aLocvHzB
( ´D`)<あけましたれすね。
サウンドノベル4「ハッピーエンド」今年も応援よろしくお願いします!
2de
693 :
辻っ子のお豆さん:02/01/02 01:10 ID:srEyUnaQ
王女梨華の新全体回復魔法「ハッピー!イェーイ!」
ハッピーがみんなを包む。吉澤と加護は復活した。
「おおっ!元気が戻ったで〜!」
「梨華ちゃん、すげー!」
「良かった、うまくいった。ハッピー!」
だが喜んでばかりもいられない、格闘マシーン紺野が再び迫って来る。
「ここは逃げた方が良さそうだね。」
4人は一斉に回れ右して走り出した。
すぐ近くにあった食堂に入って、扉の鍵を閉める。
「フゥーこれで一安心・・」
メキメキ!
なんとコンコンは扉を突き破って中へ侵入してきた。
「嘘だろ!なんだよこいつは!」
私達はそれぞれに目に付いたドアから一目散に逃げ出した。
「ハアハア、ここまでくればもうあんしんれすね。」
辻は中庭の様な所まで逃げ延びた。
他の皆の姿が見えない。どうやら逃げるのに夢中ではぐれてしまったみたいだ。
「よっすぃー!あいぼーん!梨華ちゃーん!」
辻は急に心細くなって皆の名を叫んだ。
694 :
辻っ子のお豆さん:02/01/02 01:10 ID:srEyUnaQ
ガサッ・・
草むらから人の気配を感じ、辻は振り返った。
「13人が〜か〜り〜の〜お正月♪」
その声は暴走紺野のものであった。
よりによって自分の所へ追いかけてくるなんて、なんてついてないんだと思った。
でも逆に考えれば、他の三人は無事に逃げる事ができたという事だ。
私がこいつを倒せばそれで万事解決である。
辻は覚悟を決め、ピョーンソードを持ち直し構えた。
ここなら広いから、思う存分この剣の力を発揮できる。
接近戦に持ち込まれる前に倒せば勝機がみえると考えた。
例え接近戦に持ち込まれたとしても、辻には自慢の腹がある。
「まけないれすよ!」
勇者ののvs暴走コンコン
全てを打ち抜く紺野の正拳突き。
全てをはね返す辻の腹。
常識を覆した者同士二人、矛盾する激突。
ある意味究極の戦いが今ここに実現した。
695 :
辻っ子のお豆さん:02/01/02 01:11 ID:srEyUnaQ
その頃、加護と石川は城の廊下をさまよっていた。
「よっすぃーと辻ちゃん、ちゃんと逃げれたかなぁ。」
「アイツ等の事や、多分大丈夫やと思うけど、やっぱ心配やな。」
この二人はたまたま同じ方向に逃げたので、はぐれることはなかったのだ。
二人が階段を上ると、目の前に大きな扉があった。
「なんやろここ、開けてみよか。」
石川の返事を聞く前に、加護はすでに扉に手をかけていた。
扉を開けると、そこには豪勢な王座の間が広がっていた。
「ようこそ、ハロプロ王女梨華殿、そしてもう一人のアイちゃん。」
趣味の悪い宝石で彩られた王座に、一人の女が座っていた。
「なんやお前?」
「はじめましてやな、私が中澤帝国皇帝の中澤裕子よ。」
皇帝中澤はゆっくりと立ち上がり、貫禄に満ち溢れた顔で二人を見下ろす。
「あ、あなたが、帝国の頂点の…」
そのあまりの風格に石川は少し気押された。
そして中澤の横には見覚えのある娘が二人並んでいた。
帝国三将軍の一人、福田明日香。
もう一人は数日前まで近衛騎士として王国にいたはずの少女、新垣里沙。
696 :
辻っ子のお豆さん:02/01/02 01:11 ID:srEyUnaQ
辻、加護、石川、それぞれに危険な遭遇が起きていた頃、
吉澤ひとみは食堂の隣の武器倉庫で休んでいた。
「まいったな、みんなと離れ離れになっちゃったよ。」
この広い城の中で探すのはかなり大変である。
「まぁいいや、あの紺野ってのもいなくなったみたいだし、そろそろ行くか。」
よっすぃーは勢いよく跳ね起きた。
1. 中庭へ行こう。
2. 上の階へ上がろう。
3. 行く前に、この部屋で何か調達しよう。